「債務整理をする人はクズ」はNO!
「債務整理をする人はクズ」?いいえ、それは誤解です。
債務整理は法律に定められた救済手段であり、借金を整理して生活を再建するための方法です。正しい知識を知れば、債務整理に対する抵抗感がなくなるはずです。
以下で、誤解を受けやすい債務整理について解説します。
債務整理は法律に則った手続きであり、「逃げ」ではない
債務整理は、借金を整理して人生の再スタートを切るために国が用意した制度です。債務免除や減額も、破産法や民事再生法などに則っておこなわれるため、決して「逃げ」ではありません。
債務をただ減額、免除される楽な制度でなく、再発防止のため、返済に関する信用を失い、クレジットカードが使えなくなったりローンが組めなくなったりといったペナルティもしっかり受けることになります。
債務整理を開始することはそれだけで勇気がいることでもあり、現状を把握しペナルティを受け入れようとする前向きな行動だといえます。
借金問題を解決する意思があるだけ、放置するよりよほど良い
債務整理をおこなう人は、借金問題を積極的に解決しようとする意思があります。借金を放置するよりずっと良いといえるでしょう。
借金額が多くなり、返済が厳しくなるにつれて、人は現実逃避をしがちになります。
- 債権者だとわかっているので電話に出ない
- 債権者からの督促状を開かない
- クレジットカードの明細を見ない
このように、支払えないとわかっているからこそ、借金をしているという事実から逃げたくなるでしょう。
債務整理をしようと弁護士や司法書士に相談するというアクションを起こすことは、現実としっかり向き合い、前向きに解決しようとしている証拠です。決してクズではありません。
元金だけを返す手続きもある
債務整理の中には3つの手段があり、中でも任意整理という手続きでは、基本的に元金部分は免除されません。
今まで発生した遅延損害金と、今後の分割弁済でかかるはずの利息を免除してもらったうえで借りた金額を返済していく手続きです。
元金を返済できるなら、貸した金額は返ってくるため、債権者としても損はないでしょう。
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「債務整理」とは、どんな手続き?
債務整理は、債権者と交渉して任意に和解をしていく方法と、裁判所に申立て、減額や免除の決定をもらう方法があります。
債務整理には3種類の手続きがある
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産という3つの手続きがあります。その他にも細かく分けると特定調停や過払金回収などもあります。
代表的な3つの手続きの内容や特徴は以下のとおりです。債務整理を決断したら、自分の借金や収入状況などを鑑みて、弁護士などの専門家と相談しながら手続きを決めていきます。
手続き |
手続きの内容 |
特徴 |
任意整理 |
弁護士などの専門家が債権者と交渉し、今までに発生した遅延損害金や今後の分割払いで発生する利息をカットした内容で再度和解をする手続き |
基本的に元金部分はカットされない
3~5年の分割払いができることが前提 |
個人再生 |
裁判所に申し立てることで、債務を5分の1~10分の1程度まで削減できる手続き。手続き上で債権者の許可が必要 |
元金部分をカットできるので、任意整理では返済仕切れない人におすすめ
ただし、安定・継続した収入があることを裁判所に証明する必要あり |
自己破産 |
自分の大きな財産を代償として、債務を全額免除してもらう手続き。裁判所への申し立てが必要。 |
個人再生でも返済しきれない人でも利用できる
債務が多額だったり、収入が不安定な人にも利用できる |
債務整理を行うメリット
債務整理をおこなうことには、借金の負担が軽くなる以外にも、以下のようなメリットがあります。
借金が減額され、返済可能な計画に立て直せる
債務整理手続きの中でも、任意整理、個人再生をおこなうことで、借金が減額され、返済可能な計画を立て直すことができます。
今まで返済が遅れたことがある方は、遅延損害金が加算され、大きな負担となっているでしょう。また、消費者金融やリボ払いでは、20%~15%という高い利息も、返済の妨げとなります。
任意整理をおこなうことで、遅延損害金と今後の利息を免除され、元金のみで返済計画を立て直すことができます。
なお、遅延損害金や利息の減額だけではまだ返済が難しい場合でも、個人再生手続きなら、元金部分も減額でき、返済負担を大きく軽減させることができます。
一時的に支払いが猶予される
弁護士や司法書士が債務整理を受任したことを債権者に通知すると、手続き方法が決まるまでは返済を一時的に止めることができます。
返済を止めることで、債務者は自分の収入と支出のバランスを把握し、いくらまでなら月々の返済に回せるのかを検討できるのです。
自分の返済可能額によって、債務整理のどの手続きを選択すべきかを弁護士のアドバイスを受けて決めていきます。
督促がストップする
弁護士の受任通知が債権者に到達すると、債権者は債務者に直接コンタクトをとることができなくなり、督促がストップします。
債権者は、代理人がつくと、代理人である弁護士または司法書士をとおして債務者に連絡をとらなければならなくなります。
今まで債権者からの督促に悩んでいた方なら、それだけで精神的に安定して手続きを進められるでしょう。
一括請求や差し押さえを回避できる
弁護士が代理人として就任して債務整理を開始すると、債権者は債務整理の手続きに則り、手続方法が決定するまで請求などをストップさせます。
債務整理をおこなわずにいる場合、滞納が3ヵ月程度になると、債権者は債権を回収するため、一括請求や訴訟提起をしてくることがあります。訴訟にも応じなければ、判決を取られて給料などを差し押さえられることも考えられるでしょう。
弁護士が代理人として債務整理を開始したことを通知すれば、債権者は法律に則って請求行為を止めます。
ただし、長期にわたって債務整理が決まらない場合、債権者から訴訟を提起され、差し押さえを受ける可能性もあります。
借金で抱えていたストレスを軽減できる
債務整理を開始することで、債権者の取り立ても、返済のプレッシャーも一時的に回避することができます。
返済に対する悩みを弁護士や司法書士などの頼もしい専門家に相談できるため、借金によって抱えていたストレスを軽減できるでしょう。
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債務整理を行うデメリット
債務整理には債務負担を減額したり、返済へのプレッシャーや精神的苦痛を軽減したりできるなど、多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
- 信用情報にキズがつく
- 保証人に請求が行く可能性がある
- 債務整理の事実を周囲に知られる可能性がゼロではない
- ローンで購入した物は返還を求められる可能性がある
債務整理全体のデメリットとして最も大きなデメリットは、信用情報にキズがつくことでしょう。これを理由に最後まで債務整理を拒む方もいるかもしれません。
信用情報にキズがつくと、一定期間、新たな借り入れをしたり、カードを作ったりすることができなくなります。今まで使っていたクレジットカードも使えなくなります。いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。
ただし、ブラックリストに載る理由は債務整理だけではありません。少なくとも3ヵ月以上滞納を繰り返し、一括請求を受けた時点で既に信用情報機関に金融事故として登録されています。債務整理だけを避ける理由はないのです。
また、連帯保証人がいる場合は、その人に請求が行くことがあります。同居の家族が保証人になっている場合、その家族も一緒に債務整理をしなければならない可能性も出てくるでしょう。
車などのローンを債務整理すると、残債務を埋めるために現物を回収されてしまうのもデメリットの一つでしょう。
手続き方法によっては、周囲に債務整理をしている事実を知られてしまう可能性もゼロではありません。
よくある債務整理の誤解
債務整理には非常に多くの誤解があり、その誤解のせいで、債務整理に踏み出すことをためらう方も多いでしょう。
以下で、債務整理に対するよくある誤解について解説します。
家族に迷惑がかかる
債務整理で家族に迷惑がかかることは、それほど多くありません。むしろ、借金を滞納したまま何も手を打たなかった場合の方が迷惑や心配をかけてしまうでしょう。
債務整理をして家族に迷惑がかかるとしたら、家族が保証人や連帯保証人になっている場合ぐらいでしょう。ただし、自己破産をした場合は、自宅が自分名義なら債権者への配当原資として没収されるため、同居の家族も含めて引っ越さなければならなくなります。
逆に滞納を続けてしまうと、債権者から何度も督促状が届く、訴訟提起される、給料などの差し押さえを受けるなどして、家族に迷惑がかかってしまうでしょう。
会社に知られてクビになる
基本的に債務整理をしたことを会社に知られる可能性は少ないでしょう。知られたとしても、会社側は債務整理を理由として社員を解雇することはできません。
むしろ、債務整理をせずに滞納を繰り返す事の方が会社に知られる危険性が高くなります。滞納することで訴訟提起され、給料を差し押えられると、裁判所から会社に連絡が行き、毎月会社から直接債権者に給料の一部を振り込まなければならないからです。
同僚や友人、親類にバレる
債務整理をしていることが友人や親類、同僚などにバレてしまう可能性は非常に低いといえます。ただし、自己破産をする場合は、同居の家族には知られてしまうことは避けられないでしょう。自宅の売却によって、引っ越しを強いる可能性があるからです。
それでもバレてしまうのが不安な場合は、弁護士などに伝えておけば、バレにくいように配慮してもらうこともできます。
戸籍に載って結婚できなくなる
債務整理をしても戸籍には載りません。たとえ自己破産をしたとしても、戸籍に記載されることはなく、もちろん手続きが完了していれば、債務整理をしたことを知られずに結婚することも可能でしょう。
かえって債務整理をして借金をきれいにした方が結婚できる可能性が高いかもしれません。
ただし、結婚後すぐに住宅ローンを自分名義で組む場合には審査が通らないため、別の方法を検討する必要があります。
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債務整理を検討するタイミングは?
既に借金返済に負担を感じているとしても、債務整理を具体的に検討するタイミングがわからない、という方も多いでしょう。
まだ自力で返済できると、債務整理をためらっているうちに、滞納が続いて債権者から裁判を起こされてしまうかもしれません。
以下で、債務整理を具体的に検討すべきタイミングについて解説します。
債務整理は早ければ早い方が、基本的には良い
基本的に債務整理は、早く開始すればするほど支払う金額が少なく済み、手続きの選択肢も多くなります。遅くなりすぎると、債権者から一括請求されたり、訴訟提起から差押えに発展する可能性もあるからです。
また、借金が膨らみすぎると、選択肢が自己破産しかなくなってしまうことも十分考えられます。
返済の見通しが立たなくなったら、まだ滞納が始まる前でも、一度専門家に相談することをおすすめします。
債務整理を行なってもいいと考えれるタイミング
以下の項目に当てはまる場合は、そろそろ債務整理を開始すべきタイミングが来ているといえます。まだ心の準備ができていない、という方でも、相談だけは受けてみて、専門家の話を聞いてみるといいでしょう。
- 3社以上から借金をしている(多重債務状態)
- 利息が高く、元金がほとんど減らない
- 返済のために新たな借り入れをすることがある
- 借金の額が年収の3分の1を超えている
- 返済が遅れたことがある
特にリボ払いや消費者金融など、利息の高い債権者3社以上から借り入れをしている方は、多重債務状態に陥っているといえるでしょう。高い利息のせいで元金の返済にほとんど充当されないという方も、いずれ支払不能に陥る可能性があります。
自分の収入だけでは返済ができず、新たな借り入れで返済額を補っている場合は、債務がどんどん膨らむ自転車操業状態に陥っています。新たな借り入れを繰り返していると、いずれ借金の額が年収の3分の1を超え、これ以上の借り入れができなくなります。
貸金業法の「総量規制」により、カードローンやリボ払いなどの借金は、年収の3分の1を超えると新規の貸し付けを受け付けてもらえなくなるからです。
返済を新たな借り入れに頼っている場合は、借り入れができなくなることで、すぐに返済不能に陥ってしまうでしょう。
まとめ
債務整理をする人は、決してクズではありません。借金の額が増え、返済の見通しが立たなくなると、人は現実逃避をしがちになります。しかし、債務整理を決意した人は、借金返済に向き合い、改善しようとする責任感のある人だといえます。
むしろ、滞納を放置する方が無責任といえるでしょう。結局は債務整理をするか、親族などに借金の肩代わりをしてもらうしかないからです。
債務整理をすると一生ブラックリスト入りとか、戸籍に載るので結婚できないなどと思っている方もいますが、それらは誤解です。
また、ブラックリストに載ることを恐れて債務整理を躊躇する方もいますが、滞納が2、3回続いた時点ですでにブラックリスト入りしているため、債務整理だけを恐れる必要はありません。
メリット、デメリットをしっかり理解し対策をしておけば、債務整理で人生を再スタートできるでしょう。
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債務整理に関するQ&A
債務整理をするような自分は人間のクズですか?
債務整理をすることは、借金問題を解決しようとする前向きな姿勢なので、人間のクズではありません。むしろ債務整理をしなければならないのに、やりたくないからと、滞納を繰り返す方が無責任な行為だといえます。
滞納を繰り返せば債権者にも迷惑がかかるし、給料を差し押えられるなどすれば会社にも迷惑がかかります。督促状も自宅に届き続けるし、電話が何度もかかってくるので、同居の家族にも精神的な負担をかけることになるでしょう。
債務整理は、多重債務者が借金を整理して人生の再スタートを切れるように国が認めた制度です。正しく理解し、積極的に活用しましょう。
債務整理をすると、その後の人生はどうなりますか?
債務整理をすると、その後長くて10年間は新たにローンを組んだり、カードを作ったりすることができなくなります。ブラックリストに載っている間に自分の収入の範囲内で生活する癖を身につけましょう。
基本的にそれ以外に大きなデメリットはありません。友人や同僚に債務整理が知られることもまれなので、今までの関係を続けられるでしょう。会社にバレることも基本的にはありませんし、バレたとしても会社は債務整理を理由に解雇することはできません。
同居の家族や保証人には迷惑をかけるかもしれませんが、それ以外は今まで通りの関係を続けられるでしょう。
自分が債務整理をするタイミングになっているかはどのように判断したらよいですか?
債務整理を開始するタイミングは、基本的に以下のとおりです。
✔3社以上から借金をしている(多重債務状態)
✔利息が高く、元金がほとんど減らない
✔返済のために新たな借り入れをすることがある
✔借金の額が年収の3分の1を超えている
✔返済が遅れたことがある
ただし、債務整理は早ければ早いほど返済が楽になります。借金返済に不安を持った時点で弁護士相談しましょう。
最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を
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