クレジットカードは滞納1ヶ月でもアウト?生じるペナルティとは?

今月口座に残高がなくて、クレジットカード料金の引き落としができませんでした。来月になればまとまったお金が入るので、一気に支払うことができるのですが・・・。
支払いは1ヵ月でも遅れるとどんなペナルティが科されるのでしょうか?


クレジットカードの支払いを滞納すると、たとえ1ヵ月でも滞納の記録は残ります。また、滞納している日数分の遅延損害金もかかります。
クレジットカードの利用も一時停止されるため、カード経由で支払っている料金がある場合は、支払い方法を変更する必要があるでしょう。
実は他にも借り入れがあるのですが、そちらに影響することはありませんか?


金融機関が信用情報機関の記録をどのように判断するかには、独自のルールがあるため、滞納1ヵ月なら大丈夫とは言い切れません。
滞納が他の債務にも及び、返済が難しくなる場合は、一度弁護士や司法書士に債務整理の相談をしてみましょう。プロが親身になってアドバイスしてくれるでしょう。
クレジットカードの返済が間に合いそうにないとき、滞納1ヵ月程度なら遅れても大丈夫、と思っていませんか。
クレジットカードの支払いは、例え1ヵ月のみでも「滞納」と記録されてしまいます。また、遅れた日数分だけ遅延損害金がつくというデメリットもあります。
1ヵ月の滞納ではクレジットカードの強制解約まではされないでしょう。しかし、一度滞納癖がつくと、何度も繰り返すようになってしまうかもしれません。
この記事では、滞納1ヵ月で科されるペナルティと、滞納してしまいそうな時の対処方法について解説します。
滞納は繰り返すとより大きなリスクが待っています。一時的な滞納だけでなく、この先も返済に不安がある場合は、一度弁護士に相談し、債務整理も検討してみましょう。

- クレジットカードの支払いはたとえ滞納1ヵ月でも「滞納」として記録に残ってしまう
- 滞納1ヵ月でも、返済するまで高利の遅延損害金がついてしまう
- 1ヵ月だけでなく、長期的に滞納が続くと、カードの強制解約や一括請求、裁判手続きなど、より大きなペナルティが待っている
- 1ヵ月滞納することがわかっている場合はあらかじめ債権者に連絡しておき、親族から借りるなどして早めに返済すべき
クレジットカードは滞納1ヶ月でも「滞納」認定
クレジットカードの滞納は、たとえ1か月でも「滞納」と記録されます。
クレジットの取引情報は、そのカード会社が加盟している信用情報機関に登録され、他の金融機関が借り入れ審査などをする際の審査基準となりますので、例え1ヵ月でも注意が必要です。
また、滞納が1ヶ月でもカード会社から電話や手紙による督促が始まるでしょう。
クレジットカード滞納1ヶ月のペナルティ
クレジットカードは、1ヵ月でも滞納記録が残るだけでなく、以下のようなリスクもあるので、なるべく早く解決をしましょう。
- 支払日翌日から完済まで遅延損害金が付加される
- クレジットカードの利用が一時停止される
- 信用情報に「滞納」情報が記録される
- 信用情報機関からの情報を基に、貸し付けを拒む貸金業者もある
遅延損害金が発生する
クレジットカードの支払いが1日でも遅れると、遅延損害金が発生します。
遅延損害金は延滞に対するペナルティなので、利息よりも高い利率を適用することが利息制限法によって許されています。貸金業者の場合は借入額を問わずに最大20%です。
遅延損害金の計算方法は以下のとおりです。
例えば借入金50万円を滞納した場合、1ヵ月の遅延損害金は8219円です。遅延損害金は、債務を完済するまでかかり続けます。
クレジットカードの利用停止リスク
1ヵ月滞納することで、そのカードが利用停止になるリスクがあります。
通常1ヶ月では強制解約まではされないかもしれませんが、一時的に利用停止される可能性は高いといえます。
いつ利用停止されるか、いつ解約されるかはクレジットカード会社によって基準が違い、また債務者の取引履歴によっても変わります。
利用停止は返済するまで続き、たとえ入金しても、利用停止がいつ解除されるかはカード会社によります。
信用情報に滞納が記録される
1ヵ月でも「滞納」は記録され、信用情報機関に照会すれば、1ヵ月滞納したことがわかってしまいます。信用情報機関に登録された情報は加盟している各社に共有され、審査を通すかどうかの判断材料となるものです。
最も加盟会社の多い信用情報機関であるCICでは、通常入金の場合は「$」が、滞納があると「A」が記載されます。
クレジットカード情報を取り寄せると、以下のように毎月の返済状況が細かく記載されているのがわかるでしょう。このように、1ヶ月でも滞納があると「A」の記録が載ってしまうのです。
月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
---|---|---|---|---|---|---|
状況 | $ | $ | $ | A | $ | $ |
表示 | 内容 |
---|---|
$ | 請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった |
P | 請求額の一部が入金された |
R | お客様以外からの入金があった |
A | お客様の事情で、お約束の日に入金がなかった(未入金) |
B | お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった |
C | 入金されていないが、その原因がわからない |
- | 請求もなく入金もなかった(クレジットの利用がなかった) |
空欄 | クレジット会社等から情報の更新がなかった |
他のクレジットカード会社からの借り入れができなくなる可能性
滞納1ヶ月でも信用情報機関に記録されるため、金融機関によっては貸し付けの審査が下りない可能性も否定はできません。
判断するのは貸し付けをするカード会社や貸金業者などで、その審査基準も明らかになっていないからです。
他のカード会社から借り入れて返済を繰り返している自転車操業状態だと、追加の借り入れができなくなることで、他への返済も滞ることもあるでしょう。
1ヵ月の滞納でも信用情報に影響を及ぼす可能性があります。1ヵ月だけなら大丈夫だろうなどと思わず、なるべく早く滞納を解消しましょう。
クレジットカードを滞納するリスク
クレジットカードの滞納が続くと、以下のようなリスクがあります。最終的には裁判や差し押さえにも繋がってしまうので、1ヵ月なら大丈夫と、安心はできません。
2ヶ月程度滞納すると強制解約される
1ヶ月の滞納なら、多くのカード会社は一時利用停止で済むでしょう。しかし、2~3ヶ月滞納すると、多くのカード会社ではクレジットカードの利用を強制解約されてしまいます。
カードが強制解約された場合、カードに紐付けている支払いも全てストップしてしまいます。家賃、光熱水費、サブスクリプションサービスなど、クレジットカードに紐付けているものがあれば、支払い方法を変更しないとそちらの支払いも滞納状態になってしまいます。
3ヶ月程度で一括請求される
多くのクレジットカード会社では、2回以上(2ヶ月以上)返済が滞ると、期限の利益を喪失して一括請求されてしまいます。「期限の利益」とは、分割払いでルール通りに支払っている限り、残額の一括請求を受けずに済むという債務者側の利益です。
期限の利益を喪失すると、分割弁済で債務を返済する権利を失うため、元金に遅延損害金を付した金額で一括請求を受けることになります。
信用情報にキズがついて他のクレジットカードも使えなくなる
滞納や強制解約の記録も、信用情報機関に登録されます。特に「強制解約」の記録が載ると、返済能力の低い顧客とみなされて、ほとんどのカード会社や貸金業者の審査に通らなくなるでしょう。
信用情報機関の記録は5年程度消えずに残り続けます。記録が残っている間はクレジットカードが使えず、新しい借り入れもできないでしょう。
また、今使っているカードも更新や途上与信のタイミングで使えなくなる可能性があります。
裁判を起こされ、財産を差し押さえられる
それでも返済ができないと、カード会社から訴訟提起または支払督促を申し立てられる可能性があります。いつ申し立てるかはカード会社側の都合によるため予測は困難ですが、少なくとも期限の利益を喪失した後なら、いつでも訴えられる可能性は十分にあります。
支払督促は登録すればインターネットから簡単に申し立てることもでき、手数料も通常訴訟の半額で済むため、カード会社や貸金業者によく利用される手続きです。
支払督促により、債権額が少額でも、比較的費用や手間をかけずに申し立てられます。
判決や決定では遅延損害金を付した全額を支払えと命じられるでしょう。それを受けて債権者は強制執行を申立て、あなたの給料などの財産を差し押さえることができます。
クレジットカードを滞納しそうなときの対処法
以上のように、クレジットカードの滞納が続いてしまうと、最終的には訴訟や差し押さえのリスクさえあります。
では、クレジットカードを滞納しそうなときは、どうしたらいいのでしょうか。
クレジットカード会社に連絡する
まずは滞納する前にクレジットカード会社に連絡し、支払いを遅らせてもらう、または分割にしてもらうよう依頼しましょう。
その際、クレジットカード会社からは、リボ払いを提案されることが多いでしょう。リボ払いに変更した場合は、15%程度の高い利息を付されるため、債務が膨らみやすくなります。どうしても返済ができないときだけにしましょう。
すぐに支払いをする
返済出来る額ができたら、すぐにでも返済をしましょう。たとえ支払い日が過ぎていてもなるべく早く支払いをすれば、遅延損害金を抑えられます。
協力が得られるなら一時的に親族などから借りることも検討してみましょう。
他にも滞納があれば債務整理を検討する
他にも債権者があり、返済が厳しい場合は、債務整理を検討しましょう。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手段があります。
債務整理に力を入れている弁護士や司法書士は、無料で相談を受け付けている事務所も多くありますので、一度相談だけでもしてみるといいでしょう。
債務整理を行うことで取り立てや支払いを一時ストップできる
弁護士などが代理人についてこれから債務整理をおこなうことを相手に通知すると、債権者からあなたへの直接取り立てを一時ストップさせることができます。
カード会社からの督促の電話や手紙に悩んでいる方にとっては、督促から解放され、精神的にも落ち着いた気持ちで債務整理方針を決めることができるでしょう。
また、債務整理の方針が決まるまでは、一時的に債権者への支払いがストップします。借り入れと返済を止めることで、自分の収入の範囲内で生活する感覚を取り戻し、毎月いくらなら返済に回せるかがわかるでしょう。
債務整理の3つの種類とその減額効果
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの手段があります。それぞれの手続き方法とその減額効果、メリット・デメリットは以下のとおりです。
手続き | 方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
任意整理 | 弁護士などが債権者と任意に交渉し、元本のみの分割弁済和解を目指す方法。 | ・返済期間中の利息を免除できる ・今まで発生した遅延損害金をカットできる ・整理する債権者を選べる ・職業制限がない ・周囲に知られるリスクが少ない ・財産を維持したまま借金整理ができる |
・任意整理に応じてくれない債権者もいる ・3~5年返済を継続する必要がある ・基本的に元金の減額には応じてもらえない |
個人再生 | 裁判所に申立てをおこない、元金の5分の1~10分の1程度まで債務を免除してもらう手続き | ・債務を大幅にカットできる ・マイホームを維持したまま借金整理できる ・ギャンブルや浪費による借金でも整理できる ・職業制限がない |
・手続きが煩雑 ・安定・継続した収入があることを証明しなければならない ・住所・氏名が「官報」に掲載されるため、周囲に知られる可能性がある |
自己破産 | 裁判所に申し立てることで債務の免除を受ける手続き | ・返済義務が免除される ・収入が不安定でも申立てられる ・日用品や生活必需品、一部の財産は残すことができる |
・自分名義の不動産や預貯金、保険の返戻金などの財産が処分される ・職業制限を受ける ・官報に住所氏名が掲載されるため、周囲に知られる可能性がある |
債務整理を検討すべきタイミング
以下のような状況になったら、債務整理を検討すべきタイミングです。弁護士に一度相談してみましょう。
- 何度も延滞を繰り返している
- 借金返済のために新たに借り入れをすることがある
- 月々の返済額が手取り月収の3分の1を超えている
- 3社以上から借金をしている
- 借金の総額が年収の3分の1を超えている
- 利息の負担が重いと感じている
- 利息の支払いだけでなかなか元金が減らない
まとめ
クレジットカードは滞納1ヵ月でも「滞納」の記録は残ります。1ヵ月だけの滞納なら、リスクの高い顧客と判断されることはまれかもしれません。
しかし、1ヵ月の滞納が何度も続いたり、滞納期間が長引いたりすると、カードを強制解約されて一括請求を受けることにもなりかねません。最終的には裁判や差し押さえの可能性もあるのです。
どうしても遅れてしまう場合は、カード会社にあらかじめ伝えておくこと、なるべく早く返済をすることが大切です。長期的に返済が困難であれば、一度弁護士などに相談し、債務整理を検討しましょう。
専門家である弁護士や司法書士から、あなたに合ったアドバイスを受けられるでしょう。
クレジットカードの支払いを1ヶ月滞納したときに気になるQ&A
どのタイミングで強制解約されるかはカード会社により違います。ただし、1ヶ月の滞納なら強制解約まではされないことが多いでしょう。
ほとんどのカード会社では、1ヶ月滞納すると一時利用停止とされます。利用停止は支払いが済むまで続くので、クレジットカード経由で支払いをしている料金がある場合は、支払い方法変更の手続きが必要になります。
クレジットの履歴は1ヶ月ごとの支払い状況が細かく記載されます。
たとえば、加盟会社が最も多い信用情報機関であるCICの場合、通常の支払いは「$」が記載されますが、1ヶ月滞納した場合は「A」のマークが記されます。そのため、いつ、何回滞納があったかは細かくわかってしまいます。
ただし、その記録を見て貸し付けの審査を通すかどうかは各金融機関独自の判断です。1ヶ月のみの滞納が何回かあるだけで「返済能力が不安定」とみなされ、審査が通らなくなる可能性もあるので注意が必要です。
まずはクレジットカード会社に連絡し、返済が間に合いそうにないことや、いつまでなら支払えるかなどを伝えましょう。
カード会社が返済期間を延ばしてくれることはないかもしれませんが、リボ払いを提案されてその月の支払額を下げてもらうことはできるでしょう。
ただし、リボ払いは手数料が非常に高いので、継続して利用するのは危険です。
滞納が複数社あったり、家計の状況から返済が難しいときは、弁護士などに相談して債務整理も検討してみましょう。

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