共有持分を買取業者に売却することを検討しているものの、「どの業者に売却すれば良いのか分からない」「売却後にトラブルが起きるのではないか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際、共有持分は権利関係が複雑なほか、自由な活用・処分ができないため、一般的な仲介で売却できることはほとんどありません。上手く有効活用するには専門的な知識や経験が必要になるため、共有持分をスムーズに売却するためには、共有持分の扱いに長けた専門の買取業者に売却するのが得策です。
専門の買取業者は、共有持分で利益を得るノウハウや知識が豊富にあるため、共有持分でも適正価格での買取が可能です。また、共有持分に関する複雑な手続きや、他の共有者との交渉も代行しているほか、買取業者が提示する買取額に納得できればすぐに売買契約が成立します。そのため、仲介よりもスピーディーに現金化できるのもメリットです。
ただし、他の共有者に内緒で売却した場合、他の共有者からすると突然見ず知らずの第三者が共有者に加わることになるため、下記のようなトラブルが生じる可能性があります。
- 独占している共有者が賃料を支払わなければならなくなる
- 共有物分割請求訴訟に発展してしまう
- 他の共有者と売主の関係性が悪化してしまう
共有持分のみであれば独断で売却可能ですが、後に共有者との関係が悪化することを防ぐためにも、売却について周知しておくのがおすすめです。また、悪質な買取業者に売却してしまうと安く買い叩かれたり、後々トラブルに巻き込まれたりするリスクがあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。
そこで、本記事では信頼できる買取業者の選び方や、売却後に起こり得るトラブルとその対処法、そしておすすめの買取業者について詳しくご紹介します。
株式会社クランピーリアルエステートは、共有持分に関する専門的な知識と豊富な実績を持ち、年間3,000件以上の相談実績があります。迅速な対応が可能で、最短48時間で現金化できるため、急な資金調達にも対応可能です。共有持分の売却を考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
共有持分の買取業者についての基礎知識
共有持分は通常物件とは異なる特性から、売却には専門的な知識が不可欠です。まずは、共有持分の買取業者についての基礎知識を把握しておきましょう。
- 共有持分の買取業者の目的
- 共有持分における買取業者と仲介業者の違い
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
共有持分の買取業者の目的
専門の買取業者が、共有持分を積極的に買い取る目的は、下記のような手段で利益を得ることにあります。
- 単独所有化後に不動産全体を売却する
- 共有持分を第三者に転売する
- 占有者に賃料を請求する
共有持分は自由に活用・処分できず、権利関係も複雑なため、一般の買主からは敬遠されがちです。たとえ購入しても、他の共有者の同意がなければ不動産を有効に利用できません。そのため、利用方法や処分方法を巡って共有者同士の意見が対立した場合、トラブルに発展する可能性があります。
そのため、不動産を自由に使うには、他の共有者から持分を買い取って単独所有にするか、共有物分割請求などの法的手段で共有状態を解消する必要があります。しかし、これには専門的な知識や経験、そして多くの手間と費用がかかるうえ、最終的にうまくいかないリスクもあるため、一般の不動産会社や個人投資家は手を出しにくいのが現状です。
しかし、このような専門の買取業者は、こうした共有持分の特性をあらかじめ理解したうえで、「単独名義化」や「不動産全体の活用」をゴールに据えて動いています。つまり、持分を一部ずつ買い取りながら、他の共有者とも交渉を進め、最終的には物件全体を自由に活用・処分できる状態に持っていくことを前提としているのです。
このように出口戦略まで見据えて動いているからこそ、一般の方には売れないような共有持分でも、私たちは積極的に買い取ることができます。もちろん、単独名義化までには交渉や法的手続き、時間的コストもかかりますが、それらを引き受けるリスクを含めて事業として成立しているため、安心してご相談ください。
共有持分における買取業者と仲介業者の違い
共有持分の売却に応じてもらえる業者には、買取業者と仲介業者の2種類あります。
- 買取業者:買主として直接共有持分を買い取ってくれる業者
- 仲介業者:共有持分の売主と一般の買主の間に入って売買契約を成立させる業者
買取業者と仲介業者には、主に以下のような違いがあります。
項目 | 買取業者 | 仲介業者 |
---|---|---|
取引相手 | 買取業者 | 仲介業者が探してきた一般の買主 |
売却価格 | 仲介よりも安い(市場価格の3~5割程度) | 買取よりも高い(市場価格の5~7割程度) |
売却までの期間 | 短い(数日~1ヶ月程度) | 長い(数ヶ月~1年以上) |
仲介手数料 | 不要 | 必要 |
他の共有者との交渉や法的手続き | 買取業者が代行してくれる | 売主自身で行うか、専門家に依頼して代行してもらう |
このような違いが生じるのは、買取業者と仲介業者とでは、ビジネスモデルや収益の仕組みが根本的に異なるからです。その違いが、業者としての役割のほか、売却価格や提供するサービスの内容にも大きく影響しています。
前述の通り買取業者は、共有持分を買い取った後に残りの持分の買取や共有物分割請求を行い、最終的には不動産全体の売却によって利益を得るというビジネスモデルです。買取業者が手間やコスト、リスクを負担する分、買取価格は市場価格よりも安くなりますが、仲介よりも迅速に取引を進められます。
そのため、「手間やリスクを負わずに共有持分を処分したい」「共有持分をすぐにでも現金化したい」というニーズを持つ売主に適した売却方法です。
一方、仲介業者は売主の代わりに売却活動を行い、売買を成立させることで仲介手数料を得るというビジネスモデルです。仲介業者はあくまで買主探しや売買契約のサポート役であり、実際買主となるのは市場で物件を探している第三者であるため、特に権利関係が複雑な共有持分は売却が長期化する傾向にあります。
しかし、売却価格は買取よりも高い傾向にあるため、「少しでも高値で売りたい」というニーズを持つ売主に適した売却方法です。
共有持分を買取業者に売却するメリット
共有持分を買取業者に売却するメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 一般の人が購入しない共有持分も積極的に買い取ってもらえる
- 契約不適合責任が免除される
- 他の共有者とトラブルが起きていても買取業者に対応を任せられる
- 数日〜1週間程度で共有持分を現金化できる
ここからは、それぞれのメリットについて1つずつ詳しく解説していきます。
一般の人が購入しない共有持分も積極的に買い取ってもらえる
共有持分のみを購入しても、不動産は単独で自由に活用・処分できません。他の共有者との関係性次第では、不動産の活用・処分方針や管理費の負担などで意見が対立し、面倒なトラブルに発展する可能性もあります。
このような制約やリスクがあることから、共有持分は一般の人に敬遠されやすく、市場で買主を見つけるのは極めて難しいのが実情です。しかし、専門の買取業者は共有持分に関する専門知識や活用ノウハウを豊富に持っているため、共有持分特有のトラブルにも適切に対処しつつ、共有名義不動産を活用・再販して大きな利益を生み出せるのです。
共有名義不動産を単独で所有するには他の共有者との買取交渉や、場合によっては共有物分割請求が必要なため、一般の人にとって非常に高いハードルとなります。専門の買取業者はこれらもスムーズに対処できる交渉術や法的知識を持っているため、共有持分のみでも積極的に買い取ることが可能です。
契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、契約に基づいて引き渡された目的物の種類や品質などが契約内容と適合しない場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。仲介で共有持分を売却して一般の人が買主となる場合は、原則として共有持分の売主が契約不適合責任を負うことになります。
たとえば、事前に買主に伝えていなかったにもかかわらず、下記のような問題が売却後に発覚した場合、買主から損害賠償や売買契約の解除などを請求される可能性があります。
- 登記簿上の持分比率が間違っていた
- 登記簿上の持分比率が間違っていた
- 共有名義不動産に欠陥があった
しかし、専門の買取業者への売却では、この契約不適合責任を免除とする条項を盛り込むのが基本です。これにより、売却後の潜在的なトラブルへの対応や想定外の出費に追われるリスクがなくなるため、権利関係が複雑でトラブルが生じやすい共有持分でも安心して売却できます。
他の共有者とトラブルが起きていても買取業者に対応を任せられる
共有持分を買取業者に売却した後は、買取業者が共有者として新たに加わるため、その後の他の共有者とのやり取りや法的トラブルへの対応などは買取業者が行います。
専門の買取業者には他の共有者との交渉術や法的手続きに関する知識が豊富にあります。不動産の活用・処分方針を巡って意見が対立している場合や、裁判所に分割方法を決めてもらうための訴訟手続きである共有物分割訴訟などの法的手続きに移行している場合でもスムーズに対応可能です。
そのため、売却後は共有名義不動産の所有権を手放すと共に他の共有者とのやり取りや法的トラブルへの対応から解放されます。この点も売主にとって大きなメリットの1つといえるでしょう。
数日〜1週間程度で共有持分を現金化できる
仲介の場合は、通常物件でも売却までに3~6ヶ月程度かかるのが一般的です。一般の人に敬遠されがちな共有持分の場合は、通常物件よりも売却活動が長期化しやすく、買主がまったく見つからないといったケースも珍しくありません。
一方、買取の場合は業者が買主になるため、仲介のように市場で買主を探す必要がありません。買取業者が提示した条件に合意すれば売買が成立するため、現金化までスピーディーに進みやすいです。
共有持分を売却しようとしていることが他の共有者に知られづらい
買取では買取業者が共有持分を直接買い取るため、仲介のように市場で買主を探す必要がありません。仲介のようにインターネットやチラシなどで物件情報が公開されることはないため、周囲の人に内緒にしたまま売却手続きを進めやすいです。
ただし、他の共有者に知られづらいというのは、あくまで共有持分の売却が完了するまでの間に限られます。売却が完了した後は法務局で所有権の移転登記が行われ、登記簿に買取業者が新たな共有者として記載されます。
登記簿は誰でも確認できる公的な情報であるため、これを他の共有者が確認すれば売却の事実が知られてしまいます。たとえ他の共有者が登記簿を確認しなくても、買取業者は共有名義不動産を単独で所有するために、他の共有者へ買取交渉を行うため、そのタイミングで他の共有者に知られてしまうでしょう。
そのため、買取業者への売却は共有持分の売却を秘密裏に進めるのに有効ですが、最終的には他の共有者に知られてしまうため、その点は理解しておく必要があります。
共有持分を買取業者に売却することのデメリット
買取業者への売却は、共有持分の売主にとって魅力的なメリットが多い売却方法ではありますが、その一方で以下のようなデメリットもあります。
- 他の共有者や仲介で売却するよりも売却価格が安くなりやすい
- 悪質な買取業者に依頼するとトラブルが起きてしまう可能性がある
ここからは、それぞれのデメリットについて1つずつ詳しく解説していきます。
他の共有者や仲介で売却するよりも売却価格が安くなりやすい
前述の通り、買取業者が共有持分を買い取る目的は最終的に他の共有者からも残りの持分を買い取り、単独所有にした不動産を再販して利益を出すことです。
そのためには、他の共有者との交渉やすでに生じているトラブルの対応が必要になりますが、これらのプロセスには相当な労力やコストがかかります。また、交渉は必ず成功するとは限らないため、単独所有にできず収益化できないリスクも伴います。
買取業者は、これらの労力やコスト、リスクをすべて負担しなければならないため、採算性を確保するためにも買取価格を安く設定せざるを得ないのです。共有持分の買取価格は、共有名義不動産の立地や建物の状態、持分割合、共有者との関係性などさまざまな要素によって変動しますが、共有名義不動産全体の市場価格×持分割合×1/2~1/3が目安です。
たとえば、共有名義不動産全体の市場価格が5,000万円で持分割合が50%の場合、共有持分の価値は2,500万円になりますが、買取相場は約833万~1,250万円が目安になります。
悪質な買取業者に依頼するとトラブルが起きてしまう可能性がある
専門の買取業者の中には、売主や他の共有者が抱える事情につけこみ、不当な利益を得ようとする悪質な買取業者も存在します。悪質な買取業者の手口やトラブルの主な事例としては、以下のようなものがあります。
- 不当に安い買取価格を提示してくる
- 勧誘や契約を強引に迫ってくる
- 契約内容や費用などを明確に説明しない
- 他の共有者に執拗な交渉や嫌がらせ行為をする
悪質な買取業者に依頼することは売主の問題のみに留まらず、他の共有者にも多大な悪影響を及ぼし、関係性の悪化につながる恐れもあります。
共有持分を専門とする買取業者のおすすめ7選
ここからは、共有持分を専門とする買取業者のおすすめ7選をご紹介します。今回、数多くの専門買取業者から、以下の基準を満たす買取業者を厳選しました。
※あくまで当サイト独自の選定基準となります。
選定基準 | 理由 |
---|---|
士業と連携しているか | ・共有名義不動産は通常物件よりも権利関係が複雑で、他の共有者とトラブルに発展することも少なくなく、トラブルに発展すると買取を断られる場合もある ・弁護士や司法書士などの士業と連携している買取業者であれば、トラブルや法的手続きに対してスムーズに対処できることから、トラブルを抱えている場合でも積極的な買取が期待できる |
全国対応しているか | 買取業者によっては一部の地域に特化している場合もあり、共有名義不動産の立地によっては買取対象外になるため |
共有持分を専門としているか | ・共有持分は権利関係が複雑で扱いが難しいため、専門的な知識や経験が不可欠 ・共有持分を専門としている買取業者は、専門知識や経験が豊富 ・収益化に必要な交渉や手続きをスムーズに進められるため、適切な価格での買取やスムーズな取引が期待できる |
共有持分の買取実績や相談件数が公表されているか | ・共有持分の買取実績や相談件数が豊富な買取業者は、様々なケースに対応してきた可能性が高いため、状況に応じた適切な対応が期待できる ・買取実績や相談件数がホームページなどで公表している買取業者は、信頼性が高いと判断できるため |
買取の最短日数 | 最短日数が短い買取業者であれば、急な資金繰りや相続税の支払いなどで現金が必要になった場合でもスピーディーに対応してもらえるため |
ここからは、それぞれの買取業者の概要について1つずつ詳しく解説していきます。
1. 株式会社クランピーリアルエステート

社名 | 株式会社クランピーリアルエステート |
---|---|
士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 全国 |
相談件数 | 年間3,000件以上 |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 48時間 |
株式会社クランピーリアルエステートは、共有名義不動産や再建築不可物件、底地、借地などの訳あり不動産に特化した買取を行っています。買取物件の対応エリアは全国にわたり、相談件数は年間3,000件以上です。
共有持分の専門業者として培ったノウハウを生かし、コストを抑えつつスムーズに手続きを進められるため、複雑な問題を抱えた共有持分でも適正価格での買取を実現いたします。
査定は最短12時間、現金化までは最短48時間で完了するため、不要な共有持分をスピーディーに売却・現金化可能です。また、弁護士・税理士・司法書士など全国1,500ヶ所以上の士業事務所とも連携しているため、共有持分の売却に付随する手続きや税務、登記、トラブルへの対処などの法的な問題もワンストップで対応できます。
2. 株式会社蒼悠

社名 | 株式会社蒼悠 |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 全国 |
相談件数 | 約400件(2020年時点) |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 3日 |
株式会社蒼悠は、共有持分や収益物件の買取に強みを持つ買取業者です。大阪を中心とした地域密着型の業者ですが、他社との連携を通じて全国エリアにも対応しているため、遠方にある物件の持分でも査定や買取を依頼できます。
また、NPO法人相続贈与救済センター所属の弁護士や司法書士、税理士とも連携しています。法的なトラブルや税務に関するアドバイスも受けられるため、複雑な問題が絡む共有持分でも安心して取引を進められるのも魅力です。
3. 株式会社マーキュリー

社名 | 株式会社マーキュリー |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 東京、神奈川、千葉、埼玉 |
相談件数 | 年間1,000件以上 |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 48時間 |
株式会社マーキュリーは、不動産の権利調整・管理・再生・管理事業を展開している買取業者です。創業から権利関係が複雑な不動産を専門に扱っており、一都三県のエリア内にある共有持分の買取にも対応しています。
古い物件や借地権付きの物件、立ち退きが必要な物件、住宅ローンの残債がある物件など、どんな物件であっても現況のまま買取相談が可能です。そのため、他社で断られた共有持分でもスムーズに売却できる可能性があります。
4. 株式会社KING

社名 | 株式会社KING |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 全国 |
相談件数 | 年間1,000件以上 |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 3日 |
株式会社KINGは、不動産の買取や仲介、販売、賃貸などの事業を展開している買取業者です。日本全国どこからでも相談・査定が可能で、100万円~2億円の物件に幅広く対応しています。
一般的な不動産の取り扱いがメインですが、共有持分の買取も積極的に行っています。共有持分に精通した弁護士や司法書士などの専門家からのサポートが受けられるため、トラブルを抱えた共有持分でもスムーズな取引が期待できるのも強みです。
5. 株式会社オーシャン不動産

社名 | 株式会社オーシャン不動産 |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 東京、神奈川 |
相談件数 | 年間3,800件以上(オーシャングループ全体) |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 3日 |
株式会社オーシャン不動産は、神奈川や東京で収益化物件や権利関係が複雑な物件の買取・販売事業を展開している買取業者です。遺産相続関連業務においてトップクラスの実績を誇る士業グループ「オーシャングループ」の一員で、グループ内の弁護士や司法書士が所属しているほか、税理士や土地家屋調査士の事務所とも連携しています。
共有持分に関連する法的トラブルや税務、登記の手続きをワンストップで提供しているため、権利関係が複雑な共有持分もスムーズに売却手続きを進めやすいです。
6. KTERAS株式会社

社名 | KTERAS株式会社 |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 全国 |
相談件数 | 年間3,000件以上 |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 24時間 |
KTERAS株式会社は、訳あり不動産や空き家、相続不動産に特化した買取業者です。専門業者として培ってきた豊富な買取実績やノウハウ、信用を武器に、どのような物件であっても現況のままでも買取相談が可能です。
また、共有者間のトラブルや隣地トラブル、借地権などの問題も、顧問弁護士や司法書士を通じてスムーズに解決へと導きます。査定から現金化までは最短24時間で完了するうえ、必要経費は売却後に清算となるため、持ち出し費用ゼロで不要な共有持分をスピーディーに処分できます。
7. 日本住宅開発株式会社

社名 | 日本住宅開発株式会社 |
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士業との連携 | あり |
対応可能エリア | 全国 |
相談件数 | 不明 |
共有持分の買取実績 | あり |
最短買取日数 | 48時間 |
日本住宅開発株式会社は、共有持分や底地、貸家などの権利関係が複雑な不動産に特化した買取業者です。複数の権利者がいる土地を1つにまとめて有効活用する一体開発事業を手掛けており、共有持分の価値を最大化するノウハウを持っているため、適正価格での買取を実現できます。
弁護士や司法書士などの専門家を通じ、共有持分に関する法的な問題や手続きをワンストップで提供できる体制も整っています。査定は最短12時間、現金化は最短48時間とスピーディーな対応も魅力的なポイントです。
共有持分を買取業者に売却した場合に起こりえるトラブルと対処法
共有持分を買取業者に売却すると、買取業者や他の共有者との間で以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 相場よりも安値で共有持分を買い取られてしまう
- 他の共有者に対して強引な交渉が行われてしまう
- 独占している共有者が賃料を支払わなければならなくなる
- 共有物分割請求訴訟に発展してしまう
- 他の共有者と売主の関係性が悪化してしまう
ここからは、それぞれのトラブルと対処法について1つずつ詳しく解説していきます。
相場よりも安値で共有持分を買い取られてしまう
悪質な買取業者に売却した場合、相場よりも安値で共有持分を買い取られてしまう可能性が高いです。共有持分のみでは不動産を単独で自由に活用・処分できないため、一般の買主はほとんどつかず、通常の不動産のように簡単に売却できるものではありません。
悪質な買取業者は、こういった共有持分ならではの悩みや売主の知識不足につけこみ、自社の利益を最大化するために不当に低い価格を提示してくるケースが多いです。悪質な買取業者に引っかからないためには、事前に買取価格の相場を把握しておくことが大切です。
これにより、相場よりも不当に安い査定額を提示してきた買取業者を見抜けるため、安値で買い叩かれるリスクを軽減できます。
他の共有者に対して強引な交渉が行われてしまう
悪質な買取業者は、自社の利益追求のためならば、売主や他の共有者への迷惑を顧みずに行動する傾向にあります。他の共有者に対する買取交渉でも労力やコストを最小限に抑えたいと考えているため、下記のように遠慮なく強引な交渉を迫ってくるケースが多いです。
- 高圧的な態度で持分の売却を迫ってくる
- 執拗な連絡や訪問をして嫌がらせをしてくる
このような事態を避けるためには、信頼できる買取業者を選ぶことが最も重要です。選ぶ際は、担当者は誠実な対応をしてくれるかや、口コミは悪くないかなどを念入りにチェックしておきましょう。
独占している共有者が賃料を支払わなければならなくなる
各共有者は、共有名義不動産を独占している共有者に対し、自身の持分割合に応じた賃料を請求できる権利があります。そのため、買取業者が賃料を請求すること自体は法的に何ら問題なく、それが直接的にトラブルと定義されるものでもありません。
しかし、事前に告知しておかないと、共有名義不動産を独占している共有者が何の準備もなく突然賃料を支払わなければならない事態に陥ってしまう恐れがあります。
そうなった場合、独占している共有者の家計が圧迫して生活が苦しくなったり、不信感や感情的な反発が生じたりしてしまう可能性があるため、独占している共有者とトラブルに発展する要因になり得ます。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、事前に独占している共有者には共有持分を買取業者に売却すること、買取業者から賃料を請求される可能性があることを事前に伝えておきましょう。
共有物分割請求訴訟に発展してしまう
共有物分割請求訴訟とは、共有者間で共有物の分割方法がまとまらない場合に、裁判所を通じて共有物の共有状態の解消を求める法的手続きです。
各共有者は、他の共有者の同意を得ずいつでも共有物分割請求ができることが法的に認められています。買取業者も訴訟を前提で共有持分を買い取っているため、共有物分割請求訴訟に発展すること自体が直接的なトラブルの要因になるわけではありません。
しかし、買取業者への売却を事前に告知しておかないと、他の共有者が何も知らないまま買取業者が起こした共有物分割請求訴訟に巻き込まれてしまい、それがトラブルの原因になる可能性があります。
また、共有物分割請求訴訟では、裁判所の判決で共有物の分割方法が決まりますが、各共有者の意向が必ず反映されるわけではありません。他の共有者が望まぬ形で共有物を分割することになった場合は、他の共有者が買取業者や売主に対して不満や怒りを抱きやすく、深刻なトラブルに発展する可能性が高まります。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、他の共有者には共有持分を買取業者に売却すること、最悪買取業者から共有物分割請求訴訟を起こされる可能性があることを事前に伝えておきましょう。
他の共有者と売主の関係性が悪化してしまう
買取業者が共有者に加わると、前述したような他の共有者への強引な交渉や突然の賃料請求、共有物分割訴訟による望まない形での分割といったトラブルが起こり得ます。
これらのトラブルは他の共有者にとって金銭的・精神的に大きな負担になるため、直接的な原因を作った買取業者に対して不満や怒りを覚える共有者が多いのは当然のことです。
また、このようなトラブルは共有持分を買取業者に売却した売主の行為が発端であるため、他の共有者の不満や怒りが買取業者に留まらず、売主に対しても向けられる場合もあります。
その結果、他の共有者との関係が悪化し、修復が困難になる可能性があります。他の共有者との関係を悪化させないためにも、他の共有者には事前に共有持分を買取業者に売却することを伝えておきましょう。
事前に相談しておけば、他の共有者も将来起こりうるトラブルに備えて金銭面や心の準備を整えられるため、関係悪化のリスクを抑えられます。また、売却の意思を示すことで他の共有者との間で今後の共有名義不動産の運用方針について話し合う機会が生まれ、共有者全員にとってより良い解決策を見つけられる可能性があります。
信頼できる共有持分専門の買取業者の選び方
悪質な買取業者に売却すると、前述したようなトラブルに発展する可能性が高まります。悪質な買取業者によるトラブルを回避するためにも、共有持分を買取業者に売却する際には、売主や他の共有者の利益も考えてくれる信頼性の高い買取業者に依頼することが大切です。
信頼できる共有持分専門の買取業者を選ぶポイントとしては、以下の5つが挙げられます。
- 宅地建物取引業の免許を持っているかを確認する
- 国土交通省のネガティブ情報検索サイトで処分履歴がないかを確認する
- すぐに売買契約を迫ってくる買取業者は避ける
- 買取実績が豊富な買取業者を選ぶ
- 査定額の根拠を明確に示してくれる買取業者を選ぶ
ここからは、それぞれのポイントについて1つずつ詳しく解説していきます。
宅地建物取引業の免許を持っているかを確認する
宅地建物取引業の免許とは、宅地や建物の売買・買取・仲介などを事業として行うために法律で取得が義務付けられている免許で、以下の2種類があります。
国土交通大臣免許 | 2つ以上の都道府県に事務所を設置して事業を行う場合に必要 |
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都道府県知事免許 | 1つの都道府県のみ事務所を設置して事業を行う場合に必要 |
この免許を持たない買取業者は違法業者に該当します。そのため、不当に低い価格での買い叩きや他の共有者に対する強引な買取交渉など、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性が極めて高いです。
トラブルを未然に防いで安全に取引を進めるためにも、必ず宅地建物取引業の免許を持つ正規の買取業者に依頼しましょう。共有持分専門の買取業者が宅地建物取引業の免許を持っているかどうかは、以下の方法で確認できます。
- 国土交通省の公式ホームページにある「建設業者・宅地建物取引業者検索システム」で検索する
- 国土交通省の地方整備局や各都道府県の担当部署で「宅地建物取引業者名簿」を閲覧する
国土交通省のネガティブ情報検索サイトで処分履歴がないかを確認する
国土交通省のネガティブ情報検索サイトとは、国土交通省が管轄する事業者が過去に法律違反などで受けた行政処分の履歴を検索できるサイトです。
宅地建物取引業者の場合は過去5年間に遡って処分履歴を検索することが可能で、下記の情報を確認できます。
- 事業者名
- 処分年月日
- 行政処分の種類(業務停止や指示など)
- 違反行為の概要
過去に処分履歴がある買取業者は、法令を遵守する意識が低い可能性があるため、一度も処分履歴のない業者と比べるとトラブルに発展するリスクが高いです。
特に業務停止のような重い処分履歴のある買取業者は、過去に行った違反行為の内容が非常に悪質であり、再び同様の行為を行う可能性を否定できません。そのため、売却は避けた方が無難です。
すぐに売買契約を迫ってくる買取業者は避ける
悪質な業者は売主の弱みや知識不足につけこみ、できるだけ安く共有持分を買い取りたいと考えています。そのため、冷静にじっくりと考える時間や他の買取業者に査定を依頼する時間を与えないよう、売主の不安を煽って売買契約の締結を強引に迫ってくるケースが多いです。
一方、信頼できる優良な買取業者は、売主が十分に契約内容を把握し、納得したうえで売買契約を進められるように配慮してくれるため、すぐに売買契約を迫ってくるようなことは決してありません。
弊社の場合も、査定後すぐに売却するか決めていただく必要はございません。売主様には納得したうえで売却いただきたいので、複数社とじっくり比較したうえで決めていただくことをおすすめしています。
信頼できる優良な買取業者を見極めるためにも、以下のポイントはしっかりと確認しておきましょう。
- 分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか
- 売主が家族と相談したり、他社と比較・検討したりする時間を与えてくれるか
- 不安を煽って即決を求めてこないか
買取実績が豊富な買取業者を選ぶ
共有持分は権利関係が複雑で、不動産を自由に活用・売却できないため、専門的な知識やノウハウがないと共有持分の適正な評価や複雑なトラブルへの対応は困難です。
買取実績が豊富な買取業者は、多様なケースに対応してきた経験から、共有持分特有のさまざまな課題に対応できる専門知識やノウハウが豊富にあります。
これらを生かすことで一般的には低く評価されてしまいがちな共有持分も適正に評価できるほか、複雑な手続きや売却後のトラブルが発生しても適切な対応が可能です。
そのため、買取実績が豊富な買取業者なら安心して取引を進めやすくなります。買取業者を探す際は、公式ホームページや口コミサイトなどを確認し、実績のある買取業者に売却を依頼するようにしましょう。
査定額の根拠を明確に示してくれる買取業者を選ぶ
共有持分を不当に低い価格で買い叩こうとする悪質な買取業者は、売主に査定額の根拠を知られると都合が悪いため、明確な根拠を示さなかったり、質問をしてもまともに答えなかったりするケースがあります。
一方、優良な買取業者は以下のような客観的な情報に基づき、なぜその査定額になったのか具体的な理由を分かりやすく説明してくれます。
- 立地
- 土地の面積や形状
- 建物の築年数や構造、間取り
- 買取業者が負担する費用(リフォーム費用や登記費用など)
買取業者への売却を検討している場合は、査定額を提示してもらった後に根拠を質問し、それに対して真摯に対応してくれる業者の中から選ぶようにしましょう。
共有持分を買取業者に売却するまでの流れ
共有持分を買取業者に売却するまでの一般的な流れは以下の通りです。
- 共有者に対して売却することを事前に伝えておく
- 買取業者に査定を依頼する
- 買取業者と売買契約を結ぶ
- 所有権移転登記を行う
ここからは、それぞれのステップについて1つずつ詳しく解説していきます。
1. 共有者に対して売却することを事前に伝えておく
共有持分を買取業者に売却する際、可能であれば他の共有者に対してその旨を事前に伝えておくのがいいでしょう。他の共有者に内緒で売却を進めると、突然見知らぬ買取業者が共有者になったことに対して反発を受けたり、買取業者が不動産を売却しようとしたのに協力が得られなかったりなどのトラブルに発展する可能性があります。
また、共有者の中には自身の持分割合を増やすために共有持分の購入を希望している人がいるかもしれません。共有者間の売買なら、市場価格と同等の価格で売却できるほか、買主は自身の持分割合を増やせるため双方にとって大きなメリットのある方法です。
事前に売却の意思を伝えておけば、購入希望の共有者により良い条件で買い取ってもらえる可能性があります。そのため、共有持分は単独で自由に売却できますが、他の共有者に対しては事前に売却の意思を伝えておくのが無難です。
2. 買取業者に査定を依頼する
共有持分を買取業者に売却する場合は、買取業者に査定を依頼してある程度の相場を事前に把握しておくことが大切です。
査定は基本的に無料で、査定後は必ず依頼しなければならないというルールもないため、気軽に査定を依頼できます。査定にかかる時間は買取業者によって異なりますが、早ければ即日~数日程度で完了します。
3. 買取業者と売買契約を結ぶ
売却先の買取業者が決まったら、その業者と売買契約を結びます。売買契約書には、下記のような重要事項が記載されているため、契約内容を十分に把握し、不明な点があれば必ず担当者に確認しましょう。
- 買取価格
- 支払い方法
- 決済日
- 引き渡し日
- 契約不適合責任の有無
契約内容に誤りがなければ、署名・捺印することで売買契約が完了します。売買契約を結ぶ際には以下のような書類が必要になるため、忘れないように注意しましょう。
必要書類 | 概要 |
---|---|
登記済権利書 | ・不動産の所有者本人であることを証明する書類で、所有権を登記した際に法務局から発行される ・再発行ができないため、紛失した場合は法務局に相談する |
固定資産税納付通知書 | ・固定資産税の税額や納付期限などを通知するための書類 ・管轄の税務署から毎年4月上旬頃に送付される |
境界確認書 | ・隣地との土地の境界を証明する書類 ・測量士に依頼すれば作成できる |
印鑑証明書 | ・市区町村に登録された印鑑が本人のものであることを証明する書類 ・登録先の市区町村の役所で発行してもらえる ・原則として3ヶ月以内に発行されたものに限る |
住民票 | ・現在の居住関係を証明する書類 ・現住所の市区町村の役所で発行してもらえる ・原則として3ヶ月以内に発行されたものに限る |
本人確認書類 | ・運転免許証 ・マイナンバーカード ・パスポートなど 顔写真付きのものが望ましい |
4. 所有権移転登記を行う
売買契約を結んだ後は、契約内容に従って決済が行われます。買取業者からの入金が確認できた後は、共有持分の所有権を買取業者に移すために、法務局で所有権移転登記を行う必要があります。
所有権移転登記は買主と売主が共同で申請するのが原則ですが、手続きが複雑で専門知識も必要になるため、実務上は司法書士が双方の代理人として手続きを行うのが一般的です。
共有持分の買取業者が重視する査定のポイント
共有持分の買取価格は、買取業者の査定によって決まります。査定の基準や内容は買取業者によって異なりますが、一般的には以下の6つの要素が重視されます。
- 共有名義不動産の立地
- 共有名義不動産の築年数や構造
- 共有持分の割合
- 立ち退き交渉の必要性
- 建物と土地の両方の持分の保有
- 住宅ローンの残債
ここからは、それぞれのポイントについて1つずつ詳しく解説していきます。
共有名義不動産の立地
共有名義の不動産に限らず、不動産の立地は買取価格を査定するうえで最も重要となる要素の1つです。立地が良い不動産は買主が見つかりやすく、資産価値も高く評価されやすいため、買取価格も高くなる傾向にあります。
買取価格が高くなりやすい立地の条件としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 東京や大阪などの都心部、高級住宅地、有名観光地など人気のエリア内にある
- 主要駅から徒歩5~10分圏内にある
- 市街地まで車で10分圏内にある(地方にある場合)
- 周辺で大規模な再開発計画が予定されている
一方、人口減少や少子高齢化が進む地域や交通の便が悪い地域などにある不動産は買主が付きにくく、市場価値も低く評価されるのが基本です。そのため、買取価格も低くなる傾向にあります。
共有名義不動産の築年数や構造
共有持分の買取価格は、共有名義不動産の築年数や構造などによっても大きく左右されます。
土地や建物の条件 | 評価基準 |
---|---|
築年数 | 築年数が浅いほど査定額が高くなりやすい |
構造 | 「鉄筋コンクリート造>鉄骨造>木造」の順に査定額が高くなりやすい |
間取り | 3LDKや4LDKなどファミリー層に需要がある間取りは査定額が高くなりやすい |
面積 | 土地や建物の面積が大きいほど査定額が高くなりやすい |
土地の形状 | 正方形や長方形などの整形地は査定額が高くなりやすい |
「築年数が浅い」「鉄筋コンクリート造で耐久度が高い」「土地の形状が整っている」など、買主にとって魅力的な条件を持つ不動産は、将来的に買取業者が売却する際に高値で売れやすいため、買取価格も高くなる傾向にあります。
共有持分の割合
共有持分の買取価格の査定では、共有持分の割合も大きく影響します。共有持分の評価額は共有名義不動産の市場価格×持分割合で決まるため、当然のことですが共有持分の割合が高いほど買取価格は高くなるのです。
また、共有者の人数が少なく自身の持分割合が高ければ、買取業者が残りの共有者と買取交渉をする際にかかる労力やコストが抑えられます。そのため、将来的に単独所有を実現できる可能性も高まるため、査定で有利に働きやすくなります。
立ち退き交渉の必要性
買取業者は最終的に共有名義不動産全体を売却して利益を得ることを目指しているため、共有名義不動産を占有している共有者がいる場合は立ち退き交渉が必要になります。
この交渉には労力や立ち退き料がかかるうえに、占有者が立ち退きに応じてくれなかったり、訴訟に発展して追加費用が発生したりするリスクも伴います。そのため、立ち退き交渉が必要な場合は上記のリスクが考慮されて、買取価格も低くなるのが基本です。
一方、占有者がおらず立ち退き交渉が不要であれば、買取業者は計画を迅速に進められるため、査定で有利に働きやすくなります。
建物と土地の両方の持分の保有
保有している持分が建物のみもしくは土地のみの場合は、地上権や貸借権などの複雑な権利関係が発生します。
将来不動産を売却するためには、権利関係の正確な調査や権利者との交渉が必要になるため、それに労力やコストがかかる分買取価格も低くなるのです。
一方、土地と建物の両方の持分を保有している場合は、不動産を単独所有にするまでの労力やコストを抑えられるため、買取価格は高くなる傾向にあります。
住宅ローンの残債
住宅ローンが残っている不動産には、通常抵当権が設定されています。抵当権とは、不動産を担保にしてローンを組む際に、返済が難しくなった場合に備えて金融機関側が設定する権利です。
不動産を担保に設定するため、万が一ローンの返済ができなくなった場合は金融機関に不動産が引き上げられてしまいます。抵当権が設定されている不動産を売却するためには、金融機関と交渉して抵当権を抹消してもらったり任意売却の許可を得たりする必要があるため、手続きが複雑化してしまうのです。
また、抵当権の抹消にかかる費用も売却価格から差し引かれるため、住宅ローンが残っている不動産の共有持分は買取価格が低くなるのが基本です。もし、売却価格が残債を超えずオーバーローンとなった場合は、売却益で残債を完済できないため、売却後もローンの返済のみが続きます。
住宅ローンを完済していて不動産に抵当権が設定されていなければ、抵当権の抹消にかかる労力やコストがかからない分、査定額もアップする可能性があります。
共有持分を買取業者に売却した場合の買取事例
ここからは、共有持分における実際の買取事例を紹介します。
- 東京都足立区の共有古家付土地3分の1を《1,600万円》で買取
- 目黒区上目黒の1棟収益2棟と底地の共有持分を《5,050万円》で買取
- 愛知県豊明市栄町姥子の共有持分2分の1を《2,900万円》で買取
東京都足立区の共有古家付土地3分の1を《1,600万円》で買取
相続によって3名で共有していた不動産で、売主様は他の共有者と協議が進まない状況でした。2名の共有者が土地に居住しており、売主様は全くその土地を利用できていませんでした。
そこで、売主様は自分の持分だけを売却し現金化したいと考え、他の兄弟との話し合いも進まず、最終的に弊社に相談いただいた次第です。
- 売主様は土地の約1/3、建物の約1/4を所有
- 共有者間での協議がうまく進まず
- 現況:古家あり、居住者あり、境界未確定
- 約2か月で買取り完了
この後、残りの共有者との協議も進み、物件の最終的な評価が完了しました。今後は専任媒介契約を結ぶ予定です。
目黒区上目黒の1棟収益2棟と底地の共有持分を《5,050円》で買取
相続で取得した物件がありましたが、他の兄弟がそれに不満を抱き、相続手続きが完了していない状況でした。共有者は高齢で、複雑な状況の中で早期売却を希望され、弊社に相談いただきました。
- 共有者は4名で、持分割合はバラバラ
- 収益物件として賃貸中で、空室もあり
- 底地の借地人との関係が良好でない
- 早期に売却を希望
わずか1週間で買取り手続きが完了し、その後共有者間での協議が進められ、残りの持分も引き取る方向で検討しています。
愛知県豊明市栄町姥子の共有持分2分の1を《2,900万円》で買取
売主様は土地を弟と共有していましたが、弟が売却の提案をしてきた際に、放置している間に第三者に売却されてしまいました。売主様は不安に思い、第三者との協議を避けるため弊社に相談いただきました。
- 土地面積約600㎡、不整形な土地
- 前面道路が狭く、セットバックが必要
- 弊社と協議後、迅速に買取りを決定
今後は共有者との協議が進み、物件の評価を経て、最終的に専任媒介契約を結ぶ予定です。
共有持分を買取業者に高値で買い取ってもらうためのコツ
共有持分を買取業者に高値で買い取ってもらいたい場合は、以下のコツを押さえておきましょう。
- 複数の買取業者に査定を依頼しておく
- 共有持分の割合を増やす
- 他の共有者との関係性を良好にする
ここからは、それぞれのコツについて1つずつ詳しく解説していきます。
複数の買取業者に査定を依頼しておく
共有持分を少しでも高く買い取ってもらうためにも、査定は複数の買取業者に依頼しましょう。1社の査定額だけではそれが本当に適正な価格なのか、相場よりも高いのか低いのかどうか判断できないため、本来であればもっと高く売れたはずの共有持分を安値で手放してしまう可能性があります。
複数の買取業者の査定額を比較すれば、ある程度の相場や高値で買い取ってくれる業者が分かります。査定額以外にも担当者の対応の丁寧さや説明の分かりやすさ、買取実績などの比較もできるため、高値で買い取ってくれる優良な買取業者と出会える可能性が高まるのもメリットです。
また、査定額は価格交渉の材料としても活用できます。最初に提示された査定額に納得がいかない場合は、他社の査定額を提示することで買取価格の値上げやその他の条件の交渉を有利に進められる場合もあります。
共有持分の割合を増やす
共有持分の割合を増やして持分価格の過半数を占められれば、管理行為や軽微な変更行為が単独で行えるようになるため、不動産の使い道の幅が広がり、収益化につながりやすくなります。
また、多くの持分を取得して支配力を強めることで、買取業者が残りの持分の買取交渉や共有物分割請求を行う際に主導権を握りやすくなります。これにより、他の共有者は買取業者の要求を受け入れざるを得ない状況になりやすく、結果として買取業者が望む形での単独所有をスムーズに実現できる可能性が高まるのです。
買取業者がその後の買取交渉や共有物分割請求の手続きをする際に、労力やコストを削減できるため、収益化の可能性や単独所有への道がスムーズに進みやすくなります。そのため、持分割合の高い共有持分は、コストやリスクが軽減される分買い取り価格が高値になる傾向です。
他の共有者との関係性を良好にする
買取業者の最終的な目標である不動産の単独所有を実現するためには、他の共有者から持分を買い取るための交渉や共有物分割請求が必要です。他の共有者との関係性が良好であれば買取交渉がスムーズに進みやすく、共有物分割請求訴訟を起こさなくても単独所有を実現できる可能性が高まります。
仮に訴訟まで発展したとしても、関係性が良好であれば和解に持ち込みやすく、裁判が長期化・複雑化するリスクを抑えられます。このように他の共有者との関係性が良好であることは、買取業者にとって手間やコストを抑えつつ単独所有を実現しやすくなるという魅力的なメリットになるため、買い取り価格も高値になる傾向です。
共有持分を売却せずに所有し続けることのリスク
共有持分を売却せずに所有し続けることで、以下のようなリスクが伴います。
- 共有名義の不動産全体の活用方法について共有者と揉めてしまう
- 固定資産税などの支払い負担で他の共有者と揉めてしまう
- 他の共有者から共有物分割訴訟を起こされて望まぬ形で共有状態が解消されてしまう
- 相続がある度に共有者が増えてしまう
ここからは、それぞれのリスクについて1つずつ詳しく解説していきます。
共有名義の不動産全体の活用方法について共有者と揉めてしまう
共有持分を所有し続けると、共有名義の不動産全体の活用方法を巡って共有者間で意見が対立し、結果として不動産を有効活用できない状況に陥ってしまうリスクがあります。
前提として、共有名義の不動産は共有者全員に利用する権利があるため、単独での不動産の活用や処分は民法で制限されています。共有名義の不動産に対する行為は「保存行為」「管理行為」「変更行為」の3つに区分されていますが、管理行為や変更行為を行うには他の共有者からの同意を得なければなりません。
行為 | 具体例 | 他の共有者の同意の要件 |
---|---|---|
保存行為 | ・共有物の現状を維持するための緊急性の高い修繕(雨漏りの修繕、屋根や壁などの破損箇所の修繕など) ・不法占拠者に対する建物の明け渡し請求 | 各共有者が単独で実行可能 |
管理行為 | ・短期の賃貸借契約の締結・更新・解除 ・共有名義不動産の管理者の選任・解任 | 持分価格の過半数の同意が必要 |
変更行為(軽微なもの) | ・軽微なリフォーム ・砂利道からアスファルト舗装への変更 ・庭木の伐採 ・土地の分筆・合筆 | 持分価格の過半数の同意が必要 |
変更行為(軽微ではないもの) | ・不動産全体の売却 ・抵当権の設定 ・建物の解体 ・増築・減築・改築 ・大規模なリフォーム ・長期の賃貸借契約の締結・更新・解除 | 共有者全員の同意が必要 |
管理行為や軽微な変更行為は持分価格の過半数の同意、軽微ではない変更行為は共有者全員の同意を得なければ実行に移せません。
ここで意見が対立してしまうと、単独で実行できる行為の範囲が狭くなってしまうため、有効活用できないままコストのみが発生し続ける負の財産と化してしまう恐れがあります。
固定資産税などの支払い負担で他の共有者と揉めてしまう
共有名義不動産にかかる固定資産税や維持管理費などは、共有者全員が連帯して支払い義務を負います。
これらの負担割合は各共有者の持分割合に応じて決めるのが原則とされていますが、実際にはこの原則の通りにいかず、支払い負担を巡ってトラブルになるケースも少なくありません。
実際に弊社でも、維持費の負担割合でトラブルになったことをきっかけに相談いただいた事例もあります。特に以下のようなケースでは、支払い負担を巡る揉め事が起こりやすいです。
- 特定の共有者が共有名義不動産を占有している場合
- 共有者間で収入に格差がある場合
- 連絡が取れない共有者がいる場合
特定の共有者が共有名義不動産を占有しているケースでは、占有者以外の共有者から「不動産を利用していないのに、固定資産税や維持管理費を負担するのは納得がいかない」という不満が出やすく、占有者とそれ以外の共有者間で支払い負担を巡るトラブルが生じやすいです。
また、経済的に余裕がなく支払いができない共有者や、連絡が取れない共有者がいる場合は、その共有者の支払い分を他の誰かが肩代わりせざるを得ない状況に陥りやすいです。肩代わりした共有者は不満が募りやすいため、結果として共有者間の関係性の悪化につながる恐れもあります。
他の共有者から共有物分割訴訟を起こされて望まぬ形で共有状態が解消されてしまう
前述したように、各共有者は他の共有者に対していつでも共有物の共有状態の解消を求めることが可能です。
共有物分割請求ではまず共有者間の話し合いで分割方法を決めるのが一般的ですが、その話し合いがまとまらなかった場合は共有物分割訴訟を起こされる可能性があります。
共有物分割訴訟では裁判官が共有物の種類や共有者の事情、共有者の要望などの要素を総合的に考慮し、以下の中から最も適切だと思われる分割方法を命じます。
分割方法の種類 | 内容 |
---|---|
現物分割 | 共有物を持分割合に応じて物理的に分割し、各共有者が分割後の部分を単独で所有する方法 |
代償分割 | 一部の共有者が共有物全体を単独で所有する代わりに、他の共有者に対してその持分に相当する金銭を支払う方法 |
換価分割 | 共有物全体を競売にかけ、売却代金を持分割合に応じて各共有者に分配する方法 |
裁判所の判決には法的な強制力があるため、共有者全員は判決に従って共有状態を解消しなければなりません。そのため、訴訟をすれば確実に分割できますが、裁判所の決定が必ずしも共有者全員にとって望ましい結果になるとは限りません。
換価分割では共有名義不動産が競売にかけられますが、競売は任意売却よりも売却価格が大幅に低くなります。そのため、共有者全員が受け取れる売却代金が市場価値よりも低くなってしまう恐れがあります。
また、共有物分割訴訟は判決までに時間がかかるうえ、裁判費用や弁護士費用などのコストもかかるため、これらが他の共有者との関係悪化につながる要因になり得ます。
相続がある度に共有者が増えてしまう
共有名義不動産の名義人が亡くなると、共有持分を含む遺産は原則として子供や配偶者などの法定相続人に引き継がれますが、この法定相続人は複数人存在するケースが多いです。
たとえば、配偶者と2人の子供がいる共有者が亡くなった場合、配偶者と2人の子供が法定相続人となり、共有持分は法定相続分に応じて3分割されることになります。このように相続が繰り返されていけば、共有持分はどんどん細分化されて引き継がれていくため、共有者の人数もどんどん増えていくことになります。
共有名義不動産の活用や処分の方針を決める際、共有者の人数が多いほど合意形成を図るのは難しくなります。そのため、活用や処分するにも意見がまとまらないことから行動に移せず、共有名義不動産が固定資産税や管理費などのコストだけがかかる負の遺産と化してしまう恐れがあります。
共有持分を売却せずに放置することは、相続のたびに権利関係が複雑化し、結果として子孫に多大な迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。将来の世代に余計な負担をかけないためにも、不要な共有持分は権利が複雑化する前に早めに処分しておくことが重要になります。
まとめ
共有持分専門の買取業者は、共有持分に関する専門知識やノウハウが豊富で、収益化を実現できる見込みがあるため、一般の買主から敬遠されがちな共有持分も積極的な買い取りが可能です。
しかし、買取業者に売却した場合、他の共有者への強引な買取交渉や共有物分割請求による望まぬ形での共有状態の解消などにより、買取業者や他の共有者との間でトラブルが生じる可能性があります。
悪質な買取業者に売却するとそのリスクがさらに高まるため、安心して取引を進めるためには信頼できる優良な買取業者に売却することが大切です。買取業者への売却を検討している場合は、今回ご紹介したポイントをよく理解し、おすすめの買取業者を参考にしながら、自分に合った信頼できる買取業者を選びましょう。
よくある質問
共有持分の買取業者に売却する場合の相場は、共有持分の評価額(不動産全体の市場価格×持分割合)の3~5割程度が目安です。買取業者に売却する場合、収益化までにかかる手間やコスト、収益化できないリスクはすべて買取業者が引き受けることになります。買取業者は買い取った共有持分で利益を上げなければならないため、買取価格も大幅に下げざるを得ないのです。
自分の共有持分のみを売却する場合は、他の共有者の同意が必要ないため、内緒で売却手続きが進められます。買取業者に売却すれば、買主を見つけるための広告活動が行われないため、仲介よりも他の共有者にバレにくいです。ただし、共有持分を売却した後は、買取業者によって他の共有者への買取交渉や共有物分割請求が行われるのが一般的なので、いずれは共有持分を売却した事実はバレることになります。
売却後のトラブルを回避するには、共有持分の買取実績や専門知識が豊富で、信頼のおける正規の買取業者に売却することが重要です。信頼できる買取業者に売却すれば、売主や他の共有者の不利益にならないように配慮して交渉や手続きを行うのが一般的です。
ただし、信頼できる買取業者に売却した場合でも、買取業者からの突然の賃料請求や共有物分割請求などをきっかけにトラブルへ発展する恐れがあります。こうしたトラブルのリスクを抑えるためにも、買取業者に売却することや買取業者から賃料請求や共有物分割請求をされる可能性があることは事前に他の共有者に伝えておくのが賢明です。
共有持分の売却によって利益が発生した場合は、その利益に対して譲渡所得税が課されます。譲渡所得税が発生した場合は、共有持分を売却した年の翌年に税務署で確定申告が必要になります。確定申告の義務を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があるため、手続きで何か不明点や不安があれば税務署や税理士に相談することをおすすめします。
共有持分の売却以外では、「他の共有者に共有持分を譲渡する」「共有持分を放棄する」などの方法があります。譲渡する場合は譲渡先の共有者を自由に選べますが、放棄する場合は自由に選べず、残りの共有者全員が持分割合に応じて取得することになります。
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