債務整理後も利用できるプリペイドカードとは?
プリペイドカードとは、前払い式のカード決済方法です。
債務整理を利用するとブラックリストに登録されるので、債務者名義で発行しているクレジットカードは強制解約されてしまいます。
そこで、債務整理後にカード決済を希望する債務者はクレジットカード以外のカード決済方法を検討する必要に迫られるのですが、その選択肢に挙げられるのがプリペイドカードです。
プリペイドカードの仕組みや債務整理との関係について、以下3項目に沿って解説します。
- プリペイドカードとは与信審査なしで使えるカードのこと
- 債務整理前に使っていたプリペイドカードは継続使用できる
- 債務整理後もプリペイドカードは新規発行できる
それでは、プリペイドカードとはどのようなものか、なぜ債務整理とは無関係に使えるのかについて、それぞれ見ていきましょう。
プリペイドカードとは与信審査なしで使えるカードのこと
プリペイドカードとは、カード決済をする前に購入・チャージした金額分だけカード決済できる仕組みのカードです。
将来購入する金額をあらかじめカードにチャージするので、クレジットカードのように利用者の信用情報が審査されることはありません。
したがって、債務整理後にブラックリストに登録されている債務者でもプリペイドカードなら使えるので、クレジットカードの代替手段として活用できます。
またプリペイドカードの一種として「バンドルカード」という商品があります。アプリをダウンロードして生年月日や電話番号を登録するだけで使える便利なカードなので、興味がある方は債務整理をしても作れるバンドルカードとは?バンドルカード以外に利用できる後払い決済も紹介も併せてご覧ください。
債務整理前に使っていたプリペイドカードは継続使用できる
債務整理前からプリペイドカードを使っている場合、債務整理後もそのままプリペイドカードを継続使用できます。
なぜなら、債務整理で強制解約されるのはカード利用者の信用情報が問われる債務者名義のクレジットカードだけで、利用者に対する与信審査が行われないプリペイドカードの有効性には一切影響がないからです。
したがって、債務整理後も今までと変わらずにプリペイドカード決済できるのでご安心ください。
自己破産でプリペイドカードが処分される可能性がある
ただし、債務整理前から使用しているプリペイドカードについては、債務者が自己破産で借金問題の改善を図る場合にだけ注意が必要です。
なぜなら、自己破産では自由財産以外の債務者の財産が処分されて債権者に配当されるのですが、プリペイドカードの残高次第では自己破産手続きの中で処分される可能性があるからです。
自己破産で債務者が手元に残せる自由財産は、金銭的価値20万円を基準に決定されます。
つまり、プリペイドカード残高が20万円以上の場合には、他の銀行口座の預金状況などを考慮して一定額が処分される可能性があるのでご注意ください。
債務整理後もプリペイドカードは新規発行できる
債務整理後ブラックリストに登録されている間でも、プリペイドカードの新規発行は可能です。
なぜなら、プリペイドカードの発行時には与信審査が行われないので、信用情報機関に登録されている事故情報は影響しないからです。
したがって、債務整理を利用した債務者もプリペイドカードでカード決済ができるので、キャッシュレス社会の利便性を享受しながら生活再建を目指すことができます。
プリペイドカード以外にも債務整理後に使えるカードがある
債務整理後ブラックリストに登録されている間でも使えるカード決済方法は、プリペイドカード・デビットカード・家族カードの3種類です。
- プリペイドカード:事前に購入・チャージした金額分だけカード決済できる
- デビットカード:カードに紐付けられた口座残高を上限にカード決済できる
- 家族カード:本会員が所有するクレジットカードの付帯サービスとして家族も利用できるカード
以下では、プリペイドカード以外の2つのカード決済方法について整理します。
デビットカード:カードに紐付けられた口座残高を上限にカード決済できる
デビットカードは、カードに紐付けられた口座から即時に決済額が引き落とされる仕組みのカード決済方法です。
つまり、口座残高が決済額に満たなければカード決済ができないので、債務整理後にお金を使い過ぎる心配がないというメリットが得られます。
他方で、デビットカードが使える場面は近年増えているとは言え、クレジットカードほど使用できる場面は広くありません。
また、分割払い・リボ払いは選択不可で、公共料金や携帯電話の使用料金の引き落としにも使えないことが多いので、利用時には注意が必要です。
家族カード:本会員が所有するクレジットカードの付帯サービスとして家族も利用できるカード
家族カードは、本会員名義で発行されているクレジットカードの付帯サービスとして利用できるカードです。
債務者名義のクレジットカードは債務整理で強制解約されますが、債務者の家族が本会員として発行しているクレジットカードは依然使えるままです。
したがって、債務整理を利用した後も家族が本会員のクレジットカードの家族カードを利用すれば、債務整理前と同じようにクレカ決済ができることになります。
ただし、家族カードは本会員の責任で利用するものなので、債務者が家族カードを使い込んでしまった場合には本会員の信用情報に傷が付くおそれがあるので、本会員に迷惑がかからないように注意して使用しましょう。
ブラックリスト登録後も使えるプリペイドカードの特徴とは?
ブラックリストに登録されている債務者でもプリペイドカードを利用すればカード決済が可能になりますが、プリペイドカードにはクレジットカードとは異なる特徴があるので、メリット・デメリットに配慮して日常生活で活用する必要があります。
そこで、プリペイドカードの特徴について、以下2項目に沿って解説します。
- プリペイドカードのメリット
- プリペイドカードのデメリット
それでは、プリペイドカードの特徴について、それぞれ見ていきましょう。
プリペイドカードのメリット
プリペイドカードのメリットとしては、以下3項目が挙げられます。
- ①前払いなのでカード決済限度額が決まっている
- ②サービス特化型のカードが多いので還元サービスが豊富
- ③新規発行時に審査がない
以下では、プリペイドカードの各メリットについて解説します。
①前払いなのでカード決済限度額が決まっている
プリペイドカードは前払い式のカード決済方法なので、カードの決済限度額が決まっており、支払い能力を超える債務を負担する心配がなくなるというメリットが得られます。
家計の管理や支出のこまめなチェックが苦手だという債務者は少なくないはずです。
しかし、債務整理後に生活再建を行うためには、収入に見合った支出を行う必要があります。
プリペイドカードならお金を使い過ぎる心配がないので、強制的に支出額を抑えることができるでしょう。
②サービス特化型のカードが多いので還元サービスが豊富
プリペイドカードは店舗や業界が独自に発行しているものが多いので、利用者への還元サービスが豊富な傾向があります。
例えば、nanaco、WAON、楽天Edyなどの流通系のプリペイドカードなら、加盟店で高利率のポイント還元を受けられる、会員に特典サービスを提供するなどのメリットが得られます。
また、Suica、ICOCA、PASMOなどの交通系のプリペイドカードなら、割引価格で切符を購入できたり、加盟店で特典ショッピングポイントが付与されたりします。
この他にも、店舗独自のプリペイドカードを発行しているケースや、海外ATMで現金を引き出せる国際カードブランド付きプリペイドカードなども展開されています。
以上のように、利用者のニーズに応じてお得感の強いカードが多数市場に流通しているので、生活スタイルに合ったものを活用して生活再建に役立てましょう。
③新規発行時に審査がない
プリペイドカードは前払い方式のカード決済が採用されているので、新規発行時に申込者の信用情報がチェックされません。
したがって、債務整理を利用してブラックリストに登録されている債務者でも簡単に新規発行ができるので、積極的にご活用ください。
プリペイドカードのデメリット
プリペイドカードのデメリットとしては、以下2項目が挙げられます。
- ①頻繁にチャージする手間がかかる
- ②分割払いや自動引き落としができない
以下では、プリペイドカードの各デメリットについて解説します。
①頻繁にチャージする手間がかかる
前払い方式が採用されているので使い過ぎを防ぐことができるプリペイドカードですが、その代償として、頻繁にチャージ・購入する必要があるので手間がかかるというデメリットが生じます。
カード決済が普及しているのは、わざわざ現金を出さなくてもスムーズに支払いができるからです。
しかし、プリペイドカード決済ではスムーズなカード決済を行うために前払いをするという手間をかける必要があるので、カード決済の利便性はそがれてしまいます。
ただし、事前チャージというワンクッションを置くことでお金を簡単に使わない習慣が定着すると考えられるので、生活再建を目指す債務者にとってはメリットがあると捉えることもできます。
②分割払いや自動引き落としができない
プリペイドカードでは分割払いや月額固定費の自動引き落としができません。
デビットカードと同様に、プリペイドカードは利用者の信用情報を問わずに活用できるカードだからです。
したがって、債務整理後の生活におけるメインのカード決済方法としてプリペイドカードを選択すると使いにくい場面が少なからず生じるので、現金払いをメインの決済方法にしつつ特典を受けられる場面でプリペイドカードを上手に取り入れるのがおすすめの方法です。
まとめ
債務整理を利用してブラックリストに登録されている間もプリペイドカードを活用すればキャッシュレス決済が可能です。
ただし、プリペイドカードは使える場面が限定的なので、債務整理後の生活再建に役立ちそうな場面だけで活用しましょう。
例えば、「頻繁に利用するスーパーで使えるプリペイドカードで高いポイント還元をお得に活用しつつ、それ以外の支出は現金払い」にすると、分かりやすい形で家計管理が達成できますし、スーパーの買い物の節約にも繋がります。
このように、プリペイドカードはサービス特化型のカードが多いので、生活再建に役立てる形で活用しやすいものです。
それぞれのライフスタイルに即したプリペイドカードを見つけて早期に生活再建を実現しましょう。
ブラックリストに関するよくある質問
ブラックリストに載っていても、プリペイドカードなら利用できると聞きましたが本当ですか?
はい、本当です。
プリペイドカードは与信審査がないので、債務整理直後でも新規発行ができます。
プリペイドカードとは、どのようなカードなのですか?
プリペイドカードとは、事前に入金・チャージした金額を上限に支払いに使えるカードのことです。
ブラックリストに載っている間は、後払い式のキャッシュレス決済は利用できないのですか?
バンドルカードのポチっとチャージや、NP後払いなどは利用が可能です。
ただし、使える範囲や限度額が低いといったデメリットはあります。
ブラックリストに載ってクレジットカードが使えないくらいなら、債務整理はしないほうがよいですか?
自力で返済可能な状況なら、債務整理はしなくてもよいでしょう。
しかし、返済が難しいのなら債務整理は検討するべきです。
ブラックリストに載るよりも、借金を滞納するリスクの方が大きいといえます。
まずは一度、弁護士の無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。
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