債務整理後も利用できる家族カードとは?
債務整理をするとブラックリストに登録されるので債務者名義のクレジットカードが使えなくなります。
ただ、ブラックリスト登録期間はすべてのカード決済ができなくなるわけではなく、家族カードを利用すればネット通販や分割払い指定のカード決済を利用できます。
そこで、債務整理をしてブラックリストに登録されている債務者でも利用できる家族カードについて、以下3項目に沿って解説します。
- 家族カードとは本会員と同じように使えるクレジットカードのこと
- 債務整理前に使っていた家族カードは継続使用できる
- 債務整理後も家族カードは新規発行できる
それでは、各項目について見ていきましょう。
家族カードとは本会員と同じように使えるクレジットカードのこと
家族カードとは、カード本会員の同一生計で暮らしている家族もクレジットカードが使える付帯サービスのことです。
債務整理を利用した債務者に同一生計の家族が居るのなら、その家族が本会員になっているクレジットカードの家族カードを利用できます。
家族カードの発行対象は、本会員と同一生計で暮らしている家族のみです(必ずしも同居している必要はありません)。
もちろんカード会社によって条件は異なりますが、一般的には、両親・配偶者・18歳以上の子どもが家族カード発行の対象者とされます。
兄弟、祖父母、義理の両親、内縁関係のパートナーについては、同居していても家族カードの発行が認められないことが多いのでご注意ください。
債務整理前に使っていた家族カードは継続使用できる
債務整理前から家族カードを使っている場合、債務整理後もそのまま家族カードを継続使用できます。
なぜなら、債務整理で強制解約されるのは債務者名義のクレジットカードだけだからです。
債務者が債務整理をしたとしても、債務者の家族の信用情報には何の影響も生じません。
したがって、債務整理後も家族カードは有効なままなので、今までと変わらずにクレカ決済を行えます。
家族カードの借金は本人しか債務整理できない
家族カードは本会員以外の家族の使用を前提としていますが、家族カードを使い過ぎて支払いが追いつかなくなったとしても債務整理できるのは名義人である本会員だけです。
なぜなら、家族カードの名義人は本会員である以上、家族カードの使用によって背負うことになった債務の帰属先は本会員だからです。
したがって、家族カードの使い過ぎで生じた借金を本会員に知られずに債務整理することはできないので、家族カードの使い方には慎重さが求められると考えられます。
債務整理後も家族カードは新規発行できる
債務整理後に家族カードを利用する場合、債務整理によって本会員の信用情報には一切傷がついていないので家族カードの新規発行は可能です。
なぜなら、債務者名義でクレジットカードを発行する際には入会審査が行われるので信用情報機関に登録されているブラックリスト情報が知られてしまいますが、家族カードを発行する際には債務者の信用情報が確認されることはないからです。
しがって、債務整理後にカード決済を希望する場合には、本会員に家族カードを発行してもらったうえで本会員の監督のもとで適切な使用を心がけましょう。
ただし、家族カードを発行しようとしているクレジットカードについて債務者が債務整理をしたことがある場合には注意が必要です。
なぜなら、カード会社は自社の内部情報として過去に債務整理をした利用者の情報を半永久的に管理しているので、家族カードを使わせたい人物が債務整理経験者であることが知られてしまうからです。
したがって、確実に家族カードを発行させるためには、債務整理とは関係のないクレジットカードを選ぶようにしてください。
家族カード以外にもブラックリスト登録者が使えるカードがある
債務整理をした債務者が使えるカード決済方法は、家族カード・デビットカード・プリペイドカードの3種類です。
- 家族カード:家族名義で発行しているクレジットカードの付帯サービス
- デビットカード:口座残高を上限にカード決済できる
- プリペイドカード:事前に入金した金額を上限にカード決済できる
以下では、家族カード以外の2つのカード決済方法について整理します。
債務整理後は生活再建を主眼に置いて家計管理に努める必要があるので、上手に各種カードを使い分けながら適切な家計管理を心がけましょう。
デビットカード:口座残高を上限にカード決済できる
デビットカードは、カードに紐付けされた口座から即時に決済額が引き落とされる仕組みのカードです。
つまり、口座残高以上の支払い・買い物をすることができないので、支払い不可能な金額の債務を背負うリスクを回避できるというメリットが得られます。
ただし、家族カードとは異なりクレジット機能が付いていないという特徴もあります。
したがって、分割払い・リボ払いは不可ですし、携帯電話・スマートフォンの使用料金や公共料金の決済手段に設定できないのがほとんどです。
プリペイドカード:事前に入金した金額を上限にカード決済できる
プリペイドカードは、事前に入金・チャージした金額を上限に決済できる仕組みのカードです。
デビットカードと同様にお金を使い過ぎる心配のないカード決済方法ですし、カードの種類に応じてお得なポイントサービスなども豊富にそろっています。
他方、デビットカードと同様にクレジット機能が付いていないので、分割払い・リボ払い・公共料金等の決済手段では使えない点にご注意ください。
ブラックリスト登録後も使える家族カードの特徴とは?
家族カードを利用すれば債務整理前と同じようにクレジットカード払いができるというメリットが得られますが、債務者名義ではなく本会員名義で発行していること、メインカードではないことなどの理由から、特徴を押さえて利用する必要があります。
そこで、家族カードの特徴について、以下2項目に沿って解説します。
それでは、家族カードを債務整理後の生活で上手に活用するために、それぞれの項目について見ていきましょう。
家族カードのメリット
家族カードのメリットとしては、以下5項目が挙げられます。
- ①クレジット機能が付いている
- ②本会員と同レベルの付帯サービス
- ③ポイントを集約できる
- ④年会費が優遇されている(無料、低額)
- ⑤ブラックリストでも上級カードを使える
以下では、家族カードのメリットについてそれぞれ解説します。
①クレジット機能が付いている
家族カードはクレジットカード扱いなので、デビットカード・プリペイドカードよりも使える機会が多いです。
例えば、デビットカード・プリペイドカードでは分割払い・リボ払いはできませんが、家族カードなら分割払い・リボ払いを選択可能です。
また、家族カードなら公共料金や携帯電話・スマホの使用料の引き落としに使えます。
ただし、クレジット機能が付いているということはそれだけカード決済時に注意が必要だということを意味します。
特にクレジットカードの使い方が原因で債務整理をせざるを得ない状況に追い込まれたという方は、家族カードを使用する際には家計管理の意識を高めましょう。
②本会員と同レベルの付帯サービス
家族カードの付帯サービスは本会員と同レベルなので、ショッピング保険・海外傷害保険・ETCカードなどを使えるというメリットが生じます。
付帯サービスの内容は発行カードやランクによって異なるので、詳細については利用規約等をご確認ください。
③ポイントを集約できる
家族カードとメインカードの利用分についてポイントを集約できるので、規定に達する前にポイントが失効するリスクが少なくなります。
カード会社ごとに還元サービスが用意されているので、ご活用ください。
④年会費が優遇されている(無料、低額)
家族カードの発行については年会費が優遇されていることが多いので、無料もしくは低額で金額以上の高い付帯サービスや特典を利用することができます。
つまり、所有コストが低いのに優れたサービスを受けられるので、カード所有の付加価値に興味がある方にはおすすめです。
⑤ブラックリストでも上級カードを使える
家族カードを新規発行する際に問われるのは名義人の信用情報だけなので、家族に充分な信用情報がなくても名義人のランクに応じたクレジットカードを使えることになります。
例えば、債務整理をするとブラックリストに登録されてしまうので本来ならクレジットカードの所有自体認められにくいはずなのに、家族がゴールドカードを所有している場合には、ブラックでも上級カードの付帯サービス・特典を享受できることになります。
つまり、家族カードは費用対効果の大きいクレジットカードだと考えられるので、債務整理後のカード決済手段の選択肢としてご検討ください。
家族カードのデメリット
家族カードのデメリットとしては、以下5項目が挙げられます。
- ①クレジットヒストリーが育たない
- ②本会員が全責任を負担する
- ③利用限度額が共有される
- ④家族カードの利用履歴を本会員に知られる
- ⑤本会員の信用情報に問題が発生すると取り上げられうる
以下では、家族カードの各デメリットについて解説します。
①クレジットヒストリーが育たない
家族カードの名義人は本会員にある以上、家族カードをどれだけ使ってもクレジットヒストリーに反映されるのは本会員だけです。
ブラックリストに登録されている状態の債務者の中には、「将来に備えて自分のクレジットヒストリーを育てたい」と希望する人も多いでしょう。
しかし、家族カードの支払い責任を負担するのが本会員である以上、家族カードを使用している債務者のクレジットヒストリーは一切育たないというデメリットは避けられません。
②本会員が全責任を負担する
家族カードの利用額を滞納した場合、その責任は本会員が負担しなければいけません。
滞納状況が深刻になると本会員がブラックリストに登録されかねないので、家族カードを利用する際には、本会員の許可を得た範囲で使用してください。
③利用限度額が共有される
家族カードの利用限度額はメインカードの限度額から割り振られるだけなので、複数枚のクレジットカードの合算利用額が限度額を超えないように調整する必要があります。
もちろん、増額申請をして限度額を引き上げることも可能ですが、増額申請の審査に通るとも限りません。
むしろ、債務整理後は生活再建が重要課題なので、決められた枠内で支出をまかなえるような家計管理をできるようになりましょう。
④家族カードの利用履歴を本会員に知られる
家族カードの利用明細は本会員に知られるので、買い物に関するプライバシーを守ることができません。
ただし、債務整理後に家族カードを使用する場合には、本会員名義のカードを使わせてもらっているという謙虚な姿勢こそが生活再建の支えになるので、自身のお金の使い方を見直すためにも、本会員に毎月チェックしてもらえる良い機会だと捉えましょう。
⑤本会員の信用情報に問題が発生すると取り上げられうる
どれだけ家族カードを適切な形で使用していたとしても、本会員側の問題によってメインカードが取り上げられてしまうと付帯サービスである家族カードも強制解約扱いになってしまいます。
家族カードは本会員と同レベルのサービスを受けられるものですが、あくまでもメインカードの有効性を前提としているカードです。
したがって、本会員が借金を背負ったり、収入減によって支払いが滞るようになったりすると家族カードが使えなくなるリスクが生じるので、デビットカードやプリペイドカードという選択肢も残しておきましょう。
まとめ
家族カードは債務整理を利用してブラックリストに登録されている債務者でも利用できるカードです。
クレジット機能が付いているので、債務整理前に使っていた債務者名義のクレジットカードと同じようにカード決済ができるというメリットがあります。
ただし、家族カードを使って生じる支払い義務を負担するのは本会員である家族です。
家族カードを適切に使うことができなければ本会員の信用情報に傷が付くリスクが生じますし、本会員の支払い能力を超える程度の使い込みをしてしまうと、メインカードが取り上げられる結果、家族カードまで使えなくなってしまいます。
したがって、本会員に迷惑をかけないため、そして、債務整理後の生活をスムーズに再建するために、節度を保って家族カードを使うようにしてください。
ブラックリストに関するよくある質問
ブラックリストに載っていても、家族カードなら利用できると聞きましたが本当ですか?
はい、本当です。
カード本会員の同一生計で暮らしている家族が居れば、その家族のカードに紐づけた家族カードの発行が可能です。
家族カードでは、利用した分の支払いはどのようになりますか?
家族カードを利用しすぎて、家族が支払不能となってしまいました。どうしたらよいですか?
滞納する前に、弁護士へ相談することをおすすめします。
場合によっては家族も債務整理を視野に入れる必要があるでしょう。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
単身世帯なのですが、債務整理後に家族カード以外でキャッシュレス決済ができるものはありますか?
「デビットカード」「プリペイドカード」「バンドルカード」などが挙げられます。
債務整理をすると、一生ブラックリストに載ったままなのですか?
いいえ、そのようなことはありません。
債務整理後、5~10年経つとブラックリストからは削除されるので安心してください。
最短即日取立STOP!
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