ペットローンの不払いによってペットが没収されてしまうことはあるのか?
ペットローンの不払いによってペットが没収されることを心配している人も多いと思いますが、実際の金融機関の傾向としては、ペットを没収することはレアケースであると考えられます。
ペットローンの返済不能でペットが没収されるのはレアケース
ペットローンを滞納し続けると、最終的に給料や財産を差し押さえされることは事実ですが、ペットまで差し押さえの対象となるかというと、その可能性は低いと考えられます。
優先的に差し押さえられるのは、まず給料であり、その次に財産という順番が一般的ですが、財産の中でも現金や不動産といった財産が差し押さえされやすい傾向にあります。
その理由は主に2つあり、1つは、ペットは家族とみなす道徳的な観点で、もう1つは生き物の換価にはコストがかかる上、価値を定めにくいからという理由です。
特に成犬や成猫は市場価値が低い上、引き取りにコストもかかるため、差し押さえられにくいと考えられます。
換価価値のあるペットは差し押さえの対象となる可能性がある
ただし金銭的価値が高く換価の簡単なペットは、差し押さえの対象となる場合もあります。
たとえば市場価値の高い珍しい品種や一定数の愛好家がいる爬虫類や虫、エキゾチックアニマル(珍獣)といったペットの場合は差し押さえの対象となる可能性があると考えられます。
ペットローン滞納から差し押さえまでの流れ
では、ローンを滞納してから差し押さえになるまでの流れを時系列で見ていきましょう。
簡単に流れを説明すると、以下のとおりです。
- 電話での督促
- 書類での督促
- 内容証明郵便の送付
- 一括請求書の送付
- 期限の利益を喪失
- 差し押さえ
電話による督促
まず、滞納すると数日でオペレーターによる督促電話が入るのが一般的です。
このとき、電話に出て支払期日を伝え、そのとおりに支払えば問題ありません。
電話にちょうど出られなければ、折り返して期日を相談しましょう。
この時点で、すぐにローン会社から訴えられるということはありません。
単純に支払いを失念していて、口座にお金を入れていなかったというケースも考えられるためです。
なお、督促の電話をあえて無視するのはかえって逆効果です。
ローンの回収に向けて先方に動き出されてしまうため、しっかり電話に出て事情を伝えましょう。
返済期日から1ヶ月を過ぎると内容証明郵便が送られてくる
返済期日から1ヶ月を過ぎると、内容証明郵便が送られてきます。
内容証明郵便とは、「いつ」「どんな内容の文書が」「誰から誰あてに差し出されたのか」を郵便局が証明してくれるサービスです。
この時点でも、まだ交渉の余地はあります。
郵便物に記載の連絡先へすぐに問い合わせて返済期日を交渉すれば、返済期日に猶予をもらえる可能性があります。
ただし内容証明郵便は、裁判においてローン滞納や返済の事実を証明するのに有効な書類です。
つまり内容証明郵便が届いたということは、相手は裁判を起こす準備をしている可能性が高いため、裁判前の最後の警告だととらえて早急に対処するのが賢明といえます。
できれば内容証明郵便が届く前に、ローン会社に連絡して返済の相談をしておくのがベストでしょう。
返済期日から2ヶ月を過ぎるとローンの一括請求が届く
返済期日から2ヶ月を過ぎる、または督促を受けた後に話し合いで決めた指定の期日に返済できなかった場合、ローン代金の一括請求書が届きます。
この書面が届いてしまうと、その後に契約者が直接債権者と交渉しようとしても、応じてもらえない可能性があります。
また、話し合いには応じてくれたとしても、分割に応じてくれる債権者もいれば「絶対に一括で支払ってもらいたい」という強硬姿勢の貸金業者もいます。
なぜ分割払いでなく一括支払いが求められるのか、その理由はこの後ご説明します。
期限の利益を喪失し、ブラックリストに掲載
内容証明郵便で指定された日に返済をしない、または話し合いによって決めた日に返済しない場合、期限の利益を喪失したと見なされます。
期限の利益とは、期限によって契約者が受ける利益のことです。
つまりペットローンは月々の返済期日という一定の期限が設けられていることで、契約者は支払いに猶予をもらっていることになります。
しかし定められた期限通りに返済しないと、この期限の利益が喪失し、ローンという形での支払いができなくなってしまうのです。
期限の利益が失われると信用情報に傷が付き、いわゆるブラックリストに載った状態になります。
そして、債権者に裁判を起こされれば、ペットローンの残高に相当する財産が差し押さえられる恐れもあるのです。
ペットローンが払えなくなったら考えるべき対策
ペットローンは、払えないからといって借り逃げできるものではありません。たとえペットを里親に出したとしても、債務は自分に残ります。
今後支払いが続けられるように、以下のような対策を考える必要があります。
まずは収支の見直しを
まずは自分で収支の見直しをしてみましょう。
特に現在よりも抑えられる支出はないか、検討することが重要です。
たとえば外食や買い物を控えるといった、ちょっとした工夫でペットローンの代金を捻出できるかもしれません。
継続的な節約を目指すなら、スマホプランや電力会社を切り替えるなどといった工夫もおすすめです。
借金まみれで生活できない!助かるための3つの方法について
ペットにかける医療費や世話の費用は最低限確保する
支出を減らすといっても、ローンを支払うためにペットの飼育にかかる費用を削るのでは本末転倒です。
できる範囲で節約をしつつも、ペットにかけるエサ代や医療費、飼育用品などにかかる雑費は最低限確保しましょう。
なおペットの怪我や病気を治療せずに放置することや、エサや水を与えるなど必要最低限の世話を怠ることは動物愛護法において「動物虐待」と定義されています。
動物を虐待した場合、動物愛護法違反として1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科される場合も。
ペットにも人間と同様、一定水準の生活を提供してあげる必要があります。
参照:動物の愛護と適切な管理|環境省
医療費やエサ代等が払えない場合は里親に出すことを検討
もしペットに対して適切な世話ができないほど生活が苦しい場合、ペットを飼い続けるべきではありません。
飼育環境が悪くなり、ペットに身体的な悪影響が出てしまう前に、里親に出すことを検討しましょう。
ペットを里親に出すのは非常に悲しいことですが、経済的に苦しい状況を続けることは自分にとってもペットにとっても良くありません。
事実、ペットを里親に出せば医療費やエサ代がかからなくなり、生活の負担を減らして家計の立て直しが図れます。
なお、個人でも利用できる里親募集サイトは複数あり、中でも利用者が多くおすすめのサイトは以下のとおりです。
参照:いつでも里親募集中
参照:ペットのおうち
参照:anifare(アニフェア)
自分で譲渡条件を付け、納得のいく飼い主さんにペットを引き渡すことができます。
上記サイトは犬や猫がメインですが、鳥や小動物、爬虫類の場合はジモティーなども利用できることがあります。
参照:ジモティー
ただし、里親に出すことでペットローンの返済義務がなくなるわけではありません。
ペットがいなくなり家計に余裕はできるものの、ペットローンの返済は続くため、注意が必要です。
なお引き取り手となる里親から任意の金額を受け取ることも可能ですが、あまりに高額だと里親は中々見つからない可能性が高いので注意してください。
里親募集は慎重に
里親は、大切なペットが第二の人生を一緒に歩むパートナーです。
そのため、より愛情をもって育ててくれる人を慎重に選定しましょう。
特に、SNSは相手がどのような人か分からないため、里親募集に利用するのは控えましょう。
中には虐待や転売を目的にペットを欲しがる人もいます。
小動物や鳥の場合、他の大型ペットのエサを探すために里親に名乗り出る人もいるようです。
そのため、相手と会ったり話したりしてから里親を決められるシステムのサイトを利用するのが一番です。
また、動物愛護団体や動物病院が関与している里親募集サイトもおすすめ。
できるだけ相手をよく吟味できる、安全性の高いサイトを利用しましょう。
家にあるものを売って換価する方法もある
ペットローンの支払いが難しい場合、家にあるものを売ってお金にするという手もあります。
ペットローンは、1月あたり数千円単位から組めるものも多数。
たとえばメルカリで服を数着売るだけで、当月分の返済をカバーできる場合もあります。
売れるものは、服だけではありません。
ゲームやCD、スポーツ用品やアウトドアグッズ、使わなくなった家電などお金になるものはさまざまです。
出産や子どもの就学など、一時的に出費が膨らんだことでペットローンの支払いが難しい場合は、こうした方法で返済を乗り越えるのもおすすめです。
一時的に払えないだけなら即日融資のカードローンを使う手も
一時的な出費が重なって支払いが難しいだけなら、カードローンを使ってしのぐという手もあります。
ただし経済的に苦しい状態が長く続く場合、この方法はおすすめできません。
なぜならカードローンを組めばその月のペットローンは返せるものの、その後はカードローンの返済が待っているからです。
ペットローンと並行してカードローンの返済も続ける必要がある上に、カードローンの利息が返済額に上乗せされ、より生活が圧迫されてしまいます。
ペットローンに限らず、本来借金を借金で返済すると利息ばかりが増え、余計に返済が難しくなる傾向にあります。
そのためカードローンの利用は、短期的な返済が見込める時のみ使える手段です。
たとえば来月にボーナスが出る場合や、出費の多いタイミングが去って再び生活に余裕ができ一括返済できそう、など返済の目途が立つならカードローンを利用しても返済が長期化することはありません。
なおカードローンでなく、家族に一時的にお金を借りるという手もあります。
家族に借りれば利息を支払う必要がなく、ある程度返済期間にも融通が利くでしょう。
滞納してしまいそうな場合はローン会社に直接相談
ペットローンの返済を滞納してしまいそうな場合は、事前にローン会社に連絡を入れ、事情を説明しましょう。
こちらの事情が分かり、返済する意志があることを理解してもらえれば、返済期日に猶予を設けてくれる場合もあります。
なお無断で滞納するとローン会社は返済の踏み倒しを恐れ、ローン代金の回収にむけて法的手段に出ます。
先述のとおり、法的手段に出られた場合、こちらの対応が後手に回るほど、ローン会社との交渉は難しくなるものです。
そのため、できるだけ早いタイミングでペットローンの返済が難しいことを伝えましょう。
どうしても支払いが難しければ債務整理を検討
節約をしても、ペットローン会社に相談してもなお返済の予定がまったく立たない場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理とは、ペットローンを含む借金を減額、または免除してもらえる法的な手続きです。
なお、債務整理の種類は以下の3種類です。
それぞれの手続きについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
〈借金返済に疲れた方へ〉借金生活から抜け出すための適切な方法について
先述のとおり、ペットローンの返済を滞納し、督促が来ても放置すると強制執行がおこなわれます。
そうなる前に債務整理すれば、財産をローン会社から自動的に奪われることはありません。
ローン会社と交渉して利息を減らした上で返済計画を立て直したり、返済額を元金から大幅に減額したりすることも可能です。
債務整理の中でも特に任意整理なら、任意に減額したい借金を選べます。
つまり他にも借金があれば、ペットローンを避けて借金を減らすこともできるのです。
債務整理にはそれぞれメリットがあるため、自分の経済状況に応じて最適な手続きを選ぶ必要があります。
なお手続きには3ヶ月~1年を要するため、行動は早いに越したことはありません。
法テラスや弁護士・司法書士事務所に相談の上、自分に合った手続きを進めましょう。
まとめ
ペットローンが払えなくなっても、ペットが没収されることはまれです。
しかし、ペットローンが支払えない経済状況で、ペットを飼育し続けるのは難しいといえます。
最悪の場合、飼育費用が捻出できなくなり、ペットを里親に出すことも検討しなければなりません。
そのため、ペットローンの支払いが難しいと感じたら、ローン会社への相談や債務整理など、早急に家計を立て直す策を検討しましょう。
家計に余裕が生まれることは自身とペット、両方の幸せにつながるはずです。
最短即日取立STOP!
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