任意整理をして逆に損することもある
任意整理は今後支払う予定の利息をカットや減額し、返済総額を減らす手続きです。
特に金利が高かったり、多額の借金がある人は、完済までに支払う利息総額も高額になるため、任意整理による借金の負担軽減効果も高くなります。
しかし「借金があれば必ず任意整理をした方がよい」というわけではありません。
人によっては任意整理をして逆に損してしまう場合もあるのです。
任意整理をして逆に損するケースとは、例えば借金が少額だったり低金利で借りていた場合です。
借金が少額もしくは低金利なら、完済までに支払う利息総額も少なくなるため、弁護士や司法書士へ依頼する際に支払う費用の方が高くなることもあります。
「任意整理をして損する可能性のあるケース」については、後の項目で詳しく紹介します。
損する場合は事前に弁護士・司法書士から止められることが多い
前の項目で「任意整理をして逆に損することもある」とお伝えしましたが、事前に損をすると分かっている場合は弁護士・司法書士事務所から依頼を断られることがほとんどです。
きちんとした事務所であれば、依頼前に完済までの利息総額と弁護士・司法書士費用を計算し、任意整理した場合としない場合でどちらが得か、シミュレーションをしてくれます。
シミュレーションの結果、自力で返済した方がよいと判明すれば、無理に任意整理をすすめることはありません。
もし、任意整理した方がよいかどうか自身では判断できずに迷っているなら、まずは弁護士・司法書士事務所の無料相談を利用して、任意整理のシミュレーションをしてもらうとよいでしょう。
納得できない場合、相談段階で断ってしまえば費用は一切かかりません。
以下のリンクでは、全国対応&24時間無料相談できる弁護士・司法書士事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に利用してみてください。
任意整理をして損する可能性のあるケース
前述したように、借金をしている人すべてが任意整理をした方が得というわけではありません。
以下は、任意整理をすると逆に損してしまう可能性のある代表的なケースです。
- 借金が少額・低金利。
- 取引期間が短い・借りてからほとんど返済していない。
- 任意整理の実績が少ない弁護士・司法書士へ依頼してしまった。
次の項目から、それぞれのケースについて詳しくお伝えします。
借金が少額・低金利
奨学金など低金利の借金や、元金が10万円以下と少額の借金も、任意整理は可能ですが損してしまう可能性が高いです
任意整理は今後支払う予定の利息を減額できる手続きなので、低金利の借金や少額の借金を任意整理しても、減額できる利息が少ないので返済総額はそれほど変わりません。
むしろ、任意整理にかかる費用の方が高くなる可能性もあります。
奨学金を貸し付けている日本学生支援機構などは、返済困難な人に対して分割払いや減免など、返済について比較的柔軟に対応してくれます。
また、元金10万円以下の少額借入であれば、債権者と自力で分割交渉が可能な場合も多いので、任意整理を検討する前にまずは借入先へ相談してみるとよいでしょう。
取引期間が短い・借りてからほとんど返済していない
取引期間が短い、もしくは借りてからほとんど返済していない状態で任意整理をすると、和解条件が厳しくなり損してしまう場合もあります。
そもそも、債権者は債務者が返済時に支払う利息によって利益を得ており、任意整理はこの利息を減額する手続きです。
取引期間が短かったり借りてからほとんど返済していない場合、債権者はほとんど利益を回収できていない状態ですから、利息の減額には応じたくないというのが本音でしょう。
また、借りてすぐの任意整理は「最初から契約どおり返済する気がないのに借りたのでは」と不信感を持たれることにもなるので、債権者の態度も厳しくなります。
よって、取引期間が短いもしくは借りてからほとんど返済していない状態で任意整理をしても、ほとんど利息を減らせない可能性が高いです。
どうしても経済的に苦しくて返済できない場合は、任意整理に強い弁護士・司法書士事務所なら比較的よい条件で和解できる可能性があるので、無料相談を利用して相談してみてください。
任意整理の実績が少ない弁護士・司法書士へ依頼してしまった
任意整理は弁護士・司法書士事務所と業者の直接交渉なので、依頼する事務所と業者との力関係が交渉結果に大きく影響します。
仮に、任意整理の実績が少ない弁護士・司法書士事務所へ依頼してしまうと、本来なら問題なく利息の減額に応じてくれる債権者でも、相手にされず和解できない恐れもあるのです。
そのため、任意整理で確実に利息を減らし損をしないためには、弁護士・司法書士事務所選びが最も重要といっても過言ではありません。
依頼する事務所を選ぶ際は、複数の任意整理に強い弁護士・司法書士事務所の無料相談を利用するとよいでしょう。
サイト上に業者ごとの和解実績まで詳しく載せている事務所は少なく、自分の依頼したい債権者との和解実績を知りたい場合は、直接話を聞くのが一番確実です。
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損しても任意整理した方がよいケース
任意整理は、一定期間は信用情報に事故情報が載ったり、弁護士や司法書士へ依頼するための費用がかかるなど、決してメリットばかりの手続きではありません。
そのため、損するなら最初から任意整理などしたくないと考える人も多いでしょう。
しかし、なかには損しても任意整理した方がよいケースもあります。
損しても任意整理した方がよいケースとは、主に以下のような場合です。
- 債権者から一括請求されている。
- 裁判所から通知が届いている。
次の項目から、それぞれ詳しくお伝えします。
債権者から一括請求されている
借金を滞納していると、債権者から一括請求されることがあります。
債権者の請求に応じて一括返済できる場合はよいですが、難しい場合は債権者と分割払いの交渉をすることになります。
ところが、一括請求された時点で債務者は期限の利益
を喪失しており、債権者が分割交渉に応じてくれるケースは少ないのが現実です。
債権者に分割払いを認めてもらえない場合は、弁護士や司法書士へ依頼して任意整理をした方がよいでしょう。
減額できる利息より費用の方が高いと損をした気持ちになるかもしれませんが、任意整理のメリットは利息の減額だけではありません。
債権者からの一括請求をストップしたり、無理のない金額での分割払いに変更できることを考えると、一括請求されている人にとってはメリットの大きい手続きといえます。
裁判所から通知が届いている
借金を長い間滞納していると、裁判所から通知が届くことがあります。
裁判所から届く通知は、債権者から裁判を起こされていることを意味しています。
何もせず放置してしまうと、給料や預貯金口座など財産を差押えられてしまうため、債権者へ直接連絡して和解交渉するか、裁判上で和解する必要があります。
しかし、前述したように債務者は既に期限の利益を喪失しているため、債権者へ直接連絡しても和解交渉に応じてくれるケースは少ないです。
また、裁判上で和解する場合、決められた日に裁判所へ出向かなければならず、仕事や家庭の都合で裁判所へ行くことが難しい人も多いでしょう。
債権者との和解交渉や裁判上での和解が難しい場合は、弁護士や司法書士へ依頼して任意整理をするのがおすすめです。
任意整理をする場合、裁判の手続きも含めて弁護士や司法書士へ依頼できるので、複雑で専門知識を必要とする裁判の手続きをすべて任せられます。
もちろん利息の減額や分割交渉も任せられるので、例え減額できる利息より費用の方が高かったとしても、得られるメリットは大きいといえます。
任意整理すると得?損?見極める3つのポイント
ここまで「任意整理をして損する可能性のあるケース」と「損しても任意整理した方がよいケース」についてお伝えしました。
「結局のところ、任意整理はした方がいいの?しない方がいいの?」
「任意整理した方がよいかどうか見極めるポイントが知りたい」
このような疑問を抱いている人のために、ここからは「任意整理をした方がよいかどうか見極めるポイント」についてお伝えします。
借金の金額が10万円以下なら自力で返済した方がよい
任意整理をした方がよいかどうかを見極める一つ目のポイントは、借金の金額です。
結論からいうと、借金の金額が10万円以下なら任意整理せず自力で返済していった方がよいでしょう。
例えば10万円を年利18%で借りていた場合、月々の返済が4千円ずつだったとしても完済までに支払う利息総額は26,624円です。
これでは費用が1社4万円の弁護士・司法書士事務所へ依頼して任意整理した場合、減額できる利息より費用の方が高くなってしまいます。
できるだけ費用の安い弁護士・司法書士事務所を探して依頼するという方法もありますが、その場合は任意整理の実績がある事務所かどうかよく調べたうえで慎重に検討するとよいでしょう。
完済までの利息総額が任意整理の費用より高ければ任意整理した方がよい
任意整理をした方がよいかどうかを見極める二つ目のポイントは、借金の金利です。
任意整理は、任意整理を依頼する費用を支払う代わりに、完済までに支払う利息総額を減らす手続きです。
つまり「完済までの利息総額」と「任意整理の費用」を比べれば、任意整理をした方がよいかどうか見極められます。
完済までの利息総額を計算する式は、以下のとおりです。
完済までの利息総額=借金額×金利÷365(日)×返済日数
利息の計算は少々複雑なので、以下のようなシミュレーションサイトを利用するとよいでしょう。
上記の式で計算した結果、完済までの利息総額が任意整理の費用より高ければ任意整理した方がよいと判断できます。
逆に、任意整理の費用が完済までの利息総額より高ければ、自力で返済していった方がよいかもしれません。
ただし、前述したように一括請求されている場合や裁判所から通知が届いている場合は、利息総額と費用の比較だけで単純に損得を判断できないため注意してください。
過払金請求で借金の大幅な減額が見込めるなら任意整理した方がよい
任意整理をした方がよいかどうかを見極める三つ目のポイントは、過払金の有無です。
任意整理をする際は、同時に過払金が発生していないか調査するのが通常です。
調査の結果、過払金が発生していた場合、任意整理と併せて過払金請求をすることで、利息のみならず元金も減額できる場合があります。
利息の減額だけなら任意整理の費用を払うのは損だと感じる人も、過払金が発生していれば借金の大幅な減額が見込めるため、任意整理をするメリットは大きいでしょう。
ちなみに、2010年6月18日以前から借金をしている場合、過払金が発生している可能性が高いです。
「過払金が発生しているかも」と思ったら、まずは弁護士・司法書士事務所へ相談して、過払金の有無を確認してみましょう。
多くの事務所が、過払金の無料相談に対応しています。
電話で相談すれば、その場で過払金が出る可能性があるか簡単に調べてもらえるので、借入開始時期が曖昧な場合なども、弁護士・司法書士事務所へ相談してみるとよいでしょう。
まとめ
任意整理をして損をするケースは実際にありますが、依頼前に弁護士・司法書士事務所から止められることがほとんどです。
きちんとした事務所であれば、損をすると分かっていて任意整理を無理やりすすめることはないので、迷っている人はまずは無料相談を利用することをおすすめします。
弁護士・司法書士事務所へ相談することで「完済までの利息」と「任意整理の費用」を比較し、任意整理した方がよいかどうかをシミュレーションしてもらえます。
依頼前にシミュレーションすることで、任意整理で実際にどれくらい負担が軽くなるのか知ることができますし、納得したうえで任意整理を依頼できるでしょう。
当サイトでも任意整理に注力する弁護士・司法書士事務所を紹介しているので、ぜひ無料相談を利用してみてください。
任意整理をして損するケースのよくある質問
任意整理をして逆に損することもあるのですか?
あります。ただし、任意整理をすると逆に損をすると分かっている場合は、依頼前に法律事務所から止めてもらえることがほとんどなので安心してください。
任意整理をして損するのはどのようなケースですか?
例えば借金が少額だったり、低金利で借りている場合は、減額できる利息より任意整理の費用が高くなり、損してしまうこともあります。
「いくら以下の借金なら任意整理しない方がいい」という基準はあるのですか?
元金が10万円以下の借金なら、費用対効果を考えて自力で返済した方がよいといえます。
任意整理すると損かどうか事前に調べる方法は?
完済までの利息総額を計算し、任意整理の費用と比べて高ければ任意整理をした方が得だといえます。
損しても任意整理した方がよいケースもあるのですか?
一括請求や裁判所から通知が届いている場合は、一括返済に応じられる状況でない限り任意整理をした方がよいでしょう。放っておくと財産を差し押さえられる恐れもあるので、早めに法律事務所へ相談してください。
最短即日取立STOP!
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