モラハラ夫とは|精神的暴力で妻を支配する夫のこと
モラハラ夫とは、精神的な暴力で妻を支配し、管理しようとする夫です。
モラハラを含む精神的な虐待で離婚する夫婦も少なくありません。
ここでは夫婦喧嘩との違いを含めて、モラハラ夫について解説します。
- 精神的暴力で妻を支配する夫のこと
- 夫婦喧嘩との違いは上下関係ができてしまっているかどうか
- <モラハラは離婚原因の上位に該当する/li>
精神的暴力で妻を支配する夫のこと
モラハラ(モラルハラスメント)とは、相手に精神的・心理的に悪影響を及ぼす行為を指します。
モラハラ夫とは、妻に対して、暴言を吐いたり、過剰な嫌味、差別的な言動をする夫のことです。
モラハラ行為の本質は、妻の自尊心を傷つけ、威圧的・侮辱的な言動から相手を支配・管理することにあります。
また、結婚前は、モラハラに通じる言動が見受けられても、交際相手を頼り甲斐がある、あるいは知識が豊富で憧れを感じていたところ、結婚や妊娠のタイミングでモラハラ夫になってしまうパターンが少なくありません。
夫婦喧嘩との違いは上下関係ができてしまっているかどうか
夫婦喧嘩とモラハラの違いとして、次の2点が挙げられます。
・関係性が対等であるか、上下関係であるか
・相手に恐怖心を抱いているか否か
夫婦喧嘩の場合、言い争いはあるものの、あくまで対等な立場でそれぞれが主張し合います。
また、一方的に責め立てるような喧嘩ではなく、双方向的な言い争いであるため、相手に恐怖心を感じることはあまりありません。
一方、モラルハラスメントの場合、相手を支配・管理することが本質です。上下関係があり、一方的に責め立てられるため、相手に対し恐怖心を抱くことが特徴です。
そのため、相手のことを「怖い」と感じる場合には、単なる夫婦喧嘩を超えてモラハラを受けている可能性があるため、弁護士やカウンセラーに相談したほうがよいでしょう。
モラハラは離婚原因の上位に該当する
モラハラを原因として、離婚する夫婦は少なくありません。
令和5年度の司法統計年報(家事編)では、婚姻関係事件の申し立て件数を動機別にみた場合、「精神的に虐待する」という理由が多数を占めています。
申立人が夫のケース:3,252件(全体の約21%)
申立人が妻のケース:10,881件(全体の約26%)
夫婦間の事件で、夫・妻とも、もっとも多い申し立て理由は、「性格が合わない」というものですが、その次に多い理由が「精神的に虐待する」になっています。
モラハラを理由に離婚や争いに至っているケースが多いことがわかります。
参照:裁判所|司法統計 家事令和5年度
妻524人に聞いた!モラハラ夫の特徴と体験談
モラハラ被害を受けている場合、早く気づき対処することが大切です。
モラハラ夫を持つ524人の妻たちに弊社でアンケートを採ったところ、以下のような特徴がみられました。
ここでは、モラハラ夫の9つの特徴と実際の妻たちの体験談を解説します。
- 性格と行動が自己中心的
- 気遣いの足りない性格
- 自分のミスが認められずプライドが高い
- 上から目線にものを言う
- 行動を束縛し交友関係を制限する
- 経済的に支配する
- 感情のコントロールができない
- 理由なく無視してくる
- 急に優しくなる
性格と行動が自己中心的
モラハラ夫の特徴の一つが、性格と行動が自己中心的であることです。
・家族の予定や方針はすべて自分が決め、妻や子どもの意見は無視する
・妻が意見を言っても、「俺の言うことを聞いてればいいんだ。」「黙って言うことを聞け」と自分の意見だけを押し付ける
・休日でもゴロゴロしているだけで、家事や育児はすべて妻に任せる
モラハラ夫の最大の特徴は、自己中心的で相手の気持ちを理解・寄り添おうとしない点です。
気遣いの足りない性格
モラハラ夫の特徴として、気遣いが足りない性格であることが挙げられます。
・妻が熱を出して寝込んでいても、「俺の飯は?」「子どもが泣いてるぞ」など、相手の体調を気にせず家事や育児を押し付ける
・妻が頑張って作った料理に対して「そんなにうまくない」と冷たい反応を示す
・妊娠中の妻に対して、「病気じゃないんだから甘えるな」と助けようとしない
モラハラ夫は、家事や育児をしてもらうことが当たり前と考えており、相手の体調や気持ちに対する気遣いができない、あるいはしない点が特徴といえます。
自分のミスが認められずプライドが高い
自分のミスが認められずプライドが高い点も、モラハラ夫の特徴です。
・自分が何かを壊しても「邪魔な場所に置いているほうが悪い」と逆に責め立てる
・妻が謝罪を求めると、「しつこい」「いちいち細かいことを言うな」と逆ギレする
・過去の出来事を都合よく改変し、「あのときの判断は正しかった」と正当化する
モラハラ夫は、異常にプライドが高い人が多く、妻や子どもに責任転嫁し、自分のミスを認めない性格の持ち主が多くなります。
また、外ではいい夫を装いながら、家では妻を見下し自分のミスを認めないという外面の良さもあります。
上から目線にものを言う
モラハラ夫は、上から目線でものを言うことも特徴の一つです。
・「お前にはわからないから黙ってろ」「そんな簡単なこともわからないのか」と否定する
・家事のやり方について、「お前のやり方は効率が悪い」と細かく指示する
・妻や子ども友人に対しても「レベルが低い」「一緒にいても成長できない」と否定的な意見を言う
モラハラ夫は、家庭内で自分が一番と思っており、常に自分を優位に見せることで妻や子どもを支配しようとします。
行動を束縛し交友関係を制限する
モラハラ夫は、妻や子どもの行動を束縛し、交友関係を制限するという特徴もあります。
・「無駄に出歩くな、主婦なんだから家にいろ。」と極力外出させないようにする
・友達に会うときは、誰と・いつ・どこで会うか逐一報告を求める
・「お前のLINEを見せてみろ」と兄弟や友人とのやり取りを監視しようとする
・「お前の親は俺をバカにしている。もう会うな」と実家との関係を絶たせようとする
モラハラ夫は、妻や子どもの行動を細かく制限し、交友関係をコントロールしようとします。
最初は「心配だから」と優しく言っていても、次第に制約が増えていき、自由やプライバシーが奪われていくこともあります。
経済的に支配する
モラハラ夫は、妻や子どもを経済的に支配しようします。
・「食費は〇万円でやりくりしろ。それ以上使うな」と生活費を極端に制限する
・「家の金は俺が管理する」と一切の金銭管理を自分でやり家計の状況を知らせない
・妻が仕事を始めようとすると、「家のこともできないくせに働けるはずがない」とバカにする
・妻が離婚をほのめかすと、「お前一人じゃ生活できない」と脅す
モラハラ夫は、経済力を利用して妻や子どもを支配し従わせようとします。
お金の管理を独占し、生活費を制限することで、相手が自分の言いなりになるように仕向けることもあります。
感情のコントロールができない
モラハラ夫の特徴として、感情のコントロールができない点も挙げられます。
・怒るとすぐに壁を殴ったり、ドアを勢いよく閉めたりする
・夕飯のメニューが気に入らないと「こんなもん食えるか!」と拒否する
・妻や子どもがテレビを見て笑っていると、「俺がこんなに疲れてるのにふざけてるのか」と怒鳴る
・「俺は短気だから怒らせるな」と感情がコントロールできないことを正当化し改善しようとしない
モラハラ夫は感情のコントロールができず、怒りやストレスを家族にぶつける点が特徴です。
機嫌が悪くなると突然キレたり、物に当たったりして家族を恐怖に陥れます。
その結果、妻や子どもは常に「怒らせないようにしなきゃ」と萎縮し、自分の気持ちを押し殺すようになります。
理由なく無視してくる
自分の機嫌や気分次第で、理由もなく無視することもモラハラ夫の特徴の一つです。
・朝までは普通に会話していたのに、急に返事をしなくなる
・お金の話や子どもの学校のことを相談しようとしても、「後で」と言うだけで結局話しに応じない
・友人や職場の人には愛想よく話す反面、家では妻や子どもを完全に無視する
モラハラ夫は、無視することで相手が傷つくことがわかっており、相手にダメージを与え自分を優位に立たせようとする特徴があります。
急に優しくなる
モラハラ夫は普段は妻や子どもに対して冷たく当たったり、威圧的な態度を取ったりしますが、突然理由もなく優しくなることがあります。
・妻を無視し続けていたのに、翌朝「おはよう、よく眠れた?」と急に話しかける
・子どもを怒鳴った後、「お前の好きなおもちゃだぞ」とプレゼントを渡し、怒鳴ったことをなかったことにしようとする
モラハラ夫は、気分や状況に応じて急に優しくなることで妻や子どもを混乱させ、心理的に支配しようとします。
また、こういった「優しさ」は本心ではなく、相手を手放さないための手段として使われることも少なくありません。
モラハラ夫を見極めるためのチェックリスト
精神的な暴力といえるモラハラですが、さまざまな言動にも現れています。
ここでは、夫がモラハラに当たるのか確認するためのチェックリストを紹介します。
- 自分の行動や価値観は絶対に正しいと思い込んでいる。周囲の意見をまったく聞かない。
- 妻の家事に対する理解がなく、「毎日何をしてるのか?」「主婦は気楽で良いな。」などの発言をする。
- 夫のひどい仕打ちに対して非難しても、「お前が悪いから当然である」と自分の行為を正当化する
- 機嫌が悪い、面白くないことがあるとドアを強く閉めたり、物を壊すなどして威嚇する
- 妻が外出したり、友人と会うことを過度に制約する
- 妻の体調が悪くても、自分の用件やして欲しいことを求めてくる
- 妻の向上心や楽しみを否定する発言を繰り返す
- 周囲の人にはいい夫を演じているが、家では態度が一変する
- 疲れているときでもセックスを強要する
- 24時間以上、理由もなく無視し続けることがある
- 「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」が口癖
- 自分の趣味や娯楽には自由にお金を使い、妻の支出は徹底的に管理する
- 妻のスマホを盗み見したり、執拗にチェックしようとする
- 生活費を渡さない、あるいは渡すことを嫌がる
- 家事のやり方や生活時間などのルールを勝手に決めて、従わないと非難する
- どこで怒りや機嫌が悪くなるかが予測できない
- それまで大声をだしたり、威嚇していたと思うと、急に優しい態度を取り始める
- 出された食事が気に入らないと食べない、あるいは別の物をわざと食べる
- 実現不可能なことを要求し、相手ができない状況を作り出そうとする
- 思い通りにいかなければ、妻や子どもに聞こえるように舌打ちやため息を繰り返す
- 自分が悪い場合でも謝らない、議論をすり替える
- 店員の細かいミスや口のきき方などを執拗に注意する
- 職場で自分は正当に評価されていないと転職を繰り返す
- ぶつからないように物を投げたり、壊したりする
チェックリストに類似する言動や状況が数多く発生しているほど、モラハラにあたる可能性は高くなります。
とはいえ、いくつ当てはまればモラハラ夫に該当するという基準はありません。
一つであってもモラハラ被害にあっていることは考えられるため、夫の言動で共通点が見受けられる場合、早めに弁護士やカウンセラーなどに相談しましょう。
あなたがモラハラの被害者かを判別するチェックリスト
夫の言動だけでなく、生活するなかでの自分が受けている精神的な抑圧や経済的な制約など、被害を受けている立場からモラハラに該当するか判断することも必要です。
次は、モラハラ被害者であるかを確認するためのチェックリストです。
- 夫から責められたとき、「自分が悪い」と思ってしまう
- 夫の機嫌がいつ変わるか、常に気を張っている
- 夫が理不尽な理由で非難してきても、自分が我慢すればよいと思ってしまう
- 生活費が足りなくても、夫にお願いすることができない
- 夫の許可なく友人と外出することが難しい
- 行動や携帯電話での会話を監視されている
- 結婚してから高価な私物(服、時計、アクセサリーなど)を買うことがなくなった
- やりたい仕事や趣味があっても言い出せない
- 夫がセックスを求めてきたときに断れない
- 自分が改善すれば、夫婦関係が良くなると思っている
- 結婚してから実家に帰りづらくなった
- 夫に帰ってきてもらいたくない、帰宅時間が近づくと緊張する
DVなどの被害は、客観的に分かりやすくケガをすると証拠も残りますが、モラハラ被害の場合、客観的に分かりづらいケースが少なくありません。
そのため、被害者は知らず知らずの間に精神的に追い込まれていきます。経済的な制約だけでなく、日々の生活のなかで自分の精神状態を認識することが重要です。
精神的に限界を迎える前に、早めに専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
モラハラ夫をやり過ごすための対処法
ここではモラハラ夫の言動をやり過ごすための対処法について解説します。
- ただの言いなりにならない
- 無反応を決め込む
- 物理的な距離を取る
- カウンセリングのサポートを受ける
- 離婚を持ちかける
ただの言いなりにならない
モラハラ夫に対して、ただの言いなりにならず毅然とした態度で接することが大切です。
モラハラ行為は、夫の自己肯定感の低さの裏返しとして現れることが多くなります。
つまり、他人を非難し、貶めることで自分の地位の向上や優位性を再確認するというわけです。
そのため、モラハラ夫は、何を言っても平然と言い返し、的確に反論してくる人に弱いことがあります。
- これ以上のモラハラは許さない
- あなたの言葉や態度で私の尊厳は傷ついている
- 威圧的で人を見下した言動は止めてください
このように、断固とした口調で意思を示すことが大切です。
ただし、現実的には、妻が毅然と言い返したとしても、モラハラ夫がおとなしくなったり、妻の意見を尊重するようになる可能性は低いといえます。
むしろ、妻の主張や反論を徹底的に否定し、さらに支配力を強めようとモラハラをエスカレートさせる可能性もあります。
その場合は、法的措置をとる用意があることも伝えながら、モラハラ問題に詳しい弁護士などに相談することがおすすめです。
無反応を決め込む
モラハラ夫の人格を否定するような言動に対して、無反応で受け流すことでモラハラの被害を軽減できる可能性はあります。
モラハラ被害の特徴は、被害者が「自分が悪い」「自分には価値がない」と思いこみ、抑うつ的になり、精神的に追い込まれることです。
最悪の場合は命にかかわる事態まで進んでしまう可能性もあります。
そのため、モラハラ夫の発言を受け流し、「自分は間違っていない」「ダメな人間ではない」と思えれば、冷静に対処しやすく、事態の悪化を防げるかもしれません。
しかし、モラハラ被害が深刻な場合は、無反応を決め込むこと自体が難しいこともあり、根本的な解決にならないこともあります。
モラハラ被害を最小限にとどめるための対策として考え、別居や離婚を含めて専門家に相談するべきでしょう。
物理的な距離を取る
モラハラ被害をやり過ごすために、別居してモラハラ夫と物理的な距離を置くことも有効な方法です。
モラハラ夫は、妻を非難し、見下すことで自尊心を保っていると言えます。そのため、妻がいなくなり精神的安定の支柱を失うことに弱い傾向があります。
また、モラハラ被害をこれ以上拡大させないためにも、また、のちのち離婚に発展した場合にも別居は重要なポイントです。
なお、別居をするにあたって、事前に夫に相談や連絡をする必要はありません。
夫に知られると別居を妨害される可能性もあるため、別居の準備は夫に知られないように慎重に進めることが重要です。
まずは、モラハラ夫の管理・支配下から抜け出すことが大切です。
カウンセリングのサポートを受ける
モラハラ被害にあっていることを認識した場合、カウンセリングのサポートを受けることも有効な方法です。
このとき、夫の言動を録音したものや壊された家具や家電の様子など、モラハラ被害を受けた証拠をできるだけ準備してカウンセリングを受けるとよいでしょう。
これらの記録は、カウンセリングに役立つだけでなく、離婚などの裁判に至った場合、有効な証拠となり得ます。
また、専門のカウンセラーやカウンセリング機関に相談することで、被害からの回復を支援してもらえるでしょう。
長期間に及ぶ精神的な抑圧によって、深刻なストレスや心身の不調に陥った状況では、専門家のサポートを受けながら心身のケアに取り組むことが大切です。
同様の被害に遭遇した人との交流や、NPOなどの支援団体を活用してもよいでしょう。
自分自身では客観的に状況を把握しにくいモラハラ被害では、一人で抱え込まず、周囲のサポートを得ながら前に進むことが大切です。
離婚を持ちかける
モラハラ被害の改善の見込みがない、継続的に続くことが予想される場合、離婚を持ちかけることを考えましょう。
妻が離婚を持ちかけ夫の生活圏内からいなくなることは、モラハラ夫にとって、非難したり、見下す対象となるもっとも身近な人間を失うことになります。
モラハラ夫は、自尊心や自己肯定感を得るために妻や子どもに依存しているため、モラハラ行為に対して一定の効果が得られる可能性があります。
しかし、離婚は簡単な選択ではありません。これからの経済的な生活の不安や子どもの養育など、様々な問題に向き合わなければなりません。
また、離婚に際しては、財産分与、親権、扶養など、様々な法的問題への対応が不可欠です。
そのため夫婦問題や離婚問題に強い弁護士へ早めに相談することが大切です。
モラハラ夫と離婚を決意した場合にするべきこと
最後に、モラハラ夫との離婚を決意した場合にすべきことを解説します。
- モラハラの証拠を集める
- 別居後は婚姻費用を請求する
- 弁護士に相談する
「どのような証拠を集めればよいか」あるいは「婚姻費用はいくら請求できるか」など一人で行うのは難しいため、離婚問題の取り扱い実績が豊富な弁護士に相談することがおすすめです。
モラハラの証拠を集める
離婚するとなった場合、当事者で離婚について話し合う「協議離婚」や「調停離婚」がありますが、モラハラ夫が話し合いの結果、離婚に応じることは多くありません。
その場合、離婚するには、裁判所が判決を下す「裁判離婚」で進める必要があります。
裁判離婚では、モラハラによって夫婦関係が修復不可能な状態であることを認めてもらう必要があり、それを裏付ける証拠集めが重要です。
モラハラ被害を立証する証拠となり得るものとして、次のものが挙げられます。
- モラハラの言動を記録した録音・録画データ
- モラハラ夫とのやりとりを示すメールやLINE
- モラハラの内容を記録したメモや日記
- モラハラが行われた現場にいた第三者の証言
- 医師の診断書や精神科・心療内科への通院履歴
- カウンセラーや公的機関・警察への相談履歴
モラハラは、被害者の心に傷を負わせる精神的な被害を生じさせるものであり、DVのような目に見える身体的被害がありません。
そのため、客観的な証拠が残しにくくいため、できるだけ録音・録画データやメールなどの証拠を集めることが重要です。
精神科や診療内科への通院履歴や親族・友人の証言などは、客観的な証拠を補完するものとして役立ちます。
モラハラの事実を立証できなければ、裁判所に離婚原因として認めてもらうことが難しくなるため、できるだけ証拠を集め、保管しておきましょう。
別居後は婚姻費用を請求する
離婚を前提に別居状態となった場合、夫に対し婚姻費用を請求できます。
婚姻費用とは、家族(夫婦や未成熟の子ども)が収入や財産、社会的地位に応じて、通常の社会生活を送るために必要な生活費です
別居中とはいえ生活費が必要であり、婚姻費用には、居住費や食費、医療費、子どもの学費などが含まれます。
法律上、婚姻費用は夫婦の収入の大小など負担能力に応じて決まり、夫のほうが収入が多い場合、別居後から離婚が成立するまでの間の婚姻費用の請求が可能です。
もっとも、未成熟の子どもがいる場合で妻が子どもを育てているケースでは、夫の収入が妻と同程度、もしくは夫の収入の方が妻よりも低い場合でも、婚姻費用の分担請求ができるケースもあります。
弁護士に相談する
モラハラを原因として離婚を決意したら、弁護士に相談することが大切です。
タイミングとしては、なるべく別居する前に相談するほうがよいでしょう。
なぜなら、別居するケースの多くは、相手に何も告げずに断行することが多いため、モラハラ夫は、何も言わずいなくなったあなたを血眼になって探します。
そうなれば、あなたの実家や職場、友人宅へ押しかけることも厭わないでしょう。
そうならないように、別居するタイミングで弁護士から夫宛に書面をお送りし、弁護士を通さずにあなたに連絡・接触することを事前に忠告することができます。
また、
自分ではなかなか言えない要望や条件も、弁護士を通じてであれば相手に伝えるやすいでしょう。
離婚となると、親権や養育費、財産分与、慰謝料、面会交流などについて、話し合い決めなければなりません。
法的な問題も関係してくるため、離婚問題に強い弁護士に相談することがおすすめです。
まとめ
夫婦生活を続けるなかで、夫からの暴言や非難、執拗な監視、経済的な制裁にあっていると感じた場合、まず、モラハラ被害にあっているか冷静に見極めることが重要です。
モラハラ夫は、「感情のコントロールが苦手で自己中心的」「相手への気遣いがない」「プライドが高く上から目線」「行動を束縛する」「経済的に支配しようとする」「態度が急変する」などの特徴があります。
また、モラハラ夫が変わる可能性は低いといえ、精神的に追い詰められた生活が続く可能性が高いことを認識しておくことが重要です。
子どもへの影響を考える必要はありますが、離婚を前提に別居を決断したのであれば、早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
離婚に強い弁護士へ相談することで、別居する場合の婚姻費用や離婚後の親権、財産分与、慰謝料請求なども併せてアドバイスを受けられるでしょう。
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