闇金から車を担保に借金すると、どのようなデメリットが生じるのか?

消費者金融から借入れができないので車を担保に借金をしようと考えています。リスクはありますか?


「審査なし」「ブラックでも大丈夫」という車担保融資に魅かれる債務者は多いですが、闇金業者が事業を展開しているリスクが高いので利用は避けましょう。厳しい取り立てや高い利息だけではなく、自動車が転売されるリスクまであります。
「乗ったまま融資」なら自動車が勝手に転売されることはないのでは?しっかりと返済すれば大丈夫だと思うのですが…。


「乗ったまま融資」「預かり融資」のどちらの車金融も車検証の名義が貸金業者側に移ります。いつ転売されてもおかしくないですし、そもそも闇金の利息を払いきるのはほとんど不可能です。

大切なのは、車担保融資のようなリスクの高い取引に手を出して目先の現金を手に入れることではなく、現在の家計状況を根本から立て直すことです。弁護士や司法書士に任せれば闇金被害や債務整理への対応が期待できるので、ご相談ください。
車担保融資(車金融)とは、自動車を担保に提供して現金の融資を受けるという取引方法です。
多重債務者やブラックリスト登録者でも審査不要で利用できることが多い反面、経済的に困窮した人をターゲットにした闇金業者が暗躍する取引という実態があります。
そもそも車担保融資では査定額以上の借入れができないので希望額の融資を受けられません。
また、車担保融資の利息負担は重く、滞納すると厳しい取り立てがおこなわれ、債務者が知らない間に自動車が転売されるリスクまで生じます。
したがって、車担保融資を利用して現金を手にしても長期的に見れば良いことは何一つないので、車金融の利用は控えましょう。
万が一、車担保融資に手を出してしまった場合には弁護士や司法書士に相談してください。弁護士や司法書士に依頼をすれば闇金被害を食い止められるだけではなく、車金融に手を出さざるを得なくなったひっ迫した家計状況を改善してくれます。

- 車担保融資は気軽に利用して良い取引ではない。なぜなら、消費者金融などからの借入れができない債務者をターゲットにする闇金とかかわるリスクが高いから。
- 合法に車担保融資を営む正規業者からの借入れでも消費者金融よりも高い利息を取られるのが一般的。査定額以上の融資は受けられないので、あえて自動車金融を利用するメリットは小さい。
- 違法な闇金に車を担保提供すると厳しい取り立てなどの闇金被害のリスクが高まる。自動車を勝手に転売される可能性もあるので、トラブルに巻き込まれたときは速やかに弁護士や司法書士に相談しよう。
車を担保に融資を受けると債務者に大きなリスクが生じる
担保に提供できる自動車さえ所有していれば現金を手に入れられる車担保融資は、ブラックリスト滞納履歴が多い、延滞日数が長いなどの事情から信用情報機関に金融事故情報が登録されるとブラックリストとして扱われます。例えば、合法に貸金業を営んでいる消費者金融や銀行などからは新規の借入れができないので、すみやかに債務整理などの方法を検討して現在の家計状況を根本から改善する必要があります。や総量規制原則として、債務者は年収の1/3を超える金額の借入れができません。毎月の返済額や生活費などを考慮したとき、年収の1/3以上の借金を抱えてしまうと、とても健全な生活を送ることができないと考えられるからです。総量規制を超える金額の借金を申し込むよりも、現在の借金返済状況を改善する方策を検討しましょう。オーバーの多重債務者借金返済のために借金をせざるをえないようになると「多重債務状態におちいっている」と考えられます。利息の返済だけで手いっぱいでいっこうに元本が減らないので借金が雪だるま式に増えることになります。すみやかな対策が必要な状況です。など、貸金業者から借入れができない人でも利用可能な融資方法です。
ただ、そもそも車担保融資自体が債務者側にとってリスクの高い取引であること、経済的に困窮している人をターゲットにするという車担保融資の性質上、正規業者だけではなく違法な闇金が紛れている可能性が高いという実情などを踏まえると、どれだけお金に困ったとしてもできる限り利用を控えるべき取引だと考えられます。
つまり、車担保融資(車金融)に手を出すと以下5点のリスクを背負わされることによって、今よりもさらに厳しい経済状況に追いこまれる可能性が高いということです。
- 正規業者以外から車を担保に融資を受けると闇金とのかかわりが生まれてしまう
- 車を担保に融資を受けると高い利息を支払う必要がある
- 闇金の車担保融資を利用すると厳しい取り立てリスクが生じる
- 車を担保に融資を受けると自動車が転売されるリスクがある
- 車を担保にしても必要額を借りられるとは限らない
それでは、車担保融資のリスク・デメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
正規業者以外から車を担保に融資を受けると闇金とのかかわりが生まれてしまう
車担保融資自体は違法な取引ではないので、貸金業登録をしている業者との車金融は合法です。
ただし、車担保融資の利用を検討している債務者のほとんどが経済的に問題を抱えているという実情を踏まえて、このような人たちを借金に縛りつけることを目的に、車担保融資には多くの闇金業者が存在します。
闇金相手に車担保融資を利用してしまうと、次のような闇金被害が生じることになります。
- 違法な利息の支払いを求められる
- 滞納すると厳しい取り立てが行われる
- 知らない間に自動車が転売される
- 闇金に提供した情報が悪用されて特殊詐欺などに使用される
このように、闇金とかかわりをもつだけでその後に生じる被害は甚大です。
車担保融資の正規業者か否かを判断するのは簡単ではないので、できるかぎり車金融で現金を手にするのはやめましょう。
また、車担保融資で闇金に騙されないためには、利用前に以下2点のポイントを押さえて、正規業者と違法な闇金業者を見極めるのが大切です。
- 車担保融資を利用するときは業者の情報を確認しよう
- 債務者にばかりメリットがあるような宣伝文句の業者には注意が必要
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
車担保融資を利用するときは業者の情報を確認しよう
車担保融資は貸金業に該当するので、合法に事業を営むためには貸金業法で求められている貸金業登録をする必要があります(貸金業法11条)。
したがって、業者の公式HPなどに以下の項目が掲載されていない場合には、当該事業者は違法業者である可能性が高いので、利用を控えてください。
- 日本貸金業協会会員番号
- 貸金業登録番号
- 会社名
- 会社の登記情報(代表者氏名、住所、登記年月日、資本金など)
- 取引条件などの詳細な情報
また、企業HPだけでは判断できないという場合には、金融庁の登録貸金業者情報検索入力ページを活用したり、財務局・各都道府県の担当部署まで直接お問い合わせください。
債務者にばかりメリットがあるような宣伝文句の業者には注意が必要
一定の要件を満たせば適法に行い得る車担保融資ですが、あくまでも事業者は利益を上げるために融資を行っており、利用者(債務者)に有利なことばかりではありません。
したがって、以下に挙げるように、債務者にばかりメリットがあるような広告を打ち出している業者を利用すると闇金とかかわるリスクが比較的高まると考えられます。
- ①ブラックリストでも大丈夫
- ②事前審査不要
- ③保証人不要
- ④車検切れ車両でも対応
- ⑤ローン返済中・他人名義の車両でも利用可能
特に注意が必要なのは、ローン返済中のマイカーや他人名義の車両でも融資してくれる(⑤)事業者です。
ローン返済中の自動車を担保に提供する場合には、ローン残債を車担保融資会社が立て替え払いをしたうえで貸付けが行われます。
つまり、自動車を購入したときのローン金利条件よりも厳しい利息条件が課されるのなら、債務者の返済負担はさらに重くなってしまいます。
また、他人名義の車両を担保に提供する場合には、名義人の意思に基づいた委任状などを作成しなければ、車担保融資を申し込んだ債務者まで刑事責任を追及されるリスクが発生します。
ただし、車担保融資の場合には合法に事業を展開している会社でも①~⑤の条件を提示しているケースが多いという点が厄介です。
したがって、車担保融資では正規事業者と違法な闇金を区別するのは簡単ではないので、取引自体に手を出さないのが何より大切なことです。
万が一車担保融資に手を出してトラブルに巻き込まれたときには、すみやかに弁護士や司法書士まで相談しましょう。
車を担保に融資を受けると高い利息を支払う必要がある
自動車を担保提供したからといって、融資元本だけを返済すればよいというわけではありません。
あくまでも”貸付け”である車担保融資を利用する以上は、事業者が求める利息の支払義務が発生します。
そして、車担保融資の利息条件は、業者の性質によって以下のように設定されるのが一般的です。
- 正規業者からの車担保融資も利息条件は高い
- 違法な闇金からの車担保融資の利息は法外
それでは、債務者側に課される利息条件について、それぞれ見ていきましょう。
正規業者からの車担保融資も利息条件は高い
合法に車担保融資を行う事業者は法律で認められた範囲内の利息条件で貸付けを行います(利息制限法1条)。
しかし、以下の上限金利ギリギリの厳しい条件を強いられるので、一般的な消費者金融・銀行などからの借入れよりも債務者の負担が重くなるのが一般的です。
- 融資額10万円未満:年利率20%まで
- 融資額10万円以上100万円未満:年利率18%まで
- 融資額100万円以上:年利率15%まで
例えば、車担保融資で50万円を年利18%の条件で借入れたとすると、返済期間に応じて債務者が最終的に負担する返済総額は次の通りになります。
返済期間 | 月額返済額 | 返済総額 | 利息総額 |
---|---|---|---|
1年 | 45,839円 | 550,074円 | 50,074円 |
3年 | 18,076円 | 650,721円 | 150,721円 |
5年 | 12,696円 | 761,781円 | 261,781円 |
このように、毎月の返済負担額を抑えると返済期間が長期化して利息負担額が増えることになります。
しかも、返済期間中は自動車を担保にとられたままなので、いつ処分されるか分からないというリスクと隣り合わせです。
他方、最終的な返済負担額を抑えるために返済期間を短くすると、その分だけ月額返済額が増えるので経済的に厳しい状況に置かれている債務者の滞納リスクが高まります。
つまり、車担保融資を利用してしまうと、いつ車が取り上げられるか分からないという危険性に耐えながら高い利息を支払い続けなければいけないということです。
正規業者の車担保融資でもここまでの利息負担を強いられるので、目先の現金欲しさに利用するのは控えましょう。
違法な闇金からの車担保融資の利息は法外
違法な闇金業者や無許可営業との間で車担保融資を利用すると、利息制限法の上限利息ルールを無視した違法条件での貸付けを強いられます。
例えば、トイチトイチとは、10日で1割の利息が発生する利率条件のこと。例えば、50万円を借入れた場合には、10日後には元本50万円に加えて利息5万円の支払いを求められる。・トサントサンとは、10日で3割の利息が発生する利率条件のこと。融資額50万円の場合には、10日後には利息額だけで15万円に膨れ上がる。・トゴトゴとは、10日で5割の利息が発生する利率条件のこと。50万円の融資を受けた場合、10日後には利息が25万円になるので、元本とあわせて75万円の返済義務が生じる。という理不尽な利率条件で契約をしてしまうと、当然ながら利息を支払いきるのは不可能に近いでしょう。
すると、担保として提供した自動車だけでは到底膨れ上がった利息及び元本を補填しきれなくなるので、自動車が処分されるだけでなく、いつまでも借金地獄から抜け出せなくなってしまいます。
したがって、車担保融資を利用する際には事前に利息条件を正しく把握して、闇金被害を予防するのがポイントになります。
闇金の車担保融資を利用すると厳しい取り立てリスクが生じる
闇金との間で車担保融資を利用してしまうと、滞納時に厳しい取り立てを受けるリスクが高まります。
そもそも、闇金からの融資条件では高い利息が求められるので、返済期間のどこかのタイミングでほとんどの債務者が滞納状況におちいってしまうでしょう。
すると、債務者からできるだけお金を奪い取ろうとする闇金は、以下のような取り立て方法に躊躇なく踏みきるので、債務者本人・家族・知人・職場などに危険が及ぶことになります。
- 時間帯を問わずに電話・訪問などによる取り立てが繰り返される
- 本人だけではなく、家族・知人・職場の人に危害が加えられる
- 他社からの借金で返済を強要する、第三者に借金の肩代わりを迫る
- 暴力や物を壊すという行為で脅迫する
車担保融資の正規業者はこのような違法な取り立てを行うことはないですし、債権者側からの取り立て行為を少しでも怖いと感じたら、そのような取り立て行為は貸金業法・刑法に抵触する可能性が高いです。
したがって、厳しい取り立て被害に困ったときには、すみやかに警察や弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。
※闇金からの取り立て被害への対処法については、「借金の取り立てにも合法・違法がある?法律違反の取り立ての見分け方と止める方法を解説」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
車を担保に融資を受けると自動車が転売されるリスクがある
車担保融資で現金を調達すると、担保に提供した自動車が転売されるリスクが生じます。
車担保融資には次の2つの取引手法がありますが、いずれの場合でも、返済中は車金融業者に車検証の名義変更をしなければいけません。
- 乗ったまま融資:業者から融資を受けたあとも自動車を債務者の手元における融資方法
- 預かり融資:業者からの融資後、返済が完了するまで、自動車を業者に預ける融資方法
自動車の所在地が債務者であろうが業者であろうが、車検証の名義が車金融業者にうつるということは、いつ転売されても仕方がない状況にあるということです。
もちろん、正規業者は預かり証を発行してくれますし、債務者が滞納しない限り担保を転売して債権回収に着手することはありませんが、闇金業者との間で車担保融資を利用した場合には事情が異なります。
闇金業者に車検証の名義変更をした段階でいつ転売されてもおかしくありませんし、そもそも高い利息を支払えない以上、近い将来に滞納状態におちいるのは明らかです。
仮に債務者に売却する意思がなかったとしても、善意の第三者善意の第三者とは、当事者間に生じた特別な事情を知らずに財物を取得した第三者のこと。この場合だと、「元の所有者が車担保融資に自動車を提供したが滞納によって転売された」という事情を知らずに当該自動車を購入した第三者がこれに当たる。元の所有者は第三者に対して所有権を主張できないので、乗ったまま融資の場合でも自動車を引き渡す義務を負担することになる。が自動車を取得した場合には争う余地さえなくなってしまいます。
このように、乗ったまま融資・預かり融資のいずれの場合でも自動車が知らない間に売却されるリスクがあるので、車を担保に提供するのは避けましょう。
車を担保にしても必要額を借りられるとは限らない
車担保融資では、必ずしも債務者側が希望する融資額を貸し付けてもらえるとは限らないというデメリットが生じます。
具体的には、車担保融資における融資額には、以下4つの問題点があると考えられます。
- 車担保融資は総量規制の適用を受ける
- 車担保融資では査定額以上は貸し付けてもらえない
- 車担保融資では自動車の維持費などは債務者負担になる
- 乗ったまま融資の貸付額は少ない
それぞれの問題点について見ていきましょう。
車担保融資は総量規制の適用を受ける
あくまでも車担保融資は貸金業に該当するので、総量規制の上限を超えてまで貸付けを受けることはできません。
総量規制とは、原則として年収の1/3を超える金額の借金ができないというルールのことです。
例えば、年収が300万円の債務者なら、借入れ上限額は100万円です。
つまり、合法に貸金業を営む消費者金融などから総量規制を理由に貸付けを断られた場合には、正規業者との間で車担保融資を利用することもできないということです。
これを言い換えれば、すでに総量規制に抵触している債務者に対して車担保融資をもちかけてくる業者は違法な闇金の可能性が高いということです。
車担保融資では査定額以上は貸し付けてもらえない
車担保融資では、担保に提供する自動車の査定額以上の融資を受けることができません。
なぜなら、担保に提供した自動車こそが債務者の信用度の上限値なので、これを超えた貸付けは期待できないからです。
特に、悪質な業者の場合には、自動車の査定額が100万円だとしても30万円程度までしか融資してくれないというように、担保の市場価値と実際の融資額に大きな差があることも少なくありません。
したがって、債務者が必要な金額を手にすることができない可能性が高いので、車担保融資を利用する意味は小さいと考えられるでしょう。
車担保融資では自動車の維持費などは債務者負担になる
車担保融資では、自動車の管理費・自動車税・車検代などの経費は債務者負担になるのが一般的です。
特に、預かり融資では、自動車は債務者の手元にないにもかかわらず、自動車に関連する費用を債務者が負担しなければいけません。
利息負担とは別に金銭的な負担が発生するので、家計がひっ迫している債務者にとってはさらなる重荷になると考えられます。
乗ったまま融資の貸付額は小さい
預かり融資は業者に担保を引き渡すのである程度の融資額を期待できますが、乗ったまま融資では債務者が自動車を利用し続けられる代償として融資額が低額になるのが一般的です。
通勤などで自動車を使う債務者は乗ったまま融資を利用せざるをえないでしょうから、希望額の貸付けを受けられない可能性が余計に高まります。
車を担保に融資を受けるのではなく借金問題は弁護士や司法書士に相談しよう
「どうしても返済日にお金を用意しなければいけない」「急にお金が必要になったのに家計に余裕がない」などの事情を抱えていると、どうしても自動車などを利用してなんとか現金を集めたいと考えるのは仕方のないことです。
ただ、家計がひっ迫して厳しい状況に追いこまれているからこそ、目先の利益に飛びつくのではなく、二度と窮状に追いこまれないための対策をとるのが大切です。
したがって、現在抱えている借金問題が生活を脅かしているのなら、以下4つのポイントを押さえて改善の道を目指してください。
- どうしてもお金がないときは公的融資制度を頼ろう
- どれだけお金がなくても闇金に車などの担保を提供してはいけない
- 車担保融資で闇金とかかわってしまっても弁護士や司法書士なら交渉できる
- 車担保融資で闇金とかかわる前に弁護士や司法書士に債務整理を依頼しよう
それでは、それぞれのポイントについて見ていきましょう。
どうしてもお金がないときは公的融資制度を頼ろう
どうしてもお金がないときには、銀行・消費者金融・闇金を頼るのではなく、行政の公的融資制度を検討しましょう。
なぜなら、公的融資制度からの融資・借入れは消費者金融などを比べてはるかに債務者に優遇された条件で利用できるからです。
以下の公的融資制度をはじめとして、債務者の状況に応じて利用可能な制度が多数用意されているので、お住まいの自治体まで直接お問い合わせください。
- 緊急小口資金:至急お金を用意する必要がある人が無利子・無担保で20万円まで借入れできる
- 生活福祉資金貸付制度:一定の所得要件を充たす場合に受けられる総合支援金など
- 母子父子寡婦福祉資金貸付:ひとり親世帯対象の経済支援制度
どれだけお金がなくても闇金に車などの担保を提供してはいけない
車担保融資を利用すると闇金被害が生じるリスクが高いですが、自動車以外のものであったとしても、融資を受ける際に担保提供するのは危険です。
なぜなら、以下のように、闇金に提供した担保が悪用されることによって債務者自身に大きなデメリットがふりかかるからです。
担保提供の具体例 | 生じるリスク |
---|---|
給料 | ・給料額の2割程度の高い手数料がとられる ・前払い感覚で気軽に利用できてしまう ・滞納時に会社に迷惑がかかるリスク |
銀行口座情報 | ・特殊詐欺に悪用される ・債務者自身が逮捕される |
携帯電話 | ・特殊詐欺に悪用される ・高額な利用料金の支払い負担を強いられる ・携帯ブラックに登録される |
免許証・保険証 | ・勝手に銀行口座を開設される ・情報が流出して嫌がらせを受ける |
年金 | ・年金生活が立ち行かなくなる |
性交渉など | ・いわゆる「ひととき融資」 ・性被害が拡大するリスク ・SNSなどに情報が流出するおそれあり |
近年、SNSやマッチングアプリなどを利用して金銭的に困っている人をターゲットにする違法取引が横行しています。
どのような担保を提供しても決して良いことはないので、どれだけお金に困ったとしても担保提供するのはやめましょう。
※闇金に担保提供する危険性と対応策については、「闇金に担保を提供してはいけない!ブラックだからこそ借金返済に困ったら弁護士に相談しよう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
闇金に担保提供をしてトラブルに巻き込まれたときには専門機関に相談しよう
闇金被害への最大の防御策は「闇金を利用しないこと」ですが、中には、安全と思って利用した業者が実は闇金だったというケースもあるでしょう。
そのような場合には、闇金被害がさらに拡大する前に、以下の専門機関にすみやかに相談してください。
警察に相談すれば刑事事件として闇金に対応してくれますし、闇金被害などの専用ダイヤル(#9110)なら無料で対応策に関する相談を受け付けてくれます。
また、お住まいの自治体・国民生活センター・消費生活センター・金融庁・日本貸金業協会・全国銀行協会に問い合わせをすれば、無料で電話相談にのってくれるので、冷静に今後の方針について考えることができるでしょう。
ただし、これらの専門機関に相談したとしても、借金問題がすべて解決するわけではありません。
民事不介入の原則が働く警察はもちろんのこと、その他専門機関では強制力を伴う対策をとることができないので、借金問題を根本から改善したいのなら、法律全般の対応が可能な弁護士に相談するのがおすすめです。
車担保融資で闇金とかかわってしまっても弁護士や司法書士なら交渉できる
車担保融資を利用した業者が闇金の場合でも、弁護士や司法書士に依頼をすればすみやかに闇金被害拡大を抑えて債務者の安全を守ってくれます。
車担保融資の被害を弁護士や司法書士に相談するメリットとしては、特に次の2点が重要です。
- 弁護士や司法書士なら闇金との契約無効を主張できる
- 弁護士や司法書士に相談すれば闇金からの取り立てを止められる
それでは、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
弁護士や司法書士なら闇金との契約無効を主張できる
闇金との間で結んだ契約はすべて無効です。
つまり、車担保融資を利用した相手が闇金だった場合の契約が無効であることから、融資を受けたお金を返却する必要はありませんし、担保に提供した自動車・支払済みのお金(元本・利息のどちらも)も取り戻せるということになります。
ただし、法律の素人である債務者自身が闇金相手に契約無効と返還請求を行うのはハイリスクです。
また、担保に提供された自動車が転売されてしまうと取り戻すまでのハードルが高くなるので、できるだけすみやかに対応をする必要があります。
したがって、闇金相手に実績がある弁護士や司法書士に依頼をして、債務者の財産を守るように交渉を進めてもらいましょう。
弁護士や司法書士に相談すれば闇金からの取り立てを止められる
弁護士や司法書士に任せれば闇金からの厳しい取り立てを止めることができます。
そもそも、闇金は債務者が法律の素人だからこそ強気に違法な取引条件をもちかけてきます。
つまり、弁護士や司法書士という法律のプロが代理人についたことが分かれば、これ以上の取り立てに意味がないことを悟ります。
したがって、厳しい取り立てによって債務者本人や家族・会社に迷惑がかからないうちに、すみやかに弁護士や司法書士までご相談ください。
車担保融資で闇金とかかわる前に弁護士や司法書士に債務整理を依頼しよう
どれだけ家計が厳しい状況に置かれたとしても、車担保融資でお金を調達することに意味はありません。
なぜなら、車担保融資で新たな借り入れができたとしても、根本原因である借金問題は何一つ改善されていないので、数週間・数ヶ月経てば再び借金返済に困るのは明らかだからです。
したがって、現在家計が苦しい債務者にとって大切なことは、車担保融資などに手を出してリスクを拡大させることではなく、弁護士や司法書士に債務整理を依頼して生活再建ができる道を提示してもらうことです。
債務整理には、自己破産・個人再生・任意整理の3種類の手続きがあり、それぞれに以下のような特徴があるので、債務者にとって適切な手続きを弁護士や司法書士に選択してもらったうえで、二度と借金を背負わずに生活できるような環境を整えましょう。
自己破産 | 個人再生 | 任意整理 | |
---|---|---|---|
メリット | ・借金が帳消しになる ・無職、フリーターでも利用可能 |
・借金減額効果が大きい ・ローン返済中の自宅を手元に残せる |
・利息、遅延損害金をカット ・裁判所を利用しない手続きなので柔軟な対応ができる ・家族に知られずに利用しやすい |
デメリット | ・自由財産以外の財産が処分される ・官報に掲載される ・手続き中は仕事ができなくなる職業がある |
・最低弁済額がある(100万円以上) ・官報に掲載される ・一定の収入が必要 |
・借金減額効果が比較的小さい ・一定の収入が必要 |
もちろん、債務整理手続きを選択する際には、債務者の希望を取り入れることもできます。
例えば、ローン返済中の自動車を手元に残しながら債務整理を希望するのなら、自動車のローン以外の借金を任意整理すれば返済状況を大幅に改善しながらも自動車を手元に残せます。
また、ローンを完済した自動車を所有しているのなら、市場価格が20万円以下なら自己破産でも手元に残せるので、借金が帳消しになるというメリットを得ると同時に自動車を手元に残せることになります。
このように、債務整理を利用してどのような形で生活再建したいのかを債務者自身が選び取ることができるので、まずは弁護士や司法書士に相談をして判断を仰ぎましょう。
なお、自己破産・個人再生・任意整理については、それぞれ以下のコラムで詳しく解説しています。今後の方針決定に役立つので、あわせてご参照ください。
弁護士や司法書士に任せれば厳しい返済督促が止まる
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、合法に貸金業を営む消費者金融などからの取り立ても止まります。
なぜなら、弁護士や司法書士が債権者に送付する受任通知には返済督促を禁止する効果があるからです。
これによって、債務者は返済督促を受けることがなくなるだけではなく、弁護士や司法書士に依頼をした段階から借金の返済自体をする必要がなくなります。
弁護士や司法書士に依頼をしたタイミングから生活再建に向けた準備に集中できるので、できるだけ早期に相談することを強くおすすめします。
※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
弁護士や司法書士は費用面の配慮もしてくれる
借金問題の場合、相談料無料で対応してくれる弁護士や司法書士は多いです。
また、費用の分割払いなどにも柔軟に応じてくれるので、債務整理にかかる費用を負担に感じて弁護士や司法書士への相談を躊躇する必要はありません。
債務者が抱えているすべての不安に丁寧に対応してくれるので、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
車担保融資に手を出しても債務者にメリットはありません。
そもそも闇金業者が多いので厳しい取り立てや違法利息を強要されるリスクが高いですし、正規業者を利用しても自動車が転売されるリスクや希望額の融資を受けられないというデメリットを避けられないからです。
経済的に厳しい状況に置かれている債務者にとって大切なのは、車担保融資で目先の金策に走ることではなく、現在の借金問題を根本から改善することです。
したがって、実態のつかめないような業者を頼るのではなく、法律問題全般に長けた弁護士や司法書士に相談しましょう。
弁護士や司法書士なら、闇金被害を食い止めるのはもちろんのこと、債務者の状況に応じた債務整理手続きを検討してくれます。
債務者が歩むべき生活再建の道筋がはっきりするので、遠慮なく弁護士や司法書士のサポートを受けましょう。
車担保融資(車金融)に関するQ&A
自動車を担保に提供する代わりに、査定額に応じた金額の融資を受ける取引です。返済期間中は車両を業者に引き渡す「預かり融資」と、返済期間中も債務者が車両を使える「乗ったまま融資」の2種類に分類されます。ただし、どちらの取引を選ぶとしても、返済期間中は車両の名義が業者側に移ります。
車担保融資は貸金業にあたるので、貸金業登録をすませた正規業者を利用する限りは「法律違反ではない」と考えられます。ただし、消費者金融などからの借入れ以上の利息が求められますし、車両が転売されるリスクも避けられません。また、違法な闇金業者がかかわっている可能性も高いので、できる限り利用を控えるべきでしょう。
闇金との間の車担保融資では高い利息条件が課されるので、滞納すると厳しい取り立てを受けることになります。担保提供した車両が転売されても支払いきれないので、いつまでも借金地獄から抜け出せないでしょう。このようなリスクを回避するためにもそもそも車担保融資を利用すべきではありませんが、万が一トラブルに巻き込まれたときにはすみやかに弁護士に助けを求めてください。
どれだけ資金繰りに迫られたとしても闇金に手を出してはいけません。厳しい取り立てや違法な利息を強いられるからです。借金返済状況が厳しいのなら、闇金を頼るのではなく弁護士に助けを求めましょう。債務整理を利用すれば借金問題を改善できる可能性が高いです。
厳しい取り立てなどで困っているのなら警察に相談しましょう。身の安全を守ってくれるでしょう。ただ、警察では借金問題を解決することはできないので、すべての法律問題に対応できる弁護士に相談するのがおすすめです。

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