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2024年11月現在

夫や妻が債務整理したら共同で住宅ローンは組めなくなるのか?

妻が債務整理をした場合、夫が住宅ローンを組む際に影響があるのではないかと不安に思っている人もいるでしょう。

結論からいえば、債務整理はあくまで個人の手続きのため、世帯全体の信用に傷がつくことはありません。債務整理をしていない夫が個人で住宅ローンを申し込めば問題なく借り入れできます。

ただし収入合算やペアローンで住宅ローンを組みたい場合、連帯保証人を立てなければならない場合は、夫婦のどちらかが債務整理をしていると審査に通るのは難しいです。

どうしても夫婦2人の年収でないと借入希望額に達しない場合は、妻のブラックリスト解除を待つしかありません。または借入額を引き下げる、審査の通りやすいフラット35を利用するなどして、夫単独で住宅ローンを組むことをおすすめします。

ただし債務整理をしなければならない状態を放置して住宅ローンを組んでも、返済が滞れば最終的に住宅を手放さなければならない恐れもあります。家計を圧迫される前に債務整理を開始し、経済状況を立て直してから住宅ローンを検討するとよいでしょう。

債務整理について不安な点があるなら、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

もし、いきなり弁護士・司法書士事務所へ相談するのが不安な場合、借金減額診断チェッカーを利用してみましょう。簡単な質問に答えると、債務整理でどれくらい借金が減るのか無料で診断してくれます。

本記事では、妻が債務整理をした場合夫が住宅ローンを組むのに影響はあるのか解説します。家族が債務整理後、住宅ローン審査に通るためのコツも解説するため参考にしてください。

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夫単独で住宅ローンを組むなら妻が債務整理しても影響を受けない

債務整理をした人の配偶者が、その影響を受けることはありません。たとえば妻が債務整理をしても、夫の信用情報まで傷つくことはないのです。

債務整理は個人の債務に対して行なう手続きです。夫婦それぞれが異なる債務整理手続きを取ることもできますし、お互いにその影響を受けることもありません。妻が自己破産しても夫まで自己破産する必要はないのです。

なお、債務整理は配偶者が代行して手続きすることはできません。

夫か妻の債務整理で世帯全体がブラックリストに載ることはない

ブラックリストに載るのは、債務整理をした本人だけです。

妻が債務整理をするなら、ブラックリストに載るのは妻のみです。

世帯全体の信用に傷がつくことはありません。

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夫名義で住宅ローンを組む場合、審査されるのは夫の経済状況のみ

夫が個人の名義で住宅ローンを組むなら、審査されるのは原則として夫の信用情報のみです。金融機関は夫個人の信用に対してローン商品を提供するため、妻が債務整理をしていても関係ありません。

なお、住宅ローンの審査でみられるのは、主に以下の項目とされています。

  • 年齢
  • 健康状態
  • 職場・勤続年数
  • 年収
  • 借入額
  • 担保評価額

審査基準は金融機関によりさまざまですが、収入以外の面もチェックされていることがほとんどです。

そのため「年齢が高い」「持病がある」「借入額が年収に対して大きすぎる」など、信用調査以外の点で審査に落ちてしまう場合もあります。

住宅ローンによっては妻の債務整理が審査に影響する場合もある

前述したとおり、夫が完全に個人の名義で住宅ローンを組むなら、債務整理した妻の影響は受けません。しかし以下のケースでは、妻が債務整理したことが、住宅ローン審査に影響をおよぼします。

  • 妻が連帯保証人・保証人になる場合
  • 妻とペアローンを組む場合
  • 妻と収入合算してローン審査を受ける場合

それぞれ詳しく解説します。

妻が連帯保証人・保証人になる場合

妻が債務整理をすると、夫の住宅ローン契約の連帯保証人や保証人になれない可能性があります。

保証人は、契約者本人が支払い困難になった場合、代金を立て替えなければなりません。ある程度の経済力が求められるため、審査時に保証人も信用情報を確認されます。

そのため、審査時にブラックリストに入っていれば、保証人になれない可能性が高いでしょう。

ただし住宅ローン契約は、住宅自体が担保となる場合が多く、保証人不要のケースも多くあります。

妻とペアローンを組む場合

妻とペアローンを組む場合も、妻の債務整理が住宅ローン審査に影響します。

夫の年収では十分な額が借りられない場合に検討するのがペアローンです。夫婦でペアローンを組むと、夫と妻の双方が住宅ローンの契約者になります。

審査では夫婦それぞれの信用調査が行われます。つまりどちらかがブラックリストに入っていると、審査が通りにくくなるのです。

また、お互いがお互いの連帯保証人になるというペアローンの特徴からも、ブラックリストに載った状態で審査に通るのは非常に難しいでしょう。

妻と収入合算してローン審査を受ける場合

夫婦で収入合算する場合も、妻の債務整理をした履歴が影響します。

収入合算とは、契約者以外の家族の収入を合算して住宅ローンを契約する方法です。収入合算する場合、合算した家族は主債務者にはなりませんが、連帯保証人になるのが一般的です。

そのため収入を合算する家族の信用審査も必要となります。ブラックリストに載った状態で審査を申し込めば、審査に通る可能性はきわめて低くなるでしょう。

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家族の債務整理後、住宅ローン審査に通るためのコツ

前述したように、妻が債務整理をしていると、妻を連帯保証人に設定したり収入合算して住宅ローンを組んだりすることが難しくなります

しかし「どうしても◯円を借り入れたい」「買い手がつく前にこの家を買いたい」といった事情もあるでしょう。

できるだけ債務整理の影響をおさえて、スムーズに住宅ローンを組むにはどうすればよいのでしょうか。

配偶者の債務整理が住宅ローン審査に影響しないようにするための選択肢は、主に以下の2つです。

  • 債務整理した本人を契約に一切関与させない(連帯保証人に設定したり収入合算したりしない)
  • ブラックリストが解除されるのを待つ

それぞれ解説します。

1.債務整理した本人を契約に関与させない

妻が債務整理をしても、夫が単独名義で住宅ローンを契約すれば審査に影響はありません。このとき妻を連帯保証人にしたり、収入合算をしたりしないのがポイントです。

ただし、連帯保証人がいない場合は、保証料を支払わなければならないケースもあります。また夫婦で収入合算できないと借入額が希望額に届かず、単独名義でローンを組めない場合もあるでしょう。

そのような場合は以下の方法を検討してください。

  • フラット35を利用する
  • 借入額を少なくする
  • より多くの借り入れができる金融機関を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

フラット35を利用する

フラット35とは長期固定金利が特徴の住宅ローンです。金利が一定で、全国で300以上の提携金融機関が提供しています。

住宅購入を支援する目的で作られた制度のため、連帯保証人の設定や保証料の支払いは必要ありません。また勤続年数も問われないので、一般的な金融機関よりも借り入れしやすいとされています。

ただし夫婦で収入合算する場合は、一方が連帯債務者となる必要があるため審査は通りにくくなるでしょう。

頭金を入れて借入額を少なく設定する

住宅ローンの借入額を減らせば、夫単独の年収でも審査に通りやすくなります

もし手持ちのお金に余裕があるなら、借入額を少しでも減らすために頭金を入れるのがおすすめです。住宅ローンは借金なので、できるだけ返済額が少ない方が将来的にも安心でしょう。

ただし、生活費を切り崩すなどしてギリギリのやりくりをするのはおすすめしません。頭金を入れる場合でも、余裕をもった資金繰りが必要です。

借入可能額の多い金融機関を選ぶ

少しでも多くの額を借りるためには、借入可能額が多い金融機関を選びましょう。借り入れできる金額や審査条件は、金融機関によって差があります。

たとえばA銀行では2,500万円借りられたのに、B銀行では2,000万円しか借りられなかったというケースも考えられます。

「自分にとって借りやすい銀行」を見分けるためには、金融機関の事情に詳しい不動産会社に相談するとよいでしょう。

住宅購入の仲介業者となる不動産会社は、銀行の審査事情をよく知っています。事情を話し、希望する借入額が通りそうな金融機関を選ぶサポートをしてもらうことをおすすめします。

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2.ブラックリストが解除されてから住宅ローンを組む

夫単独で住宅ローンを組むのが難しい場合、妻とのペアローンや収入合算が必要になります。この場合は、妻のブラックリスト解除を待つしかありません。

債務整理には以下の3種類があります。

任意整理 今後支払う予定の利息をカットや減額し、3~5年で分割返済する
自己破産 20万以上の財産を手放す代わりに、借金を全額免除してもらう
個人再生 借金を1/10〜1/5に圧縮し、3〜5年で分割返済する

ブラックリストに載る期間は、債務整理の手続きによって異なります。

  • 任意整理:約5年
  • 個人再生:約7年
  • 自己破産:約10年

ブラックリスト状態が解除されれば、信用情報が元に戻ります。つまり債務整理前の状態で審査にのぞめるということです。

妻も含めて住宅ローンを組む必要がある場合は、ブラックリスト状態が解除されるのを待ち、信用状態を回復させてから申し込みましょう。

ブラックリストと信用情報について詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。

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ブラックリスト掲載期間が最も短いのは「任意整理」

任意整理とは将来利息をカットし、返済期間を最大5年まで延長できる債務整理手続きです。裁判所を介さず、当事者間の直接交渉により手続きを行ないます。

任意整理のブラックリスト掲載期間は完済後5年と、債務整理手続きのなかでも最短です。

任意整理では将来利息をカットし、返済額と期間を整理して返済計画を立て直します。したがって、ほかの手続きとは異なり、借金や債務の元金は減らせません。リボ払いで膨らんだ利息の支払いに困っている場合などに、おすすめの手続きといえます。

また任意整理は、債務整理のなかでも唯一裁判所を介さない手続きです。そのため当事者間の交渉だけで手続きが完結し、スピーディーに解決できるメリットがあります。

裁判所を介さないので「官報」と呼ばれる政府発行の誌面に、個人情報が掲載されることもありません。弁護士や司法書士に代理人を依頼した場合も、債務整理のなかで最も費用が安く済みます。

任意整理について詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。

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債務整理した金融機関で住宅ローンを組まない

ブラックリスト状態が解除されても、債務整理の対象になった金融機関ではローンを組まないようにしましょう。

通常、信用情報機関のブラックリストは所定の年数で消えます。しかし、社内独自のブラックリストは残り続けるケースが多いのです。

とくに債務整理をした本人が同じ会社で再び住宅ローンを組もうとした場合、審査に通るのは難しいでしょう。連帯保証人になる場合も同様です。

もし不動産会社など仲介業者から債務整理した金融機関をすすめられた場合は、債務整理したことがある旨を相談するとよいでしょう。

まとめ

配偶者の債務整理が世帯全体に影響をおよぼすことは原則としてありません。もし妻が債務整理しても、夫が個人名義で住宅ローンを組む分には問題ないでしょう。

しかし収入合算やペアローンを組む場合、また妻が連帯保証人になる場合は、妻の信用情報も確認されるため審査に通るのは難しくなります。この場合は、妻のブラックリスト状態が解除されるまで待つか、夫単独で住宅ローンを組むようにしましょう。

フラット35は保証人や保証料不要で借入れしやすいローンといえます。また資金繰りに余裕があれば、頭金を入れて住宅ローンの借入額を減らすと、夫単独の年収でも審査に通りやすくなります。

なお債務整理をする場合、ブラックリスト期間がもっとも短いのは任意整理です。完済後5年で信用情報から事故情報が削除されます。

もし債務整理について不明な点があれば、債務整理に強い弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。

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更新日 : 2024年11月18日
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