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2024年11月現在

モラハラで離婚するための証拠になるものは?経験談をもとに解説

モラハラ 離婚 証拠

「配偶者からモラハラが理由で離婚するために必要な証拠は?」
「モラハラはどうやって立証すればいい?」

モラハラを立証するための証拠としては、以下のようながあります。

  • モラハラについて記録した日記・メモ
  • 心療内科や精神科などへの通院歴・診断書
  • モラハラをしている配偶者からのメール・SNSメッセージ
  • 友人・家族などによる証言
  • モラハラ発言の音声データ
  • 公的機関や警察などへの相談履歴

パートナーのモラハラに悩んでいて、「離婚したい」と考えている人は、このような証拠をパートナーに見つからないように集めることから始めましょう。

本記事では、離婚のために必要なモラハラの証拠と、証拠の集め方について解説します。

また、離婚をしたいのにモラハラの証拠がない場合の対処法や、慰謝料を請求したい場合のポイントついても紹介するので、「モラハラを受けて離婚したいのにどうしたらいいのかわからない」という方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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南陽輔 弁護士
監修
南 陽輔(弁護士)

モラハラの証拠になる具体的な6つのもの

モラハラはあなたの証言だけで立証することは、非常に難しい行動です。

しっかりと立証するためには「客観的な証拠」が必要です。

具体的には「モラハラを受けた日付」「誰が誰にモラハラをしたか」「どのような被害を受けたのか」を証明できる以下のようなものがあれば、十分な証拠になります。

  • モラハラについて記録した日記・メモ
  • 心療内科や精神科などへの通院歴・診断書
  • モラハラをしている配偶者からのメール・SNSメッセージ
  • 友人・家族などによる証言
  • モラハラ発言の音声データ
  • 公的機関や警察などへの相談履歴

それぞれの「モラハラの証拠」について、詳しく解説します。

「モラハラをされている証拠を集めたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

モラハラについて記録した日記・メモ

どのようなモラハラがあったのかを日記やメモに記録していれば、配偶者からモラハラを受けている証拠になります。

継続的に日記やメモなどを書き記すことで、日常的に配偶者からモラハラを受けていたことが証明されるためです。

手書きに限らず、スマートフォンやパソコンで書いても証拠としての問題はありません。

なお、時間が経ってからまとめて日記を作成すると、正確性が低いとみなされる恐れがあります。

配偶者からのモラハラを記録するのはつらいものですが、できるだけ毎日書くことで、証拠として有効に働きます。

証拠として利用するためにできるだけ具体的・客観的に真実だけを書く

モラハラの証拠として日記を利用するためには、できるだけ具体的かつ客観的な内容を書くことが大切です。

日記は記憶を頼りに書くものなので、どうしても主観や感情が中心になってしまいがちなので、モラハラを受けた際の心情や主観的な情報が、客観的な情報よりも多いと、「信用性に欠ける」と判断されてしまう恐れがあります。

モラハラがあったことを客観的に証明するためには、「いつ」「どのような状況で」「何をされたのか」という事実をしっかり書くようにしましょう。

具体的な日記の例は以下のとおりです。

令和5年1月15: 朝起きたとき配偶者に話しかけたが無視され、翌日まで無視が続いた
令和5年1月16日:夕飯の準備に手間取っていると、配偶者から「役立たず」と暴言を吐かれた
令和5年1月17日 :洗い物をしているときに皿を割ってしまい、配偶者に2時間説教された

このように「主観」と見なされるような感情的な情報は記載せず、事実だけを書き記せばモラハラの証拠として利用することができます。

モラハラの事実を記した日記やメモは、モラハラの加害者である配偶者にバレないように、しっかりと隠しておくようにしましょう。

心療内科や精神科などへの通院歴・診断書

配偶者からのモラハラが原因で精神的に追い詰められ、心療内科や精神科などに通っていた場合、通院歴や診断書がモラハラの証拠になります。

ただし、通院歴や精神疾患の診断書だけでは、モラハラが原因であることの客観的な証明にはなりません。

通院歴や診断書をモラハラの証拠として利用するためには、医師に「モラハラと精神疾患の因果関係」を明記してもらう必要があります。

そのため、心療内科や精神科などを受診する際は、医師にモラハラを受けている状況を細かく伝えましょう。

通院歴が長くなるほど信憑性も高くなるため、モラハラに悩んでいる方は早めに心療内科や精神科に相談してみてください。

モラハラをしている配偶者からのメール・SNSメッセージ

モラハラ発言が含まれる配偶者からのメールやSNSメッセージでも、モラハラを立証できる可能性があります。

メールやSNSメッセージは送信された日時が記載されているうえ、相手から送信されたことが確定しているからです。

たとえば配偶者本人や家族・友人に対する暴言、過度な行動制限や監視行為、価値観の強要などがモラハラに該当します。

ただし、メールやメッセージを証拠として提示する場合、暴言の部分だけを抽出しても「冗談だった」「喧嘩をしてカッとなっただけ」と言い訳されるかもしれません。

どのような流れでモラハラ発言が出たのかわかるよう、前後のやり取りも保存しておきましょう。

友人・家族などによる証言

家族や友人などの証言も、モラハラの証拠として利用できる可能性があります。

モラハラのことを相談していたのであれば、どのような内容を相談していたのかを家族や友人に証言してもらいましょう。

また、家族や友人が集まっている場面で暴言を受けたり無視されたりした場合、目撃証言も証拠になり得ます。

なお、子供の目撃証言も証拠にはなるものの、親がモラハラを受けていた事実を自分の言葉で説明できる程度の年齢でなければなりません。

子供の性格や成長具合にもよりますが、中学生以上の年齢であれば、証言が認められる可能性が高いです。

ただし裁判になった場合は証人として出廷を求められるケースもあるため、証言を誰に依頼するのかは慎重に検討した方が良いでしょう。

モラハラ発言の音声データ

モラハラ発言を録音したデータは、モラハラを裏付ける重要な証拠になり得ます。

ただし、モラハラ発言の部分だけを録音しても相手から「侮辱する意図があったわけではない」と反論される可能性があります。

そのため、録音の際は前後の会話もわかるようにしましょう。こちらに落ち度がないにもかかわらず、相手が一方的に暴言を吐いている音声が録音できれば、有力な証拠になります。

なお、録音していることに気付かれると、相手が逆上して暴力につながる恐れがあります。スマホアプリや小型のボイスレコーダーなどを使い、気付かれないように注意しておきましょう。

相手に黙って録音したとしても、モラハラの証明が目的であればプライバシー侵害には当たらないので、安心してください。

公的機関や警察などへの相談履歴

公的機関や警察などへの相談履歴も、モラハラの重要な証拠となるものの1つです。

相談履歴が記録されるため、開示請求を行ってコピーを入手すれば証拠として利用できます。

モラハラの相談ができる公的機関は、警察のほかに配偶者暴力相談支援センターや福祉事務所、女性センター、婦人相談所などがあります。

いずれも国や自治体が運営している機関なので、相談に際して料金は発生しません。

度重なるモラハラに悩んでいる方は、証拠集めも兼ねて一度公的機関や警察に相談してみてください。

モラハラの証拠の集め方を経験談をあわせてご紹介

モラハラの証拠を効率よく集めるためには、入念に準備したうえで、しっかりと証拠を記録・保存することが重要です。

当社で収集した経験談に基づき、モラハラの証拠の集め方をまとめました。

  • 常に会話を録音できるようにする
  • メールやSNSメッセージはスクリーンショットを取る
  • 生活費の制限を受けている場合は詳細な家計簿を残す
  • 子供を利用してモラハラをおこなっている場合は子供の発言も録音する

次の項目から、順番に証拠の集め方を紹介します。

常に会話を録音できるようにする

モラハラ発言を録音して証拠として提示する場合、常に会話を録音できるような工夫が必要です。

たとえばスマホを充電器に繋いだままの状態にしておき、配偶者が帰ってきたタイミングで録音を開始すれば、バッテリー残量を気にすることなく長時間の録音ができます。

iPhoneであれば「背面タップ」という機能でショートカットを作成すれば、iPhoneの背面を叩くだけで録音を開始できます。

しかし、モラハラを受けている方の中には、スマホを配偶者に監視されているという理由で録音が難しいケースがあります。

その場合、長時間の録音が可能なICレコーダーがおすすめです。最新のタイプであれば、200時間以上の録音が可能なICレコーダーもあります。

一部分だけを録音しても「喧嘩をしているだけではないか」と判断される可能性があるため、常に会話を録音し、日常的にモラハラを受けていることを証明しましょう。

メールやSNSメッセージはスクリーンショットを取る

メールやSNSメッセージは、スクリーンショットを取ってデータを保存しましょう。

SNSメッセージの場合、相手があとから送信取り消しをして証拠が消されてしまう可能性があるためです。

また、過度な行動制限によりスマホを配偶者に管理されている場合、メールやメッセージやり取りを消去される恐れがあります。

スクリーンショットはそのままカメラフォルダに保存するのではなく、配偶者に知られていないクラウド上に保存すると安心です。ほかにも、メッセージをプリントアウトしてファイルにまとめ、貸金庫で保管する方法もあります。

メールやSNSメッセージは日時や発言がそのまま記録されるため、客観的な証拠として有効です。モラハラ発言を受けたらすぐにスクリーンショットを取りましょう。

生活費の制限を受けている場合は詳細な家計簿を残す

生活費の制限を受けている場合、証拠として有効になるのは詳細な家計簿を残す方法です。

たとえばお互いの給料から一定額を生活費として共有することを夫婦間で決めたのにもかかわらず、生活費を渡さないケースなどがあります。

家計簿を書く際は、1か月ごとに配偶者から渡された生活費と自分で出した生活費、実際の支出を細かく記録しましょう。

支出の部分に関しては、レシートやクレジットカードの明細書などを残しておくことで、余計な出費をしていないことを証明できます。

あわせて配偶者の給与明細や通帳などをコピーしておけば、収入があるのに生活費を渡していないことの証拠にもなります。

子供を利用してモラハラをおこなっている場合は子供の発言も録音する

配偶者が子供を利用してモラハラをしている場合、子供の発言も録音するようにしましょう。

たとえば子供に悪口を吹き込み、間接的に相手に伝えるケースが多くみられます。

子供の発言を録音しておけば、他の証拠と組み合わせてモラハラを裏付けられます。

集めた証拠は離婚調停を有利に進めるために重要なので、必ず何重にもバックアップを残しておきましょう。

モラハラは被害を自覚しにくく証拠が集めにくいことも

モラハラの証拠を集めるためには、モラハラの被害を受けていることを自覚する必要があります。

加害者側は相手に非があるような態度を取ることが多く、被害者側が被害を受けていることに自覚できないケースが少なくありません。

モラハラを自覚できない主な理由を以下にまとめました。

  • 人格否定をされ続け、自分が悪いと思い込む
  • 専業主婦(主夫)であることに後ろめたさを感じ、経済的DVを受け入れてしまう
  • 過度な行動制限を「愛されている」と勘違いする
  • 家庭内でモラハラを受けるため、第三者にモラハラを指摘されることが少ない
  • 第三者にモラハラを指摘されても「相手にも良いところがある」と庇ってしまう

我慢の限界を迎えて「すぐにでも離婚したい」と考えるようになってからモラハラを自覚しても、精神的苦痛により証拠集めが難航する可能性があります。

早い段階でモラハラを客観的に自覚するためには、日記を書く方法がおすすめです。

相手の言動を日記に書いておけば、あとから冷静に読み返したときにモラハラを受けていることに気付きやすいです。また日記はモラハラの証拠にもなるので、書いておいて損はありません。

【これってモラハラ?と迷ったら】実際にあったモラハラ行動例をチェック

モラハラを日常的に受けていると、「これってモラハラって言えるの?」「この程度でモラハラだと思う自分の方がおかしいのでは?」というように、配偶者の行動がモラハラであるかどうかがわからず悩んでしまう方も少なくありません。

「これってモラハラ?」という迷いが出た時は、配偶者が以下のような行動をしていないかチェックしてみてください。

  • 日常的に人格否定の言葉を投げかけられる
  • 生活費・お小遣いを極端に減らして経済的に苦しめる
  • 大きな音や聞こえよがしのため息などで威嚇する
  • 配偶者のことを意図的に無視する
  • 子供に悪口を吹き込んだり、言わせる

本記事で実施したアンケートに寄せられた経験談も紹介します。

「自分も同じことをされている」と感じた方は、以下の記事で紹介している無料相談窓口などを利用して、まずは誰かに相談してみましょう。

日常的に人格否定の言葉を投げかけられる

モラハラの経験談の中でもとくに多かったのは、日常的に人格否定をされたり、暴言を浴びせられたりするというものです。

本記事で実施したアンケートでは、以下のような暴言を投げかけられた…という経験談が寄せられました。

「こんなこともできないなんて、頭が悪い」
「同じミスを繰り返す役立たずだ」
「おまえは容姿が悪いが、仕方なく結婚してやった」
「親はどんな育て方をしたんだ」
「自分がいなくなったら、おまえに一人で生きていける能力はない」
「おまえは仕事ができないから収入が少ないんだ」
「収入がないくせに口答えをするな」
「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」
「ブス、デブ」
「」

モラハラの加害者は、相手に非がある部分や反論しにくい部分につけこんで人格否定をすることが多いものです。

たとえばミスをして落ち込んでいるところに人格否定をされると、自分が悪いのではないかと思い込んでしまうでしょう。

しかし、どのような場面であっても相手の人格否定をして良い理由にはなりません。

人格や容姿などを根本的に否定するような発言は、どのような経緯で言ったとしても、モラハラに該当します。

生活費・お小遣いを極端に減らして経済的に苦しめる

モラハラ被害者の方の中には、生活費やお小遣いを極端に制限される「経済的DV」を受けている方も少なくありません。

経済的DVとは、相手の金銭的な自由を奪って精神的苦痛を与えることです。

実際に経済的なモラハラを受けた方の経験談は以下のとおりです。

「生活費として渡される金額が明らかに少なく、たった3万円で家族3人分の1ヶ月の食費・光熱費をやりくりしろと言われた。それができないと「役立たず」などの暴言を吐かれる」
「お小遣いの金額が1万円と、極端に少なく、自由に使えるお金がない。お弁当も作ってもらえず、飲み会にも参加できないので、身体的にも精神的にも辛かった」
「「収入がないくせに」と罵倒されるので、働きに出たいと言ったら、仕事をすること自体を認めてもらえなかった。」
「生活に必要なものしか購入していないのに「もっと節約しろ」と罵倒される。レシートを端から端までチェックして、自分が食べていないもの・使っていないものの代金は返金するように迫られた

「最小限の生活費だけしか渡さず、緊急の病院費用も出せなかったが、夫はギャンブルに夜遊び三昧だった」

とくに専業主婦(主夫)の方は、配偶者から経済的なモラハラを受けやすい傾向にあります。

経済的に相手を苦しめる行為はモラハラに該当するので、思い当たる部分がないかどうか確認してみてください。

大きな音や聞こえよがしのため息などで威嚇する

配偶者に聞こえるよう、意図的に大きな音を立てたりため息をついたりする威嚇行為は、モラハラに該当します。

このような行為には、不機嫌であることを相手に見せつけて委縮させ、思い通りにコントロールしようとする思惑があります。

威嚇行為に関するモラハラ経験談は以下のとおりです。

「不機嫌なときに、大きな音を立ててドアを閉められた。それで子供が泣くと「静かにさせることもできないのか」と罵倒された」
「自分の思い通りの展開にならないと何度も舌打ちされた」
「何時間も聞こえるようにため息をつき続けられた」
「口論になると、食器や花瓶などの日用品を壊され、威嚇された。怖くて何も言えなくなってしまった」
「意図的に大きな足音を立てて歩き回られる」

直接的な暴言でなかったとしても、威嚇行為を毎日受けていると精神的に疲弊していきます。

配偶者が自分のことを意図的に無視する

威嚇行為をするモラハラ加害者の共通点として、配偶者を意図的に無視するケースも多くみられます。

直接的な言葉では何も言わず、不機嫌であることを見せつけて相手をコントロールしようとする部分が同じだからです。

無視に関するモラハラ経験談は以下のとおりです。

「話しかけているのに受け答えが一切なく、わざとらしく溜息をつかれたり、目を逸らされたりする」
「無視の状態が始まると、1週間以上は続いた」
「何か月も無視していたのに、ある日突然謝りもせず話しかけてきた。それについて指摘すると機嫌がまた悪くなる」

1日程度の無視であれば夫婦喧嘩の範疇で収まりますが、1週間、1か月と続く無視はモラハラといえます。

またモラハラ加害者の多くは加害意識がなく、気が済んだタイミングで何事もなかったかのように話しかけてくるケースが多いようです。

無視したことを謝りもせず悪いとも思っていない様子だった場合は、モラハラと考えて間違いありません。

子供に悪口を吹き込んだり、言わせる

モラハラの加害者は、配偶者を貶めるために子供を巻き込むこともあります。

寄せられた経験談には以下のようなものがありました。

「配偶者が子供に悪口を吹き込み、こちら側に間接的に伝えるよう仕向けていた」
「子供に対して「お父さんみたいにならないように、今のうちにしっかり勉強しないとね」と日常的に言っていた」
「子供に「お前はお母さんに似ないでよかったなぁ」と言っていた」
「子供が夫の真似をして「お母さんはデブ」と言うようになってしまった」
「幼い子供に無視をされる日々が続いたので、理由を聞き出したら「お父さんと話すなと言われた」と言っていたことが発覚した」

子供に悪口を何度も吹き込んでいると「親が言っているから自分も言って良い」と子供が勘違いし、モラハラ発言を真似するようになってしまいます。

家庭内だけで済めばまだ良いのですが、学校でも同じようにモラハラ発言をすると、友達を失ってしまいかねません。

モラハラに子供を巻き込むと悪影響を及ぼす恐れがあるため、注意が必要です。

【モラハラは立証が難しい!】離婚したいのに証拠がない時は?

モラハラは物理的な暴力であるDVとは異なり、心が追い詰められる精神的なDVであるため、立証が非常に難しい被害です。

「モラハラをされているから離婚したいのに、証拠がない」と悩んでいる場合は、まず離婚に関して配偶者の合意を得られそうかどうかを確認しましょう。

合意を得られた場合は「協議離婚」が成立するので、証拠がなくても離婚届を市役所に提出するだけで離婚が可能です。

合意が得られない場合は弁護士に相談して「調停離婚」を進めるのがおすすめ。
「調停離婚」とは、家庭裁判所の調停手続で話し合いをし、離婚を成立させる方法です。

モラハラで離婚したい場合の協議離婚と調停離婚について詳しく解説します。

「モラハラをされていて離婚したいのに、相手が合意してくれない」「モラハラの証拠がない」という方は、あきらめずに、本記事を参考にしてみてください。

双方合意の上なら「協議離婚」が可能

すでに夫婦関係が破綻しており、お互いに離婚を望んでいる場合は、協議離婚が可能です。

>協議離婚は夫婦が離婚届にサインし、市役所に提出する一般的な離婚の手続きです。
法律上の離婚原因や証拠がなかったとしても、問題なく離婚できます。

モラハラの証拠集めが必要になるのは、相手が離婚に応じない場合や慰謝料請求をしたい場合です。

相手と揉めることなく離婚したい方は、離婚に合意してもらえるかどうかを配偶者に確認してみてください。

モラハラが原因の離婚は弁護士に相談して「調停離婚」にするのがおすすめ

配偶者から離婚の合意が得られなかった場合、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」を申し立てましょう。

夫婦関係調整調停とは、家庭裁判所で調停員を介して離婚の話し合いを進めることです。

モラハラの配偶者とは離婚の話し合いで難航することが多いのですが、調停離婚なら配偶者と直接話す必要がないため、2人だけで話し合うよりスムーズに進められます。

また、配偶者のモラハラ行為により、相手に対して強い恐怖感がある場合も、二人きりではないので、安心して話し合うことができるでしょう。

特に、モラハラの証拠を集められていない場合は、弁護士に相談して離婚調停に代理人として出頭してもらう方法がおすすめです。

離婚問題に詳しい弁護士なら調停を有利に進められるだけでなく、親権や養育費などの権利も正しく主張してもらえます。

「モラハラの証拠がなく、離婚にも応じてもらえない」と悩んでいる方は、一度弁護士に相談してみましょう。

モラハラでの離婚で慰謝料はもらえる?慰謝料請求のポイントと相場を解説

モラハラを客観的に立証できれば、精神的苦痛による離婚が成立するため、慰謝料請求が可能です。

慰謝料請求の際には、モラハラの内容や期間、精神的苦痛の大きさなどが主な争点となります。

モラハラで離婚する際の慰謝料請求のポイントや、具体的な事例をもとにした慰謝料相場を解説します。

モラハラによる精神的苦痛を受けた証拠があれば慰謝料請求は可能

モラハラによる離婚で慰謝料請求をする場合、精神的苦痛を受けた証拠が必要になります。

たとえばモラハラを受けたことを客観的に証明できるものや、モラハラと精神疾患の因果関係が記された診断書などが該当します。

精神疾患になっていなかったとしても、第三者が見て「ひどい」と思えるようなモラハラの証拠があれば、慰謝料請求は可能です。

過去に裁判でモラハラによる慰謝料請求が認められた事例では「高圧的な態度や威嚇行為を繰り返し行った」「人格否定するような言葉を浴びせ続けた」などが挙げられます。

モラハラで慰謝料をもらう場合の争点になるポイント

モラハラで慰謝料請求をする場合は「請求が認められるかどうか」「金額はどうなるのか」が気になるポイントです。

モラハラの慰謝料請求においては、以下が考慮されます。

  • モラハラの内容
  • モラハラを受けた回数・期間
  • モラハラが原因の精神疾患の有無や程度
  • モラハラ被害者の落ち度の有無や程度
  • 婚姻期間
  • 子供の有無

裁判ではモラハラの内容や回数・期間、精神疾患の有無などをもとに、被害者が受けた精神的苦痛を考慮しながら慰謝料の金額を決めていきます。

なお被害者側にも落ち度がある場合、慰謝料の減額につながる恐れがあるため、暴言や無視をし返したりする行為は控えましょう。

婚姻期間や子供の有無などは、慰謝料の金額を決める際に考慮されます。婚姻期間が長く子供もいる場合、離婚による生活への影響が大きいことから、慰謝料が高額になる可能性が高いです。

モラハラで離婚する場合の慰謝料の相場は50〜300万円程度

モラハラで離婚する場合の慰謝料相場は、50~300万円程度とされています。

慰謝料の相場に差があるのは、モラハラの内容や回数、精神的苦痛の大きさなどによって金額が左右されるからです。

実際にモラハラの慰謝料請求が認められた判例を紹介します。

人格否定や暴言などを日常的に繰り返していたうえ、妊娠した妻に堕胎をほのめかすような発言をした夫に対し、200万円の慰謝料請求が命じられた。
頻繁に深夜まで遊び歩き、夫との話し合いに応じず子供を連れて強引に別居した妻に対し、80万円の慰謝料請求が命じられた。
家庭内で主従関係を強要したり突然怒鳴ったりして家族に恐怖心を抱かせていた夫に対し、150万円の慰謝料請求が命じられた。

モラハラの内容や受けていた期間などは夫婦によって異なるため、実際の判例でも慰謝料の金額には差があります。

自分がどの程度の慰謝料を請求できそうなのか、詳しく知りたい方はモラハラの証拠を集めたうえで弁護士に相談してみましょう。

まとめ

モラハラを理由に離婚するためには、客観的な証拠が必要です。

とくに音声データやメッセージのやり取りは証拠になりやすいため、相手に気付かれないように証拠をできるだけ長期間にわたって、複数集めるようにしましょう。

十分な証拠を集めればモラハラが離婚原因として正式に認められるだけでなく、50〜300万円程度の慰謝料を請求できる可能性もあります。

モラハラの被害を受けている方は無理に我慢せず、証拠を集めて有利に離婚の話し合いを進めましょう。

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更新日 : 2024年11月18日
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