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マンションに強い買取業者おすすめをプロが7社厳選!失敗しない選び方や依頼の流れ、メリットも解説

マンションの買取業者おすすめを7社厳選!失敗しない選び方や依頼の流れ、メリットも解説

マンションの買取を検討されている多くの方から、「業者選びで失敗したくない」といったご相談をよく受けます。

これまで数百件以上のマンション買取に関わってきた経験から言えるのは、「どの業者に依頼するか」というのは、皆さんが思っていらっしゃる以上に売却結果に大きく影響するということです。

マンションの買取業者によって実績はもちろん、再販ルートや得意なエリアも違います。その結果、査定額の差が数百万円に及ぶことも珍しくなく、「もっとちゃんと選べばよかった」と後悔される方も少なくありません。

ただ、仕方ない部分もありますが、マンションの買取業者は自社の強みだけをアピールすることが多いため、公平に比較するのは簡単ではありません。

そこで、私が現場での取引経験をもとに、マンションの買取業者を以下の独自基準で公平に評価しました。

スクロールできます
評価項目評価基準
専門性★★★マンションの買取に強い
★★マンションにも対応
特に記載なし
相談実績★★★1,000件以上
★★500件以上
500件未満または不明
買取スピード★★★最短3営業日以内
★★買取1週間以内
明記なしまたは不明
対応エリア★★★全国
★★複数エリア対応
一部エリアのみ
訳あり物件への対応対応あり
不明未記載または不明
無料査定無料査定を実施している
不明未記載または不明

この評価基準をもとに、私が現場で特に信頼できると判断した業者を紹介します。
各業者は査定スピードや対応可能エリア、訳あり物件の取扱などに優れており、安心しておすすめできる業者です。

スクロールできます
買取業者専門性相談実績買取スピードエリア訳あり物件への対応無料査定
スター・マイカ★★★★★★★★★★不明
クランピーリアルエステート★★★★★★★★★★★
大京穴吹不動産★★★★★★★★★★★不明
東急リバブル★★★★★★★★不明
株式会社ランドネット★★★★★★★★★★★
インテリックス★★★★★★★
ハッピープランニング株式会社★★★★★★★


売却を検討される方は、まずはこのような信頼できる複数の業者に査定を依頼し、条件を比較することをおすすめします。

目次

マンション売却におすすめの買取業者7選

マンションを売却する際には、会社ごとの特徴を比較することが重要です。本記事では、専門性や相談実績、買取スピード、対応エリアなどの指標を基に、不動産会社7社を評価しました。さらに、訳あり物件への対応や無料査定の有無についても確認しています。

評価基準は以下のとおりです。

スクロールできます
評価項目評価基準
専門性★★★マンションの買取に強い
★★マンションにも対応
特に記載なし
相談実績★★★1,000件以上
★★500件以上
500件未満または不明
買取スピード★★★最短3営業日以内
★★買取1週間以内
明記なしまたは不明
対応エリア★★★全国
★★複数エリア対応
一部エリアのみ
訳あり物件への対応対応あり
不明未記載または不明
無料査定無料査定を実施している
不明未記載または不明

これらの基準に基づいて各社を評価し、下表にまとめました。マンション売却を検討している人は、自身の状況に合った不動産会社を選ぶ際の参考にしてください。

スクロールできます
買取業者専門性相談実績買取スピードエリア訳あり物件への対応無料査定
スター・マイカ★★★★★★★★★★不明
クランピーリアルエステート★★★★★★★★★★★
大京穴吹不動産★★★★★★★★★★★不明
東急リバブル★★★★★★★★不明
株式会社ランドネット★★★★★★★★★★★
インテリックス★★★★★★★
ハッピープランニング株式会社★★★★★★★

1. スター・マイカ

評価項目基準
専門性★★★
相談実績★★★
買取スピード★★
対応エリア★★
訳あり物件への対応不明
無料査定

スター・マイカ株式会社は、中古マンションの買取に特化した不動産会社で、全国主要都市6か所に拠点を展開しています。創業から20年以上にわたり、累計1万7,000件以上の買取実績を重ねてきました。

24万件以上の査定実績を基に構築した独自のデータベースを活用し、精度の高い査定を行っています。その結果、約9割の取引で簡易査定を上回る価格での売却が成立しています。また、買取スピードにも強みがあり、最短で1週間という迅速な対応が可能です。

項目内容
会社名スター・マイカ株式会社
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(3)第8237号
本店所在地東京都港区虎ノ門四丁目3番1号城山トラストタワー28階
最寄り駅東京メトロ日比谷線 神谷町駅から徒歩3分
問い合わせ方法Webフォーム
電話
電話番号0120-472-054
営業時間9:30~18:30(定休日:土曜日・日曜日・祝日)
代表者水永 政志
創業2001年
事業規模資本金3億円
公式サイトURLhttps://www.starmica.co.jp/sell/

2. クランピーリアルエステート

評価項目基準
専門性★★
相談実績★★★
買取スピード★★★
対応エリア★★★
訳あり物件への対応
無料査定

株式会社クランピーリアルエステートは、訳あり物件の買取を専門とする不動産会社です。取り扱う物件は、共有不動産・事故物件・再建築不可物件・借地や底地・任意売却物件・権利関係で揉めている物件など、通常の取引が難しい不動産を対象としています。

全国1,500以上の士業事務所と提携しており、訳あり物件では付き物の権利関係や法的整理を伴う案件でも対応可能な体制が整えられています。年間3,000件以上の豊富な相談実績があり、実務経験に基づいたノウハウを蓄積しているため、訳あり物件でも最短2日での買取が可能。迅速に現金化したい人のニーズに応えられます。さらに、契約不適合責任を免責とする取り扱いを導入しており、売却後のトラブルを回避できる仕組みを備えています。

項目内容
会社名株式会社クランピーリアルエステート (ClamppyRealEstate,Inc.)
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(1)第10446号
本店所在地東京都中央区築地2-10-6 Daiwa築地駅前ビル9F
最寄り駅地下鉄日比谷線 築地駅 徒歩1分
問い合わせ方法Webフォーム
LINE
電話
電話番号03-6226-2566
営業時間平日10:00~19:00
代表者大江 剛
創業2018年
事業規模資本金1億円
公式サイトURLhttps://c-realestate.jp/co-ownership/

3. 大京穴吹不動産

評価項目基準
専門性★★★
相談実績★★★
買取スピード★★
対応エリア★★★
訳あり物件への対応不明
無料査定

株式会社大京穴吹不動産は、全国を対象にマンションの買取を行っており、累計1万6,000戸を超える実績があります。創業から37年以上にわたり蓄積された実績から、安定した取引体制を築いています。賃貸中のマンションでも買取が可能で、入居者の退去を待たずに取引を進められる点が特徴です。

直接買取なら最短で1週間で買取可能。売主にとって大きな負担となるクリーニングや残置物の撤去も不要で、現状のまま売却できます。さらに、買取保証付き仲介を選択できる仕組みを備えており、市場での売却を試みながらも確実な買取を担保できる体制があります。その他、売却後の物件を賃貸化する相談にも応じており、用途に合わせた柔軟な選択肢を用意している点が独自の強みです。

項目内容
会社名株式会社大京穴吹不動産
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(8)第4139号
本店所在地東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
最寄り駅中央・総武線 千駄ケ谷駅 徒歩5分
問い合わせ方法Webフォーム
電話
電話番号0120-988-264(売買専用ダイヤル)
営業時間9:30~18:30(年末年始以外年中無休)
代表者森本 秀樹
創業1988年
事業規模資本金1億円
公式サイトURLhttps://www.daikyo-anabuki.co.jp/sell-special/b/purchase/

4. 東急リバブル

評価項目基準
専門性★★
相談実績★★★
買取スピード
対応エリア★★★
訳あり物件への対応不明
無料査定

東急リバブル株式会社は、50年以上にわたり不動産事業を展開している老舗不動産会社です。2024年の年間売買仲介取扱件数は32,918件にのぼり、業界大手としての豊富な実績を有しています。

また、弁護士や税理士と連携した無料相談会を実施しており、税務や法務に関する疑問を解消しながら売却を進められます。賃貸化に関する相談も受け付けているため、売却以外の選択肢も検討可能。さらに、聴覚障害を持つ人や発話が困難な人に向けて電話リレーサービスを導入し、シニア向けには専門サロンを設置しています。利用者満足度は94.7%と高く、幅広い事情を抱える人が安心して相談できる体制を整えている点が特徴です。

項目内容
会社名東急リバブル株式会社
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(12)第2611号
本店所在地東京都渋谷区道玄坂1丁目9番5号
最寄り駅京王井の頭線 渋谷駅 徒歩3分
問い合わせ方法Webフォーム
電話
電話手話通訳サービス
電話番号店舗によって異なる
営業時間10:00~18:00
代表者小林 俊一
創業1972年
事業規模資本金13億9630万円
公式サイトURLhttps://www.livable.co.jp/baikyaku/kaitori/lp_01/

5. 株式会社ランドネット

評価項目基準
専門性★★
相談実績★★★
買取スピード★★★
対応エリア★★★
訳あり物件への対応
無料査定

株式会社ランドネットは、創業から25年以上、全国で5万7,000件を超える取引実績を持ち、豊富な事例を公開している点が特徴です。最短即日査定・即日決済に対応しており、早急に資金化できる仕組みを整えています。

取扱物件の範囲は広く、事故物件や債務超過による任意売却案件、滞納物件、借地、老朽化物件など、通常の取引が難しいケースにも対応。買取時には契約不適合責任が免責になるだけでなく、仲介による売却を選んだ場合でも設備保証を受けられる制度を設けており、売却方法に応じて安心感を高められる点も大きな特徴です。公開している取引実績は1万件以上にのぼり、具体的な売却事例を参考にできる仕組みを整備しています。

項目内容
会社名株式会社ランドネット
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(3)第8622号
本店所在地東京都豊島区南池袋1-16-15 ダイヤゲート池袋 7階
最寄り駅山手線 池袋駅 徒歩5分
問い合わせ方法Webフォーム
電話番号0120-012-461
営業時間10:00~19:00(定休日:水曜日)
代表者榮 章博
創業1999年
事業規模資本金7億1018万1950円
公式サイトURLhttps://landnet.co.jp/sell-about/

6. インテリックス

評価項目基準
専門性★★
相談実績★★★
買取スピード
対応エリア★★
訳あり物件への対応
無料査定

株式会社インテリックスは、マンション専門の買取を25年以上続けており、年間1,000件以上の買取実績があります。対応エリアは首都圏を中心に、札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡といった主要都市も対象です。契約不適合責任は免除されており、売却後のトラブルリスクを抑える仕組みを導入しています。現状のまま引き渡しが可能で、クリーニングや片付けを行わずに売却できる点も特徴です。

また、買い替えを検討している場合には、決済終了から最長2週間まで引き渡しを延長できる制度を用意しており、新居への移転準備を進めながら売却を完了させることができます。マンションに特化した専門性と長年の経験をもとに、実務に即した取引を行っている点が強みです。

項目内容
会社名株式会社インテリックス
宅地建物取引業者免許番号国土交通大臣(5)第6392号
本店所在地東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー9階
最寄り駅各線 渋谷駅 徒歩4分
問い合わせ方法Webフォーム
電話
電話番号0120-99-1307(個人向け)
営業時間10:00~19:00(定休日:水曜日)
代表者俊成 誠司
創業1995年
事業規模資本金22億5,300万円
公式サイトURLhttps://www.intellex.co.jp/sell/sell.html

7. ハッピープランニング株式会社

評価項目基準
専門性★★
相談実績★★★
買取スピード★★
対応エリア
訳あり物件への対応
無料査定

ハッピープランニング株式会社は、首都圏に特化して訳あり物件の買取を行っています。東京近郊の不動産市場に精通しており、メディアへの掲載や出演も多く、知名度と専門性を活かした相談体制を整えています。

取り扱う物件は、事故物件や共有不動産、法的問題を抱える訳あり物件です。いずれのケースでも契約不適合責任を免責とする仕組みを導入しており、売却後のトラブルを避けられるよう配慮されています。また、最短2日での買取に対応しているため、急ぎの売却にも利用できます。これまでに3,000件を超える相談実績があり、訳あり物件と地域事情を踏まえた実務的な対応力を蓄積してきました。

項目内容
会社名ハッピープランニング株式会社
宅地建物取引業者免許番号東京都知事(4)第89926号
本店所在地東京都葛飾区高砂3丁目16−1 サンコート高砂
最寄り駅京成高砂駅から徒歩3分
問い合わせ方法Webフォーム
メール
電話
電話番号0120-821-704
営業時間10:00~17:00(定休日:年末年始・夏季・水曜日・日曜日・休日)
代表者大熊 昭
創業2008年
事業規模
公式サイトURLhttps://happyplanning.jp/purchase/

信頼できるマンション買取業者の選び方

マンションを売却するときには、信頼できる買取業者を慎重に選ぶ必要があります。業者ごとの実績や対応姿勢によって、売却価格や契約のスムーズさ、最終的な満足度が大きく左右されるためです。

そして、大前提として、1社だけで判断せず、必ず複数の買取業者に査定を依頼しましょう。買取価格は業者ごとに数十万円単位で査定額に差が出ることが少なくありません。これは、各社の査定基準や販売ルート、在庫状況が異なるため、同じ物件でも提示額に大きな開きが生じるのです。

さらに、複数社の査定結果を比較することで、相場感を把握できるだけでなく、価格交渉を有利に進められるというメリットもあります。1社の見積もりだけでは、その金額が高いのか低いのか判断できないため、比較材料を持つことが納得のいく取引への第一歩となります。

信頼性を見極めるための基本的なポイントは下記です。

  • 特化している、または買取実績が豊富である
  • クチコミや評判が良い
  • 物件のエリアの買取に対応している
  • 買取スピードが早い
  • 強引に契約を進めてこない

買取実績や評判は、その業者がどのような取引を重ねてきたかを示す指標です。また、対応エリアや買取スピードは、売却計画に直結します。さらに、契約を無理に迫らず、顧客目線で説明してくれるかどうかも信頼性を測る大切な要素です。ただし、基本的なポイントだけで業者を決めてしまうと、後々不満やトラブルにつながることも考えられます。

納得のいく取引を実現するためには、さらに一歩踏み込んだ観点から業者を比較する必要があります。そこで、次に紹介する詳細なチェック項目を意識すると、より精度の高い判断ができるようになります。

  • 複数社に査定を依頼し、査定額を比較する
  • 査定価格の根拠を提示してくれる業者を選ぶ
  • 現状有姿渡しに対応しているか確認する
  • サービスの充実度を確認する

複数社査定や査定根拠の確認、現状有姿対応、サービス内容の充実度といった観点を加えることで、業者ごとの差が明確になります。ここからは、それぞれのポイントを深掘りし、具体的にどのような点を重視すべきかを解説します。

複数社に査定を依頼し、査定額を比較する

マンションの買取価格は、業者ごとに数十万円から数百万円単位で差が生じることも珍しくありません。これは各社が持つ再販ルートや顧客層、在庫リスクをどこまで抱えられるかといった資金力などの違いに影響されるためです。


「1社にしか査定を依頼しなかった結果、後からもっと高く売れたと知って後悔した」というご相談も実際に受けたことがあります。そのため、最低でも3〜4社に査定を依頼して、提示査定金額の幅や条件の違いを比較することを強くおすすめします。特に、高額査定を出す業者があれば、その金額が実際に実現可能なのか、あるいは条件付きなのかの確認が必要です。


複数査定を行う過程で、担当者の対応姿勢や説明力も比較でき、数字だけでなく信頼性の高さも見極められます。相場を客観的に把握するためにも、複数社査定は必須といえるでしょう。

査定価格の根拠を提示してくれる業者を選ぶ

査定額がどのように算出されたのかを確認することは、適正価格で売却するために欠かせません。例えば、周辺の過去成約事例や築年数、立地条件、日当たりや眺望、管理体制といった具体的な要素を踏まえた根拠を提示してもらえれば、査定額に納得感を持てます。

一方で、「この地域はこれくらいが相場です」といった曖昧な説明しかない場合、査定の正確性に不安が残ります。実際、根拠のない高額査定で契約を取ろうとし、後から減額を持ちかけてくる業者も少なからず存在するのが現実です。

明確な根拠を持つ査定であれば、他社との比較も公平に行え、売却戦略を立てやすくなります。さらに、根拠をきちんと説明できる業者は顧客に対して誠実な姿勢を持っており、信頼関係を築きやすいという特徴があります。

数字の妥当性と業者の誠実さを同時に見極めるために、査定根拠の有無は必ず確認すべき項目です。

現状有姿渡し(げんじょうゆうしわたし)に対応しているか確認

現状有姿渡しに対応している買取業者であれば、老朽化した物件や相続で長期間放置されていたマンションでも、余計な投資をせずに売却できます。特に、築年数が古い物件や管理状態が悪い物件では、修繕費用が数百万円単位になることもあり、現状有姿渡し対応の有無は売主の経済的負担を大きく左右します。現状有姿渡しとは、リフォームや修繕を行わず、現在の状態のままで物件を引き渡す取引方法です。

仲介売却の場合は、買主が個人であるため見栄えを重視し、リフォームやクリーニングを求められるケースが多くなります。その結果、売主はリフォームやクリーニングのための追加費用や準備の負担を負うことになります。

契約前にどのような状態で引き渡せるのか確認することで、費用や時間をかけずにスムーズな売却が実現できるのです。

サービスの充実度を確認

マンション売却では、金額面に加えて業者が提供するサービス内容も比較材料になります。サポートの有無によって、売却のしやすさや売主の負担が大きく変わるため、どのような付加サービスがあるかを確認しておきましょう。

下記は、不動産買取業者が提供しているサービス例です。このほかにも、独自のサービスを設けている業者もあります。

サービスの種類内容
不用品・残置物の撤去売主が残した家具・家電を業者が回収・処分し、売却準備の手間を軽減する
買取保証付き仲介一定期間内に仲介での売却できなかった場合、あらかじめ決めた価格で業者に買い取ってもらえる
引き渡し猶予(住み替え・引っ越し支援)売却後も一定期間居住できるように配慮し、住み替えや引っ越しの準備をスムーズに進められる
士業事務所の紹介税理士や弁護士など専門家を紹介し、税務申告や相続、契約に関する不安を解消できる

不用品の撤去や買取保証、引き渡し猶予、士業紹介といったサービスは、業者ごとに大きく異なります。相続で得た物件を急いで現金化したい人・税金や法務に課題を抱える人・住み替え準備に時間が必要な人など、売主の状況に応じて必要となるサポートは違います。自分に合ったサービスを提供している業者を選ぶことが、安心で効率的な売却につながります。

マンションを買取業者に売却するメリット

マンションを売却する方法には、「仲介」と「買取」の2種類がありますが、スピードや手間の少なさを重視する場合には、買取業者に直接売却するほうが向いています。

仲介では、買主を探す必要があるため、売却期間が長期化したり、内覧対応や価格交渉に手間がかかったりするケースも少なくありません。対して、買取業者であれば、買主を探さずに直接取引できるため、早期に確実な現金化を実現できる点が大きなメリットとなります。

買取業者に売却する主なメリットは以下の通りです。

  • 売却までのスピードが早い
  • 仲介手数料がかからない
  • 契約不適合責任を負わずに済む
  • 現状有姿で売却できる
  • 周囲に知られず売却できる

短期間で現金化できる点や費用面での負担が少ない点は、急ぎで資金を確保したい人や、相続・離婚といった事情で速やかに売却を進めたい人に特に向いています。また、物件に不具合がある場合でも修繕せずに売却できるため、余計なコストや準備の負担を省ける点も見逃せません。

買取での売却は、仲介よりも売却価格がやや低くなる傾向はあるものの、スピードや確実性を重視する人にとっては有力な選択肢といえるでしょう。

迅速に現金化できる

買取の大きな魅力は、売却から現金化までのスピードが非常に早いことです。不動産会社が直接買主となるため、広告や買主探しを行う必要がなく、さらに住宅ローン審査を待つ必要もありません。

査定から契約、決済までが最短数日で完了するケースも多く、資金を早急に準備したい人には大きな安心材料となります。住宅ローンの返済を早めたい人や、相続で維持費が重荷となっている人にとっては特に有効です。

一方で、仲介では、買主が見つかるまでに3~6ヶ月かかるのが一般的。加えて、購入希望者が住宅ローンを利用する場合、金融機関の審査が長引いたり、結果次第で契約が白紙に戻る可能性もあります。こうしたリスクを考えると、売却の確実性とスピードを重視する人にとって、仲介よりも買取の方が優れた選択肢といえるでしょう。

マンションのリフォームや内覧対応が不要

買取では、物件をそのままの状態で売却できる点が大きなメリットです。不動産会社が自らリフォームやリノベーションを行ったうえで再販売することを前提に購入するため、売主は修繕や美装に時間やお金をかける必要がありません。余計な投資や手間を一切かけずに売却を完了できるので、かなり効率的です。

原状のままで売却できるので、手間を最小限に抑えたい人や資金をかけられない人にとって非常に魅力的です。また、購入希望者に見せるための内覧対応も不要で、売主の負担が大幅に軽減されます。

仲介で売却する場合は、購入希望者に好印象を与えるためにクリーニングや修繕が必須となるケースもあり、壁紙の張り替えや設備交換で数十万から数百万円の費用が発生することがあります。さらに、内覧希望者ごとに準備や対応を求められるため、売主の負担は想像以上に大きくなります。

仲介手数料が不要

仲介手数料がかからないことは、マンション買取を選ぶ大きなメリットです。仲介取引では宅地建物取引業法に基づいて上限額が定められており、売却額に応じて段階的に計算されます。

取引価格区分税込(消費税10%)
200万円以下の部分取引額 × 5.5%
200万円超~400万円以下の部分取引額 × 4.4%
400万円超の部分取引額 × 3.3% + 6万6,000円

参考:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」

例えば、3,000万円で売買されるマンションの例をみてみましょう。

200万円までの部分=200万円 × 5.5% = 11万円
200万超~400万円までの部分=200万円 × 4.4% = 8万8,000円
400万円超の部分=2,600万円 × 3.3% + 6万6,000円= 92万4,000円

11万円 + 8万8,000円 + 92万4,000円= 仲介手数料112万2,000円(税込)

このように、仲介を利用すると数百万円単位の売却額に対して100万円を超える手数料が発生することも珍しくありません。手数料は売却代金から差し引かれるため、最終的な手取り額に大きな影響を与えます。

その点、買取の場合は、不動産会社が直接買主となるため仲介手数料は一切不要です。手元に残る金額が増えるだけでなく、売却後の資金計画も立てやすくなり、効率的に現金化を進めたい人にとって大きな利点といえるでしょう。

契約不適合責任が免責されることが多い

買取を利用すると、売却後に契約不適合責任を問われるリスクが少ないのも特徴です。契約不適合責任とは、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害、設備の不具合などが見つかった場合に売主が補償を負う義務のことです。

買取では、不動産会社がプロとしてリスクを承知のうえで購入するため、契約不適合責任が免責となるケースが一般的です。売却後にトラブルへ発展する心配が少なく、安心して取引できます。 仲介では個人間取引となるため一定期間、契約不適合責任を負う必要があります。買主から補修や損害賠償を求められることもあり、売却後も責任を抱えるリスクがあります。

買取では、売主が引き渡し後の不具合対応から解放されるため、精神的負担を大幅に減らせます。トラブルの可能性を避けたい人にとって、仲介よりも買取の方が安心度が高いといえるでしょう。

マンションを周囲に知られずに売却できる

買取では広告活動を行わず、不動産会社との直接取引で売却が進むため、周囲に知られずに済む点も大きなメリットです。第三者の目に触れずに静かに売却を進められるため、近隣との関係を保ちたい人やプライベートを重視する人に向いています。

仲介の場合は、購入希望者を募るためにインターネットやチラシで情報を公開することが一般的です。売却を検討していることが近隣住民や同じマンションの住人など周囲に伝わることで、転居の理由や売却価格などを詮索されるリスクもあります。

プライバシーを守りつつスムーズに売却を完了したい人にとって、仲介よりも買取の方が安心して選べる方法です。

訳あり物件でも売却しやすい

買取は、仲介ではなかなか売れない「訳あり物件」にも対応できる点が強みです。「築年数が古い」「事故歴がある」「立地条件が悪い」といった物件は、一般の買主から敬遠されがちです。 買取業者は、購入後にリフォームやリノベーションを行って再販売するビジネスモデルを持っているため、条件の悪い物件でも積極的に取引する傾向があります。売主にとって売れないリスクを解消できる点は非常に大きな魅力です。

仲介での売却では、築年数の古さや事故歴などのマイナス要素がある物件は買い手がつきにくく、販売期間が長期化するか、価格を大幅に下げざるを得ないことが少なくありません。特に、市場で敬遠されやすい条件がある場合、広告を出しても反響が少なく、売れ残りのリスクが高まります。

「早く処分したいが買い手がつかない」と悩んでいる人にとって、仲介よりも買取の方が出口を見つけやすく、買取は現実的な解決策となるでしょう。

マンション買取業者に依頼する流れ

マンションを買取業者に売却する場合、仲介と異なり買主探しの工程が不要なため、流れがシンプルで短期間で進むのが特徴です。各段階で準備しておくべき書類や確認事項を把握しておけば、さらに取引をスムーズに進められ、余計なトラブルや手戻りを防げます。

  1. マンション買取業者へ査定依頼をする
  2. 買取金額を決定し、売買契約を締結する
  3. マンションを引き渡し、代金を受け取る
  4. 確定申告を行う(必要な場合)

特に、査定から契約までの段階では、複数社を比較し条件を見極めることが成功のカギになります。また、契約や引渡しの場面では必要書類や清算項目を事前に確認しておくことで、余計なトラブルを防げます。最後の確定申告も含め、一連の手続き全体を計画的に進めることが重要です。

マンション買取業者へ査定依頼をする

最初の一歩は複数社への査定依頼を同条件で実施し、提示金額だけでなく入金時期や引渡し条件まで含めて比較することが重要です。机上査定で相場観をつかみ、訪問査定で現地の状態を確認してもらうと、確度の高い金額とスケジュールを把握できます。希望時期、残置物の可否、ローン残債の有無とおおよその残債額などは最初から共有しておくと、後の工程の条件交渉がスムーズになります。

査定を依頼するとき、下記の3点に注意しましょう。

  • 各社には同じ情報を渡して公平性を保つ
  • 近隣成約事例や再販計画など査定額の根拠を質問して納得感を得る
  • 連絡の速さや説明の明確さといった実務対応も評価軸に含める

相見積もりでは、価格だけを追うより、入金までのスピードや引渡し条件の柔軟性、追加費用の有無を総合的に評価する姿勢が大切です。早期現金化を重視する人ほど、金額と条件のバランスを見誤らない判断が求められます。

買取金額を決定し、売買契約を締結する

訪問査定後に提示される正式金額と条件を精査し、金額・時期・引渡し条件・費用負担を合意したうえで売買契約を締結します。

引渡し日・支払い方法・残置物の取り扱い・違約時の対応・契約不適合の扱いなどで、文言が曖昧なまま署名・押印しないことが基本です。契約時には、身分証・実印・収入印紙・権利証(登記識別情報)など必要書類の確認を済ませ、抵当権が付いている場合は、金融機関・司法書士の手配など抵当権抹消の段取りを前倒しで整えます。

金額に納得できても引渡しスケジュールや支払いタイミングが合わないと、現金化計画が崩れる点には注意が必要です。決済日と鍵の受け渡しを同日に設定し、管理会社への届出や駐車場・トランクルームの名義変更、公共料金の精算方法も事前に共有すると、決済当日の混乱を避けられます。また、契約書の不明点はその場で質問し、口頭合意は文書に反映させる姿勢を徹底すると、後日の解釈違いを抑制できます。

マンションを引き渡し、代金を受け取る

決済当日は、残代金の受領と同時に鍵を引き渡し、所有権移転等の手続きを進めて取引を完了させます。通常、金融機関や指定場所に関係者が集まり、代金振込の確認後に鍵・関係書類を引き渡し、司法書士が所有権移転や抵当権抹消の登記申請を行います。

事前に合意した室内状態や残置物の有無を満たしているかを双方で確認し、管理会社への連絡や各種名義変更も計画どおりに実施します。その他、固定資産税や管理費・修繕積立金、駐車場利用料などの清算基準日を契約時の取り決めに沿って処理します。公共料金やインターネットの解約・名義変更、ポストの転送設定も忘れずに対応すると安心です。

引越しの予定が近い場合は、引渡し日から逆算して搬出と清掃のスケジュールを固めると、残置や汚損に関するトラブルを避けられます。段取りの明確化が、短期間での安全な現金化に直結します。

確定申告を行う

売却益が生じた場合は、売却した翌年に譲渡所得として確定申告が必要です。申告に備えて、売買契約書の写し、収入印紙や登記関連費用などの領収書、取得時の売買契約書やリフォーム費用の記録を保管し、取得費・譲渡費用を正確に計上できる状態に整えます。自宅マンションの場合は、適用要件を満たせば特例が利用でき、税負担が大きく変わるため、売却前から適用可否を確認しておくと有利に進められます。

留意点として、所有期間により税率が異なるため、保有年数の起算を誤らないことが重要です。赤字や特例の扱い、他の不動産との通算可否など、判断が難しい論点は専門家へ相談すると確実です。売却は引渡しで終了ではありません。申告までを一連のプロセスとして計画に組み込み、書類保管とスケジュール管理を徹底することで、資金計画のブレを抑えられます。

まとめ

マンションの売却において、買取業者を利用する最大のメリットは、確実性とスピードです。仲介よりも売却価格が低くなる傾向はあるものの、短期間で現金化でき、仲介手数料や修繕費用の負担を避けられる点は大きな利点といえます。さらに、契約不適合責任が免除されやすく、売却後のトラブルリスクを軽減できることも安心につながります。

ただし、業者によって対応できる物件の種類やサービス内容には大きな差があります。複数社から査定を取り、条件を比較することで、より納得度の高い取引が行えるでしょう。相続物件や住宅ローン残債がある場合でも、事前に必要書類や条件を整理すればスムーズに進められます。信頼できる買取業者を選び、計画的に準備を進めることが、満足度の高い売却を実現するための第一歩となります。

マンション買取についてよくある質問

マンション買取に必要な書類は?

マンションを買取業者に売却する際には、登記や税金に関する資料だけでなく、管理組合関連の書類や本人確認資料も重要です。必要書類がきちんと揃えられるかは、売却の信頼性を高め、手続きの円滑化やトラブル防止に直結します。

特に、登記済権利証・登記識別情報通知や印鑑登録証明書などは必須書類となるため、早めに準備しておくと安心です。以下に、必要書類をまとめました。

区分書類名補足・注意点
登記関係登記済権利証または登記識別情報通知不動産の所有者を証明する最重要書類
固定資産税納税通知書・評価証明書固定資産税の確認や登記申請に利用
公図・測量図敷地の位置や範囲を確認する資料
税金関係印鑑登録証明書実印とセットで契約書や登記に使用
住民票所在地・本人確認用
管理関係管理規約・使用細則管理組合の規定内容を買主が確認するために必要
管理費・修繕積立金の領収書滞納がないか証明する資料
長期修繕計画書将来の修繕予定を確認する資料
本人確認関係本人確認書類(運転免許証など)契約・決済時の本人確認に必要
その他、任意書類間取り図部屋の配置を確認でき、査定がスムーズになる
設備表キッチン・浴室・給湯器などの設備状況の一覧
修繕履歴・リフォーム履歴内装や設備更新の履歴を示すと、物件価値の説明材料になる
管理会社の連絡先買主側が引き継ぎ確認する際に利用
駐車場・トランクルーム契約書付随契約がある場合は併せて提出
抵当権抹消書類(金融機関発行)ローンが残っている場合は金融機関から発行
少しでも高く売るためにできることは?

最も効果が高いのは、同条件で複数の買取業者に査定を出し、提示金額だけでなく引渡し時期や残置物の可否など条件一式で比較することです。相見積もりでは金額の根拠も確認し、スケジュールや支払い方法、違約時の取り決めまでセットで交渉するのがコツです。

加えて、室内の残置物を減らし、設備の不具合は簡易修理で支障がない状態に整えると評価額が下がりにくくなります。管理関連資料として、管理規約・長期修繕計画・直近の点検・修繕履歴を揃えて提示できると、建物リスクの不確実性が下がり、さらに減額幅の抑制につながります。

マンション買取業者がチェックする査定ポイントは?

マンションの評価は、主に立地・駅までの距離・築年数・専有面積・階数・部屋の方位ですが、さらに管理状態と共用部のコンディションも大きく影響します。

管理状態は、具体的に下記のような項目が将来の維持コストや再販のしやすさに直結します。

  • 長期修繕計画の有無
  • 管理組合の運営状況
  • 直近の大規模修繕の履歴
  • エントランスや配管・エレベーターの維持状況

さらに、専有部では下記のような項目が確認されます。

  • 日当たり
  • 眺望
  • 防音・周囲の騒音
  • 間取りの使い勝手
  • 設備年式
  • 雨漏りや結露跡の有無
  • バルコニーや窓サッシの状態
  • 違反増改築の有無
  • 周辺の成約事例や在庫の出回り状況

そのため、査定前に管理資料と修繕履歴、過去の工事見積などを用意しておくと、評価のブレや安全率による減点を抑えやすくなります。

マンション買取にかかる主な費用や税金は?

マンションを業者に買い取ってもらう場合にかかる費用は、主に契約や登記に関わるものと、税金やローン残債処理に関連するものです。

項目目安の金額・計算方法
印紙税契約金額によって変わる
登録免許税マンション1戸あたり2,000円
譲渡所得税(長期所有の場合)譲渡益×約20%
(短期所有の場合)譲渡益×約39%
ローン一括返済手数料無料〜3万5,000円程度、または残債の1〜2%程度
抵当権抹消費用登録免許税1,000円+司法書士報酬2〜5万円程度

参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」

参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

マンションを買取業者に売却するときの注意点

マンションを買取業者に売却する際は、仲介より手続きが簡単に見える一方で、事前に確認しておくべき注意点があります。特に資金や管理に関わる部分を見落とすと、スムーズな売却ができなくなる恐れがあります。

  • ローンの残高を確認しておく
  • 管理費や修繕積立金の滞納があれば解消しておく
  • 安易なリフォームやハウスクリーニングはしない

上記のように、売却準備ではローン残債や管理費の精算が優先課題となり、後から慌てて対応すると契約が遅れかねません。また、見た目を整えるためのリフォームやクリーニングは、業者が再販に向けて独自に行うため不要です。無駄な費用を避けつつ、必要なポイントを押さえて準備することが、円滑な売却と早期現金化につながります

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この記事を書いた人

大江 剛のアバター 大江 剛 代表取締役社長

株式会社クランピーリアルエステート代表取締役。宅地建物取引士。2022年には共有不動産に特化した書籍「共有名義不動産」を著述いたしました。
共有名義不動産・底地・借地・再建築不可物件ほか、老朽化物件・低収益物件など、トラブルを抱えた不動産の売却に対して幅広くサポートいたします。

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