元彼の借金の連帯保証人を解除し、肩代わりを回避する方法はあるのか?

数年前に別れた元彼の借金について、私が連帯保証人になっているということで200万円の請求が来ました。正直、覚えもないですしもう関係もないので払いたくないのですが、どうしたらよいでしょうか?


当時「絶対迷惑はかけない」「名前だけ貸して」などと言われてサインをした覚えはありませんか?もしそうでなく、元彼が勝手にあなたを連帯保証人にしていたなら、返済義務を解除できる可能性があります。
そういえば、そんなことがありました・・・。でも、もうかなり前のことで、連絡もずっと取っていません。何とか返済義務を逃れられないのでしょうか?


あなたの意思でサインした場合、連帯保証人を解除することは難しいです。しかし、かなり前の借金なら時効が成立する可能性があります。まずは債権者から送られてきた書類を持って、法律事務所へ相談にいらしてください。
ある日突然、元彼の借金の請求が届き慌てて内容を見ると、自分が連帯保証人になっていたというケースは少なくありません。
その場合、自らの意思で連帯保証人になっていたのを忘れていたケースと、知らない間に連帯保証人にされていたケースがあるかと思います。
どちらにせよ、もう関係のない元彼の借金を支払うなんて、納得いかないと思う人が大半ではないでしょうか。
しかし、借金の連帯保証人の解除は難しいことが多く、債権者からの請求に応じなければ給料や財産の差押えに発展する可能性もあります。
そのため、解除が可能な条件に当てはまらない場合は、早急に弁護士へ相談して債権者との交渉や債務整理を依頼するとよいでしょう。
当サイトでは、借金問題に精通している弁護士を紹介しています。連帯保証人の解除が可能かどうかも含め、無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

- 任意でなった連帯保証人の解除は、原則難しい。
- 勝手に連帯保証人にされた場合、証明できれば連帯保証人の解除ができる。
- 肩代わりした場合、元彼の住所が分かれば元彼へ請求できる。
連帯保証人の解除が可能な条件は?
以下のような場合は、債権者から元彼の借金を請求されたとしても、連帯保証人としての契約を解除できる可能性があります。
- 元彼が勝手に連帯保証人にしていた
- 脅迫されたり騙されて連帯保証人になった
- 口約束で連帯保証人となっていた
- 借金が時効となり返済義務がなくなっている
次の項目からそれぞれ詳しく解説します。
元彼が勝手に連帯保証人にしていた
まず、元彼があなたを勝手に借金の連帯保証人にしていた場合です。
ただし、以下のような場合は同意していたとみなされ、解除は難しいので返済義務が生じます。
- 「名前だけ貸して」と言われ、よくわからないが自分の意思でサインした
- 内容を読まずにとりあえずサインだけした
- 「迷惑をかけない」と言われたからそれを信じてサインした
「勝手に連帯保証人にされていた」とは、実印などを元彼が持ち出し、契約していた場合などを指します。
その場合、無権代理行為とみなされて、連帯保証人としての返済義務はなくなります。
第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
印鑑の持ち出しなどを証明する必要がある
ただ、上記の場合、実印が勝手に持ち出されたことを証明する必要があります。
個人で対処するのは非常に難しいので、弁護士に依頼して本人の意向での押印でないことや、印影による調査をしてもらうとよいでしょう。
ただし、実印を元彼に預けていたなどの事実がある場合は、あなたが元彼に代理権を与えていたとみなされて、契約の解除ができない可能性があります。
脅迫されたり騙されて連帯保証人になった
脅迫されたり騙されて連帯保証人にされた場合も、返済義務はありません。
以下のような場合は、脅しや虚偽に該当する可能性が高いので、内容証明郵便にてその旨を債権者へ通知するとよいでしょう。
- 破産寸前であるにもかかわらず、順調な経営が出来ているからと虚偽の決裁書を提示されていた場合
- 「サインしなければ殺す」などと脅迫を受けてサインさせられた場合
- 保証する金額や契約書の内容に虚偽の記載があった場合
ただし、これらもその事実を証明する必要があります。個人での対処は難しいケースが多いので、弁護士へ依頼するとよいでしょう。
口約束で連帯保証人となっていた場合
民法では、連帯保証人の契約は書面によるものでないと無効であると定められています。
第四百四十六条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
そのため「いざとなったら肩代わりする」「連帯保証人になってもいいよ」と、当時元彼と口約束していたとしても、契約書がない場合は返済義務はありません。
もしも口約束を元に、元彼があなたの名前を勝手に契約書に記載していた場合は、筆跡鑑定などをおこない、無効にする手続きをとるとよいでしょう。
借金が時効となり返済義務がなくなっている
借金は最終返済日から5年が経過すると、時効となり返済義務がなくなります。
そのため、元彼が5年以上返済していない借金の場合は返済義務がない可能性があります。
ただし、借金の時効には以下の中断事由があるので注意が必要です。
- 債権者から訴訟を提起された
- 差押えや仮差押えを受けた
- 債務を承認した
また、借金の時効は所定の期日が経過したら自動的に成立するわけではなく、時効の援用手続きをしなければなりません。
元彼が時効の中断事由を発生させていたかも含め、弁護士へ相談することをおすすめします。
連帯保証人の解除は原則不可!支払えない場合の対処法
前述したような理由がない限り、連帯保証人の解除は原則できません。
しかし、急に高額な借金を請求されても、支払いが難しいという人が多いと思います。
そこでこの項目では、あなたに支払義務があるけれど、債権者から請求されている借金が支払えないときの対処法をお伝えしますので、参考にしてください。
親戚や友人に援助をお願いして債権者からの請求に応じる
債権者から借金を一括請求されたとき、その要求に応じるのが一番シンプルな解決方法です。
そこで、親戚や友人に金銭的援助をお願いしてみるのも1つの方法です。
親戚や友人から借金をすることになりますが、債権者からの借金は日に日に利息が膨らみ、対処が遅れると給料や財産が差押えられてしまいます。
そのため、頼める親戚や友人がいるのであれば、しっかりと借用書を作成して援助をしてもらうのもよいでしょう。
借用書の作成方法は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
債権者へ分割返済の交渉をする
分割なら返済していける場合、債権者へ分割返済の交渉をしてみましょう。
債権者も無理に一括で請求して連帯保証人が自己破産してしまうよりは、少しでも借金を回収したいと思うため、認めてもらえるケースが多いです。
ただし、途中で返済が滞ると、再度一括請求を受ける恐れがあるため、債権者との返済額交渉は慎重にしましょう。
債権者との交渉が不安な場合は、弁護士へ依頼して間に入ってもらうのがおすすめです。
弁護士へ債務整理を依頼する
どうしても支払いが難しい場合、弁護士へ債務整理を依頼することを検討しましょう。
債務整理とは、国に認められた借金の救済制度で、もちろん連帯保証人として借金を背負った場合も利用できます。
債務整理には以下の3つの方法があり、債務者の状況に合わせて弁護士と相談してどの手続きを取るか決定します。
- 任意整理・・・将来分の利息をカットして、元金のみを返済していく
- 自己破産・・・一定以上の価値がある財産を手放して、債務を0にする
- 個人再生・・・借金総額を大幅に圧縮し、残債を分割で返済していく
債権者からの請求の対応に迷い、請求から時間が経つと給料や財産の差押えに移行してしまう可能性が高いです。
そのため、債権者からの請求に応じるのが難しいと感じたら、早急に債務整理に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
当サイトでは債務整理に詳しい法律事務所を紹介しています。24時間無料相談可能なので、ぜひ問い合わせてみてください。
身に覚えのない元彼の借金を請求されたときの対処法
勝手に連帯保証人にされていた場合、返済義務がないことは前の項目でお伝えしました。
しかし、その場合でも債権者への対処方法によっては返済義務が発生してしまう可能性があります。
そのため、この項目では身に覚えのない元彼の借金を請求された場合の対処法をお伝えします。
急に身に覚えのない借金の請求をされたら慌ててしまうと思いますが、冷静な対処を心がけましょう。
一切返済や連帯保証人であることを認める発言をしない
債権者からの請求に対し、1円でも支払ってしまうと連帯保証人であることを追認したとみなされてしまいます。
つまり、返済義務がなかった借金でも、連帯保証人であることを事後承諾したとみなされてしまうのです。
また、連帯保証人であることを認める発言をすることも同様です。
そのため、元彼の借金の連帯保証人になっていると債権者に言われたとしても、身に覚えがない場合は一切の返済をせず、弁護士へ相談するとよいでしょう。
契約書を請求する
連帯保証人の契約は、口約束では成立しません。
そのため、身に覚えのない借金の請求が来たら、契約書を請求するとよいでしょう。
契約書を債権者が持っていなかったり、前述したように虚偽や勝手に作成された契約書の場合、返済義務は生じません。
しかし、自身で対処すると債権者との会話のなかで、連帯保証人であることを追認してしまう恐れがあります。
そのため、弁護士へ対処を任せるのが安心です。
早急に弁護士へ相談して対処してもらう
ここまでお伝えしたように、身に覚えのない元彼の借金を請求された場合、弁護士へ対処してもらうのが最善といえます。
借金を一括請求されている状況だと、対処が遅れると差押えに移行する可能性も高く、早急な対処が求められます。
そのため、身に覚えのない借金の請求が来たら、弁護士へ相談するのがおすすめです。
当サイトでは、借金問題の解決に力を入れる弁護士を紹介しています。前述の実印を持ち出されたなどの問題や、返済義務が発生している場合も早急に対処が可能です。
まずは債権者と連絡を取る前に、弁護士へ無料相談をすることをおすすめします。
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連帯保証人として支払ったお金を元彼に請求できる?
連帯保証人としての返済義務が有効で、元彼の借金を肩代わりしたという人も少なくないでしょう。
その場合、元彼へ支払った分のお金を請求したいと思いますよね。
そこでこの項目では、肩代わりしたお金の請求方法や、請求できない場合を詳しくお伝えします。
求償権を行使すれば肩代わりした分を請求できる
求償権を行使すれば、肩代わりしたお金を元彼へ請求できます。
求償権とは、連帯保証人や保証人が主債務者に代わって債務を支払った場合、本人に支払った分を請求できる権利です。
第四百五十九条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
元彼の住所がわかれば内容証明郵便を送り、無視された場合は裁判を提起して給料や財産の差押えに移行できます。
ただし、元彼の住所がわからない場合、訴訟を起こすのは難しく求償権の行使が困難となります。
元彼の住所がわからない場合の対処法は、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
他に連帯保証人がいる場合もその人に対して求償権を行使できる
連帯保証人が複数人いる場合、その人に対しても求償権を行使できます。
連帯保証人は保証人と違い、全員が借金の全額に対して返済義務を負っています。
第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
例えば、借金総額が500万円であなたが400万円を負担し、もう一人の連帯保証人が100万円を負担したとします。
その場合、もう一人の連帯保証人へ150万円を請求できる権利があります。
元彼が自己破産した場合は求償権を行使できない
連帯保証人になっていた元彼の借金を請求される要因として、元彼が自己破産した場合が挙げられます。
自己破産をすると、自己破産をした本人へ求償権を行使する権利は消滅します。
つまり、元彼が自己破産をしていた場合、元彼へ肩代わりをした分のお金を請求することはできないのです。
ただし、元彼が任意であなたに返済していくことは可能です。
話し合いの場が持てるのであれば、元彼に任意で返済してもらうことを交渉してみるとよいでしょう。
まとめ
元彼の借金であっても、原則、連帯保証人の立場を解除することは難しいです。
しかし、もう関係のない元彼の借金だからと、債権者からの請求を無視してしまうとあなたの給料や財産が差押えられてしまいます。
そのため、元彼の借金を連帯保証人として請求され、返済が難しい場合は早急に弁護士へ相談することをおすすめします。
無料相談を承っている法律事務所も多くありますので、あなたの状況に合わせた適切なアドバイスをもらうとよいでしょう。
連帯保証人に関するよくある質問
自分の意思でサインした契約書の無条件での解除は原則できません。
自分と同等の資力を持つ代理の保証人を立てるか、担保を用意するなど債権者と交渉方法があります。
実印を勝手に持ち出された場合、印影などで証明できれば連帯保証人を解除できる可能性があります。
一度弁護士へ相談してみるとよいでしょう。
分割での返済が可能なら、債権者へ交渉してみるとよいでしょう。
分割でも返済がむずかしければ、債務整理をすることをおすすめします。
当サイトでは債務整理に力を入れる弁護士を紹介しています。ぜひ無料相談を利用してみてください。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
連帯保証人は、主債務者と同様の返済義務を負います。
そのため、債権者からの請求を無視すると最終的に裁判を起こされて、給料や財産を差押えられる可能性が高いです。
あなたが負担した半分の金額を請求できます。
話し合いに不安がある場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。

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