オーナーチェンジ物件は、入居者がいる状態で売却できるため、安定した収益を重視する投資家に非常に人気の高い不動産です。
私自身も多くのオーナーチェンジ物件の買取取引に関わってきましたが、売却を検討されるオーナー様からは、「どの業者に依頼すべきか」「仲介と買取の違いは何か」「必要書類や費用はどれくらいかかるのか」といった相談を数多く受けてきました。
特に買取での売却は、業者ごとに買取スピードや対応エリアの広さ、老朽化や空室など条件が不利な物件への対応力が異なるため、選ぶ業者によって売却のスピードや安心感、さらには価格にも大きな差が出ます。
そこで、オーナーチェンジ物件の取引経験をもとに、独自の基準でおすすめ業者を選定しました。
評価項目 | 基準 |
---|---|
買取対応スピード | ★★★:最短3営業日以内 ★★:最短1週間以内 ★:明記なしまたは不明 |
対応エリアの広さ | ★★★:全国対応明記 ★★:1都3県など広域対応 ★:エリア限定・明記なし |
訳あり物件への対応力 | 老朽化や空室など条件が不利な物件にも対応できる業者を高く評価 ★★★:2種類以上に対応 ★★:1種類に対応 ★:記載なし |
本記事では、オーナーチェンジ物件の売却を検討しているオーナー様に向け、私の経験をもとに選定したおすすめの買取業者を紹介します。また、業者選びの際のチェックポイントや注意点、売却に必要な書類、発生する費用や税金についても解説。さらに、買取のメリット・デメリットについても整理しています。
「信頼できる買取業者を選びたい」「できるだけ有利な条件で売却したい」と考えているオーナー様は、ぜひ参考にしてください。
【はじめに】オーナーチェンジ物件の買取業者を選定した独自基準について
オーナーチェンジ物件の買取業者を選ぶ際には、単に「高く売れるか」だけでなく、売却スピードや対応エリア、訳あり物件への柔軟さなども重要な判断材料となります。本記事では以下の基準をもとに、おすすめ業者を厳選しました。
評価項目 | 基準 |
買取対応スピード | ★★★:最短3営業日以内 ★★:最短1週間以内 ★:明記なしまたは不明 |
対応エリアの広さ | ★★★:全国対応明記 ★★:1都3県など広域対応(複数の都道府県など) ★:エリア限定・明記なし 幅広いエリアに対応できるほど安心感があります。 |
訳あり物件への対応力 | 老朽化や空室が多いなど、条件が不利な物件にも対応できる業者を高く評価しています。 対応項目の数で評価: ★★★:2件以上 ★★:1件 ★:記載なし |
これらの基準を組み合わせて総合的に判断することで、信頼できる買取業者を見極めやすくなります。
オーナーチェンジ物件のおすすめの買取業者7選
ここでは、独自の基準をもとに厳選したおすすめの買取業者を7社ご紹介します。それぞれの特徴や強みを理解することで、自身の物件に最も適した業者を見つけやすくなるでしょう。
1. コスモスイニシア
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★ |
対応エリアの広さ | ★★★ |
ビル種別対応力 | ★★ |

会社名 | 株式会社コスモスイニシア |
本店所在地 | 東京都港区芝5丁目34番6号 新田町ビル |
問い合わせ方法 | 査定フォーム、電話相談、資料請求(公式サイトにて受付) |
電話番号 | 0120-1248-12(不動産売却専用フリーダイヤル) |
営業時間 | 平日:10:00~17:00 土日祝:10:00~17:00 |
代表者 | 代表取締役社長 高木 嘉幸 |
創業 | 1969年(設立:1969年6月20日) |
事業規模 | 資本金:50億円 |
公式サイトURL | https://www.cigr.co.jp/ |
コスモスイニシアは、大和ハウスグループの総合不動産会社として豊富な実績を持ち、オーナーチェンジ物件の買取にも強みを発揮しています。最短10営業日でのスピード決済に対応し、仲介手数料も不要です。室内状況や築年数を問わず柔軟に対応してくれるため、老朽化や空室が多い物件でも安心して相談できます。また、全国対応を明記している点も大きな魅力です。さらに契約不適合責任が免除されるケースも多く、売却後のリスクを軽減できる点もメリットといえます。
2. スター・マイカ株式会社
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★★ |
対応エリアの広さ | ★★★ |
ビル種別対応力 | ★★ |

会社名 | スター・マイカ株式会社 |
本店所在地 | 東京都港区虎ノ門4‑3‑1 城山トラストタワー28階 |
問い合わせ方法 | 公式サイトから査定フォーム、電話による相談など |
電話番号 | 0120‑503‑070(査定受付)または03‑5776‑2815 |
営業時間 | 9:30〜18:30/定休日:土日祝 |
代表者 | スター・マイカ・ホールディングスの代表:水永政志 |
創業 | 2001年 |
事業規模 | 3億円 |
公式サイトURL | https://www.starmica.co.jp |
スター・マイカ株式会社は、中古マンション事業に特化し、オーナーチェンジ物件の買取実績に定評があります。特にファミリータイプの賃貸中マンション買取に強く、2013年以降全国トップの保有戸数を誇る実績があります。最短1週間以内、場合によっては即日決済も可能なスピード対応が魅力で、仲介手数料不要・契約不適合責任も免除されるケースが多く、売主の負担軽減にも寄与します。また、空室・居住中物件の買取やリースバックにも対応し、所有者のライフプランに応じた柔軟な選択肢を提供できる点も大きな強みです。
3. 株式会社クランピーリアルエステート
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★ |
対応エリアの広さ | ★★ |
ビル種別対応力 | ★★★ |

会社名 | 株式会社クランピーリアルエステート |
本店所在地 | 東京都中央区築地2‑10‑6 Daiwa築地駅前ビル9F |
問い合わせ方法 | 査定フォーム、メール相談、LINE相談、電話相談が可能 |
電話番号 | 03‑6226‑2566(東京本社) |
営業時間 | 平日10:00〜19:00 土日祝は休業(事前相談で対応可能な場合あり) |
代表者 | 代表取締役 大江 剛 |
創業 | 2018年4月設立 |
事業規模 | 資本金 1億円 |
公式サイトURL | https://c-realestate.jp/ |
株式会社クランピーリアルエステートは、共有名義不動産、立ち退き関連、不動産トラブル案件に強みを持つ買取専門会社です。共有持分や再建築不可、事故物件など、売却が難しいとされる物件にも柔軟に対応し、「高く・素早く・トラブルなく」の買取をモットーにしています。最短12時間で査定提示、48時間以内の現金化も可能なスピード感が特長です。全国1500以上の士業ネットワークと連携し、離婚や相続トラブルなど複雑な権利関係にも専門的に対応。売却困難な案件でも安心して相談できる貴重な存在です。
4. イー・エフプロパティ株式会社
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★★ |
対応エリアの広さ | ★★★ |
ビル種別対応力 | ★★ |

会社名 | イー・エフプロパティ株式会社 |
本店所在地 | 北海道札幌市中央区大通西17丁目2番地26 イー・エフ大通17ビル2階 |
問い合わせ方法 | 公式サイトの問い合わせフォーム、電話、メール、LINE相談対応あり |
電話番号 | 011-214-0170 |
営業時間 | 平日:10:00〜19:00 土日:休業(事前予約で対応可能な場合あり) |
代表者 | 代表取締役 山口 大介 |
創業 | 2012年 |
事業規模 | 1,000万円 |
公式サイトURL | https://www.ef-property.com/ |
イー・エフプロパティ株式会社は、札幌を拠点に不動産買取を行う専門会社で、スピード対応に強みを持っています。最短5営業日での現金化が可能で、仲介手数料がかからないためコストを抑えた売却ができます。築年数が古いマンションや戸建て、空室の多い物件でも柔軟に対応し、遠方オーナーには内見不要での売却にも対応。さらに「オーダーリースバック」により、売却後も住み続けられる仕組みを提供しており、資金調達と居住の両立を希望する方にも最適です。地域密着型ながら全国からの相談にも応じ、オーナーの事情に寄り添った対応が魅力の業者です。
5. 東急リバブル
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★ |
対応エリアの広さ | ★★★ |
ビル種別対応力 | ★★★ |

会社名 | 東急リバブル株式会社 |
本店所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1丁目9番5号 渋谷スクエアA |
問い合わせ方法 | 公式サイトの査定フォーム、電話相談、店舗相談(全国のリバブル店舗) |
電話番号 | 0120-109-417(不動産売却専用フリーダイヤル) |
営業時間 | 平日:10:00〜18:00 土日:10:00〜18:00 (※火曜・水曜定休。店舗により異なる場合あり) |
代表者 | 代表取締役社長 小林 俊一 |
創業 | 1972年3月10日 |
事業規模 | 資本金 13億9,630万円 |
公式サイトURL | https://www.livable.co.jp/ |
東急リバブル株式会社は、東急不動産ホールディングスグループの中核企業として、全国主要都市に広がるネットワークを持つ大手不動産会社です。仲介だけでなく直接買取にも力を入れており、マンション・戸建て・土地と幅広い物件に対応可能です。販売活動を行わずに現状のまま売却できるため、近隣に知られずスピーディーに現金化できる点が魅力です。また「売却保証システム」を用意しており、一定期間内に仲介で売れなかった場合でも、事前に定めた価格で確実に買い取ってもらえる安心感があります。豊富な実績と高い顧客満足度を誇り、信頼できるパートナーとして選ばれる理由が明確な業者です。
6. 大京穴吹不動産
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★★ |
対応エリアの広さ | ★★★ |
ビル種別対応力 | ★★★ |

会社名 | 株式会社大京穴吹不動産 |
本店所在地 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目19番18号 オリックス千駄ヶ谷ビル |
問い合わせ方法 | 公式サイトのWEB査定フォーム、電話相談、全国の店舗での相談対応 |
電話番号 | 0120-988-264(不動産売却専用フリーダイヤル) |
営業時間 | 平日:10:00〜18:30 土日:10:00〜18:30 (※年中無休、店舗により異なる場合あり) |
代表者 | 代表取締役社長 森本 秀樹 |
創業 | 1988年12月7日 |
事業規模 | 資本金 1億円 |
公式サイトURL | https://www.daikyo-anabuki.co.jp/ |
大京穴吹不動産は、オリックスグループに属する総合不動産会社で、全国32都道府県に拠点を展開する強力なネットワークを持ちます。マンション・戸建・土地はもちろん、賃貸中や訳あり物件など幅広い不動産の買取に対応可能です。特に「即時買取サービス」では最短1週間で現金化でき、仲介手数料や内見対応も不要なため、スピーディーかつスムーズな売却が実現できます。また、一定期間内に売れなかった場合でも事前に定めた価格で買い取る「売却保証サービス」や、売却後も住み続けられるリースバック「売っても住まいる」など、多様なプランを提供。豊富な実績と安心感で、確実に売却したいオーナーにおすすめできる業者です。
7. フジ住宅株式会社
評価項目 | 評価 |
買取対応スピード | ★★★ |
対応エリアの広さ | ★★ |
ビル種別対応力 | ★★★ |

会社名 | フジ住宅株式会社 |
本店所在地 | 大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
問い合わせ方法 | 公式サイトのWEB査定フォーム、電話、店舗相談対応 |
電話番号 | 072-437-8700(本社代表) |
営業時間 | 平日:9:00〜18:00 土日:9:00〜18:00 (※定休日:水曜、日曜は一部拠点のみ対応のケースあり) |
代表者 | 代表取締役社長 宮脇 宣綱 |
創業 | 創業 1973年1月22日/設立 1974年4月19日 |
事業規模 | 資本金 48億7,206万円 |
公式サイトURL | https://fuji-satei.com/ |
フジ住宅株式会社は、関西エリアを中心に不動産の開発・販売・買取を幅広く展開する総合不動産会社です。大阪・兵庫・京都・和歌山を主要エリアとして、区分マンションや一棟マンション、戸建て、オーナーチェンジ物件まで幅広く対応。買取は自社が直接行うため仲介手数料が不要で、秘密裏にスピーディーな売却が可能です。特に「電話1本・内覧なしで即日価格提示」や「短期決済による即現金化」に対応する迅速さは大きな強みです。創業以来50年にわたり培った実績と、オーナーチェンジ物件に特化した専任チームによる柔軟な対応力で、売却に不安を抱えるオーナーにも安心を提供しています。
オーナーチェンジ物件を買取業者へ売却するメリット
オーナーチェンジ物件を売却する方法には「仲介」と「買取」がありますが、早期の現金化や手間の少なさを重視する場合には、買取業者への売却が有力な選択肢となります。ここでは、オーナーチェンジ物件を買取業者に売却する際に得られる主な利点について具体的に解説します。
スピーディーに現金化できる
オーナーチェンジ物件を買取業者へ売却する大きなメリットは、現金化までのスピードです。仲介を利用する場合、購入希望者を探すために広告や内見が必要となり、売却成立まで数か月かかることも少なくありません。一方、買取では業者が直接買主となるため、販売活動を省略でき、最短で数日から1〜2週間程度で契約から決済まで完了するケースもあります。急な資金需要や相続に伴う整理など、時間的制約のある場面では特に有効です。さらに、決済日が明確に設定されるため資金計画も立てやすく、安心して取引を進められる点も魅力です。
仲介手数料がかからない
オーナーチェンジ物件を買取業者に売却するメリットのひとつが、仲介手数料が発生しない点です。仲介による売却では、成約価格の3%+6万円(上限)の仲介手数料を支払うのが一般的で、高額物件ほど負担が大きくなります。一方、業者買取では不動産会社自身が買主となるため、仲介が介在せずこの費用が不要になります。その分、手取り額を確保できるのは大きな魅力です。さらに、広告費や販売活動の費用も発生せず、シンプルで分かりやすい取引が可能です。売却にかかるコストをできるだけ抑えたいオーナーにとって、買取は効率的かつ安心な選択肢といえます。
売却を周囲に知られにくい
オーナーチェンジ物件を業者に売却する場合、仲介と異なり広告や内見対応が不要となるため、売却活動が外部に伝わりにくいという特徴があります。通常の仲介ではインターネットやチラシへの掲載が行われるため、入居者や近隣住民に売却の事実が知られてしまうリスクがありますが、直接買取であればその心配はありません。結果として、入居者に無用な不安を与えずに取引を進められ、オーナーにとっても余計なストレスを抱えることなく売却手続きを完了できるのは大きな利点です。
売却時の負担が仲介に比べて少ない
買取を利用する場合、売主側の負担が少ないのも大きな魅力です。仲介での売却では、買主に良い印象を与えるためにリフォームや修繕、ハウスクリーニングなどを事前に行う必要があり、その費用や手間が売主の負担となります。さらに、購入希望者の内見対応や条件交渉にも時間を割く必要があり、精神的な負担も少なくありません。
一方、買取業者への売却では、現状のまま引き渡すことが可能で、クリーニングや修繕を行う必要がなく、内見対応も不要です。余計な準備や費用をかけずに取引が進むため、手軽さと効率性を重視するオーナーにとってはメリットといえるでしょう。
契約不適合責任が免除されるケースが多い
不動産の売買契約では、売主が買主に対して物件の欠陥や不具合について責任を負う「契約不適合責任」が一般的に発生します。仲介で個人の買主に売却する場合、後に設備の故障や雨漏りなどが見つかれば、修繕や損害賠償を求められるリスクがあります。
しかし、買取業者を相手とした場合は、プロの不動産会社がリスクを織り込んで購入するため、この責任を免除する契約となるケースが多いのが特徴です。売主にとっては予期せぬトラブルを避けられる安心感があり、特に築年数の古い物件や設備に不安がある場合には、大きな魅力となります。
オーナーチェンジ物件を買取業者へ売却するデメリット
オーナーチェンジ物件を買取業者へ売却する際の最大のデメリットは、仲介で売却する場合に比べて価格が安くなる傾向がある点です。
買取業者は取得した物件を将来的に第三者へ再販することを前提としているため、空室リスクや賃貸需要の変動、修繕費の発生といったリスクをあらかじめ織り込んで価格を提示します。そのため、個人のエンドユーザーに直接販売する仲介と比べて、提示額は低めに設定されやすいのです。
さらに、業者は「安く仕入れて適正価格で売却する」ことで利益を確保するビジネスモデルを取っているため、購入価格に一定の利益分が差し引かれることも要因となります。また、取得後の管理コストや再販までの運営費も考慮されるため、結果的に市場相場よりも低い価格が提示されるケースが一般的です。
オーナーチェンジ物件の買取を依頼する際の注意点
オーナーチェンジ物件をスムーズに買取業者へ売却するためには、いくつか注意すべき点があります。ここでは、売却依頼の際に押さえておきたい代表的な注意点を解説します。
物件引渡し後に賃貸人に地位継承通知をおこなう必要がある
オーナーチェンジ物件を買取で売却する際、引渡し後には借主に対して 「賃貸人の地位承継通知」 を行う必要があります。これは、売主と買主が連名で「貸主が変更になりました」と知らせるもので、借主の理解を得るための大切な事後手続きです。
なお、売却前に借主の同意を取る必要はありませんが、引渡し後に通知する義務があります。通知が漏れると、家賃振込先の混乱や借主とのトラブルにつながることもあるため、忘れずに行う必要があります。
サブリース中の物件は買取対象外になる場合がある
サブリース契約中の物件を買取に出す際には、特に注意が必要です。多くの買取業者は、サブリース中で解約が困難な物件を買取対象から除外するか、解約を条件とすることがあります。
これは、借り主(サブリース会社)との契約を途中で解除すると、解約の予告期間や違約金が発生し、取引が複雑化するためです。したがって、契約書に定められた解約条項や予告期限、違約金の有無を事前に確認しておくことが重要です。
信頼できるオーナーチェンジ物件の買取業者を選ぶポイント
オーナーチェンジ物件を安心して売却するためには、信頼できる買取業者を見極めることが欠かせません。表面的な査定額の高さだけで判断すると、後にトラブルや想定外の条件が発生する可能性もあります。信頼できる業者を選ぶ際に押さえておきたい下記の5つのポイントを解説します。
- オーナーチェンジ物件の買取実績が豊富な業者を選ぶ
- 資金力のある業者を選ぶ
- 査定価格の根拠を明確に説明してくれる業者を選ぶ
- クチコミやレビューなど評価の高い業者を選ぶ
- 査定依頼や相談時の対応が良い業者を選ぶ
オーナーチェンジ物件の買取実績が豊富な業者を選ぶ
オーナーチェンジ物件を売却する際、買取実績が豊富な業者を選ぶことは安心取引の第一歩です。多くの案件を扱ってきた業者は、オーナーチェンジ物件特有の注意点やトラブル事例を把握しており、スムーズな契約進行に必要なノウハウを蓄積しています。
経験が浅い業者では見落とされがちな細かな手続きも、実績のある業者なら確実に対応してくれるため、売却後のトラブル回避にもつながります。また、過去の事例から市場の傾向や適切な引渡しの進め方を理解しているため、売主にとって無駄のない取引を実現しやすいのも強みです。
資金力のある業者を選ぶ
買取業者を選ぶ際は、十分な資金力を持つ企業を選ぶことが非常に重要です。豊富な資金を持つ業者なら、提示価格に余裕を持たせやすく、より好条件での売却が実現しやすくなります。
また、支払い能力に問題がある業者や、資金力が乏しい場合、取引途中で資金不足に陥り、契約が破談になるリスクもあります。信頼できる業者は自己資金や金融機関からの融資枠も安定しており、途中で取引が途切れる心配も少なく、安心して契約を進められる点が大きなメリットです。
査定価格の根拠を明確に説明してくれる業者を選ぶ
査定価格の裏付けが明瞭であることは、信頼性の高い買取業者を選ぶうえで重要なポイントです。不動産会社によっては「相場からの差し引き」や「再販にかかる経費」の算出根拠を示さずに提示額を提示するケースもあり、売主が不透明さを感じる原因となります。
一方、明確に価格算出の背景を説明できる業者なら、納得感のある取引が可能です。根拠には、過去の成約事例、近隣類似物件の比較、建物状態や入居率、修繕必要箇所の見積など具体的な数値や材料が含まれていることが望ましいです。こうした情報を開示する業者は、透明性が高く安心して依頼できるパートナーであるといえます。
クチコミやレビューなど評価の高い業者を選ぶ
信頼できる買取業者を見極めるうえで、クチコミやレビューの確認は欠かせません。実際に利用した売主の声は、査定時の対応姿勢や説明の丁寧さ、契約後のフォロー体制などを把握する手がかりとなります。公式サイトの情報だけでは分からない実態を知ることができ、特に「対応が迅速だった」「説明が分かりやすかった」といった具体的な評価は信頼度を高める要素です。
一方で、評価が極端に低い場合や同じ内容の不満が複数見られる場合は注意が必要です。ポータルサイトや第三者の口コミサイトなど、複数の情報源を比較することで偏りを避けられます。客観的な評価を参考にすれば、安心して任せられる業者を選びやすくなるでしょう。
査定依頼や相談時の対応が良い業者を選ぶ
査定依頼や相談の段階は、業者の信頼性を見極める重要な場面です。まず、問い合わせに対して迅速に返答があるかどうかを確認しましょう。通常であれば1〜2営業日以内に対応があるのが望ましいです。また、査定内容については専門用語ばかりでなく、誰にでも分かるよう丁寧に説明してくれるかも大切なポイントです。
さらに、提示された査定額に加えて、その根拠や周辺の取引事例が具体的に示されているかも確認すべきです。信頼できる業者であれば、良い面だけでなく将来のリスクや修繕が必要な点も包み隠さず説明してくれるものです。こうした誠実な対応は、後の契約手続きにおいても安心して任せられる判断材料となります。
オーナーチェンジ物件の買取の流れ
オーナーチェンジ物件を買取業者に売却する際は、あらかじめ流れを把握しておくことで安心して取引を進められます。ここでは、一般的なオーナーチェンジ物件の買取の手順について分かりやすく解説します。
複数の買取業者に査定依頼
オーナーチェンジ物件をできるだけ有利な条件で売却するためには、複数の買取業者に査定を依頼することが欠かせません。業者ごとに得意とする物件の種類やエリア、評価基準が異なるため、提示される査定額にも差が生じます。1社だけの査定では相場を正しく把握できず、不利な条件で売却してしまう恐れがあります。そのため、一括で複数の業者に査定を依頼できる「不動産一括査定サイト」の活用が有効です。
インターネット上で物件情報を入力するだけで、複数業者から見積もりが届き、比較検討が可能になります。効率的に相場を把握し、信頼できる業者を選ぶ第一歩として、必ず複数査定を取ることをおすすめします。
物件の調査・査定
オーナーチェンジ物件の買取査定では、まず現地調査によって建物の状態や入居状況、賃料収入の安定性などが確認されます。その上で、不動産の収益性をもとに価格を算出するのが一般的です。
代表的な評価手法としては、賃料収入を一定の利回りで割り戻して価値を求める「直接還元法」や、将来の賃料収入と売却予想価格を現在価値に割り引いて算出する「DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)」が用いられます。これらの手法を組み合わせることで、物件が将来的にどの程度の収益を生むかを多角的に評価できます。
査定では収益性だけでなく、立地条件や周辺環境、市場の需給動向も考慮されるため、オーナーは提示額の根拠をしっかり確認することが大切です。
価格や条件の協議・売買契約の締結
買取査定で査定額が提示されたら、次はいよいよ価格や条件の交渉フェーズです。価格について妥当性を見極めたうえで要望を明確に伝えることが重要で、双方が納得できる条件に調整します。売買契約がまとまると、「手付金(通常は価格の10〜20%)」が交付され、これを受け取った時点で契約の成立となります。
契約締結後は、所有権移転登記や残代金の決済、引渡し日時などの詳細を詰めていきます。引渡しに向けたスケジュールや書類の整備を含め、事前にしっかり準備しておくことで、契約から決済の段階がスムーズに進行します。
必要書類の準備
オーナーチェンジ物件を買取業者に売却する際には、契約や引渡しに必要となる各種書類を事前に揃えておくことが重要です。書類が不足していると取引が遅れる原因となるため、早めの準備を心がけましょう。
特にオーナーチェンジ物件の場合は、通常の売買契約書類に加えて、賃貸借契約に関する資料も必要です。登記簿謄本や本人確認書類といった基本的な書類に加え、入居者との賃貸借契約書や家賃の入金状況を示す資料など、収益物件としての情報を正確に提示できるように整える必要があります。以下に代表的な必要書類を表にまとめました。
書類名 | 内容・用途 |
登記簿謄本(全部事項証明書) | 所有権や抵当権などの確認用 |
本人確認書類 | 運転免許証やパスポート等 |
不動産売買契約書 | 売買条件を明確化 |
固定資産税納税通知書 | 税額精算のために使用 |
賃貸借契約書 | 入居者との契約内容を確認 |
家賃入金明細・管理委託契約書 | 賃料収入や管理状況を確認 |
管理規約・重要事項説明書(マンション) | 区分所有物件で必要 |
決済・引渡し
決済・引渡しは売却の最終段階であり、残代金の支払いと所有権移転が行われ、物件が正式に業者のものとなるプロセスです。売買契約後、通常は約1ヶ月程度を目安に、銀行や不動産業者の事務所などで決済が実施されます。この場には売主・買主・司法書士・担当者が立ち会い、残代金の受領、所有権移転登記の手続き、鍵の引き渡しが行われます。手続きが完了すると、物件の引渡しとなり、売買は正式に成立します。
オーナーチェンジ物件の買取で発生する費用・税金
物件を買取業者に売却する場合、仲介手数料が不要となる一方で、税金や各種費用は必ず発生します。売却後の資金計画を立てるためには、こうした費用を正しく把握しておくことが不可欠です。ここでは、買取で発生する代表的な費用や税金の種類を整理して解説します。
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
オーナーチェンジ物件を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)には譲渡所得税・住民税・復興特別所得税が課税されます。譲渡所得は「売却価格-(購入費用+諸経費)」で算出され、赤字であれば課税されません。
税率は所有期間によって異なり、5年以下の短期譲渡では所得税30%・住民税9%、5年超の長期譲渡では所得税15%・住民税5%と大きな差があります。さらに、いずれの場合も復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算されます。
つまり、短期譲渡では約39%、長期譲渡では約20%程度が目安となります。所有期間が長いほど税負担が軽くなるため、売却時期の判断は手取り額に直結する重要なポイントです。
登記費用
オーナーチェンジ物件を売却する際には、所有権移転登記に関する費用が発生します。具体的には、登録免許税と司法書士への報酬が主な内訳です。登録免許税は不動産の固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出され、売主と買主の契約内容に応じて負担が決まります。
また、登記手続きは専門知識が必要なため、多くの場合は司法書士に依頼し、その報酬が別途必要となります。取引前に費用の目安を確認しておくと安心です。
印紙税
不動産売買契約を締結する際には、契約書に印紙を貼付して印紙税を納めることが法律で義務付けられています。税額は下記の表のように、契約金額に応じて段階的に定められています。
契約金額(売買価格) | 税額 |
100万円超~500万円以下 | 2,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 10,000円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 20,000円 |
5,000万円超~1億円以下 | 60,000円 |
1億円超~5億円以下 | 100,000円 |
5億円超~10億円以下 | 200,000円 |
10億円超~50億円以下 | 400,000円 |
50億円超 | 600,000円 |
消費税
物件の売却においては、建物部分の売却代金に対して消費税が課税されます。一方で土地には消費税はかかりません。課税事業者である売主が法人や個人事業主の場合には、建物価格に対して10%の消費税を上乗せして売却する必要があります。
ただし、個人が自己所有の物件を売却する場合には消費税は原則非課税です。そのため、売却時には「売主が課税事業者か否か」「建物と土地の価格配分」が重要な確認ポイントとなります。
まとめ
オーナーチェンジ物件の売却を検討する際には、業者選びから取引の流れ、発生する費用や税金まで、幅広い知識を持っておくことが大切です。基本的な仕組みを理解していれば、スムーズに売却を進めやすく、思わぬトラブルや損失を避けることにつながります。
信頼できる業者を選び、早めの準備と比較検討を行うことで、安心かつ有利な売却を実現できるでしょう。
オーナーチェンジ物件の買取についてよくある質問
ここでは、オーナーチェンジ物件の買取について、よくある質問を整理し、基本的な考え方や確認しておきたいポイントをまとめました。売却を検討する際の参考にしていただければ幸いです。
買取と仲介の違いは?
不動産の売却方法には「買取」と「仲介」があります。買取は不動産会社が直接買主となるため、売却までの期間が短く、仲介手数料も不要です。
一方、仲介は不動産会社が買主を探して売買を成立させる仕組みで、時間はかかるものの市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。
つまり、買取はスピードや手間の軽減を重視する場合に有効で、仲介は価格を重視したい場合に向いています。売却目的や状況に応じて選択することが重要です。
オーナーチェンジ物件を高く買い取ってもらうポイントは?
オーナーチェンジ物件をできるだけ高値で買取してもらうには、収益力のアピールが重要です。入居率を高め、家賃遅延などのトラブルを避け、賃料収入が安定していることを示しましょう。また、駅近や築浅など立地や物件条件が優れている場合は、それをしっかり強調することも価格交渉に有利に働きます。
さらに、複数の業者に査定依頼を行い、条件を比較することで競争原理が働き、買取価格が引き上げられることも期待できます。販売側でできる範囲を整え、より高い評価が得られるよう準備しましょう。
買取を依頼するのがおすすめなオーナーチェンジ物件の特徴は?
オーナーチェンジ物件の中でも、空室が多く入居率が低い物件、管理状況が芳しくない物件は仲介では、買い手がつきにくく、買取業者への依頼が有効です。
また、立地があまり良くない物件、もしくは急いで処分したい事情がある場合も、買取はスピードと手間の軽減を得やすい方法といえます。こうした物件は、仲介では売却が難航する可能性があるため、柔軟かつ確実に売却できる買取が適していると言えるでしょう。
訳あり物件でも買い取ってもらえますか?
賃貸中の投資用物件における「訳あり」と呼ばれる状況がある場合でも、買取を依頼できるケースはあります。
ただし、買取業者によって受け入れの可否や対応姿勢は異なります。信頼性や実績がある業者であれば、状況に応じた柔軟な査定や条件の提案が期待できます。
逆に、訳あり情報を開示せずに査定を依頼すると、評価が下がるリスクもあるため、事前に現状を正直に伝え、そのうえで査定依頼を行うことが安心につながる重要ポイントです。
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