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借金を滞納するリスクとは?何ヶ月で差し押さえになるのか?

借金滞納

借金の返済を滞納しており、返済の目処が立ちません。このまま滞納し続けると、どのようなリスクがあるのでしょうか?

借金の滞納を続けると、遅延損害金の発生や、一括返済の請求といったリスクが発生します。また、債権者が訴訟に移行した場合、最後は財産の差し押さえが行われるでしょう。

返済が困難な場合、何か解決方法はないでしょうか?

確実な解決方法としては、債務整理で借金を減額することが挙げられます。月々の返済額を減らしたり、借金全体を免除したりすることもできるので、まずは弁護士などに相談することをおすすめします。

「返済しなければ」と思いつつ、何らかの事情で借金を滞納してしまうケースは少なくありません。

多少の遅れなら大きな問題になりませんが、数週間、数ヶ月と延びるにつれて、滞納のリスクは重くなっていきます。

借金滞納を放置していても事態は好転しませんが、適切に対応すれば問題を解決することも可能です。例えば、低金利ローンで返済額を減らしたり、任意整理で利息をカットするという方法が挙げられます。

冷静に状況を判断するためにも、まずは弁護士や司法書士に相談し、法的な観点からアドバイスをもらいましょう。

専門家に相談することで、滞納によるストレスも軽くなります。冷静な判断を行うためにも、1人で悩まないようにすることが大切です。

この記事でわかること
  • 借金の滞納を放置していると、遅延損害金の発生やブラックリスト登録などのリスクがある。
  • 債権者が訴訟を起こした場合、最終的には財産の差し押さえが行われる。
  • 借金滞納を解決するためには、借り換えや債務整理によって返済負担を軽減することが大切。

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借金を滞納するとどうなる?

借金滞納によって起こるリスクを、時系列で並べたものが以下のリストです。

  1. 債権者から催促される(1日目~)
  2. 滞納している金融機関で借入ができなくなる(1日目~)
  3. 遅延損害金が発生する(1日目~)
  4. 信用情報にキズがつく(2ヶ月頃~)
  5. 催告書や一括請求通知が届く(2ヶ月頃~)
  6. 裁判所から訴状や支払督促が届く(3ヶ月頃~)
  7. 訴訟手続きに移行する(4ヶ月頃~)
  8. 強制執行による差し押さえが行われる(5ヶ月頃~)

リスクの発生時期も併せて記載していますが、このタイミングはあくまで一般的な目安です。例えば、滞納後すぐに一括返済を請求される可能性もあります。

借入状況やこれまでの経緯によってはタイミングが早まることもあるので、借金滞納はなるべく急いで解決すべき問題といえるでしょう。

1.債権者から催促される(1日目~)

返済日に遅れると、まずは債権者である金融機関やカード会社から催促されます。催促方法は電話やメール、はがきがあります。

本人と直接連絡が取れない場合、勤務先に連絡が来る場合もあります。借金を滞納していることは基本的に伏せられますが、同僚に「何か問題を抱えているのでは」と疑われてしまうかもしれません。

また、催告を何度も無視していると、自宅に訪問される可能性もあります。同居する家族が対応した場合、そこから借金を滞納していることを知られてしまいます。

なお、取り立てで自宅訪問できる時間帯は「午前8時から午後9時まで」と内閣府令で定められています。

(取り立て行為の規則)
正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること。

引用元:e-Gov法令検索「貸金業法 第21条第1項」

(取り立て行為の規則)
(前略)内閣府令で定める時間帯は、午後九時から午前八時までの間とする。

引用元:e-Gov法令検索「貸金業法施行規則 第19条第1項」

2.滞納している金融機関で借入ができなくなる(1日目~)

カードローンやクレジットカードのキャッシングでは、上限枠内であればいつでも追加で借入が可能です。例えば、上限枠が100万円で、現在の借入額が30万円であれば、追加で70万円まで借りられます。

しかし、返済を滞納してしまうと利用停止となり、上限枠内でも追加の借入ができなくなるのです。

クレジットカードのショッピング枠も同様で、買い物でカードを使おうとしても支払いができなくなるでしょう。

ただし、この時点ではあくまで滞納している会社内で取引が停止されるだけでなので、他社の借入やクレジットカードなら利用できる可能性はあります。

また、数日程度の滞納であれば、支払を済ませることで再び利用できるようになるでしょう。

3.遅延損害金が発生する(1日目~)

借金を滞納すると、ペナルティとして1日目から遅延損害金が発生します。遅延損害金の計算式は以下の通りです。

遅延損害金=借入残高×遅延損害金利率÷365(日)×滞納日数

また、遅延損害金の利率は、法律によって次のように定められています。

遅延損害金の利率
滞納している支払いの種類 遅延損害金の利率上限
・借金(クレジットカードのキャッシング含む) 年利20.00%
・クレジットカードのショッピング枠の場合 年利14.60%

参照:e-Govポータル「利息制限法 第7条」

参照:e-Govポータル「消費者契約法 第9条2号」

例えば、消費者金融で借入残高100万円の支払いを30日間滞納した場合、遅延損害金は次のようになります。

100万円×20.0%÷365日×30日=1万6,438円

実際の利率は契約内容によりますが、通常の利息より高くなることが大半です。

遅延損害金については、下記の関連記事も参考にしてください。

4.信用情報にキズがつく(2ヶ月頃~)

滞納から2ヶ月経過すると、信用情報に「滞納した事実」が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」という状態で、他社の金融機関やカード会社にも滞納が知れ渡ってしまうのです。

ブラックリストは自分で解除することができず、完済した上で5年ほど待たなければ消えません。

信用情報にキズがついた人、つまりはブラックリスト状態の人は、金融機関やカード会社から「問題のある人物」とみなされてしまい、さまざまなデメリットを受けることになります。

信用情報にキズがつくデメリットとは?

信用情報にキズがつくことで生じるデメリットは、次の通りです。

  • すべての金融機関やカード会社で利用停止になる(新規の借入なども不可)
  • スマートフォンなどの分割払いができない
  • 賃貸の入居審査に落ちるようになる(信販系の家賃保証会社が審査する場合)
  • 保証人になれない

特に大きな影響は、クレジットカードの利用ができなくなる点です。新規発行はできず、現在使っているカードも使えなくなるので、日常生活で不便さを感じるようになるでしょう。

なお、自分の信用情報に事故情報があるかどうかは、信用情報機関に情報開示請求をすれば確認できます。3つの機関があるので、借入先が加盟している機関に問い合わせましょう。

信用情報機関の種類
機関名 主な加盟業者 問い合わせ費用
日本信用情報機構(JICC) 消費者金融、銀行が中心 1,000円
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード会社、消費者金融が中心 500円~1,000円
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行、信用金庫、信用組合が中心 1,000円~1,200円

5.催告書や一括請求通知が届く(2ヶ月頃~)

滞納が長く続くと、借入先から「催告書」や「一括請求通知」が内容証明郵便で届きます。

  • 催告書:滞納分の支払いを求める通知。ただの催促ではなく、法的措置への移行についても記載される。
  • 一括請求通知:借金全額の一括返済を求める通知。こちらも法的措置について記載あり。

どちらの通知も、法的措置(訴訟手続き)に移行する一歩手前であり、借入先からの最終警告です。この時点で適切な対応を取れば法的措置は避けられますが、放置を続ければ訴訟に進んでしまいます。

6.裁判所から訴状や支払督促が届く(3ヶ月頃~)

催告書や一括請求通知にも応じず滞納を続けると、借入先は裁判所への申し立てを行います。申し立てを受けた裁判所から送られてくるのが、「訴状」や「支払督促」です。

訴状や支払督促が届いたということは、すでに訴訟手続きに入っているということになります。何もしなければ差し押さえに移行するので、それぞれの通知に適切な対応が必要です。

なお、借金滞納は民事問題なので、訴状や支払督促が来たからといって逮捕されることはありません。警察は介入せず、あくまで債権者と債務者(または代理人となる弁護士・司法書士)が裁判で争います。

訴状の場合は答弁書の返信が必要

訴状とは「債権者が訴訟を申し立てたこと」の通知で、以下2つの書類が同封されています。

  • 口頭弁論期日呼出状
  • 答弁書

口頭弁論期日呼出状は、文字通り債務者を呼び出す書類です。指定された日時に、指定された裁判所へ出頭しなければいけません。

答弁書は、訴状の内容に対して意見を述べるための書類です。「分割払いによる和解を希望したい」など、訴えの内容に対してどのようなアクションを取るか記入して提出します。

答弁書の提出期限は、口頭弁論期日の1~2週間前に設定されているのが一般的です。書き方がわからない場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。

支払督促の場合は異議申立書の返信が必要

支払督促の手続きは、審査や手数料が略式化された手続きです。通知と一緒に異議申立書が同封されてきます(裁判所の窓口でも取得可能)。

支払督促の手続きは、次のような流れで進みます。

  1. 支払督促が届く
  2. 2週間以内に異議申立書を返信しないと「仮執行宣言付支払督促」が届く
  3. さらに2週間以内に異議申立書を返信しないと財産を差し押さえれられる

つまり、支払督促は2段階に分けて通知が発行され、そのどちらかで異議申立書を提出しないと直ちに差し押さえとなるのです。

なお、異議申立書を提出した場合は、そのまま訴訟手続きに移行します。訴状が届いた場合と同様、指定された日時に裁判所へ出頭し、裁判で争うことになります。

7.訴訟手続きに移行する(4ヶ月頃~)

答弁書や異議申立書を提出したら、裁判所で審理が行われます。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 口頭弁論
  2. 証人尋問
  3. 和解の検討
  4. 判決

訴額が140万円未満なら簡易裁判所、140万円以上なら地方裁判所で行われます。

弁護士に依頼すれば代理人として対応を任せられ、自分で出頭する手間を省くことが可能です。※司法書士に依頼した場合、代理人として出頭してもらえるのは簡易裁判所での訴訟のみ。

逆にいえば、弁護士・司法書士に依頼しないと全て自分で対応する必要があります。裁判所での手続きに不安がある人は、借金問題に精通した弁護士などに相談しましょう。

①口頭弁論

訴訟では、当事者それぞれの主張を確認する「口頭弁論」が行われます。初回の口頭弁論で結論を出すことはなく、何度か繰り返します。

初回では争点を明確化することが主な目的となり、次回の口頭弁論期日までに主張の根拠となる証拠を集めるのが一般的な流れです。

裁判官などがそれぞれの主張や証拠を確認し、判決に向けて議論を重ねていきます。

②証人尋問

当事者の主張を裏付けるために、証人尋問が行われる場合もあります。原告や被告が証拠申出書(尋問の申請)を提出し、裁判所に受理された場合に行われます。

ただし、証拠申出書が提出されても、裁判所が受理されなければ証人尋問の実施されません。裁判所が「証人尋問は不要」と判断すれば、証拠申出書を提出しても却下されます。

③和解の検討

初回の口頭弁論から判決が下されるまでの間、裁判所から和解を勧められることがあります。判決より和解のほうが後々のしこりが残らず、良好な関係で問題を解決できるからです。

場合によっては、裁判官が心証を伝えた上で和解を勧告する場合もあります。双方の主張や証拠が出揃った結果、判決を待つより和解したほうが得策というケースも多いでしょう。

④判決

訴訟中に和解が成立しなければ、裁判所から判決が下されます。

判決が出された後、2週間以内に申し立てれば上級裁判所へ上告することも可能です。ただし、一度決まった判決を覆すのは難しく、新しい証拠を用意できない限り結果は変わらないでしょう。

2週間以内に上告しない場合は判決が確定し、当事者はその内容に従うことになります。

8.強制執行による差し押さえが行われる(5ヶ月頃~)

訴訟で敗訴した場合、財産の差し押さえが行われます。差し押さえは強制であり、債務者は拒否することができません。

必要最低限の財産を除き、大半を処分されることになります。

差し押さえの対象となる財産・ならない財産

差し押さえ対象となる財産としては、次のものが挙げられます。

  • 給与(手取りの1/4、もしくは33万円を超える分)
  • 現金、銀行預金(66万円を超える分)
  • 不動産
  • 貴金属
  • 退職金(1/4まで)
  • 保険の解約返戻金
  • その他、換金可能なもの

一方、差し押さえられない財産は以下の通りです。

  • 給与(手取りの3/4、もしくは33万円まで)
  • 銀行預金(66万円まで)
  • 退職金(3/4まで)
  • 生活に欠かせない家財(寝具や衣服など)
  • 1ヶ月分の食料や燃料
  • 職業上欠かせない器具など
  • 礼拝や祭祀に欠かせないもの
  • 生活保護
  • 公的年金(税金滞納の場合を除く)

上記のほかにも、裁判所が認めた範囲で差し押さえ範囲を減縮できる場合があります。

生活に最低限必要な財産は残されるので、差し押さえを受けたからといって直ちに生活できなくなることはありません。

持ち家の場合は最終的に強制退去になる

差し押さえ対象の財産にある不動産ですが、持ち家(マイホーム)の場合も原則として差し押さえられます。

差し押さえられてもすぐに退去となるわけではなく、しばらくは住み続けることも可能です。退去は、競売が実施され、落札者に所有権が移転するまでに行います。

所有権移転までに引っ越さない場合、落札者が法的措置を行い、強制退去が実行されます。裁判所の執行官が家財全てを運び出すので、居座ることはできません。

実際に借金を滞納してしまった人の体験談

実際に借金を滞納してしまう人たちは、どのような経緯で借金をし、返済を滞納してしまうのでしょうか?

STEP債務整理編集部では、実際に借金を滞納してしまった人たちにインタビューを実施し、借金をしたときや返済を滞納したときの状況について調査しました。

この項目では、インタビューの内容をもとに実際に借金を滞納してしまった人の体験談を紹介します。

遊び金欲しさにキャッシングを使いすぎたAさん

STEP債務整理編集部:借金をはじめたきっかけを教えてください。

Aさん:飲み会や旅行などで出費がかさみ、給料日前に生活費が足りなくなってしまったのがきっかけです。最初は持っていたクレジットカードに付いていたキャッシング枠を利用してお金を借りました。その後は返済資金や遊びのお金が足りなくなるたびにキャッシングをして、そのうちキャッシングの枠がいっぱいになったのでカードローンなども利用するようになっていきました。

STEP債務整理編集部:返済開始から何ヶ月目で滞納が始まりましたか?

Aさん:しばらくは返済資金が足りなくなると他のカードローンなどで借入をして、返済して空いた枠でまた借入をして他の支払いに充てる、という感じでなんとか遅れずに返済していました。でも、借入を始めてから1年くらい経った頃に、持っていたカードの借入枠がすべて上限いっぱいになってしまい、返済ができなくなりました。

STEP債務整理編集部:滞納は何ヶ月続きましたか?

Aさん:借入先の会社から何度か電話やハガキが来ているのはわかっていたのですが、仕事が忙しくて無視し続けていました。そしたら、あるときピタッと連絡が来なくなったんです。「諦めたのかな?」と思っていたんですが、返済できなくなってから5年くらい経った頃に引っ越したタイミングでまた封書が届いて。しかも「◯万円を一括で払ってください。払えない場合は裁判を起こして財産を差し押さえます。」という内容で、金額を見たら何十万という単位だったので、とても一括では払えないと思いました。

STEP債務整理編集部:滞納後、一番怖かったのはなんですか?

Aさん:「借金が払えなくなると財産を差し押さえられる」って噂で聞いてはいたけど、正直本当に差押えをしてくる会社があるとは思っていなかったです。なので、実際に「裁判を起こして財産を差し押さえます」という内容の封書が届いたときは、本当に焦りました。一度止まった督促が何年も経ってから再開したことにも、貸金業者の執念深さを感じましたね。

事業資金を賄うために借入をおこなったBさん(自営業)

STEP債務整理編集部:借金をはじめたきっかけを教えてください。

Bさん:自分の店を持つのが夢で、ずっと前から「35歳までに脱サラして店を開く」という目標を持っていました。でも、いざ35歳になったときに当初予定していた金額まで貯金ができていなかったんです。店の開業時期を遅らせることも考えましたが、足りない分は借入をして予定どおり店をオープンすることにしました。

STEP債務整理編集部:返済開始から何ヶ月目で滞納が始まりましたか?

Bさん:思ったようにお店の売上が伸びず、返済開始直後からすでに返済は厳しかったです。それでも数ヶ月間は何とか他の会社からも借入をしたりして自転車操業していましたが、3ヶ月目に自転車操業すらできなくなり、滞納してしまいました。

STEP債務整理編集部:滞納は何ヶ月続きましたか?

Bさん:夢だった店を諦めたくなくて、借入先の会社から電話や封書が届いても、無視し続けていました。でも、滞納し始めてから半年くらい経った頃に、借入先の会社の人らしき人が家に尋ねてきたんです。その人は「いつ頃返済できるのか?」といった話をした後、請求金額が記された書類を置いて帰っていきました。そのとき「あ、もう限界かも・・・」と思ったんですよね。

STEP債務整理編集部:滞納後、一番怖かったのはなんですか?

Bさん:電話や郵便物で督促されるのは予想していましたが、まさか家に直接取り立てに来るとは思っていませんでした。家に来た人は借入先の会社の人ではなく、その会社から委託を受けてる取り立て専門業者の人だったみたいで、高圧的な態度に恐怖を覚えました。

女性に見栄を張るため、借金をやめられなかったCさん

STEP債務整理編集部:借金をはじめたきっかけを教えてください。

Cさん:上司に連れられて行ったのがきっかけでキャバクラにハマってしまい、キャバクラに通うためのお金やキャバ嬢へのプレゼント代にお金をつぎ込むようになりました。普通のサラリーマンに支払える金額ではなく、すぐにお金が足りなくなってカードローンに手を出してしまいました。

STEP債務整理編集部:返済開始から何ヶ月目で滞納が始まりましたか?

Cさん:借入を始めてから3年くらいは遅れずに返済できていました。最後のほうは返済して空いた枠からすぐ借入をして、他の支払いに充てるという感じで回していましたが・・・。でも、ついに借入枠が全部いっぱいになって、新しく申し込んだカードローンの審査にも落ちてしまい、どうにもならなくなりました。

STEP債務整理編集部:滞納は何ヶ月続きましたか?

Cさん:返済日に入金できないと、翌日すぐに借入先の会社から電話がかかってきました。でも払える見込みがないのでずっと出られずにいて・・・。そしたら、毎日のように電話がかかってくるようになったんです。電話が気になって仕事も手につかなくなり、このままでは行けないと思って法律相談に行きました。返済できなくなってから2ヶ月くらい経った頃だったと思います。

STEP債務整理編集部:滞納後、一番怖かったのはなんですか?
Cさん:毎日のように1日に何回も督促の電話がかかってきて、精神的にかなり追い詰められました。借入をしたのは闇金などではなく普通の貸金業者だったのですが・・・。あんなにしつこく電話がかかってくるとは思っていませんでしたし、ネットで調べたら職場に電話がかかってくる場合もあると書かれていたので気が気ではありませんでした。

借金を滞納してしまった場合の解決策

借金を滞納しており、現状では返済が難しいのであれば、次に挙げる解決策を検討してみましょう。

  • 返済プランの見直しを債権者に相談する
  • 低金利ローンに借り換える
  • おまとめローンに借り換える(多重債務の場合)
  • 債務整理をする

それぞれ詳しく解説していくので、自分の状況に合った方法を選びましょう。

返済プランの見直しを債権者に相談する

最初に検討したいのは、返済プランの見直しを債権者に相談することです。

返済期日を多少延期する程度であれば、交渉はそれほど難しいものではありません。場合によっては、月々の返済額見直しや、ボーナスによる滞納分の一括返済などもできるかもしれません。

債権者としても、差し押さえで費用や手間をかけるより、プラン変更を了承した方がコストを抑えられます。現実的な返済プランを用意できれば、変更を受け入れてもらえる可能性はあるでしょう。

低金利ローンに借り換える

現在の借入より金利の低いローンに借り換えることで、月々の返済額を減らせる可能性があります。

例えば、下記の条件で低金利ローンに借り換えたとします。

【借り換え前】
・借入額:100万円
・金利:年15%
・返済期間:5年
【借り換え後】
・借入額:100万円
・金利:年10%
・返済期間:5年

上記の借り換えをシミュレーションすると、以下の通りになります。

借り換え前(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 内利息 残高
1 23,789 12,500 988,711
2 23,789 12,358 977,280
3 23,789 12,216 965,707
4 23,789 12,071 953,989
5 23,789 11,924 942,124
6 23,789 11,776 930,111
7 23,789 11,626 917,948
8 23,789 11,474 905,633
9 23,789 11,320 893,164
10 23,789 11,164 880,539
11 23,789 11,006 867,756
12 23,789 10,846 854,813
13 23,789 10,685 841,709
14 23,789 10,521 828,441
15 23,789 10,355 815,007
16 23,789 10,187 801,405
17 23,789 10,017 787,633
18 23,789 9,845 773,689
19 23,789 9,671 759,571
20 23,789 9,494 745,276
21 23,789 9,315 730,802
22 23,789 9,135 716,148
23 23,789 8,951 701,310
24 23,789 8,766 686,287
25 23,789 8,578 671,076
26 23,789 8,388 655,675
27 23,789 8,195 640,081
28 23,789 8,001 624,293
29 23,789 7,803 608,307
30 23,789 7,603 592,121
31 23,789 7,401 575,733
32 23,789 7,196 559,140
33 23,789 6,989 542,340
34 23,789 6,779 525,330
35 23,789 6,566 508,107
36 23,789 6,351 490,669
37 23,789 6,133 473,013
38 23,789 5,912 455,136
39 23,789 5,689 437,036
40 23,789 5,462 418,709
41 23,789 5,233 400,153
42 23,789 5,001 381,365
43 23,789 4,767 362,343
44 23,789 4,529 343,083
45 23,789 4,288 323,582
46 23,789 4,044 303,837
47 23,789 3,797 283,845
48 23,789 3,548 263,604
49 23,789 3,295 243,110
50 23,789 3,038 222,359
51 23,789 2,779 201,349
52 23,789 2,516 180,076
53 23,789 2,250 158,537
54 23,789 1,981 136,729
55 23,789 1,709 114,649
56 23,789 1,433 92,293
57 23,789 1,153 69,657
58 23,789 870 46,738
59 23,789 584 23,533
60 23,789 294 38
61 38 0 0
合計 1,427,378 427,378

参考:アコム「ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)」

借り換え後(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 内利息 残高
1 21,247 8,333 987,086
2 21,247 8,225 974,064
3 21,247 8,117 960,934
4 21,247 8,007 947,694
5 21,247 7,897 934,344
6 21,247 7,786 920,883
7 21,247 7,674 907,310
8 21,247 7,560 893,623
9 21,247 7,446 879,822
10 21,247 7,331 865,906
11 21,247 7,215 851,874
12 21,247 7,098 837,725
13 21,247 6,981 823,459
14 21,247 6,862 809,074
15 21,247 6,742 794,569
16 21,247 6,621 779,943
17 21,247 6,499 765,195
18 21,247 6,376 750,324
19 21,247 6,252 735,329
20 21,247 6,127 720,209
21 21,247 6,001 704,963
22 21,247 5,874 689,590
23 21,247 5,746 674,089
24 21,247 5,617 658,459
25 21,247 5,487 642,699
26 21,247 5,355 626,807
27 21,247 5,223 610,783
28 21,247 5,089 594,625
29 21,247 4,955 578,333
30 21,247 4,819 561,905
31 21,247 4,682 545,340
32 21,247 4,544 528,637
33 21,247 4,405 511,795
34 21,247 4,264 494,812
35 21,247 4,123 477,688
36 21,247 3,980 460,421
37 21,247 3,836 443,010
38 21,247 3,691 425,454
39 21,247 3,545 407,752
40 21,247 3,397 389,902
41 21,247 3,249 371,904
42 21,247 3,099 353,756
43 21,247 2,947 335,456
44 21,247 2,795 317,004
45 21,247 2,641 298,398
46 21,247 2,486 279,637
47 21,247 2,330 260,720
48 21,247 2,172 241,645
49 21,247 2,013 222,411
50 21,247 1,853 203,017
51 21,247 1,691 183,461
52 21,247 1,528 163,742
53 21,247 1,364 143,859
54 21,247 1,198 123,810
55 21,247 1,031 103,594
56 21,247 863 83,210
57 21,247 693 62,656
58 21,247 522 41,931
59 21,247 349 21,033
60 21,208 175 0
合計 1,274,781 274,781

参考:三井住友銀行「カードローン 返済シミュレーション」

月返済額は2,542円、返済総額は15万2,597円を減額できます。

金利が高い借金や、月々の返済額における利息割合が高い状態であれば、借り換えることで大きな減額効果を得られるでしょう。

おまとめローンに借り換える(多重債務の場合)

複数の借金を抱えている多重債務者の場合、専用の「おまとめローン」を使うのも良いでしょう。理屈としては低金利ローンと同じで、現状より金利の低いローンに借り換えることで借金を減額できます。

ただし、多重債務の場合は借入先ごとに金利がバラバラなケースが多いため、平均金利を計算することが重要です。

例えば、以下の通り2つの借金があったとします。

  • 年利15%で200万円の借金
  • 年利18%で80万円の借金

これらの平均金利を計算すると、以下のようになります。

①パーセンテージを小数にして、それぞれの母数(借入額)と掛ける
・15%=0.15、2000,000×0.15=300,000
・18%=0.18、800,000×0.18=144,000
②の数値と母数をそれぞれ合計する
・300,000+144,000=444,000
・2000,000+800,000=2800,000
③パーセンテージの合計数値を母数の合計で割り、100を掛ける
444,000÷2800,000×100=15.86

計算の結果、200万円の年利15%と80万円の年利18%は、平均15.86%になりました。つまり、280万円を年利15.86%以下で借り換えれば、借金を減額できるということです。

仮に10%で280万円を借り換えたとして、5年間の返済計画をシミュレーションすると、下記のようになります。

おまとめ前(クリックで返済スケジュールを表示)

回数
・借入額:200万円
・金利:年15%

・借入額:80万円
・金利:年18%
①+②
1 24,200 47,579 71,779
2 24,200 47,579 71,779
3 24,200 47,579 71,779
4 24,200 47,579 71,779
5 24,200 47,579 71,779
6 24,200 47,579 71,779
7 24,200 47,579 71,779
8 24,200 47,579 71,779
9 24,200 47,579 71,779
10 24,200 47,579 71,779
11 24,200 47,579 71,779
12 24,200 47,579 71,779
13 24,200 47,579 71,779
14 24,200 47,579 71,779
15 24,200 47,579 71,779
16 24,200 47,579 71,779
17 24,200 47,579 71,779
18 24,200 47,579 71,779
19 24,200 47,579 71,779
20 24,200 47,579 71,779
21 24,200 47,579 71,779
22 24,200 47,579 71,779
23 24,200 47,579 71,779
24 24,200 47,579 71,779
25 24,200 47,579 71,779
26 24,200 47,579 71,779
27 24,200 47,579 71,779
28 24,200 47,579 71,779
29 24,200 47,579 71,779
30 24,200 47,579 71,779
31 24,200 47,579 71,779
32 24,200 47,579 71,779
33 24,200 47,579 71,779
34 24,200 47,579 71,779
35 24,200 47,579 71,779
36 24,200 47,579 71,779
37 24,200 47,579 71,779
38 24,200 47,579 71,779
39 24,200 47,579 71,779
40 24,200 47,579 71,779
41 24,200 47,579 71,779
42 24,200 47,579 71,779
43 24,200 47,579 71,779
44 24,200 47,579 71,779
45 24,200 47,579 71,779
46 24,200 47,579 71,779
47 36 47,579 47,615
48 0 47,579 47,579
49 0 47,579 47,579
50 0 47,579 47,579
51 0 47,579 47,579
52 0 47,579 47,579
53 0 47,579 47,579
54 0 47,579 47,579
55 0 47,579 47,579
56 0 47,579 47,579
57 0 47,579 47,579
58 0 47,579 47,579
59 0 47,579 47,579
60 0 47,579 47,579
61 0 30 30
合計 1,113,236 2,854,770 3,968,006

参考:アコム「ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)」

おまとめ前(クリックで返済スケジュールを表示)

回数 ・借入額:280万円
・金利:年10%
1 59,491
2 59,491
3 59,491
4 59,491
5 59,491
6 59,491
7 59,491
8 59,491
9 59,491
10 59,491
11 59,491
12 59,491
13 59,491
14 59,491
15 59,491
16 59,491
17 59,491
18 59,491
19 59,491
20 59,491
21 59,491
22 59,491
23 59,491
24 59,491
25 59,491
26 59,491
27 59,491
28 59,491
29 59,491
30 59,491
31 59,491
32 59,491
33 59,491
34 59,491
35 59,491
36 59,491
37 59,491
38 59,491
39 59,491
40 59,491
41 59,491
42 59,491
43 59,491
44 59,491
45 59,491
46 59,491
47 59,491
48 59,491
49 59,491
50 59,491
51 59,491
52 59,491
53 59,491
54 59,491
55 59,491
56 59,491
57 59,491
58 59,491
59 59,491
60 59,509
61 0
合計 3,569,478

参考:三井住友銀行「カードローン 返済シミュレーション」

借り換え前と比べると、月返済額は1万2,288円減額できています。Bの完済後は月返済額が逆転しますが、最終的な返済総額は39万8,528円の減額です。

債務整理をする

債務整理とは国が認めた借金救済制度のことで、債権者との交渉や裁判所の手続きによって借金を減額する方法です。

具体的な手続きとしては、次の3つがあります。

債務整理の種類
手続きの種類 主なメリット 主なデメリット
任意整理 ・将来利息をカットし、元本をおおむね3~5年で返済。
・債権者との交渉なので周囲にバレにくい。
・どの借入を対象にするか選べる。
・信用情報にキズがつく(おおむね5年程度)。
自己破産 ・残債を全額免除(借金の帳消し)。 ・信用情報にキズがつく(おおむね5~7年程度)。
・財産をほぼ全て処分する必要がある。
・官報に情報が掲載される。
・手続き中は資格や職業の制限がある。
個人再生 ・残債を最大1/10まで減らし、残りをおおむね3~5年で返済。 ・信用情報にキズがつく(おおむね5~7年程度)。
・財産の処分は強制ではないが、残した財産の分だけ減額効果が落ちる。
・官報に情報が掲載される。

それぞれメリット・デメリットが異なるので、自分の状況に合わせて選ぶことが大切です。

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任意整理:将来利息のカット

任意整理は、債権者との交渉によって将来利息(これから発生する利息)をカットする方法です。残った元本は、おおむね3~5年で返済していきます。

低金利ローンの借り換えと違い、利息がまるごとなくなるので、減額効果が大きくなります。

例えば、下記の借金をそのまま返済したときと、任意整理で利息をカットしたときの違いをシミュレーションしてみましょう。

  • 借入額:100万円
  • 金利:年15%
  • 返済期間:5年

任意整理前(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 内利息 残高
1 23,789 12,500 988,711
2 23,789 12,358 977,280
3 23,789 12,216 965,707
4 23,789 12,071 953,989
5 23,789 11,924 942,124
6 23,789 11,776 930,111
7 23,789 11,626 917,948
8 23,789 11,474 905,633
9 23,789 11,320 893,164
10 23,789 11,164 880,539
11 23,789 11,006 867,756
12 23,789 10,846 854,813
13 23,789 10,685 841,709
14 23,789 10,521 828,441
15 23,789 10,355 815,007
16 23,789 10,187 801,405
17 23,789 10,017 787,633
18 23,789 9,845 773,689
19 23,789 9,671 759,571
20 23,789 9,494 745,276
21 23,789 9,315 730,802
22 23,789 9,135 716,148
23 23,789 8,951 701,310
24 23,789 8,766 686,287
25 23,789 8,578 671,076
26 23,789 8,388 655,675
27 23,789 8,195 640,081
28 23,789 8,001 624,293
29 23,789 7,803 608,307
30 23,789 7,603 592,121
31 23,789 7,401 575,733
32 23,789 7,196 559,140
33 23,789 6,989 542,340
34 23,789 6,779 525,330
35 23,789 6,566 508,107
36 23,789 6,351 490,669
37 23,789 6,133 473,013
38 23,789 5,912 455,136
39 23,789 5,689 437,036
40 23,789 5,462 418,709
41 23,789 5,233 400,153
42 23,789 5,001 381,365
43 23,789 4,767 362,343
44 23,789 4,529 343,083
45 23,789 4,288 323,582
46 23,789 4,044 303,837
47 23,789 3,797 283,845
48 23,789 3,548 263,604
49 23,789 3,295 243,110
50 23,789 3,038 222,359
51 23,789 2,779 201,349
52 23,789 2,516 180,076
53 23,789 2,250 158,537
54 23,789 1,981 136,729
55 23,789 1,709 114,649
56 23,789 1,433 92,293
57 23,789 1,153 69,657
58 23,789 870 46,738
59 23,789 584 23,533
60 23,789 294 38
61 38 0 0
合計 1,427,378 427,378

参照:アコム「ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)」

任意整理後(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 内利息 残高
1 16,667 0 983,333
2 16,667 0 966,666
3 16,667 0 949,999
4 16,667 0 933,332
5 16,667 0 916,665
6 16,667 0 899,998
7 16,667 0 883,331
8 16,667 0 866,664
9 16,667 0 849,997
10 16,667 0 833,330
11 16,667 0 816,663
12 16,667 0 799,996
13 16,667 0 783,329
14 16,667 0 766,662
15 16,667 0 749,995
16 16,667 0 733,328
17 16,667 0 716,661
18 16,667 0 699,994
19 16,667 0 683,327
20 16,667 0 666,660
21 16,667 0 649,993
22 16,667 0 633,326
23 16,667 0 616,659
24 16,667 0 599,992
25 16,667 0 583,325
26 16,667 0 566,658
27 16,667 0 549,991
28 16,667 0 533,324
29 16,667 0 516,657
30 16,667 0 499,990
31 16,667 0 483,323
32 16,667 0 466,656
33 16,667 0 449,989
34 16,667 0 433,322
35 16,667 0 416,655
36 16,667 0 399,988
37 16,667 0 383,321
38 16,667 0 366,654
39 16,667 0 349,987
40 16,667 0 333,320
41 16,667 0 316,653
42 16,667 0 299,986
43 16,667 0 283,319
44 16,667 0 266,652
45 16,667 0 249,985
46 16,667 0 233,318
47 16,667 0 216,651
48 16,667 0 199,984
49 16,667 0 183,317
50 16,667 0 166,650
51 16,667 0 149,983
52 16,667 0 133,316
53 16,667 0 116,649
54 16,667 0 99,982
55 16,667 0 83,315
56 16,667 0 66,648
57 16,667 0 49,981
58 16,667 0 33,314
59 16,667 0 16,647
60 16,647 0 0
合計 1,000,000 0

任意整理をすることで、月々の返済額は7,122円、返済総額は42万7,378円減額ができます。

任意整理については関連記事でも詳しく解説しているので、よろしければ参考にしてください。

任意整理のメリット

任意整理のメリットとしては、次の2つが挙げられます。

  • 無理のない返済プランに立て直せる
  • 遅延損害金もカットできる

利息カットに加えて、返済期間や月返済額も無理のないスケジュールに調整可能です。交渉次第ではありますが、月々の返済額を1/2まで減額できる場合もあります。

また、遅延損害金も利息と一緒にカットできるので、すでに滞納をしている人はより減額効果を実感できるでしょう。

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットとしては、次のものが挙げられます。

  • 信用情報にキズがつく(おおむね5年程度)
  • 連帯保証人に請求が移る
  • 銀行口座が一時的に凍結されることがある

特に影響が大きいのは信用情報にキズがつくことですが、滞納が続けば、いずれにしろブラックリスト状態になります。

同じブラックリストでも、滞納を放置して財産を差し押さえられるより、任意整理で利息をカットしたほうが早く生活を立て直せるでしょう。

自己破産:残債の全額免除

自己破産とは、裁判所に申し立てて残債を全額免除してもらう手続きです。借金がいくら残っていても、全て帳消しにできます。

今ある借金を全て帳消しにできるので、減額効果が最も高い方法となります。残債が高額な人や、生活困窮者におすすめの方法です。

ただし、財産の処分など重いデメリットもあるため、申し立てる際は慎重な検討が必要といえるでしょう。

自己破産についての詳しい解説は、以下の関連記事もぜひ参考にしてください。

自己破産のメリット

自己破産の具体的なメリットとしては、次の要素が挙げられます。

  • 返済がなくなるので生活再建がしやすい
  • 収入がなくても利用できる

借金が全額なくなるため、手続き後はすぐに生活再建に取りかかれます。

また、他の方法だと多少は返済が残るのに対し、自己破産は返済が完全になくなるため、収入がない人、もしくは少ない人も利用できます。

自己破産のデメリット

自己破産の主なデメリットは、以下の通りです。

  • 信用情報にキズがつく(おおむね5~7年ほど)
  • 連帯保証人に請求が移る
  • 銀行口座が一時的に凍結されることがある
  • 必要最低限の資産以外は処分される
  • すべての借入が対象となる(特定の債務を除外できない)
  • 手続き中は資格や移動の制限、破産管財人への郵便物転送がある
  • 氏名や住所が官報に記載される

減額効果が大きい分、デメリットも相応に多くなっています。

なお、免責不許可事由があると自己破産による免責を受けられなくなる可能性もあります。

免責不許可事由とは?
浪費やギャンブル、FXや株への投資など、自己破産が原則認められない借金のこと。

参照:e-Govポータル「破産法 第252条第1項」

しかし、実務上は裁判官の判断で免責を許可する「裁量免責」があるので、必ずしも免責を受けられないわけではありません。免責不許可事由に当てはまる場合も、まずは弁護士・司法書士に相談してみましょう。

個人再生:残債を最大1/10まで圧縮

個人再生とは、裁判所に申し立てて残債を最大1/10まで圧縮する手続きです。任意整理と同じく、残った分の返済は3~5年程度で分割します。

対象となる借金は最大5,000万円までとなっており、最低弁済額(最低限返済が必要な金額)が借金額によって変わります。

最低弁済額の金額
債務の総額 最低弁済額
100万円未満 全額
100~500万円未満 100万円
500~1,500万円未満 借金総額の1/5
1,500~3,000万円未満 300万円
3,000~5,000万円未満 借金総額の1/10

参照:e-Govポータル「民事再生法 231条2項3号、4号」

例えば、個人再生を利用した場合の減額効果について、下記の設定でシミュレーションしてみましょう。

【個人再生前】
・借入額:500万円
・金利:年4.7%
・返済期間:6年5ヶ月
【個人再生後】
・減額幅:1/5(100万円まで減額)
・金利:なし
・返済期間:5年

個人再生前(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 内利息 残高
1 75,344 19,583 4,944,239
2 75,344 19,364 4,888,259
3 75,344 19,145 4,832,060
4 75,344 18,925 4,775,641
5 75,344 18,704 4,719,001
6 75,344 18,482 4,662,139
7 75,344 18,260 4,605,055
8 75,344 18,036 4,547,747
9 75,344 17,812 4,490,215
10 75,344 17,586 4,432,457
11 75,344 17,360 4,374,473
12 75,344 17,133 4,316,262
13 75,344 16,905 4,257,823
14 75,344 16,676 4,199,155
15 75,344 16,446 4,140,257
16 75,344 16,216 4,081,129
17 75,344 15,984 4,021,769
18 75,344 15,751 3,962,176
19 75,344 15,518 3,902,350
20 75,344 15,284 3,842,290
21 75,344 15,048 3,781,994
22 75,344 14,812 3,721,462
23 75,344 14,575 3,660,693
24 75,344 14,337 3,599,686
25 75,344 14,098 3,538,440
26 75,344 13,858 3,476,954
27 75,344 13,618 3,415,228
28 75,344 13,376 3,353,260
29 75,344 13,133 3,291,049
30 75,344 12,889 3,228,594
31 75,344 12,645 3,165,895
32 75,344 12,399 3,102,950
33 75,344 12,153 3,039,759
34 75,344 11,905 2,976,320
35 75,344 11,657 2,912,633
36 75,344 11,407 2,848,696
37 75,344 11,157 2,784,509
38 75,344 10,905 2,720,070
39 75,344 10,653 2,655,379
40 75,344 10,400 2,590,435
41 75,344 10,145 2,525,236
42 75,344 9,890 2,459,782
43 75,344 9,634 2,394,072
44 75,344 9,376 2,328,104
45 75,344 9,118 2,261,878
46 75,344 8,859 2,195,393
47 75,344 8,598 2,128,647
48 75,344 8,337 2,061,640
49 75,344 8,074 1,994,370
50 75,344 7,811 1,926,837
51 75,344 7,546 1,859,039
52 75,344 7,281 1,790,976
53 75,344 7,014 1,722,646
54 75,344 6,747 1,654,049
55 75,344 6,478 1,585,183
56 75,344 6,208 1,516,047
57 75,344 5,937 1,446,640
58 75,344 5,666 1,376,962
59 75,344 5,393 1,307,011
60 75,344 5,119 1,236,786
61 75,344 4,844 1,166,286
62 75,344 4,567 1,095,509
63 75,344 4,290 1,024,455
64 75,344 4,012 953,123
65 75,344 3,733 881,512
66 75,344 3,452 809,620
67 75,344 3,171 737,447
68 75,344 2,888 664,991
69 75,344 2,604 592,251
70 75,344 2,319 519,226
71 75,344 2,033 445,915
72 75,344 1,746 372,317
73 75,344 1,458 298,431
74 75,344 1,168 224,255
75 75,344 878 149,789
76 75,344 586 75,031
77 75,324 293 0
合計 5,801,468 801,468

参照:アコム「ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)」

個人再生後(クリックで返済シミュレーションを表示)

回数 月返済額 残高
1 16,666 983,334
2 16,666 966,668
3 16,666 950,002
4 16,666 933,336
5 16,666 916,670
6 16,666 900,004
7 16,666 883,338
8 16,666 866,672
9 16,666 850,006
10 16,666 833,340
11 16,666 816,674
12 16,666 800,008
13 16,666 783,342
14 16,666 766,676
15 16,666 750,010
16 16,666 733,344
17 16,666 716,678
18 16,666 700,012
19 16,666 683,346
20 16,666 666,680
21 16,666 650,014
22 16,666 633,348
23 16,666 616,682
24 16,666 600,016
25 16,666 583,350
26 16,666 566,684
27 16,666 550,018
28 16,666 533,352
29 16,666 516,686
30 16,666 500,020
31 16,666 483,354
32 16,666 466,688
33 16,666 450,022
34 16,666 433,356
35 16,666 416,690
36 16,666 400,024
37 16,666 383,358
38 16,666 366,692
39 16,666 350,026
40 16,666 333,360
41 16,666 316,694
42 16,666 300,028
43 16,666 283,362
44 16,666 266,696
45 16,666 250,030
46 16,666 233,364
47 16,666 216,698
48 16,666 200,032
49 16,666 183,366
50 16,666 166,700
51 16,666 150,034
52 16,666 133,368
53 16,666 116,702
54 16,666 100,036
55 16,666 83,370
56 16,666 66,704
57 16,666 50,038
58 16,666 33,372
59 16,666 16,706
60 16,706 0
合計 1,000,000

月々の返済額は1/4以下、利息まで考慮した返済総額は480万円以上の減額効果があります。自己破産ほどではありませんが、大幅な減額が可能です。

個人再生については別の記事でも詳しく解説しているので、よろしければ参考にしてください。

個人再生のメリット

個人再生のメリットを挙げると、次のようになります。

  • マイホームを残せる
  • 自己破産よりデメリットが少なく、任意整理より減額効果が大きい

個人再生では、「住宅ローン特則」を使うことで、住宅ローンを制度の対象から外すことが可能です。つまり、住宅ローンは今まで通り返済することになりますが、その他の借金はマイホームを残したまま減らすことが可能です。

また、資格や移動の制限がなく、自己破産より軽いリスクで借金を大幅に減らすことができます。

個人再生のデメリット

個人再生のデメリットとしては、次の要素が挙げられます。

  • 信用情報にキズがつく(おおむね5~7年ほど)
  • 連帯保証人に請求が移る
  • 銀行口座が一時的に凍結されることがある
  • すべての借入が対象となる(住宅ローン以外は除外できない)
  • 氏名や住所が官報に記載される

ブラックリストや官報掲載などは自己破産と同じなので、注意が必要です。

「マイホームを残しつつ借金を多く減らしたい」「一時的でも資格を制限されると収入がなくなる」といった時におすすめの方法といえるでしょう。

個人再生のデメリットについては、下記の記事でも参考にしてください。

借金を滞納した場合にやってはいけないこと

借金が払えなくなると、なかには現実を受け入れられずに見て見ぬふりをしてしまう人もいるかもしれません。

あるいは、滞納状態を解消しようと焦って誤った方法に手を出してしまう人もいます。

借金が払えなくなった場合、誤った方法で対処すると状況がさらに悪化する恐れもあるため注意が必要です。

次の項目から、借金を滞納した場合にやってはいけないことについて解説します。

滞納を放置する、連絡を無視する

借金が払えなくなってしまうと、借入先の金融機関から電話や郵便物で督促を受けることが一般的です。

厳しい会社だと前項で紹介した体験談のように、毎日のように複数回の電話がかかってくる場合もあり、なかには気が滅入ってしまい金融機関からの連絡を無視してしまう人もいます。

しかし、連絡を無視したり滞納を放置しても、状況が良くなることは決してありません。それどころか、一括請求や差押えに発展する恐れもあるので、一刻も早く滞納を解消する必要があります。

金融機関からの督促が辛くても無視するのではなく、弁護士や司法書士に相談して適切な解決策をアドバイスしてもらうとよいでしょう。デメリットを最小限に抑えたいなら、決して滞納を放置せず速やかに対処することです。

返済のために借入を行う

借金の返済が苦しくなっても、他社から借入をして返済資金を工面するのはおすすめできません。

返済のために借入をおこなっている場合、複数社から借入をしている多重債務の状態になっています。この場合、1社から借入をおこなっている場合よりも利息によって借金の金額が増えるスピードが早く、短期間で借金額が膨れ上がり返済が困難になるケースが多いです。

借金の返済が苦しくなったら他社から借入をして返済資金を工面するのではなく、借金を減らし返済負担を軽減することで解決するとよいでしょう。

一人で抱え込む

借金をしている人のほとんどは、周囲にそのことを隠しています。友人や同僚はもちろん、家族にも知られたくないという人は多いでしょう。

しかし、ストレスはどこかで吐き出さなければ、心身ともに悪影響があります。体調を崩して働けなくなり、収入が途絶えて今より状況が悪くなるかもしれません。

一人で悩みを抱えていても、いずれは限界が来てしまいます。つらさを共有できるよう、相談できる場所を作っておくことが大切です。

身内で相談できる人がいないのであれば、弁護士や司法書士による無料相談を利用しましょう。ただ話を聞いてもらうだけでも気持ちが落ち着きますし、専門家から具体的な借金問題の解決方法をアドバイスしてもらえます。

借金滞納を続けることで時効成立を狙うことは可能?

借金は、一定の条件を満たせば消滅時効が成立します。返済義務がなくなるため、いわゆる「踏み倒し」が可能ということです。

しかし、時効成立の条件は厳しく、狙って成立させるのは困難です。具体的な時効の条件と、時効が成立する事例・しない事例を見ていきましょう。

借金の時効成立条件

借金の時効成立には、以下の条件を満たす必要があります。

  • 返済期限または最終返済日から5年経過している
  • 時効の更新・猶予がない
  • 時効の援用手続きを行う

時効の更新がないまま一定期間が経過した上で、「時効の援用」という手続きを取ることが必要です。

それぞれ詳しく解説していきます。

返済期限または最終返済日から5年経過している

時効の成立には、最後の取引から5年間の時効期間が必要です。最後の取引とは、基本的に最後の返済期限、もしくは最後に返済した日を指します。

ただし、民法改正前の2020年3月31日以前に成立した借金の場合、借入先によっては時効期間が10年間となります。具体的には、下記の借入先です。

【時効期間が10年間になる借入先※2020年3月31日以前】

  • 個人からの借金
  • 信用金庫からの借金
  • 住宅金融支援機構の住宅ローン
  • 保証協会が事業用途以外で保証したときの求償権

時効の更新・猶予がない

時効期間中、「更新事由」や「完成猶予事由」にあたる出来事があると、期間のカウントが更新(リセット)されたり、猶予(ストップ)したりします。

下記の表は、時効の更新事由をまとめたものです。

時効の更新事由 債務者による債務の承認があった
※債務者が借金の存在を認める行為のこと。「借金をしています」という意思表示の他、期限延長や減額などを交渉した場合も、借金の存在を前提としているので債務の承認とみなされる。
裁判上の判決が確定した
強制執行や担保権の実行(差し押さえ)があった

仮に4年間が経過していても、更新事由にあたる出来事があった時点でカウントは0になり、新たに5年待つ必要があります。

続いては、時効の完成猶予事由をまとめたものです。

時効の完成猶予事由 催告があった
※催告から6ヶ月間の猶予
協議を行う合意があった
※以下のうち一番短い期間まで猶予
・合意があったときから1年間
・当事者が定めた協議の期間
・協議が拒絶された場合はその時から6ヶ月間
仮差し押さえや仮処分があった
※手続き完了から6ヶ月間の猶予

完成猶予では、その時点で期間のカウントが一時中断します。例えば、4年11ヶ月間経っていたとしても、その時点で催告があった場合、カウント再開まで6ヶ月間待たなければいけません。

時効の援用手続きを行う

時効期間に達しても、そのままでは時効成立となりません。債務者の方から、時効の援用手続き(時効を主張すること)が必要です。

時効の援用には、次の内容を記載した「時効援用通知書」を用意します。

  • 債権者の氏名(名称)及び住所
  • 債務者の氏名・生年月日・住所
  • 債権の金額・借入時期・最終返済日
  • 債権や債務者を特定できる情報(債権の内容や会員番号)

時効援用通知書を作成したら、内容証明郵便で債権者に送付します。普通郵便だと、送付したことを公的に証明できないので注意しましょう。

債権者が時効援用通知書に反論しない場合、時効が成立して借金は消滅します。

狙って時効成立させるのは難しい

時効の成立条件について解説しましたが、実際に狙って時効を成立できるケースはほとんどありません。

債権者としては、内容証明郵便で催告の通知を送るだけで完成猶予ができます。猶予期間中に訴訟を起こせば、さらなる延長が可能です。

債権者がみすみす時効を成立させるケースは少ないため、意図的に時効を狙うのは現実的ではありません。

時効が成立する事例

時効が成立する事例としては、以下のようなケースがあります。

【転居をきっかけに貸金業者から連絡が来なくなった】
住所が変わったことから連絡が来なくなり、時効期間が過ぎた場合、時効の成立が可能です。
ただし、引っ越しても業者側の調査によって転居先がバレることも多く、踏み倒しのために引っ越しを繰り返すのはあまりおすすめできません。
【亡くなった親の借金を相続していたことが後からわかった】
財産を相続するとき、借金も一緒に相続することになります。相続手続きの時に気づかなった借金が、後から発覚するケースも少なくありません。
相続の場合、時効期間のカウントも引き継ぎます。「被相続人が最後に返済した日」から起算して5年経過していれば、時効の成立が可能です。
【自宅に訪問されたものの債務の承認をしなかった】
時効期間が過ぎた後に、債権者もしくは債権回収会社(債権を買い取る業者)が自宅に訪問してくるケースもあります。
電話や訪問があっても、債務の承認さえしなければ時効の更新にはなりません。「返済を待ってほしい」「今すぐは支払えない」など、借金を認めるような言動をしなければ、時効の成立が可能です。

いずれの場合も、時効の条件を満たすためには「何らかの理由で債権者が催告などをしてこないこと」が前提となります。滞納を見逃してもらえる状況は限られているため、債務者が意図的に時効を狙うのは困難といえます。

時効が成立しない事例

時効が成立しない事例としては、以下のようなケースが挙げられます。

【勘違いで「債務の承認」をしてしまった】
債権者からの通知によって時効が中断されたと思い込み、債務の承認をしてしまうケースがあります。先述の通り、催告によって時効の完成は猶予されますが、永続的に中断されることはありません。
債権者側もこうした勘違いを狙ってくる場合があり、催告によって債務者自らに「債務の承認」をするよう誘導してくるケースがあります。
【時効の起算日を間違えていた】
時効援用のために書類を送ったところ、起算日を間違えて数日ズレてしまい、時効が成立しなかったケースがあります。
時効援用も「借金を前提とした言動」であり、期間が過ぎる前に実行すると「債務の承認」とみなされてしまうのです。
【債務名義を取られた】
債務名義とは、強制執行を行う前提として公的機関が作成した文書のことです。「確定判決」「仮執行宣言付き判決」「公正証書」などがあります。
債務名義が取られた場合、時効が10年延長されてしまうため、時効の成立が難しくなります。このことからも、時効援用はなるべく早く動き出し、債権者が訴訟手続きに入るのを防ぐべきといえるでしょう。

時効援用に失敗するケースのほとんどは、債務者が時効のルールを知らないことから起こります。間違いを防ぐためには、弁護士や司法書士に相談し、適切な対応をしっかりと理解しておくことが大切です。

借金滞納は2ヶ月以内に弁護士や司法書士に相談するのがおすすめ

借金滞納を続けていると冷静な判断が難しくなり、ついつい放置して状況を悪化させがちです。そのため、状況が悪くならないうちに弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

とくに、滞納から2ヶ月以内であれば、トラブルを大きくせずに解決できる可能性があるので、なるべく早く相談するようにしましょう。

2ヶ月以内の相談をおすすめする理由や、相談することのメリット・デメリットを見ていきましょう。

2ヶ月以内に相談すれば大きなリスクを避けられる可能性が高い

借金滞納によるデメリットは、2ヶ月を境に重くなる傾向があります。

【滞納初日~2ヶ月目以内に起こるデメリット】
・債権者から催促される(1日目~)
・滞納している金融機関で借入ができなくなる(1日目~)
・遅延損害金が発生する(1日目~)
【滞納2ヶ月目以降に起こるデメリット】
・信用情報にキズがつく(2ヶ月頃~)
・催告書や一括請求通知が届く(2ヶ月頃~)
・裁判所から訴状や支払督促が届く(3ヶ月頃~)
・訴訟手続きに移行する(4ヶ月頃~)
・強制執行による差し押さえが行われる(5ヶ月頃~)

特に、債権者が訴訟手続きに入ってから弁護士・司法書士に相談すると、支払う費用が高くなります。

また、弁護士・司法書士に相談した結果、債務整理以外の解決方法が見つかれば、ブラックリスト登録を避けることも可能です。

ただし、デメリットの発生時期は個々のケースで異なるため、上記から変動する場合もあります。2ヶ月以内というのはあくまで目安であり、実際には可能な限り相談したほうが良いでしょう。

弁護士・司法書士に相談するメリット

弁護士や司法書士に相談すると、次のようなメリットがあります。

  • 個々の事情に合わせてアドバイスしてもらえる
  • 返済を一時的にストップできる
  • 債権者との交渉や法的手続きを一任できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

個々の事情に合わせてアドバイスしてもらえる

弁護士・司法書士への相談で一番大きなメリットは、法律家の観点から最適なアドバイスをしてもらえる点です。

債務整理や時効援用など、借金問題には法律が深く関わってきます。法律の専門家である弁護士・司法書士なら、一人ひとりの状況に合わせた判断が可能です。

専門家に話すことで滞納していることのストレスも軽くなり、落ち着いた気持ちで問題解決に向き合えるようになるでしょう。

返済を一時的にストップできる

弁護士や司法書士に債務整理を依頼した場合、返済を一時的にストップすることができます。

弁護士や司法書士が依頼を受けると「受任通知」が発送され、その通知が届くと債権者は債務者との直接連絡ができなくなります。債務整理が完了するまで、取り立てや催促もなくなるのです。

それまで返済に充てていたお金を、生活再建の資金や債務整理後の再返済費用、弁護士報酬などのために積み立てることができます。また、当面の返済がストップすることで、滞納によるストレスをなくすことができるでしょう。

債権者との交渉や法的手続きを一任できる

先述の受任通知によって、債権者とのやり取りは全て弁護士や司法書士を挟むことになります。債権者への対応が精神的負担となっている滞納者も多いため、大きなメリットといえるでしょう。

また、債務整理で必要な交渉や裁判手続きを、全て専門家に任せることが可能です。個人で行うには難しい手続きでも、法律家であれば適切な段取りで進めてくれます。

ただし、訴訟に移行している場合や、個人再生・自己破産といった裁判手続きの場合、司法書士は1社あたり140万円までの案件しか代理業務はできません。書類作成やアドバイスしかしてもらえないので注意しましょう。

弁護士・司法書士に相談するデメリット

弁護士・司法書士に相談するデメリットを挙げるとしたら、次の2つがあります。

  • 債務整理を依頼すれば費用が発生する
  • 依頼を断りにくく感じる場合がある

これらのデメリットを事前に把握しておけば、相談で後悔することはないでしょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

債務整理を依頼すれば費用が発生する

弁護士や司法書士に債務整理を依頼した場合、当然ながら費用が発生します。

事務所によって料金設定は異なりますが、おおまかな相場は以下の通りです。

手続の種類 費用相場(弁護士の場合)
任意整理 着手金:1社あたり約4万円~
報酬金:無料、または減額分の10%程度~
自己破産 着手金:25万円程度~
報酬金:0円~
個人再生 着手金:35万円程度~
報酬金:0円~
過払い金請求 着手金:1社あたり1万円~2万円程度
報酬金:1社あたり2万円~3万円+過払い金の20%程度

上記に加え、自己破産や個人再生では裁判手続きの費用として20万~50万円程度かかります。

具体的な費用は、事前に見積もりを出してもらうようにしましょう。

なお、相談だけなら無料としている事務所も多いので、実際に依頼するかどうか決まっていなくても気軽に問い合わせましょう。

依頼を断りにくく感じる場合がある

弁護士・司法書士に相談したからといって、債務整理の依頼を強制されることはありません。しかし、人によっては断りにくく感じる場合もあるようです。

「ちょっと話を聞くだけのつもりが、委任契約を結んでしまっていた」という人も少なくありません。

契約を結ぶかどうかは、あくまで自分の判断で決められます。アドバイスを聞いた結果、債務整理が不要と判断すれば、遠慮なく断っても大丈夫です。

借金滞納について相談できる弁護士・司法書士事務所3選

弁護士・司法書士も事務所によって得意分野があるため、借金滞納については「借金問題を専門としている事務所」に相談することが大切です。

そこで、ここからは借金問題を専門としている事務所の中でも、特におすすめのところを3つ紹介していきます。

いずれも債務整理の実績が豊富な事務所なので、状況に応じた最適なアドバイスをしてもらえるでしょう。

  • 弁護士法人ユア・エース
  • アヴァンス法務事務所
  • ベリーベスト法律事務所

弁護士法人ユア・エース

画像引用:弁護士法人ユア・エース

代表 正木 絢生(第二東京弁護士会
所在地 東京本店:
〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町2-3-14 堀留THビル10階(受付2階)
福岡支店:
〒812-0011
福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル2階6号室
相談受付時間 24時間365日受付
相談料 無料相談可能
分割払い 分割払い可能
過払い金返還請求の費用 ■残債あり過払(任意整理)
●着手金
1社につき55,000円~(税込)
●報酬金
・和解報酬
11,000円~(税込)
・減額報酬
減額分の11%(税込)
・過払報酬
返還額の22%(訴訟の場合は27.5%)(税込)


■完済過払
●着手金
0円
●報酬金
・過払報酬
返還額の22%(訴訟の場合は27.5%)(税込)


※税法の改正により消費税率に変更があった場合は、税法改正後の税率の消費税がかかります。
電話番号 0120-871-046
公式サイト こちらをクリック(借金問題専用窓口)

弁護士法人ユア・エースは、「一人ひとりに寄り添ったサービス」をポリシーに掲げる弁護士法人グループです。拠点は東京と福岡市の2ヶ所ですが、全国対応を行っています。

16名の弁護士が在籍しており、チームで相談者の問題解決にあたるのが特徴です。債務整理を始め、闇金業者や詐欺業者など金銭関係のトラブルにも多数の実績があります。

窓口は24時間365日対応しており、口コミでも「スピーディーかつ丁寧な対応に好感を持てた」という意見が多数寄せられています。

コロナ禍で仕事が減り、今迄スレスレで返済していた状況が呆気なく破綻しました。借入先に返済期限の延長をお願いし猶予を得た後金策に走りましたが、上手くいくわけもなく…。どうしたものかと頭を抱えていた時、こちらの借金減額シミュレーターに出会いました。ポチッとしたらサッと解決へのアドバイスをいただけあっという間に生活再建の道を歩けるようになり地獄に仏、蜘蛛の糸が垂れてきた〜離してなるものか、と思ったものです。
丁寧な連絡対応をしてくださる事務の方、解決に向けて伴走してくださる弁護士さん。本当に良い方々に恵まれたと感謝しております。これからも頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

引用元:Google マップ

遠方から債務整理でお世話になりました。
依頼した時から、電話での相談にも対応良く、こちらでお願いして良かったです。
返済出来る範囲で考案して頂き、5年間で完済する事が出来ました。
ありがとうございました。
又はないですが(笑)…今後もし何かあったら、またこちらでお願いしたいです。

引用元:Google マップ

メディアの出演実績も多数あり、安心して頼れる法律事務所です。

アヴァンス法務事務所


画像引用:アヴァンス法務事務所

代表 姜 正幸(大阪司法書士会
所在地 大阪本店:
〒541-0041
大阪市中央区北浜2丁目2-22 北浜中央ビル3F


東京支店:
〒101-0024
東京都千代田区神田和泉町1-1-14 パシフィックビル2F
相談受付時間 平日9:30~21:00/土日祝9:30~19:00
相談料 無料相談可能
分割払い 分割払い可能
費用 ■任意整理・過払い金請求
●相談料
0円
●着手金(1社あたり)
11,000円〜(税込)
●解決報奨金(1社あたり)
11,000円(税込)
●減額報酬金
減額または免除できた金額の11%(税込)
※負債金額や取引内容に応じます。詳しくは、お問い合わせください。
※過払い金を取り戻した場合は、過払い金に対して22%(税込)の成功報酬が別途必要です。


■個人再生
●費用
418,000円(税込)
※住宅資金特別条項を利用する場合は473,000円(税込)
●予納金、申立印紙代などの実費
40,000円程度
※事件内容により別途追加料金が発生することがあります。
※債権者が10社を超える場合は別途お見積りいたします。


■自己破産
●着手金
352,000円(税込)
●予納金、申立印紙代などの実費
40,000円程度
※管財事件の場合は管財人の選任が必要となり別途費用が必要となります。
※債権者が10社を超える場合は別途お見積りいたします。


■時効援用
●着手金(1社あたり)
44,000円(税込)
●減額報酬(債務を減額または免除することができた場合)
減額または免除できた金額の11%(税込)
※裁判を起こされている場合は債務整理手続きになります。詳しくは「任意整理の費用」をご覧ください。
電話番号 0120-964-564
公式サイト こちらをクリック(借金問題専用窓口)

アヴァンス法務事務所は、大阪と東京に拠点を置く司法書士事務所です。10年で23万件以上の相談実績があり、豊富なノウハウで適切な解決方法を提案してくれます。

借金問題には特に力を入れており、債務整理後の返済サポートも行っています。また、債務整理の進捗状況をPC・スマホで確認できるシステムも特徴です。

口コミでも、「納得のいくサポートを受けられた」という声が寄せられています。

2018年9月にこちらで471万円を任意整理しました。
2022年8月に完済しましたが、司法書士さんとお会いしたのは最初の1回のみです。
他事務所さんと比べると着手費用は確かに高い方だとは思いますが、それに見合う債権者との交渉、対応だったと思います。
借金していた会社の数にもよりますが、私は8社任意整理のお願いをしたので、月維持費1万円程かかりましたがアヴァンスネクストという返済代行サービスが大変助かりました。
利子と依頼費用は約1年程でペイ出来るので、借金を意地でも返したいと決心される方にはお勧めです。

引用元:Google マップ

債務整理をお願いしました。仕事が早くて結果的にも納得でした。

引用元:Google マップ

「サポートは完済まで」というモットーの通り、借金問題が解決する最後まで頼れる事務所です。

ベリーベスト法律事務所

画像引用:ベリーベスト法律事務所

代表 酒井 将(東京弁護士会
浅野 健太郎(東京弁護士会
萩原 達也(第一東京弁護士会
所在地 全国61拠点(2022年10月現在)
事務所一覧はこちら
相談受付時間 平日 9:30〜21:00/土日祝 9:30〜18:00
相談料 何度でも無料
分割払い 分割払い可能
過払い金返還請求の費用 ●調査費用
無料
●手数料
・1社あたり0円(税込)〜
●解決報酬金
・1社あたり2万2,000円(税込)
●成功報酬
・取り戻した過払い金の22%(裁判ありの場合27.5%)
※現在借金を返済中だった場合は減額できた金額の11%
●事務手数料
・1案件につき4万4,000円(税込)
電話番号 0120-666-694
公式サイト こちらをクリック(借金問題専用窓口)

ベリーベスト法律事務所は、全国に64拠点を持つ大手法律事務所グループです。所属弁護士も約380名と、業界有数の人数を誇ります。

個人向けの借金問題を得意とする事務所の中では最大規模で、豊富な実績と大手ゆえの安心感が大きな特徴です。

口コミでは、丁寧な対応に対して好意的な口コミが見られました。

債務のことで、携帯からベリーベスト法律事務所に相談しようと思ったのですが、不安になり、ずっと連絡しなかったのですが、定期的に連絡を下さり、相談にのっていただきました。曖昧な記憶だったのにもかかわらず、また携帯の使い方もしっかりできなかったのですが、根気よく聞いて下さいました。過払い金が戻ってくると聞いたときは、本当かな?と思いましたが、今ではもっと早く相談すれば良かったなと思いました。本当にありがとうございました。

引用元:Google マップ

初めて弁護士に相談したため、費用に不安がありましたが、担当してくれた
弁護士もスタッフの方も親身に対応してくれました。
ベリーベストにお願いして、
本当に良かったです。
悩みもやっと解決する事が出来て
ほっとしています。

引用元:Google マップ

蓄積された膨大なデータをもとに、的確な解決方法を提案してもらえるでしょう。

まとめ

借金の滞納は、放置していても何の解決にもならず、ただ状況が悪くなるだけです。しかし、弁護士や司法書士に相談すれば、ほぼ確実に解決できる問題でもあります。

当サイトでも、借金問題におすすめの弁護士事務所や借金減額シミュレーターを用意しているので、滞納に悩んでいる人はぜひ活用してください。

借金の滞納は、状況に応じて適切な対応を取れば、スムーズに生活を立て直すことも可能です。「どうせ返済できないから」と諦めず、適切な解決方法を取りましょう。

借金滞納についてよくある質問

借金を滞納していると、どのようなリスクがありますか?

遅延損害金が発したり、一括返済の請求などが起こります。さらに、債権者が法的措置に移行すると、訴訟を経て財産や給与の差し押さえになってしまいます。

借金を滞納していて、時効が成立することはありますか?

最後の取引から5年経過すれば、時効によって借金の返済義務が消滅します。しかし、時効の成立には「更新事由」や「完成猶予事由」にあたる出来事がないことも必要となり、滞納を続けたからといって必ず成立するわけではありません。

どうしても返済できないのですが、減額や返済免除はできないのでしょうか?

弁護士や司法書士に依頼し、債務整理を行うことで、借金の減額や返済免除が可能です。具体的な方法としては、利息をカットする「任意整理」、残債を全額免除する「自己破産」、最大1/10まで圧縮する「個人再生」があります。

借金滞納は、どのくらい続けると危険性が高くなりますか?

1日滞納するだけでもデメリットはありますが、ブラックリスト登録や法的措置へ移行する目安の2ヶ月目以降が、特に危険といえるでしょう。

借金の滞納問題について相談したいときは、どこに相談すればよいですか?

借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談しましょう。個々の状況に合わせて、法的な観点から借金解決のアドバイスをしてくれます。→【相談無料】債務整理に力を入れる弁護士・司法書士はこちら!

あなたの借金がいくら減らせるかは、
借金減額シミュレーターで簡単に診断できます

どうしても返済が厳しい場合は、債務整理が有効な解決策の一つです。
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