自分で学費を払う大学生は20%以上!学費が払えない時の公的支援制度を紹介

大学の学費高騰などの影響を受け、自らのバイト収入で学費や生活費を賄う大学生は増えています。
しかし、学業とバイトの両立は決して簡単ではありません。
バイト先企業の業績悪化などにより収入が大幅に減少し、大学を中退せざるを得ない状況に追い込まれるケースも少なくありません。
この記事では、学費や生活費を自分で負担している大学生が、どのようにお金を工面しているかを紹介します。
さらに、収入の減少によって学費や生活費が工面できない場合の解決策や、公的支援なども紹介していますので、参考にしてください。
もし、借金が影響して学費や生活費が捻出できないような状況であれば、無料で相談にのってくれる法律事務所に助けてもらうのも一つの手段です。
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- 大学生の学費+生活費は年間平均191万円
- 学費や授業料が払えない時に受けられる公的支援がわかる。
- 収入が減り学費や生活費が工面できない時の解決策がわかる。
大学生の20%以上が学費や生活費を自分で負担している
子供が大学に進学するとなったら「親が学費を負担してくれる」という家庭がほとんどでしょう。
しかし、中には自分で学費や生活費を払いながら、大学に通う人も一定数は存在します。
昨今では私立大学だけでなく国公立大学の学費も高騰しており、特に兄弟姉妹のいる家庭では学費の負担が重くなります。
その結果、どうしても子供のバイト代などで学費や生活費を補うしかないのです。
学費や生活費を自分で負担している大学生は、全体の20%以上ともいわれています。
- 大学生の学費や生活費は実際どのくらいかかるのか?
- 自分で学費や生活費を払っている大学生は、どうやってお金を工面しているのか?
次の項目から詳しくお伝えします。
大学生の学費+生活費は年間平均191万円
独立行政法人日本学生支援機構が2020年に発表した「平成30年度学生生活調査」によると、大学生の平均的な学費+生活費は、年間191万3,500円。
このうち、授業料などの学費は120万8,800円、食費・家賃・光熱費・娯楽費などの生活費は70万4,700円と、学費が全体の60%以上を占めています。
今後学費が高騰した場合、学費+生活費に占める学費の割合がさらに増え、生活費が圧迫されることが予想されます。
借金や夜職で学費や生活費を工面する人もいる
前述した独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、大学生の収入額に占めるアルバイトの割合は増加しており、家庭からの給付や奨学金の割合は減少しています。
昼間は授業のある大学生は、十分な生活費を得るために夜職のバイト(キャバクラのボーイなど)をする人も多いです。
しかし「レジ締めの際に金額が合わないと、その日に出勤した人が弁償しなければならない」など、事あるごとに罰金として給料が引かれるような職場もあるので注意が必要です。
とはいえ、土日だけのバイトでは満足に収入が得られず、中には生活費に困って借金をしてしまう人もいます。
一度借金をしてしまうと、借金の返済でさらに家計が圧迫され、借金返済のために借金をする自転車操業になるケースが多いです。
複数社から借入を繰り返し、雪だるま式に借金が増える多重債務の状態に陥ると、自力で解決が難しくなるため、法律事務所への相談が必要になります。
そうなる前に、まずは後の項目で紹介する「学費や生活費の工面ができない時の解決策」を参考にしてください。
学費や授業料が払えない時に受けられる公的支援
授業や勉強の合間を縫って真面目にバイトをしている人でも、急に収入が減って学費や授業料が払えなくなるケースは珍しくありません。
収入減少によって学費や授業料が払えなくなった人は、国や地方団体などの公的支援を受けられる可能性があります。
- 給付型奨学金+学費減免が受けられる「修学支援」
- 家庭から自立した学生が対象の「学生支援緊急給付金」
- 無利子で借りられる生活福祉資金貸付制度の「教育支援資金」
上記3つの制度について、次の項目から詳しく紹介します。
給付型奨学金+学費減免が受けられる「修学支援」
2020年4月から、高等教育の修学支援新制度が始まりました。
この制度は、以下の2つの支援が受けられる制度です。
- 授業料・入学金の免除または減額
- 給付型奨学金の支給
なお、入学後3ヶ月以内の定められた期日までに申し込んだ人であれば、授業料の他に入学金の免除や減額も受けられます。
支援対象となるのは、主に「住民税非課税世帯」か「それに準ずる世帯」の学生です。
しかし、実際には基準を満たす世帯年収は家族構成や構成員の年齢などにより異なります。
支援の対象となるか、どれくらいの支援が受けられるかは、日本学生支援機構のホームページでシミュレーションすることができます。
自身が対象になるかを知るためには、世帯の収支状況を入力する必要があるので、保護者などに相談しながら試すとよいでしょう。
「修学支援」申請の流れ
給付型奨学金の申込みは、年2回「4~5月頃」と「9~10月頃」に、所属大学の奨学金窓口を通して日本学生支援機構に申し込みます。
この時併せて、所属大学に授業料など減免の申込みをおこないます。
ただし、現在は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、当分の間申請日の属する月から支給開始できるよう運用が拡充されています。
申込みにあたって、まずは所属大学から必要書類を受け取ります。
必要書類を学校に提出し、インターネット(スカラネット)で申込みをします。
スカラネットについて、詳しくはこちらのサイトを参考にしてください。
なお、奨学金の申込みにはマイナンバーの提出が必要です。
マイナンバーは、学校を通さず所定の様式により日本学生支援機構へ直接郵送します。
様式と提出方法の詳細については、以下のサイトで確認してください。
参照:在学採用申込みにおけるマイナンバーの使用 – JASSO
その後、学校が申込者の学業成績・学修意欲を確認し、日本学生支援機構に推薦します。
選考結果は学校を通じて知らされ、採用となった場合は奨学金の支給が始まります。
対象要件などについてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの文部科学省のサイトを参考にしてください。
参照:学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度:文部科学省
家庭から自立した学生が対象の「学生支援緊急給付金」
学生支援緊急給付金は、家庭から自立してバイト収入により学費などを賄っている学生が対象の制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響でバイト収入が大幅に減少するなどして、大学を中退せざるを得ない学生に対し、現金を支給します。
具体的には以下のような学生が対象となりますが、最終的には大学側が学生の自己申告状況などに基づき総合的に判断します。
- 家庭から多額の仕送りを受けていない。
- 原則として自宅外で生活をしている。(自宅生も可)
- 生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い。
- 家庭の収入減少などにより、家庭からの追加的給付が期待できない。
- アルバイト収入が大幅に減少している。(50%以上)
この他、既存の支援制度の利用状況なども判断材料となるので、詳しくは所属大学に確認するとよいでしょう。
給付額は、対象学生の生計維持者(保護者など)の世帯収入によって変わります。
- 住民税非課税世帯の学生・・・20万円
- 上記以外の学生・・・10万円
なお、給付された現金を返還する必要はありません。
「学生支援緊急給付金」申請の流れ
まず、以下の文部科学省ホームページから「学生支援緊急給付金申請書」「誓約書」の様式をダウンロードし、必要事項を記入してください。
参照:学校関係者の皆様向けページ(「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』 ~ 学びの継続給付金 ~):文部科学省
次に、定められた期限までに「支給要件を満たすことを証明する書類」を所属大学へ提出します。
個々の状況により必要書類は異なるため、所属大学に確認するとよいでしょう。
所属大学等が提出書類を確認したのち、支給要件に該当するかどうかを審査します。
各大学での審査の結果、要件に合致すると判断されると、日本学生支援機構から申請時に提供のあった学生の口座に給付金が振り込まれます。
対象要件などについてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの文部科学省のサイトを参考にしてください。
参照:「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』 ~ 学びの継続給付金 ~:文部科学省
無利子で借りられる生活福祉資金貸付制度の「教育支援資金」
教育支援資金とは、都道府県社会福祉協議会が実地する生活福祉資金貸付制度の一つで、使用用途によって「教育支援費」「就学支度費」の2つの種類があります。
どちらも無利子・保証人不要で借りられますが、世帯内で連帯借受人が必要です。
据置期間は「卒業後6月以内」で償還期限は「据置期間経過後20年以内」となっています。
教育支援費の場合は、通う学校の種類により貸付限度額が異なります。
高校 | 月3.5万円以内 |
---|---|
高専 | 月6万円以内 |
短大 | 月6万円以内 | 大学 | 月6.5万円以内 |
ただし、特に必要と認められた場合は、上記各上限額の1.5倍まで貸付可能になることもあります。
また、就学支度費の貸付限度額は50万円以内です。
「教育支援資金」申請の流れ
まずは、市区町村の社会福祉協議会、または民生委員へ相談してください。
相談により資金の申込みが適切と判断された場合は、申請書類をそろえて申請の準備をします。
申請には以下の書類が必要です。
- 借入申込書
- 住民票の写し(世帯員全員分、発行後3ヶ月以内のもの)
- 借入申込者の世帯員全員分の収入証明
- 学校に関する書類
⑶借入申込者の世帯員全員分の収入証明については、自営業の場合、源泉徴収票以外の確認書類が必要です。
また、⑷学校に関する書類については、申請する時期によって必要書類が異なります。
・募集要項(在学期間・入試日程・学費などの金額や納入期限が確認できる学校発行の書類)
・他の奨学金制度などの決定状況が分かる書類
・併願する場合は併願校一覧
・募集要項(学費などの金額や納入期限が確認できる学校発行の書類)
・入学金や学費が未払いであることを確認できる書類
・合格通知書
・他の奨学金制度などの決定状況が分かる書類
・学費の金額や納入期限が確認できる学校発行の書類(請求の通知)
・学費の支払状況を確認できる書類(既払い分、未払い分について)
・在学証明書(申込日の直近に発行のもの)
・他の奨学金制度などの決定状況が分かる書類
この他、状況により別途書類の提出が必要な場合もあるので、詳しくは相談の際に確認するとよいでしょう。
その後民生委員が自宅を訪問し、面接をおこないます。
申込みをすると決まったら、申請書類を市区町村の社会福祉協議会に提出し、東京都社会福祉協議会の審査を受けます。
貸付が決定したら、借用書を作成して市区町村の社会福祉協議会に提出します。
借用書には借受人・連帯借受人・親権者(借受人が未成年の場合)の自筆の署名、実印の押印が必要です。
また、署名・捺印した人全員の印鑑登録証明書を添付する必要があります。
借用書の提出後、資金が交付されます。
申請を希望する人は、住んでいる地域の市区町村社会福祉協議会に問い合わせてください。
参照:都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)|全国社会福祉協議会
バイトの収入が減り学費や生活費の工面ができない時の解決策
前の項目では、学費や授業料が払えない時に受けられる公的支援について紹介しました。
しかし、前述の公的支援だけでは生活費が工面できず、結局生活が苦しいという人もいるでしょう。
次の項目から「収入が減った時に自分でできる解決策」や「受けられる保障や公的支援」について詳しくお伝えします。
授業時間と被らない短時間や在宅のバイトで収入を増やす
元々働いていた企業の業績悪化などが原因で収入が減った場合は、前の項目でお伝えしたAさんの事例のように、転職して収入を増やすことを考えてみましょう。
転職先を選ぶポイントとしては、授業時間と被らない職種や、就業時間を自分で決められるような仕事を選ぶことです。
例えば、土日のみの勤務が歓迎される引っ越しのアルバイトや、短時間の勤務が可能なコンビニのアルバイトなどがおすすめです。
Aさんのように、在宅でできる仕事を選べば、通勤時間を節約できるので勉強や遊びに使える時間も増やせるでしょう。
他にも、こちらの記事では「コロナ禍でもバイトの募集をしている在宅ワークなどの職種」を紹介しているので、参考にしてください。
学費や生活費が工面できない時受けられる保障や公的支援を利用する
前述した公的支援以外にも、収入が減って学費や生活費の工面ができない時に受けられる保障や公的支援はたくさんあります。
- 会社都合の休業でもらえる「休業手当」
- 休業手当をもらえない時に申請できる「休業支援金」
- 生活資金に困った時借りられる「生活福祉資金貸付制度」
- 家賃が払えない時に申請できる「住居確保給付金」
- 保険料・税金・公共料金などの減免・猶予申請
- 自分が受けられる公的支援を相談できる「生活困窮者自立支援制度」
それぞれの保障や公的支援について、詳しくはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
借金があって学費や生活費が捻出できない時は法律事務所の無料相談を利用する
ここまで、収入が減って学費や生活費の工面ができない時の解決策について紹介してきました。
しかし、中には「借金やローンの支払いがあり、前述の解決策だけでは借金返済しながら学費や生活費を捻出できない」という人もいるでしょう。
借金の返済が滞りそうな時は、早急に借入先へ連絡して事情を説明し、返済計画を見直してもらうよう交渉しましょう。
交渉の際は返済が厳しい理由を具体的に伝えるのはもちろんのこと、返済計画を見直した後の具体的なプランを提案できるようにしておくと、応じてもらえる確率が高まります。
- 今後月いくらで何年かけて返済していくのか?
- どこかで遅れた分を補填できる見込みがあるか?
上記のような事柄が分かるように、できるだけ具体的なプランを立てましょう。
もし交渉しても希望する金額での返済に応じてもらえない場合は、専門家である法律事務所に相談することをおすすめします。
当サイトでは、無料相談を受け付けている法律事務所を紹介していますので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
授業や日々の勉強の合間を縫って真面目に働いていても、バイト先企業の都合で突然収入が減ってしまうケースは少なくありません。
新型コロナウイルス感染症の影響で在宅ワークを積極的に取り入れる企業が増えている今、将来就職した時のことを考えて、今から在宅ワークの仕事に慣れておくのもよいでしょう。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で内定の取り消しや入職時期の繰り下げにあった人は「新卒者内定取消等特別相談窓口」を利用するとよいでしょう。
全国56ヵ所の新卒応援ハローワークに設置されており、卒業後でも利用できます。
「内定が取り消されてしまいそう・・・」
「内定が取り消されてしまった・・・」
「就職活動に自信・意欲をなくしてしまった・・・」
このような場合に、内定取消し回避に向けて企業へ働きかけてくれたり、早期に新たな就職先を決定できるよう支援してくれます。
また、臨床心理士などの心理的なサポートも受けられます。
新卒応援ハローワークの所在地はこちらのサイトで確認できます。
参照:新卒応援ハローワーク一覧
または最寄りのハローワークでも相談を受け付けています。
来所しなくても電話で相談できますので、ぜひ気軽に活用してください。
大学の学費についてよくある質問
入学する大学や地域にもよりますが、平均して年間200万円近くかかります。
主な方法は「アルバイトをする」「奨学金を利用する」のどちらかになります。貸金業者からの借金は、家計が圧迫されて借金返済のために借金をする自転車操業になるケースが多いため、避けたほうがよいでしょう。
給付型奨学金+学費減免が受けられる「修学支援」や、家庭から自立した学生が対象の「学生支援緊急給付金」、無利子で借りられる生活福祉資金貸付制度の「教育支援資金」などがあります。
「修学支援」や「学生支援緊急給付金」は大学の奨学金窓口、「教育支援資金」の申請は市区町村の社会福祉協議会または民生委員へ相談しましょう。
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