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モラハラで離婚する場合の慰謝料の相場は?金額を左右するポイントや必要な証拠も解説

モラハラで離婚する場合の慰謝料の相場は?金額を左右するポイントや必要な証拠も解説
南陽輔 弁護士
監修者
南 陽輔
大阪市出身。大阪大学法学部、関西大学法科大学院卒業。2008年に弁護士登録(大阪弁護士会所属)。大阪市の法律事務所に勤務し、離婚問題や債務整理などの一般民事事件のほか、刑事事件など幅広い法律業務を担当。2021年に一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成の支援、起業時の法的なアドバイスなどの予防法務を中心に業務提供をしております。皆さんが利用しやすく、かつ自由で発展的なビジネスが可能となるサービスを提供いたします。

モラハラとは、暴力ではなく言葉や態度などで相手のことを精神的に追い詰める行為のことです。モラハラは不法行為に該当するため、相手に慰謝料を請求できます。

夫や妻からモラハラを受けており、慰謝料を請求したいけれど相場がわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

結論から述べると、夫婦間のモラハラの慰謝料相場は約50万円〜300万円とされています。モラハラの内容や期間、頻度などによって金額が上下します。

ただし証拠がなければ慰謝料の請求が難しいため、モラハラがあったことを客観的に証明するための証拠集めをすることが重要です。

本記事では、モラハラで離婚する場合の慰謝料相場や金額を左右するポイントなどについて解説します。

なお、モラハラの慰謝料請求を成功させるためには、離婚問題に精通している弁護士に依頼することを推奨します。妥当な慰謝料額や証拠集めのポイントなどをアドバイスしてもらうことが可能です。

また、弁護士はモラハラ加害者との交渉を代行してくれるので、モラハラ加害者と話すストレスを軽減できるという、被害者にとって大きなメリットがあります。

モラハラに悩んだり加害者に恐怖を抱いていたりする方は、ぜひ離婚に強い弁護士に相談してみてください。

夫婦間のモラハラの慰謝料相場は50~300万円程度

モラハラは法定離婚事由の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するため、慰謝料請求をしたうえでの離婚が可能です。

モラハラが原因で離婚する場合、慰謝料相場は50万円〜300万円程度になります。

身体的な暴力を伴うDVは慰謝料が300万円以上になるケースもみられるため、モラハラの方が慰謝料金額はやや低い傾向にあるといえます。

慰謝料の相場に幅がある理由は、モラハラの内容や頻度、被害者が受けている精神的ダメージなどによって慰謝料の金額が大きく異なるからです。

たとえばモラハラの内容が悪質で長期間に及んでいたり、被害者が精神病を患ったりしていた場合、慰謝料の金額は高くなります。被害の度合いが大きい場合には、300万円以上の慰謝料請求が認められるケースもあります。

また、モラハラ以外にDVや不倫など別の不法行為があると、被害者が負った精神的ダメージが大きいことが予想されることから、慰謝料金額も高くなる傾向にあります。

さらにモラハラの証拠があるかどうかによっても、慰謝料の金額が異なる点には注意が必要です。

客観的な証拠が複数あれば慰謝料は請求しやすくなりますが、全く証拠がない場合、慰謝料請求自体が難しくなるでしょう。

モラハラとはどのような行為か

モラハラとは、倫理に反した言動で相手に精神的苦痛を与える不法行為のことをいいます。モラハラに当たる具体的な行為は以下のとおりです。

  • 暴言や嫌みを言う
  • 束縛や過度な管理で行動を制限する
  • 家事・育児のやり方や細かなミスを責める
  • 無視や威圧的な態度など、その他の行為

次の項目から、モラハラに該当する行為について詳しく解説します。

暴言や嫌みを言う

暴言や嫌みを言うことで相手を精神的に追い詰めたり、人格否定をしたりすることはモラハラに当たります。

配偶者本人への暴言や嫌み、人格否定は当然ですが、配偶者の家族や友人に対する暴言も相手を追い詰める意図があることから、モラハラとされています。

また収入がある一方が、自分の優位性を過剰に示すような発言をすることもモラハラです

暴言や嫌味にあたる例は次の通りです。

  • 役立たず、頭が悪い、専業主婦(夫)のくせに
  • ブサイク、ブス
  • 誰のお陰で生活できているかわかってる?、お前には価値がない
  • パパ(ママ)みたいな大人になるなよ

このような発言を繰り返す相手に慰謝料請求をすると「配偶者のことを思いやって発言した」と言い訳することがあります。しかし、相手がどのような意図で発言したにしろ、被害者が傷ついたのであればモラハラであることに変わりはありません。

相手の言い訳よりも自分の気持ちを優先し、モラハラかどうかを判断するようにしましょう。

束縛や過度な管理で行動を制限する

配偶者の行動を過度に制限したり、束縛したりする行為はモラハラです。たとえ夫婦であったとしても、相手の行動を過剰に制限しても良いわけではありません。

過度な束縛や管理に該当する行為の一例は以下のとおりです。

  • 相手のスケジュールを勝手に作り、その通りに行動するよう命令する
  • 毎日スマートフォンをチェックする
  • 誰かと出かけることを禁止する
  • 離れているときに数百件単位で着信やメッセージをしてくる
  • 生活費を渡さず、自分なしでは相手が何もできないようにする

モラハラの被害を受けている方は、束縛や管理を「愛情の一種」と勘違いしがちです。

しかし、夫婦はお互いを尊重し合って生活するものであるため、過度な束縛や管理は愛情とはいえません。

相手を精神的に追い詰めるほどの束縛や管理は、愛情ではなくモラハラに当たる行為です。

家事・育児のやり方や細かなミスを責める

配偶者の家事や育児のやり方を否定したり、細かなミスを執拗に責めたりする行為はモラハラです。

ミスをして落ち込んでいるところに配偶者から責められたことにより、精神的に追い込まれてしまいます。

通常、夫婦間で相手のやり方が気になるときは、話し合いで改善を求めるものです。

一方、モラハラの加害者は話し合いもせず、人格否定の言葉を交えながら相手のことを責める傾向にあります。

こちら側から話し合いを提案しても「おまえのために言っている」と拒否された場合、相手はモラハラをしている自覚すら持っていない可能性が高いです。

無視や威圧的な態度など、その他の行為

相手を長期間にわたって無視したり、威圧的な態度で相手を萎縮させたりする行為はモラハラに当たります。

モラハラに当たる威圧行為やその他の行為の一例は以下のとおりです。

  • 数ヶ月にわたって無視を続ける
  • 聞こえよがしに溜め息をつく
  • 大きな音を立てて扉を閉める
  • 相手に聞こえるように舌打ちをする
  • 不機嫌な態度を取り続ける
  • 身勝手なルールを一方的に押し付ける

モラハラの加害者は、無視や威圧行為などで自分の優位性を示そうとする傾向にあります。一度だけでなく、何度も上記のような行動が続く場合は、モラハラだと考えましょう。

モラハラで慰謝料額を左右するポイント

モラハラで離婚する際の慰謝料相場は約50万円〜300万円と、金額に大きな幅があります。慰謝料額を左右するポイントは以下のとおりです。

  • モラハラの内容
  • モラハラの期間
  • モラハラの頻度
  • モラハラを受けた側の非の有無・程度
  • モラハラが原因の精神病の有無・程度

それぞれのポイントが慰謝料額にどのような影響を与えるのかを紹介します。

モラハラの内容

モラハラの慰謝料は「相手の言動の悪質性」や「相手の言動によってどの程度の精神的苦痛を与えられたのか」を考慮して決定します。

そのため、モラハラの内容は慰謝料額を左右する重要なポイントです。モラハラの内容が悪質であればあるほど、慰謝料も増額される傾向にあります。

たとえば束縛を受けていた場合、「相手から監視されていた」という内容よりも、「生活費をもらえず経済的自由を奪われていた」という内容の方が悪質であると考えられます。

また「無視をされていた」という内容より、「相手から日常的に暴言を吐かれていた」という方が悪質性が高いと判断されやすいです。

誰が見てもモラハラの内容がひどいと判断できるケースの方が、慰謝料金額は高額になる傾向にあります。

モラハラの期間

モラハラの期間の長さも、慰謝料の金額を左右します。

具体的にどの程度の期間モラハラを受けていれば慰謝料が高額になるという基準はありませんが、期間が長ければ長いほど、慰謝料金額も高額になる可能性が高いです。

たとえば配偶者から無視されるというモラハラを受けていた場合、どの程度の期間にわたって無視されていたのかによって精神的ダメージは異なることが予想できます。

1週間だけ無視されていたよりも、数年にわたって無視をされ続けていた方が精神的ダメージは大きく、モラハラの内容も悪質であるといえるでしょう。

長期間にわたってモラハラを続けることは悪質性が非常に高く、相手を精神的に追い込む意図があったと判断されるためです。

モラハラの頻度

モラハラを受けた頻度も、慰謝料金額を決めるときに考慮されるポイントの1つです。

モラハラの頻度が高くなるほど、被害者は心の余裕がなくなり、精神的に追い詰められることが予想されます。

たとえば月に1回〜2回程度の頻度でモラハラを受けていたというよりも、毎日のようにモラハラをされていたという方が慰謝料は高額になりやすいです。

モラハラを受けた側の非の有無・程度

モラハラを受けた側に落ち度があったかどうかや、落ち度がある場合はどの程度のものだったのかは、モラハラの慰謝料に関わってきます。

被害者側に一切落ち度がなかったのであれば、相手だけが有責配偶者となり、慰謝料が減額されることはありません。

有責配偶者とは、婚姻関係を破綻させる要因を作った配偶者のことです。有責配偶者と判断される具体的な例は以下のとおりです。

  • 配偶者以外の異性と性的関係を持った
  • 理由なく夫婦の同居・協力・扶助の義務を怠った
  • 3年以上生死不明の状態が続いている
  • 回復見込みのない強度の精神病に陥った
  • モラハラやDVなどがあった
  • 過度な借金で家庭環境を崩壊させた

もしも被害者側にも責任の一端があると判断された場合、双方有責となり慰謝料が減額される可能性があります。

双方有責であれば離婚調停や離婚裁判で責任割合が決められ、割合に応じて慰謝料金額が決定します。

モラハラが原因の精神病の有無・程度

モラハラが原因で精神病を患っている場合、慰謝料の金額が高くなる可能性があります。

先述したとおり、モラハラの慰謝料は相手の言動によって与えられた精神的苦痛の程度が考慮されるからです。

モラハラが原因でうつ病やPTSDなどの精神病を発症していた場合は、大きな精神的苦痛を与えられていたと判断されます。

なお、精神病にまでなっていなくても、モラハラが原因で精神科や心療内科に通院していることを証明できれば、高額の慰謝料請求ができるケースもあります。

夫婦間のモラハラの有無に関係なく慰謝料額を左右するポイント

離婚の際に請求する慰謝料金額は、モラハラの有無には関係なく、夫婦間の事情によっても左右されます。モラハラの慰謝料に関わる事情は以下のとおりです。

  • 子供の有無
  • 婚姻期間
  • 加害者の年収や資産

次の項目から、モラハラの有無に関係なく慰謝料額を左右するポイントについて見ていきましょう。

子供の有無

子供の有無や人数などは、慰謝料の金額を左右する事情の1つです。

子供がいる場合は、モラハラが子供にも精神的ダメージを与えることから、高額の慰謝料を請求できる可能性があります。

また、子供がいない家庭よりも、子供がいる家庭の方が離婚による影響が大きいことも、高額の慰謝料請求が認められる理由の一つです。

同様の理由から、子供の人数が多いと慰謝料金額が高額になる可能性があります。

後ほどの項目で詳しく解説しますが、子供がいる場合は相手に養育費の請求も可能です。慰謝料請求とあわせて養育費もしっかり請求しましょう。

婚姻期間

婚姻期間の長さは、慰謝料金額を決めるうえで考慮されるポイントです。

子供の有無と同様、婚姻期間が長い方が離婚した後の生活に与える影響が大きいと考えられているからです。

たとえば婚姻期間が1年に満たない夫婦よりも、10年以上の夫婦の方が高額な慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。

加害者の年収や資産

加害者の年収や資産が多ければ、高額の慰謝料請求に応じてもらえる可能性が高くなります。

一般的に、慰謝料金額に相手の年収は考慮されません。加害者の年収が多いことと、モラハラによる精神的苦痛に直接的な関係はないためです。

また、相手の年収が慰謝料金額に反映されるのであれば、年収が少ない方は責任が軽くなるということになってしまいます。

ただし離婚で慰謝料請求をする場合、加害者の年収や資産が多ければ、高額の慰謝料請求に応じてもらいやすくなるのは事実です。

慰謝料請求で揉めると離婚裁判にまで発展する可能性があり、「弁護士の手配や出廷などの対応に追われるくらいなら支払いに応じよう」と考える方も一定数存在するためです。

反対に、加害者の年収や資産が少なければ、減額の交渉をされる可能性が高いでしょう。

夫婦間のモラハラで慰謝料を獲得できた裁判例

夫婦間でモラハラがあった事実が認められ、慰謝料を獲得できた裁判例が存在します。ここではモラハラで慰謝料請求に成功した裁判を2つピックアップして紹介します。

婚姻期間が10年以上の夫婦で慰謝料80万を請求した事例

婚姻期間が10年以上の夫婦で、妻が自分本位な態度を取っていたことを理由に、夫が慰謝料を請求しました。

妻のモラハラの内容は以下のとおりです。

  • 妻が深夜まで遊び歩き、浪費を繰り返していた
  • 夫からの注意に対して反抗的な態度を示し、子供を連れて一方的に別居した
  • 夫との話し合いに応じず、自分本位な行動を取り続けた

裁判では夫が精神的苦痛を受けていたことが認められ、妻に対して80万円の慰謝料請求が命じられています。

婚姻期間が30年以上の夫婦で慰謝料200万を請求した事例

婚姻期間が30年以上の夫婦で、夫が長年にわたり高圧的な態度を取り続けたとして、妻が慰謝料を請求しました。
裁判で考慮されたモラハラの内容は以下のとおりです。

  • 夫が妻や家族に対し、32年間にわたり主従関係を強制してきた
  • 大声で怒鳴る、暴力を振るうなどの行為があった

こちらのケースでは婚姻期間が32年間の長期に及ぶことが考慮され、夫に対して200万円の慰謝料請求が命じられました。

モラハラの内容にもよるものの、婚姻期間が長くなるほど慰謝料も高額になりやすいことがわかる事例です。

逆に慰謝料が認められなかった判例とその原因

モラハラは慰謝料の対象になる悪質な行為であるものの、訴訟の末にモラハラに対する慰謝料が認められなかった判例も存在します。

以下は東京地方裁判所平成29年11月6日の判例におけるモラハラの内容や判決のポイントをまとめました。

  • 妻が夫に対して度重なるモラハラがあったと慰謝料300万円を請求した
  • 妻は夫が原因の急性抑うつ反応と診断されたと主張した
  • 裁判所は夫側の精神的暴力や威嚇行為の事実を認めなかった
  • 妻側の繊細な性格が原因で過剰に反応してしまったことが病気の原因と判断された

この裁判では、夫の言動に思いやりが不十分だとされた反面、婚姻関係の継続を困難にさせるほどではないと判断されました。

別居・離婚も、夫の言動だけではなく妻側の性格にも原因があると、双方に問題があると判決が出ています。

このようにモラハラと思われる言動があっても、程度によっては慰謝料とまでは言えないと判断されるケースもあります。また、離婚の原因が双方にあると思われるときは、一方だけの責任とすることは原則としてありません。

モラハラ離婚で慰謝料を請求する流れ

モラハラが原因の離婚で慰謝料を請求する際の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 争点整理や証拠集めなど慰謝料請求の準備を行う
  2. 話し合いで慰謝料を請求する
  3. 内容証明による慰謝料請求の意思を表明する
  4. 調停で慰謝料を請求する
  5. 裁判で慰謝料を請求する

それぞれの流れについて具体的に解説します。

争点整理や証拠集めなど慰謝料請求の準備を行う

モラハラを理由に離婚をしたいときは、配偶者によるモラハラが実際にあったと証明する必要があります。また、不貞行為、悪意の遺棄など、他にも離婚事由や慰謝料請求事由が存在する場合があります。

そのためモラハラ離婚で慰謝料請求を請求する際には、「何を争って慰謝料を請求するのか」「モラハラやその他の行為を証明する証拠はあるのか」などを確認する、争点整理や証拠集めといった事前準備が重要です。

事前準備がうまくいくか否かが、慰謝料請求および離婚成立の成功の大部分を左右すると言っても過言ではありません。

話し合いで慰謝料を請求する

争点整理や証拠集めが進んだら、実際にモラハラをした配偶者との話し合い(協議)の場を設けましょう。

話し合いに相手が応じて慰謝料の支払いにも承諾するのであれば、離婚協議書に取り決めた内容を記載の上、離婚手続きを進めます。

ただし、モラハラをするような配偶者は、話し合いをするだけで離婚や慰謝料請求に応じるケースは少ないものです。

離婚や慰謝料請求の話を出すと、暴言を吐いたり無視したりする可能性が高いことが考えられます。

話し合いで解決できない場合は、次に紹介する内容証明の送付を検討してみてください。

内容証明で慰謝料請求の意思を表明する

相手が話し合いに応じないときは、内容証明で慰謝料請求の意思を表明します。

内容証明とは、送付した日付や内容を証明するための郵便です。内容証明を送ることにより、相手に慰謝料を請求したという事実を残せます。

なお、内容証明は弁護士に依頼して送付を代行してもらうこともできます。

弁護士から送られた内容証明に従う義務はありませんが、精神的なプレッシャーは与えられるでしょう。

しかし、モラハラをするような配偶者の場合、弁護士から送付された内容証明を完全に無視するケースも多いものです。

内容証明を送っても慰謝料請求を無視された場合、調停や裁判などで慰謝料を請求することになります。

調停で慰謝料を請求する

家庭裁判所に申し立てをすることにより、裁判所で調停の場が開かれます。日本の離婚の約9割は協議離婚で成立するものの、協議でも決着が付かないときに調停へ移行する場合が多いです。

離婚調停では、調停委員を介して離婚の話し合いを進めていきます。調停の場では夫婦が直接的に顔を合わせることがないため、モラハラの配偶者が相手でも、安心して自分の意見を述べられます。

調停の頻度は1ヶ月に1回程度で、弁護士を代理人に立てることも可能です。

離婚調停でお互いが慰謝料の金額に合意すれば、調停成立となり、調停調書が作成されます。調停調書とは、調停の中でお互いが合意した内容を取りまとめた書面です。判決文や和解書と同じ効力を持ちます。

調停でも話し合いがまとまらなかった場合は不成立となり、離婚裁判に進みます。

裁判で慰謝料を請求する

離婚裁判は、調停を経ないと開始することができません。家事事件手続法で定められている「調停前置主義」により、まずは話し合いで解決を試みなければならないというルールがあるからです。

調停が不成立になった後、家庭裁判所に訴状を提出し、受理されると離婚裁判が開始されます。

離婚裁判ではまず第1回口頭弁論が開かれ、証拠を用いながらお互いが意見を主張します。

一般的に、第1回口頭弁論で判決が出ることはありません。争点が整理されるまで、何度でも口頭弁論ないしは弁論準備手続が実施されます。

口頭弁論は1ヶ月に1回程度のペースで実施され、争点がまとまったら原告と被告に対して尋問が行われます。

最後に判決が言い渡され、慰謝料金額が決定するという流れです。

なお、裁判は複雑な手続きが必要であることから、自分で対応するのは非常に難しいです。そのため、必ず離婚問題に強い弁護士に依頼のうえ、裁判に臨みましょう。

モラハラがあっても慰謝料請求が難しい理由

家庭内でモラハラがあったことが事実だったとしても、証拠がなければモラハラを理由とした慰謝料請求は難しいのが現実です。

証拠なしで慰謝料請求をしても、相手が否定すればモラハラが認められず、慰謝料請求も棄却される可能性が高いでしょう。

もしもモラハラの事由が複数存在するときは、証拠のあるモラハラだけが認められます。複数のモラハラがある場合は、すべての証拠を集めることが重要です。

たとえば暴言に加えて生活費を渡さないというモラハラを受けており、生活費の方は家計簿や通帳などから立証できたとしましょう。しかし、暴言の方は音声データや動画など客観的な証拠がない限り、暴言のモラハラが立証できません。

しかし、モラハラの立証は難しい部類に入るのが実情です。モラハラの立証が難しい理由は次の通りです。

  • 精神的に傷ついたことを立証するのが難しいから
  • 物理的な証拠が残っていない場合があるから
  • 精神病を患っても、モラハラとの因果関係を証明する必要があるから
  • 家庭内での起こることを、第三者からの証言などを得るのが難しいから

モラハラを理由に慰謝料請求をする際には、証拠集めをしてから離婚調停や離婚裁判に臨むことが大切です。

客観的な証拠を徹底的に集めたうえで慰謝料請求をすれば、相手は言い逃れができません。証拠の内容によって金額は前後するものの、慰謝料請求自体は認められやすくなります。

モラハラで慰謝料請求したい場合のポイントや注意点

モラハラで慰謝料を請求したいときは、時効の存在やモラハラの証拠になるものについて、事前にしっかりと確認しておきましょう。

以下では、モラハラで慰謝料を請求したい場合のポイントや注意点を解説します。

時効があるので3年以内に請求する

モラハラの慰謝料請求は離婚した後でも可能ですが、3年の時効がある点には注意が必要です。

慰謝料の請求権は「被害者が損害および加害者を知ったときから3年間」と、民法724条で決められています。

配偶者からのモラハラ被害の場合、離婚をした日から3年で時効が切れることになります。

時効を過ぎると慰謝料請求ができなくなるため、モラハラの証拠集めや訴訟提起などはできる限り早めに進めましょう。

弁護士などの専門家に相談する

モラハラで慰謝料請求をする際には、一人で交渉するのではなく、弁護士や公的機関などに相談しましょう。

モラハラ加害者の多くは、モラハラをしているという自覚がありません。

そのため、一人でモラハラ加害者と対峙しても「自分は悪くない」と反論され、慰謝料請求に応じてもらえない可能性が高いです。

弁護士や公的機関に相談して法律に基づいて対処を取れば、相手よりも有利な立場で慰謝料請求を進められるでしょう。

モラハラの具体的な証拠を数多く集める

モラハラを立証するのは難しいことから、「何が証拠になるのか」「どの証拠が決定的なものになるのか」をしっかりチェックしておくことが大切です。

効果的な証拠をしっかりと集めることで、協議、調停、裁判の場で客観的かつ具体的なモラハラの立証が可能となります。以下では、モラハラの具体的な証拠となるものを紹介します。

録音・動画データ

モラハラを受けているときの録音や動画データは、決定的な証拠になります。

ただし、モラハラ発言の部分だけを録音や撮影しても、相手に「カッとなっただけ」「ただの夫婦喧嘩だ」などと反論される恐れがあります。

そのため、相手の発言が明らかなモラハラであることがわかるよう、会話の前後もあわせて録音や撮影をしましょう。

複数回にわたって録音や動画の撮影に成功すれば、日常的にモラハラが行われていたことの裏付けになります。

なお、相手に無断で録音したとしても、自分自身がその場にいればプライバシー侵害には当たりません。

しかし、相手が録音や動画撮影に気付くと、逆上して暴行を加えてくる恐れがあります。そのため、録音や撮影をする際は相手に気付かれないよう細心の注意を払ってください。

医師からの診断書や医療機関への通院履歴

モラハラが原因で心療内科や精神科に通っている場合、医師からの診断書がモラハラの証拠の1つになります。相手のモラハラにより精神的苦痛を被っているのであれば、心療内科などに通院して診断書を書いてもらうことをおすすめします。

ただし診断書をモラハラの証拠として提示するためには、「モラハラが原因で精神病を患った」と明記してもらう必要があります。

そのため、精神科や心療内科に通う際には、モラハラの内容や頻度などを医師に細かく伝えましょう。

また、心療内科や精神科への通院歴も、モラハラの証拠になり得ます。

診断書と組み合わせて提示することで、モラハラが原因でどれだけの期間にわたって通院していたのかが証明できるためです。

病院の通院歴が長ければ長いほど、相手から受けた精神的苦痛が大きかったことの証明になります。

なお、単純に通院歴だけを提示しても、モラハラが原因で病院に通っていた証拠にはなりません。必ず診断書と組み合わせて提示するようにしましょう。

メール・チャット

モラハラ発言が含まれるメールやチャットなども、有力な証拠になります。

たとえば人格否定するような発言や、過度に束縛するような発言などです。本人以外にも、家族や友人に向けられた暴言も、モラハラになります。

メールやチャットを証拠として提示する際には、前後の会話もわかるよう、モラハラ前後の会話のスクリーンショットを撮影しておきましょう。

とくにLINEなどのチャットアプリは後から送信取り消しが可能なため、早めにスクリーンショットを撮影して証拠として残しておくことが大切です。

日記

モラハラを受けたいたことを日記に書くことで、モラハラの内容や期間を裏付ける証拠になります。

日記を証拠として利用するためには、モラハラの事実を客観的に書き記すことが重要です。具体的な書き方の例は以下のとおりです。

  • 3月4日 夕飯を作って出したが「まずい」と言われ捨てられた
  • 3月5日 起床後から理由もなく不機嫌な態度を取り始め、1日中無視された
  • 3月6日 誤って皿を割ってしまった後、大声で怒鳴られた

事実だけを書き記した日記を残しておけば、モラハラの証拠として認められやすくなります。感情的な言葉や相手の悪口などは書かず、淡々と事実だけを書くようにしましょう。

また、モラハラを受けたことにより自分がどう思ったのかをあわせて書くことで、モラハラ行為と被害を関連付けやすくなります。

日記を書く際の注意点として、後から記憶を頼りにまとめて作成すると、正確性が低いと判断される恐れが挙げられます。モラハラを受けたときは、すぐにでも日記を書くようにしてみてください。

さらに、日記を後から編集していると判断されないよう、パソコンやルーズリーフではなくノートに書き留めましょう。余白を作らず、ボールペンで書くことにより、後から編集されたものではないと証明できます。

警察や公的機関への相談履歴

警察や公的機関への相談履歴も、モラハラを受けていたという証拠の1つになります。

開示請求をすれば相談履歴のコピーがもらえるため、証拠として提示が可能です。

また、公的機関に相談すれば履歴が証拠になるだけでなく、カウンセリングや情報提供、サポートなどを受けられます。

モラハラを受けて悩んでいる方は、警察や公的機関への相談も検討してみてください。

第三者による証言

第三者がモラハラを目撃していた場合、証言が証拠となる可能性があります。

モラハラのことを家族や友人に相談していたのであれば、「モラハラの相談を受けていた」と証言してもらうことで、証拠になり得ます。

子供の目撃証言も証拠になりますが、自分の言葉でモラハラの内容を説明できる程度の年齢でなければ信用性が低くなりやすいです。

また、子供を離婚や慰謝料の問題に巻き込むと、大きな精神的負担をかけてしまう恐れがあります。証言を子供に頼むのかどうかは、慎重に検討した方が良いでしょう。

夫婦間のモラハラの慰謝料以外に請求できるお金

離婚をする場合、モラハラの慰謝料以外にも婚姻費用や養育費、財産分与、年金分割などのお金を請求できます。慰謝料以外に請求できるお金について詳しく解説します。

婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦や子供が生活をするに当たって必要な費用全般のことです。衣食住にかかる費用や医療費、教育費などが該当します。

一般的に、婚姻費用の金額は夫婦の年収に基づいて算定されます。たとえば妻よりも夫の収入が上回っている場合、夫は妻に対し、婚姻費用を支払わなければなりません。

仮に離婚裁判の途中であったとしても、婚姻費用の支払い義務は生じます。

離婚裁判は1年以上の長期に及ぶケースが多いため、婚姻費用分担請求を行いましょう。裁判所に請求が認められれば、離婚するまでの間は婚姻費用を毎月支払ってもらえます。

養育費

養育費は、子供の教育に必要な費用全般のことです。

離婚する夫婦間に子供がいる場合、どちらかが親権を持ち、子供の面倒を見ることになります。親権を持つ側の親は、親権を持たない側に対して養育費の請求が可能です。

養育費には支払い義務があるため、たとえ相手の年収が低かったとしても、請求できます。

ただし、養育費の金額はお互いの年収や資産が考慮されます。

また、子供の人数や年齢などによっても養育費の金額は左右されるため、詳しくは弁護士に相談してみてください。

財産分与

財産分与とは、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産を分配することです。

基本的に、財産分与の割合は夫婦で均等に半分ずつとされています。仮に夫婦間で収入格差があったとしても、財産はお互いの協力のもとで築き上げられたと判断されるためです。

ただし、モラハラを受けた場合などは、被害内容を考慮の上で相手よりも多く財産を取得できる可能性があります。

年金分割

年金分割とは、婚姻期間中に納付した厚生年金を分割し、お互いに分け合うことです。年金分割には以下2つの種類があります。

  • 合意分割
  • 3号分割

合意分割は夫婦の合意によって年金を分割する方法です。原則として分割の割合は半分ずつですが、お互いの合意があれば割合を変えても問題ありません。

3号分割は、国民年金第3号被保険者である側からの請求により、年金を分割することです。専業主婦(主夫)であったとしても、年金分割の割合は原則として2分の1ずつになります。

モラハラ被害を受けている場合に取るべき行動

モラハラは家庭内だけで起こることが多く、被害者は「自分さえ我慢すれば」と思ってしまいがちです。しかし、我慢を続けているとモラハラ被害が深刻化する恐れがあります。

モラハラ被害を受けている場合に取るべき行動は、主に以下の4つです。

  • 自分の身の安全を確保する
  • 苦しくても何か物的証拠を残せるように動く
  • 弁護士や共通の知人に相談する
  • 警察や公的機関の無料相談を利用する

次の項目から、それぞれの行動について解説します。

自分の身の安全を確保する

モラハラの被害を受けているときは、まず自分の身の安全を確保することを最優先しましょう。

暴言や高圧的な態度を毎日受け続けていれば、精神的に追い込まれてしまいます。

また、モラハラ加害者は言葉や態度で相手を追い詰めることが多いのですが、いつ暴力に転じるのかわかりません。

自分の身の安全を確保するためには、別居がもっともおすすめです。経済的に問題なければ、新居を見つけて引っ越しましょう。

引っ越しが難しい場合、両親に事情を説明して実家に帰るのも一つの手段です。

なお、モラハラのようにやむを得ない事情がある場合、相手に無断で別居をしても夫婦の同居義務違反には当たりません。 

苦しくても何か物的証拠を残せすように動く

モラハラを受けているときは、被害者に大きな精神的負担がかかります。しかし、被害を受けて耐えているだけでは、ただでさえ立証が難しいモラハラを客観的に証明することがより困難となります。

そのため、苦しくても音声録音や機関への相談など、何か物的証拠を1つでも残せるように動くことが大切です。証拠を1つ残せるか否かが、慰謝料や離婚成立の成功を大きく左右します。

弁護士や共通の知人に相談する

自分だけではモラハラかどうか判断できない場合、弁護士や共通の知人に相談して判断してもらうのも一つの手です。

弁護士であれば、客観的かつ法的な観点からモラハラかどうかを判断できます。

もしも弁護士がモラハラと判断した場合、証拠さえあれば慰謝料請求できる可能性が高いです。

また共通の知人にも相談しておけば、慰謝料請求をする際に証言を依頼できます。

警察や公的機関の無料相談を利用する

知り合いや弁護士への相談に気が引ける場合、警察や公的機関の無料相談を活用してみましょう。

警察や公的機関は夫婦間に介入してくれるわけではありませんが、悩みを聞いてもらえたり、アドバイスをしてもらえたりします。

モラハラの相談ができる公的機関は以下のとおりです。

  • 配偶者暴力相談支援センター
  • 婦人相談所
  • 女性センター
  • 福祉事務所

警察や公的機関への相談履歴は、モラハラの証拠にもなります。一人で悩むのがつらい方は、相談を検討してみてください。

モラハラでの慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

モラハラによる離婚で慰謝料を請求する場合、一人で戦うよりも弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に依頼すれば、以下のようなメリットを得られるからです。

  • 慰謝料が増額される可能性がある
  • 精神的な負担やストレスを軽減できる
  • 書類作成や各種手続きを代行してもらえる

モラハラの慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットについて、詳しく解説します。

慰謝料が増額される可能性がある

モラハラの慰謝料請求を弁護士に依頼すれば、一人で交渉するよりも慰謝料が増額される可能性があります。

離婚問題に精通している弁護士は離婚に関する法的知識に長けているうえ、相手との交渉にも慣れているからです。また証拠の集め方からアドバイスをしてもらえるため、安心して慰謝料請求の準備を進められるでしょう。

慰謝料の金額に関しても、過去の事例や夫婦関係などを考慮したうえで適切な金額を算出してもらえます。

仮に相手も弁護士をつけて争う姿勢を見せたとしても、こちらに弁護士がついている以上、証拠さえあれば有利な条件で戦うことができます。

精神的な負担やストレスを軽減できる

弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、精神的な負担やストレスを軽減できます。

基本的に、弁護士に代理交渉を依頼した後は相手方と直接話す必要がないからです。

モラハラの加害者と直接交渉をすると、頑なに慰謝料の支払いを拒否したり自分の要求を押し付けてきたりするケースが多いものです。

交渉中にも相手からモラハラを受ける可能性が高く、余計なストレスを感じてしまいかねません。

弁護士に依頼すれば、慰謝料の金額や支払い方法に関するやり取りはすべて弁護士を通して行われます。

また、弁護士に代理交渉をしてもらうことにより、相手に心理的プレッシャーを与えられる点もメリットです。

「裁判や調停で揉めるくらいなら、相手の希望通りの慰謝料を支払ってしまおう」と考える方も一定数いるでしょう。

話し合いの労力がかからないうえ、モラハラを受ける心配もないため、精神的な負担が軽減されます。

書類作成や各種手続きを代行してもらえる

弁護士に慰謝料請求を依頼すると、書類作成や各種手続きなどをすべて代行してもらえるため、労力を最低限に抑えられます。

たとえば相手方が慰謝料請求に応じず離婚調停や離婚裁判などに進む場合、離婚調停申立書や訴状を作成のうえ、裁判所で手続きをする必要があります。

書類は個人でも作成できるものの、法的知識がないと作成に時間がかかるうえ、ミスが発生する可能性もゼロではありません。

書類作成や手続きに時間を割かれると、仕事や育児に支障をきたす恐れもあります。

スムーズに慰謝料請求を進めたい場合は、早い段階で弁護士に依頼しましょう。

お金がなくても弁護士に対応を依頼できる方法

モラハラの慰謝料請求を弁護士に任せたいと考えているものの、お金がなくて不安に感じている方も多いでしょう。

以下のような方法を活用すれば、お金がなくても弁護士への依頼が可能です。

  • 法テラスを利用する
  • 慰謝料から弁護士費用を払う
  • 分割で弁護士費用を払う

それぞれの方法について詳しく解説します。

法テラスを利用する

法テラスは、政府が運営している法的トラブルの総合案内所です。正式名称を「日本司法支援センター」といいます。

法テラスでは、弁護士の無料相談を随時受け付けています。同じ相談内容であれば3回まで無料で相談できるため、「まずは相談してみたい」という方にぴったりです。

また、一定の条件を満たせば弁護士費用の立替制度を利用できます。立替制度は、弁護士費用をいったん法テラスに支払ってもらい、後から分割で返済する制度です。

法テラスを活用すれば、手元にまとまったお金がなくても弁護士に慰謝料請求を依頼できます。

ただし、法テラスでは基本的に担当弁護士を選べません。担当となる弁護士が夫婦間トラブルに強い弁護士とは限らない点は、デメリットといえます。

離婚問題を得意とする弁護士に依頼したいのであれば、法テラスではなく弁護士事務所に直接依頼することをおすすめします。

なお、依頼した弁護士が法テラス対応可能な弁護士であれば、その弁護士経由で法テラスを利用することもできますので、離婚問題について相談した際に併せて法テラスの利用が可能か尋ねてみましょう。

慰謝料から弁護士費用を払う

慰謝料請求に成功すれば、獲得した慰謝料から弁護士費用を支払うことも可能です。

ただし、相談料や着手金などは事前に支払う必要があります。

相談料は有料の場合1時間あたり5,000円~1万円程度ですが、初回に限り無料相談を受け付けている弁護士事務所も多いです。着手金はどの弁護士事務所であっても、基本的に20万円以上のまとまったお金が必要です。

弁護士費用のうち、成功報酬は後払いであるため、慰謝料から支払えます。

「着手金は支払えても、成功報酬までは支払えるかどうか不安」という方は、獲得した慰謝料から支払いましょう。

なお、慰謝料を獲得したときは、獲得したい慰謝料の1割程度を弁護士費用として相手に請求できる場合があります。

分割で弁護士費用を払う

弁護士費用は一括払いであることが多いのですが、弁護士事務所の中には分割払いに対応している場合があります。

分割払いが可能な弁護士事務所であれば、まとまったお金がなくても弁護士に慰謝料請求を依頼できます。

まずは弁護士に相談をしに行き、事情を説明のうえ、分割払いが可能かどうかを聞いてみましょう。分割の回数や金額などは弁護士によって異なるため、あわせて確認してみてください。

まとめ

モラハラによる慰謝料請求の相場は約50万円〜300万円です。慰謝料金額はモラハラの内容や期間、頻度などによって大きく異なります。

慰謝料の金額を上げるためには、証拠を集めてモラハラを客観的に立証できるかどうかがポイントです。

弁護士と相談しながら証拠集めをし、モラハラ加害者から慰謝料を勝ち取りましょう。

離婚問題に強い弁護士に依頼することで、争点の整理、モラハラの証拠集め、協議・調停・裁判時の対応など、各種アドバイス・サポートなどを期待できます。