横浜市は人口370万人を超える政令指定都市で、首都圏の中でも東京に次ぐ規模を誇る都市です。交通アクセスに優れており、横浜駅から東京駅まで最短24分、新横浜駅から新幹線で全国主要都市へダイレクトにアクセスできます。こうした規模の大きさや交通・生活の利便性から不動産需要は安定しており、人口の一極集中や東京23区の価格高騰を背景に、横浜市内の住宅需要は上昇傾向にあります。
ただし、不動産を売却するにあたっては、どのエリアに所在する物件かによって価格の動きや需要の大きさが変わるため、相場や市場動向を踏まえて戦略的に進める必要があります。 不動産売却では、特に「仲介で高値を目指すか」「買取でスピードを優先するか」といった売却方法の選択が大きな分岐点となります。そのため、信頼できる不動産会社を選び、適切な査定を受けることが成功の鍵を握ります。
本記事では、横浜市の不動産価値の推移や最新の地価公示データ、戸建・マンション・土地の売却相場、実際の売却事例、売却時の不動産会社の選び方まで徹底的に解説します。横浜市での不動産売却を検討している人に向けて、実践的な判断材料をまとめました。
横浜市の不動産価値や推移は?
人口増加や供給不足によって東京都内の不動産は価格高騰を続けており、その影響は近接する神奈川県にも及んでいます。神奈川県の発表によると、2025年の地価は住宅地が前年比3.4%上昇、商業地が6.6%上昇しました。
上昇の中心は横浜市や川崎市などの都市部で、利便性の高さや再開発の進展が地価を押し上げています。 横浜市は鉄道アクセスの利便性も高く、横浜駅から東京駅までの所要時間は最短24分と通勤・通学に便利で、都心の価格上昇に伴う代替需要を取り込んでいるといえるでしょう。
| 年度 | 横浜市の住宅地の平均地価(円/㎡) |
|---|---|
| 2021年 | 231,600 |
| 2022年 | 234,100 |
| 2023年 | 238,700 |
| 2024年 | 245,800 |
| 2025年 | 257,000 |
※参考:国土交通省「地価公示」
国土交通省の地価公示を見ても、横浜市の地価は2021年から2025年にかけて右肩上がりに推移。直近5年間で、横浜市の住宅地の公示地価は約11%上昇しました。 2025年現在、横浜市の住宅地で特に平均地価が高い区は下記の通りです。
| 区 | 公示地価(㎡単価) |
|---|---|
| 西区 | 392,700円/㎡ |
| 中区 | 386,100円/㎡ |
| 港北区 | 348,900円/㎡ |
| 青葉区 | 325,700円/㎡ |
| 神奈川区 | 322,300円/㎡ |
横浜の中でも、横浜駅を含むみなとみらいエリアの西区・中区、新横浜駅を抱える港北区の地価が高いことがわかります。神奈川県の中心地として利便性が高い場所は、特に不動産価値が高く、他のエリアより高値での売却が期待できます。とりわけ、横浜駅周辺では再開発プロジェクトが進行しており、今後も資産価値の維持や上昇が見込まれます。
また、泉区のゆめが丘駅や下飯田駅周辺では土地区画整理事業が進められており、相鉄・東急直通線の開業や大型商業施設の開店によって利便性が向上しました。これにより住宅需要が増し、地価は継続して強い上昇傾向を示しています。
参考:神奈川県政策局「地価公示の概要(令和7年地価公示)」
反対に、横浜市の住宅地で平均地価が低い区は下記の通りです。同じ横浜市でも、区によって平均地価に大きな差があり、不動産価格も地域によって大幅に変わる可能性があることがわかります。
| 区 | 公示地価(㎡単価) |
|---|---|
| 栄区 | 182,300円/㎡ |
| 瀬谷区 | 188,600円/㎡ |
| 金沢区 | 192,500円/㎡ |
| 磯子区 | 200,000円/㎡ |
| 旭区 | 203,600円/㎡ |
ただし、横浜市のうち、青葉区・都筑区・戸塚区・泉区・瀬谷区・旭区は一世帯あたりの人員が概ね2.2人以上なのでファミリー層が多く居住していると考えられます。特に、青葉区と戸塚区は世帯数自体も多いため、住宅需要の厚みがあるのが特徴です。これらの区では、市平均より価格水準が低めのエリアであっても、ファミリー向け賃貸物件の需要が安定して見込めます。
参考:神奈川県「神奈川県の人口と世帯(令和7年8月1日現在)」
さらに、マンションに限った需要も上昇傾向にあります。マンションリサーチ株式会社の「マンションナビ」の統計によると、神奈川県の中古マンションの売買価格は、9年前と比較すると43.9%上昇していて、㎡単価にして +15.9万円/㎡の伸びを記録。特に、公示地価が高いエリアの9年前比は、西区で+56%、中区で+54.9%、港北区で+36.8%でした。
横浜市にある不動産の売却相場
横浜市で売却を成功させるには、まず「現在の相場」を押さえることが大切です。所有している不動産がいくらで売れるかを正確に試算するのは難しいものの、おおよその相場を知っていれば、売り出し価格の設定や値下げ交渉の判断がしやすくなるので、販売期間の長期化や機会損失の回避につながります。
ここからは、レインズの年報マーケットウォッチに基づいて、横浜市全体と地価の高い上位5区の戸建・マンション・土地の価格水準と、エリアごとの特徴から見える傾向をまとめます。
横浜市にある戸建の売却相場
| 横浜市全体の中古戸建の売却相場 | 数値 |
|---|---|
| 価格(万円) | 4,655 |
| 土地面積(㎡) | 137.28 |
| 建物面積(㎡) | 107.21 |
| 築年数(年) | 20.16 |
| 項目 | 西区 | 中区 | 港北区 | 青葉区 | 神奈川区 |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格(万円) | 4,985 | 6,591 | 5,245 | 6,902 | 4,550 |
| 土地面積(㎡) | 103.69 | 165.48 | 109.33 | 168.57 | 113.44 |
| 建物面積(㎡) | 100.25 | 114.10 | 101.64 | 124.14 | 99.19 |
| 築年数(年) | 20.11 | 21.66 | 18.00 | 20.73 | 19.30 |
参考:レインズ「年報マーケットウォッチ2023年・年度 Ⅰ. 首都圏住宅・土地の売買 区市町村別成約状況 表26 戸建住宅(中古・新築)」
横浜市全体の中古戸建の平均価格は約4,600万円台で、土地は137㎡前後、建物は107㎡前後と首都圏の中でも広さに余裕がある住宅が多く取引されています。築年数は平均で20年前後と、リフォームやリノベーションを前提に売買される物件が多い傾向が見られます。
エリア別に見ると、中区と青葉区は土地面積が広く価格帯も高水準で推移しており、とりわけ青葉区はファミリー層に支持されやすいゆとりある住宅が多いことが特徴です。西区は面積がやや小さいものの、横浜駅に近接する利便性が価格を下支えしています。港北区は新横浜エリアを抱え、築年が比較的浅い物件が多いため安定した水準を維持しているといえるでしょう。神奈川区も主要駅へのアクセスの良さから需要が堅調で、比較的総額を抑えつつ安定した取引が目立ちます。
横浜市にあるマンションの売却相場
| 横浜市全体の中古マンションの売却相場 | 数値 |
|---|---|
| ㎡単価(万円/㎡) | 58.88 |
| 価格(万円) | 3,915 |
| 専有面積(㎡) | 66.49 |
| 築年数(年) | 25.09 |
| 項目 | 西区 | 中区 | 港北区 | 青葉区 | 神奈川区 |
|---|---|---|---|---|---|
| ㎡単価(万円/㎡) | 98.54 | 82.94 | 66.73 | 61.94 | 73.32 |
| 価格(万円) | 5,559 | 4,987 | 4,411 | 4,516 | 4,355 |
| 専有面積(㎡) | 56.41 | 60.12 | 66.10 | 72.91 | 59.40 |
| 築年数(年) | 19.28 | 22.44 | 23.57 | 25.06 | 23.67 |
参考:レインズ「年報マーケットウォッチ2023年・年度 Ⅰ. 首都圏住宅・土地の売買 区市町村別成約状況 表24 中古マンション」
横浜市全体の中古マンションは㎡単価が約58.9万円、平均価格は3,900万円台、専有面積は66㎡前後、築年数は25年前後が中心です。
西区と中区は、都心近接性やみなとみらいのエリア人気が反映され、㎡単価が突出して高く、面積がややコンパクトでも総額は高止まりしやすい傾向です。港北区は交通利便性が高く、ファミリー向けの66㎡前後が主流で市平均を上回る水準を示します。青葉区は専有面積が広いことが価格を支えています。神奈川区も主要ターミナルへのアクセスの良さから、比較的専有面積の小さい物件が多いものの、単価は相対的に高く形成されやすい傾向があります。
横浜市にある土地の売却相場
| 項目 | 土地(100~200㎡) | 土地(全体) |
|---|---|---|
| ㎡単価(万円/㎡) | 25.34 | 24.17 |
| 価格(万円) | 3,909 | 4,216 |
| 土地面積(㎡) | 154.27 | 174.55 |
| 項目 | 西区 | 中区 | 港北区 | 青葉区 | 神奈川区 |
|---|---|---|---|---|---|
| ㎡単価(万円/㎡) | 37.01 | 43.72 | 36.27 | 31.34 | 37.61 |
| 価格(万円) | 3,788 | 6,079 | 5,498 | 6,348 | 4,809 |
| 土地面積(㎡) | 102.36 | 139.04 | 151.59 | 202.54 | 127.85 |
参考:レインズ「年報マーケットウォッチ2023年・年度 Ⅰ. 首都圏住宅・土地の売買 区市町村別成約状況 表27 土地(100〜200㎡)/ 表28 土地(全体)」
横浜市全体では、土地(100~200㎡)の平均は価格が約3,900万円、面積が154㎡、㎡単価が25.34万円です。土地全体では価格が約4,200万円、面積が175㎡、㎡単価が24.17万円とやや低めの水準です。土地の場合、一般的に面積が広がるほど単価は下がる傾向が見られます。
区別にみると、中区が㎡単価43.72万円と最も高く、総額も6,000万円台に達しています。西区は平均面積が小さいものの単価が高く、安定した価格水準を維持しています。港北区や青葉区は比較的広い土地が多く、総額は5,000万~6,000万円前後で推移しています。神奈川区は面積が127㎡前後で総額約4,800万円と、都心へのアクセスを考慮したバランス型の相場となっています。
横浜市にある不動産の売却事例
横浜市で実際にどのような価格で取引が行われているのかを確認すると、地域ごとの特徴や人気の条件が見えてきます。築年数や面積、駅からの距離などが価格にどう作用しているかも把握でき、売却を進める際の参考材料となるでしょう。
過去の事例を押さえておけば、自分の物件が適正に評価されているか見極めやすくなり、売り出す時期や交渉を進める上での根拠としても活用できます。 ここからは、横浜市内で2024~2025年に売買された不動産の例をみていきます。
横浜市にある戸建の売却事例
| 地域 | 取引総額 | 最寄駅 | 距離 | 土地面積 | 建物面積 | 築年 | 取引時期 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 神奈川区松ケ丘 | 8,500万円 | 横浜 | 徒歩15分以内 | 140~145m² | 115~120m² | 2002年 | 2025年3月~2025年5月 |
| 戸塚区戸塚町 | 5,000万円 | 戸塚 | 徒歩15分以内 | 125~130m² | 140~145m² | 1957年 | 2025年3月~2025年5月 |
参考:レインズ「取引情報検索」
神奈川区松ケ丘の8,500万円事例は、土地140㎡台・建物120㎡弱のゆとりある規模に加え、築2002年の比較的良好な築年が価格形成を後押ししています。対して、戸塚区戸塚町の5,000万円事例は、建物140㎡台と広さはあるものの、区としての需要と築年数の影響が大きく、同じ徒歩15分圏でも価格差が明瞭に出ています。
戸建は駅距離・敷地と延床のバランスに築年要素が重なると価格が大幅に変わる傾向が見られます。築古は建物評価が伸びにくく、土地寄りの評価が出やすいため、現況渡しやリフォーム前提での需要取り込みが現実的な戦略といえるでしょう。
横浜市にあるマンションの売却事例
| 地域 | 取引総額 | 最寄駅 | 距離 | 専有面積 | 間取り | 構造 | 築年 | 取引時期 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 西区みなとみらい | 1億2,200万円 | みなとみらい | 徒歩3分 | 75~80m² | 2LDK | SRC | 2003年 | 2024年12月~2025年2月 |
| 青葉区美しが丘 | 4,800万円 | たまプラーザ | 徒歩13分 | 75~80m² | 3LDK | RC | 1996年 | 2025年3月~2025年5月 |
参考:レインズ「取引情報検索」
みなとみらいエリアで1億2,200万円という高額で取引された物件は、エリアの利便性や人気の高さ、安定した需要が価格に反映された結果といえるでしょう。一方、青葉区美しが丘の4,800万円は、同規模帯でも徒歩13分・1996年築・RCが影響し、生活利便と予算感のバランスで実需ニーズに応える価格帯に落ち着いています。
マンションは駅距離とエリア、築年数のほか、構造と間取りの実用性が価格に影響します。専有面積が同程度でも、都心近接や再開発進行エリアでは上振れ、郊外の落ち着いた住宅地では広めの間取りや学校への通いやすさといった生活のしやすさが重視され、実際に住む人の購入ニーズによって安定した価格が付く傾向があります。
横浜市にある土地の売却事例
| 地域 | 取引総額 | 最寄駅 | 距離 | 面積 | ㎡単価 | 用途 | 取引時期 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 西区岡野 | 3億6,000万円 | 横浜 | 徒歩7分 | 100㎡ | 360万円 | 商業地 | 2024年第2四半期 |
| 港北区大倉山 | 8,000万円 | 大倉山(神奈川) | 徒歩6分 | 100㎡ | 79万円 | 住宅地 | 2024年第4四半期 |
西区岡野の商業地の事例は、横浜駅徒歩7分の高い歩行者通行量と事業適地性が強く反映された金額が出ています。港北区大倉山の事例は、駅徒歩6分という利便性がありながら、港北区の中でも落ち着いた住宅街として知られ、実際に住む人が手を伸ばしやすい価格帯で成約しています。
土地は、用途・容積ポテンシャル・駅距離・周辺商業集積の度合い・エリアの将来性で単価差が顕著に開きます。同一面積でも、事業採算性が見込める商業地は、売却額の上昇余地が大きい傾向があります。一方、住宅地は周囲の取引価格や個別の事情を考慮した価格にすることが重要で、売却額の妥当性が売れるスピードに影響します。
横浜市の不動産売却は仲介と買取のどちらがいい?
不動産を売却する方法は「仲介」と「買取」に大きく分かれます。仲介は、不動産会社が買主を探し、市場で売る方法です。売却まで時間はかかりますが、市場価格に近い高値を狙えるのが強みです。買取は、不動産会社が直接購入する方法で、スピード重視の売却に向いています。
仲介・買取どちらを選ぶかは「価格を重視するのか」「早さを優先するのか」で判断すると分かりやすいでしょう。それぞれどのようなケースに向いているのか詳しくみていきましょう。
仲介|市場価格に近い価格で売却したい場合
・市場価格に近い価格で売却したい場合
・ハイグレード物件を売却したい場合
・地価が高いエリアの物件を売却したい場合
仲介は、市場に物件を公開して広く買主を募るため、市場価格に近い価格で売却しやすい方法です。特に地価が高く安定したエリアや、設備・仕様が優れたハイグレード物件では、仲介で売却を目指すことで、より高値成約が期待できます。
一方で、売却活動には時間がかかり、購入希望者が表れても内見対応や価格交渉が必要になるため、短期間で売却したい人には不向きです。仲介は「できるだけ高く売りたいが、時間には余裕がある」というケースに適しているといえます。
2025年現在、横浜市の住宅地(宅地見込地を含む)の公示価格上位エリアは下記のとおりです。横浜市で、価格が安定しているのは、やはり主要な駅と商業エリア・観光エリアが集中している都市部の西区・中区・港北区です。
| 町名 | 最高㎡単価 | 最寄り駅 |
|---|---|---|
| 横浜市中区山手町 | 800,000円/㎡ | 石川町 |
| 横浜市西区中央 | 680,000円/㎡ | 戸部 |
| 横浜市港北区日吉本町 | 658,000円/㎡ | 日吉 |
| 横浜市青葉区新石川 | 607,000円/㎡ | たまプラーザ |
| 横浜市青葉区美しが丘 | 604,000円/㎡ | たまプラーザ |
※参考:神奈川県「令和7年地価公示(神奈川県分)/資料2 公示価格一覧」
※参考:国土交通省「地価公示・都道府県地価調査の検索」
都市部以外でも、交通の便が良いエリアは高値が付きやすい傾向があります。例えば、青葉区は郊外でありながら地価が高く、人気が高い地域です。青葉区は、通勤利便性が非常に高く、たまプラーザ駅から川崎駅・横浜駅はもちろん、品川駅・渋谷駅・東京駅までいずれも30~40分程度でアクセス可能。価格と交通のバランスが良く、青葉区の昼間人口の統計を見ると、実際に住民の約4割が東京都へ通勤・通学している点も需要の強さを裏づけています。
続いて、横浜市の商業地の公示価格上位エリアは下記のとおりです。
| 町名 | 最高㎡単価 | 最寄り駅 |
|---|---|---|
| 横浜市西区南幸 | 16,900,000円/㎡ | 横浜 |
| 横浜市西区北幸 | 5,690,000円/㎡ | 横浜 |
| 横浜市神奈川区鶴屋町 | 3,850,000円/㎡ | 横浜 |
| 横浜市西区高島 | 3,760,000円/㎡ | 横浜 |
| 横浜市西区みなとみらい | 3,410,000円/㎡ | 桜木町 |
※参考:神奈川県「令和7年地価公示(神奈川県分)/資料2 公示価格一覧」
※参考:国土交通省「地価公示・都道府県地価調査の検索」
商業地では、特に西区の強さが目立ちます。西区南幸を筆頭に、北幸・高島・みなとみらいなど横浜駅周辺が上位を独占しました。横浜駅は、JRや東急、京急など複数路線が集まり、神奈川県内外からの交通の要所となっているため、店舗・オフィス需要が非常に高く、安定した地価を維持しています。こうした背景から、西区は横浜市内でも特に商業価値の高いエリアといえます。
買取|なるべく早く不動産を売却したい場合
・なるべく早く不動産を売却したい事情がある場合
・売却期日が決まっている場合
・買主が見つかりにくい状態の物件の場合
・借地権や底地、共有持分などの権利関係が複雑な物件の場合
買取は、不動産会社が直接不動産を購入する方法です。不動産会社が買主となるため、買主探しや内見対応の手間がなく、契約から現金化までのスピードが早いのが最大の特徴です。そのため、売却期日が決まっている場合や、相続・転勤・資金需要など急いで現金化したいケースに適しているといえます。また、「築年数が古い」「違法建築の可能性がある」雨漏りなど修繕が必要」「権利関係が複雑で揉めている」など、仲介で売ろうとしても買主が見つかりにくい状態にある物件でも、買取ならスムーズに売却しやすい点は大きなメリットでしょう。
ただし、デメリットとして市場価格より売却額が下がりやすい点は避けられません。マイナス要素の解決を含めた金額での買取となるため、一般的に仲介より1〜2割程度安くなるといわれています。よって、「とにかく早く売りたい」「条件の悪い物件を確実に手放したい」といった事情がある場合に選ばれる方法です。
横浜市内でも、公示地価が低い旭区・瀬谷区・栄区・泉区といった地域は、都心部に比べて需要が弱い傾向があります。築年数が古い物件や権利関係が複雑な物件は仲介では買い手が見つかりにくく、売却までに時間がかかることも少なくありません。そのため、多少価格が下がっても確実に売却できる買取を選ぶほうが、現実的な選択肢となるケースが出てきます。
横浜市の不動産売却に強いおすすめの不動産会社
横浜市は東京都心へのアクセスの良さや再開発の進展により、不動産需要が安定して高い水準を保っています。エリアごとに特色が異なり、住宅地として人気の高いエリアから商業施設が集積する地域まで幅広い市場が形成されているため、売却を成功させるには地域事情に詳しい不動産会社を選ぶことが重要です。
続いては、横浜市で不動産仲介・買取に強みを持つ会社を紹介します。「横浜市の物件への専門性」をベースにピックアップ。各業者は、対応のスピード感や取り扱い不動産の種類、訳あり物件の対応の可否など個々の強みを持っています。
【仲介・買取】やまゆりエステート株式会社
やまゆりエステート株式会社は、大手にはない独自の営業戦略を駆使し、小規模会社ならではの柔軟な対応とスピード感あるサポートを実現しています。横浜市神奈川区出身の業界歴30年以上の代表が、すべての案件に直接対応するため、地域特性を踏まえた提案を受けられる点も安心です。高値売却を狙える戦略的な営業力に加え、売主に寄り添った姿勢で特にマンション売却に強みを持っています。
| 会社名 | やまゆりエステート株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県横浜市神奈川区六角橋6-9-1-101 |
| 電話番号 | 045-263-6316 |
| 営業時間 | 10:00~19:00(火・水定休) |
| 公式サイト | https://www.yamayuri-estate.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】オープンルーム株式会社
オープンルーム株式会社は、「神奈川県内の不動産なら日本一のスピードで買取」を掲げており、買取では最短1日で契約が可能で、スピード感を求める売却に強みがある不動産業者です。契約後の引き渡し時期を柔軟に調整できるほか、売主の契約不適合責任が免責となる仕組みを採用しています。また、競売や債務整理案件にも対応。紹介制度により、成約時には商品券が進呈されるサービスもあります。
| 会社名 | オープンルーム株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県横浜市泉区弥生台51-9 |
| 電話番号 | 0120-919-245/045-811-9623 |
| 営業時間 | 9:30~21:00(第1/3火・水曜定休) |
| 公式サイト | https://www.yamayuri-estate.co.jp/ |
| 最短査定期間 | 1日 |
【仲介・買取】株式会社住宅プロデュース
株式会社住宅プロデュースは、地域事情に精通したサービスを提供する会社です。横浜市内でも保土ヶ谷区・瀬谷区・旭区・泉区・戸塚区に特化し、地域密着型の営業を強みとしています。エリアを絞ることで、未公開情報や最新の価格動向を効率的に収集し、地元ネットワークを活かした売却活動を展開。大手にはない細やかな対応力で、スピードと価格の両立を目指しています。
| 会社名 | 株式会社住宅プロデュース |
|---|---|
| 住所 | (三ツ境店)神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境15番4 (鶴ヶ峰店)横浜市旭区鶴ケ峰2-3-1 |
| 電話番号 | (三ツ境店)045-360-3031 (鶴ヶ峰店)045-959-1026 |
| 営業時間 | 9:00~20:00(水曜定休) |
| 公式サイト | https://www.ju-pro.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】株式会社アメイジングプラス
株式会社アメイジングプラスは、不動産売買や仲介、賃貸管理に加え、リフォームやリノベーション、新築分譲まで幅広く対応する総合不動産会社です。空き家や空室対策にも注力しており、最短2週間で買取の実績あり。提携弁護士による法的サポートや土地の買取、入居率改善の取り組みも行っています。売却のみならず、多面的な解決策を模索できる点が強みで、不動産の課題に幅広く対応可能です。
| 会社名 | 株式会社アメイジングプラス |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県横浜市中区山下町32-13HARAビル5階 |
| 電話番号 | 045-227-5600 |
| 営業時間 | 10:00~19:00(火・水定休) |
| 公式サイト | https://amazing-plus.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】株式会社東信
株式会社東信は創業40年以上の歴史を持ち、横浜市金沢区を拠点に地域に密着した事業を展開しています。仲介売却のほか、買取・新築分譲・リフォーム再販まで幅広く対応でき、底地や借地権など複雑な案件にも強みを持ちます。地域ネットワークと独自情報を活用し、生活に根ざした総合的なサービスを提供。長年の実績と経験に基づくワンストップ体制が特徴です。
| 会社名 | 株式会社東信 |
|---|---|
| 住所 | (金沢文庫店)横浜市金沢区釜利谷東二丁目11-14 (金沢八景店)神奈川県横浜市金沢区瀬戸10-8恒陽金沢八景マンション102 |
| 電話番号 | (金沢文庫店)0120-281-886/045-781-4691 (金沢八景店)045-785-6381 |
| 営業時間 | 9:30~18:30(火・水定休) |
| 公式サイト | https://www.toushin-net.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】株式会社住まいエージェント
株式会社住まいエージェントは、横浜市中区を拠点に仲介・買取に加えて、賃貸管理や空き家再生、任意売却にも対応しています。代表は横浜生まれ・横浜育ちで、地元での豊富な営業経験を活かした対応が可能です。仲介手数料は、法定上限から20%割引としており、売主の経済的負担を軽減。地域に根ざした不動産会社として、柔軟かつ丁寧なサポートを受けられます。
| 会社名 | 株式会社住まいエージェント |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県横浜市中区羽衣町二丁目4-4 エバーズ第8関内ビル5階 |
| 電話番号 | 045-900-1360 |
| 営業時間 | 10:00~20:00 |
| 公式サイト | https://sumai-agent.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】リブレ株式会社
リブレ株式会社は、横浜市中区に拠点を置き、新築建売住宅の分譲から中古不動産の買取・再販、収益不動産まで幅広く取り扱っています。崖地や狭小地、変形地、借地といった難しい物件の買取にも積極的で、他社では取り扱いが難しい案件にも対応。さらに、買取案件を紹介した法人・個人に対しては、成約時に紹介料を支払う制度を設け、情報提供者との連携も重視しています。
| 会社名 | リブレ株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 横浜市中区尾上町1丁目6番地 ICON関内 9階 |
| 電話番号 | 045-222-8585 |
| 営業時間 | 9:30~18:30(水日定休) |
| 公式サイト | https://libre-1.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【仲介・買取】株式会社あおぞら不動産
株式会社あおぞら不動産は「じっくり、丁寧にサポート」を理念に掲げ、不動産売却において物件の魅力を最大化する工夫を行っています。室内の清掃や庭の整理といったイメージアップ対策を積極的に実施し、売却活動を有利に進める体制を整備。空き家や空地の売却、任意売却にも対応可能で、買取保証も備えているため早期売却を希望する場合にも安心感があります。
| 会社名 | 株式会社あおぞら不動産 |
|---|---|
| 住所 | 横浜市西区岡野2-1-1 長谷川ビル202 |
| 電話番号 | 045-548-5246 |
| 営業時間 | 9:00~18:00(水曜定休) |
| 公式サイト | https://aozora.life/ |
| 最短査定期間 | 7日以内 |
【買取】訳あり物件売却相談室(トレス株式会社)
「訳あり物件売却相談室」を運営するトレス株式会社は、共有不動産や老朽化物件、滞納物件、事故物件といった特殊な不動産の買取を専門としています。権利調整が必要な案件でも、小規模企業ならではの柔軟で丁寧な対応が可能です。現金化は最短1〜2ヶ月。ただし、取り扱いは土地建物に絞られており、マンションは買取対象外とする明確な方針も特徴です。
| 会社名 | トレス株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県横浜市西区北幸2-10-34 第8NYビル602 |
| 電話番号 | 045-548-4390 |
| 営業時間 | 9:30~18:00(土・日・祝定休) |
| 公式サイト | https://tres-hsc.co.jp/ |
| 最短査定期間 | – |
【買取】株式会社クランピーリアルエステート
株式会社クランピーリアルエステートは、年間3,000件以上の相談実績を誇る、訳あり物件の買取を専門とする不動産会社です。事故物件や老朽化物件、複雑な権利関係を抱える物件に対応し、最短12時間で査定・48時間で現金化が可能という迅速な対応力が強み。
全国1,500の士業事務所と連携しているため、法律や相続関連の課題も一括で相談できます。問い合わせは電話やメールだけでなくLINEでも受け付けており、利用者にとって相談しやすい環境を整備。全国規模で訳あり物件を専門に取り扱っているため、大手ならではの豊富な実績・ノウハウを活用し、高価買取が期待できます。
| 会社名 | 株式会社クランピーリアルエステート |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区築地2-10-6 Daiwa築地駅前ビル9F |
| 電話番号 | 03-6226-2566 |
| 営業時間 | 10:00~19:00(土・日定休) |
| 公式サイト | https://c-realestate.jp/ |
| 最短査定期間 | 12時間 |
横浜市の不動産売却を成功させるには依頼する業者選びが大切
横浜市で不動産を売却する際、どの業者に依頼するかは成否を大きく左右します。信頼できる会社であれば安心して売却を進められますが、なかには「強引に売却を迫る」「費用の内訳やリスクの説明をしない」「査定額の根拠を示さない」など、悪質な業者も存在します。そのようなトラブルを避けるためにも、事前に業者の特徴を見極めて選ぶことが欠かせません。
- 過去に行政処分を受けていないかを確認しておく
- 契約を急かしてくるような不動産会社は避ける
- 査定額の明確な根拠を提示してくれない不動産会社は避ける
- 高額な仲介手数料を請求する不動産会社は避ける
最後は、業者選びのポイントを確認していきましょう。
国土交通省のネガティブ情報等検索サイトから処分履歴がないかを確認しておく
不動産会社の信頼性を見極めるうえで有効なのが、国土交通省が提供している「ネガティブ情報等検索サイト」の活用です。 同サイトでは全国の宅建業者の行政処分歴を簡単に検索でき、過去に業務停止や指示処分を受けているかどうかを確認できます。処分歴のある会社は同様のトラブルや不適切な取引を繰り返すリスクがあり、取引を任せるには不安が残ります。
一方で、履歴が見つからない業者であれば、一定の信頼性を担保できるといえるでしょう。 不動産売却は金額が大きく、万が一のリスクも見過ごせない取引です。だからこそ依頼前に公的な情報を確認し、悪質な会社を避けることが売却成功への第一歩となります。
契約を急かしてくるような不動産会社は避ける
不動産売却の契約は本来、売主が内容を十分に理解し、納得したうえで進めるべきものです。しかし、なかには「今決めないと損をする」「早く契約しないと買い手が見つからない」といった言葉で、契約を急かす不動産会社も存在します。そのまま流されて他社と比較もせずに契約してしまうと、相場より安値だったり不利な条件を受け入れざるを得なくなったりと、大きな損失につながる恐れがあります。
売却は高額な資産を扱う取引であり、慎重に進めるのが鉄則です。売主のペースを尊重せず、強引に話を進めるような会社は避けるべきでしょう。安心して任せられるのは、十分な説明を行い、売主が納得するまで待ってくれる業者です。
査定額の明確な根拠を提示してくれない不動産会社は避ける
不動産売却を依頼する際、まず行われるのが物件の査定です。査定額を提示されたとき、査定の根拠をきちんと説明しない業者には注意が必要です。理由が明確でない査定は、相場より安く売却させられることもあります。
一方で、査定の根拠を丁寧に説明してくれる業者であれば、信頼性が高いと判断できます。査定根拠を確認することで、自分の物件が正しく評価されているかを把握でき、納得感を持って売却を進められます。透明性のない査定をする業者は避け、根拠を示してくれる業者を選ぶことが重要です。
なお、不動産の価値に影響を与える代表的な要素は、下記のとおりです。
- 周辺の取引事例(成約価格や売却期間など)
- 公示地価・都道府県地価調査
- 路線価(相続税・贈与税の基準)
- 物件の築年数や建物の状態(老朽化や修繕履歴)
- 立地条件(最寄駅からの距離・バス便の有無など)
- 周辺環境(学校・病院・商業施設・公園の有無など)
- 市場動向(不動産市況・金利動向など)
- 用途地域や建ぺい率・容積率などの法規制
- エリアの将来性(再開発計画や公共事業の有無など)
- 地形や日当たり、眺望、道路付けの良否
- 近隣トラブルや治安といった生活環境面
高額な仲介手数料を請求する不動産会社は避ける
仲介手数料は、不動産会社に支払う報酬として宅地建物取引業法で上限が定められています。しかし、なかには法律を無視して不当に高額な手数料を請求してくる会社もあります。上限を知らないまま契約してしまうと、必要以上の費用を支払うことになり、売却益が大きく削られてしまいます。
手数料の上限は売却価格に応じて算出される仕組みで、計算式も公開されています。具体的には、不動産の仲介手数料は、売買価格が800万円以下の場合は「30万円+消費税」、800万円を超える場合は「売買価格の3%+6万円+消費税」が上限となります。 契約前に必ず金額を確認し、少しでも不明瞭な説明をする業者は避けたほうが安心です。費用面で透明性を確保できる不動産会社を選ぶことが、安全かつ公平な取引につながります。
まとめ
横浜市の不動産売却を成功させるためには、相場やエリアの特性を理解することに加えて、依頼する不動産会社の選び方が非常に重要です。「契約を急がせる」「査定根拠を示さない」「法外な仲介手数料を請求する」といった不安要素のある業者を避けることが、安心できる取引につながります。
横浜市はエリアによって需要や価格の差が大きいため、地域事情に詳しく、データに基づいた査定をしてくれる会社を選ぶことが大切です。信頼できるパートナーを見つけることで、高値売却やスムーズな取引を実現できるでしょう。
よくある質問
契約内容を十分に確認せずに署名してしまうことや、査定根拠が不明確なまま依頼を決めることは避けるべきです。曖昧な条件で契約すると、不利益を被る可能性が高まります。必ず条件や費用の内訳を確認し、納得してから契約を進めることが重要です。
売却価格が4,000万円と同じでも、課税される金額は個別のケースによって異なります。不動産の売却時にかかる税金は、物件の所有期間が5年を超える場合は譲渡益に対して20.315%が課税されます。対して、所有期間が5年以下の短期所有では税率が39.63%と高くなります。なお、売却益とは売却価格から取得費や諸経費を差し引いた残りの金額を指します。
家の売却でやってはいけないことは? 査定額や契約条件に根拠が示されないまま契約してしまうことは大きなリスクです。また、手数料や諸費用の説明が不明確な場合も注意しなければなりません。条件を曖昧にせず、透明性のある契約を心掛けることがトラブル回避につながります。
大きく分けて「仲介」と「買取」という2つの方法があります。仲介は市場に公開して買主を探すため相場に近い価格で売却しやすく、時間に余裕がある人に向いています。買取は不動産会社が直接買い取るため最短で現金化できますが、売却額は下がりやすい傾向があります。自身の状況に応じて方法を選ぶことが大切です。



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