借金まみれで生活できないときの対処法
借金まみれで生活できないとき、毎月何度もやってくる返済日へのストレスや生活費不足からもたらされる不安が原因で気持ちが落ち込んでしまうのは仕方のないことです。
だた、借金が原因で生活するためのお金さえ用意出来ない状況なら、今すぐに明日からの生活のために抜本的な対策を講じる必要があります。
そこで、借金の状況にあわせて次の3つの選択肢を活用し、借金問題と生活基盤の整備に集中することを強くおすすめします。
- 返済状況を見直して借金生活の立て直しを目指す
- 自力での立て直しが難しいなら公的支援を受ける
- どうしても借金問題を解説できないなら、最終手段として弁護士に債務整理を依頼する
いずれの方法も、生活基盤を整えて借金問題を解決する、そして、将来に向けて人生をリスタートさせるために役立つものです。それでは、それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。
なお、借金地獄から抜け出す方法については以下の記事でも解説しています。あわせて参考にしてください。
返済状況を見直して借金生活の立て直しを目指す
借金まみれで生活できないという債務者のなかには、生活費・返済資金・公共料金や家賃などの固定費の出入りを正確に把握できていないという人もいるでしょう。
日々の生活をしっかりと送りながら借金の返済を続ける場合、明らかに収入が不足しているなら困窮状態におちいるのも無理はありません。しかし家計管理をサボっていることが原因で生活・返済に支障が出ているのなら、自分の努力次第で生活を立て直せる可能性があります。
ぜひ実践してもらいたいのは、次の4つのステップです。
- 家計簿をつけて毎月の収入・支出を整理する
- 現在の債務状況を整理して完済までの返済計画を把握する
- 収入を増やして支出を節約する
- 返済額の増額・繰上返済など、完済するための方法を実践する
各ステップの重要ポイントや注意点について、それぞれ見ていきましょう。
家計簿をつけて毎月の収入・支出を整理する
まずは、家計簿をつける・家計簿アプリを利用するなどして毎月の収入・支出を正確に把握しましょう。お金の出入りを整理できなければ、万全の状態で生活費・返済額を用意できないためです。
収入と支出を項目別に分け、分かりやすい形で整理しましょう。
- 収入:給与や公的融資制度の利用分など
- 支出:家賃・住宅ローン・光熱費やスマホ代といった固定費・食費・交際費など
なお、ある程度余裕をもって借金生活を送るためには、毎月少しでも貯金をする必要があります。借金生活を送るなかでどれだけの貯金をすべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
現在の債務状況を整理して完済までの返済計画を把握する
次に、借金総額・毎月の返済日・返済額・完済までの返済計画を把握するのがポイントです。なぜなら、「完済」というゴールが見えたほうが返済のモチベーションは高まり、より完済しやすい返済計画を作ることに役立つためです。
ただ、返済が長期化していたり多重債務状態におちいっていたりする債務者のなかには、「自分がどこからどれだけの借入れをしているか」が分からなくなっている人も少なくないでしょう。
自分の債務状況が知りたい場合は、信用情報機関(KSC・JICC・CIC)に問い合わせるのがおすすめです。信用情報機関はすべての債務者の信用情報・借入れ状況を管理しているので、現在の借金残債を把握できます。
収入を増やして支出を節約する
毎月の収支・債務状況が分かったら、次は完済に向けて以下のことを考えてください。
たとえば、不必要な生命保険は解約する・携帯料金を格安スマホに変更をするなどすれば、毎月の支出を減らせるはずです。生命保険に関しては、商品によっては解約返戻金が戻ってくることもあります。
また、以下の方法を実践すれば、手元のお金を増やすこともできるでしょう。
- 資格を取得する
- 副業を開始する
- 自宅にある不用品を処分するなど
ここで重要なのが、ここまでの努力を重ねた結果、「毎月の返済額を除いた残額で健全な生活を送れるか」を判断することです。債務者自身の努力で家計管理をして無理なく完済できる環境が整うなら、このまま完済までしっかりと返済を続けましょう。
しかしどれだけ努力をしても生活費が足りない状況なら、自力で完済するのは難しいかもしれません。できるだけ早く弁護士に債務整理を依頼してください。まずは無料相談を利用して、どうすればよいかアドバイスをもらいましょう。
完済するための方法を実践する
適切な収支管理によって健全な生活を送りながら借金の返済を継続できるなら、家計が落ち着いたタイミングで完済するための方法を実践しましょう。
消費者金融などからの借り入れは、年利10%以上の高い利息が債務者を苦しめる原因となっています。次の方法を実践すれば返済期間を短縮できるため、債務者を圧迫する要因である「利息の発生」を大幅に抑えられるはずです。
- 毎月の返済額を増額:増額分だけ返済期間を短縮できる
- 繰り上げ返済:翌月分以降の支払いをすべて元本に充当できる
- 一括返済:ボーナス月などにまとめて借金生活を終わらせられる
このように、毎日・毎月の家計管理から着実に実践できれば、最終的には予定よりも早く借金生活を終わらせられる可能性もあります。完済できるだけの余裕がある債務者は、めげずに毎日努力を積み重ねましょう。
おまとめローンは最終的な利息負担額が大きくなるリスクがある
一般的に、返済状況を楽にする方法として「おまとめローンへの借り換え」が推奨されることがあります。
おまとめローンとは、複数の借金を一本化できる商品のことです。毎月の返済額を減らせるため、目先の返済負担を軽減できるというメリットがあります。
借金まみれで生活できない債務者にとっては、毎月の生活費に余裕をもたせられるという点が魅力にうつるでしょう。
ただし注意したいのは、「おまとめローンに借り換えたところで借金総額自体が減ることはない」という点です。
さらに、毎月の返済額が減額されるということは、完済までの返済期間が従来よりも長期化することを意味します。これでは、最終的に債務者が負担する利息総額が増えるだけです。
したがって、借金まみれの生活から抜け出す方法としておまとめローンを利用するのは、適切な方法ではないと考えられます。
自力での立て直しが難しいなら公的支援を受ける
怪我や病気で収入が減ってしまった、仕事を失ってしまったなどで、借金の返済が難しくなってしまった債務者もいるでしょう。
行政の福祉支援制度等を利用すれば、生活費不足などで困窮している債務者でも生活基盤を確保することができます。
もちろん、次の各制度を利用するにはそれぞれ条件等を充たす必要がありますが、行政の支援を受けて生活基盤を確保することができれば、就職活動や収入アップのための転職活動・資格取得を目指す余裕も生まれるでしょう。
利用できる行政サービス |
内容 |
生活保護制度 |
資産・就労能力などを総合的に考慮して、自力では最低限度の生活さえできない人に生活資金等を提供してくれる制度。各自治体の福祉事務所が相談窓口。 |
生活福祉資金貸付制度 |
総合支援資金として一時的な援助。福祉資金・教育支援資金などの貸付け。 |
教育一般貸付 |
子どもの教育費(入学金・教材費等)のために必要なお金を借りられる。比較的要件は緩やか。 |
母子父子寡婦福祉資金貸付 |
ひとり親世帯の経済支援。生活資金・教育費などを幅広く貸付けてくれる。 |
求職者支援資金融資制度 |
失業中・求職中の人が対象。訓練制度や給付金制度が用意されているので、お金をもらいながら就職活動できる。 |
年金担保貸付制度 |
年金だけでは生活できない人のための公的支援制度。年金を担保にして融資を受けられる唯一の合法の制度。 |
このように、さまざまな制度があります。
「生活保護制度」については、親族などへの照会ルールが緩和されるなど、お金に困っている人が利用しやすい環境が整えられています。まずは、自分が要件に該当するかを確認しましょう。
市役所に相談すればお金の問題全般を相談できる
行政の福祉支援制度は幅広い人に向けて用意されていますが、「自分はどの制度を利用できるのか」「どのような条件・手続きを踏めば制度を利用できるのか」を判断するのは簡単ではありません。
特に、借金まみれで生活できない状況では、ゆっくりと複雑な制度について調べる心の余裕もないでしょう。ひとり親世帯・母子家庭・仕事を解雇されたなど、現実的な問題を考えるだけで手一杯のはず。
そこで、借金まみれの生活から何とか抜け出したいのなら、まずは市役所に足を運んで相談をしてみるのがおすすめです。
各自治体によって条件・曜日などは異なりますが、たいていの自治体において無料で借金問題・生活費の不安などを相談できる窓口が用意されています。
具体的な対処法を教えてもらえるだけでなく、「誰かに生活不安を相談できた」という安心感も得られるはずなので、まずはお住まいの自治体までお問い合わせください。
借金について市役所に相談をする場合の相談内容やメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
借金問題の相談は市役所ではなく法律の専門家へ
市役所なら無料で借金問題などを相談できますが、市役所は実際に解決に向けた手続き等をサポートしてくれるわけではないという点にご注意ください。
市役所ができるのは、利用できる福祉支援制度等の説明や、借金問題解決のための方向性を提示することだけです。借金問題を解決するための手助けまで求めるのなら、弁護士に相談をするのがおすすめです。
弁護士に相談するとなると相談料などの費用が心配な人も多いかもしれませんが、無料相談を実施している弁護士事務所も多いです。市役所に相談するよりもスムーズに生活再建に踏み出すことができるので、どうぞお気軽に弁護士までご相談ください。
弁護士に債務整理を依頼した場合のメリットについては次章で詳しく解説します。
どうしても借金問題を解決できないなら弁護士に債務整理を依頼する
「借金の返済が追いつかない」「消費者金融に支払いをすると生活費がなくなる」「これ以上自分だけで努力を重ねるのは難しい」などの危機的な状況に置かれているのなら、すみやかに弁護士まで債務整理をご相談ください。
債務整理とは、裁判所の手続きや債権者との交渉を通じて、債務の負担を軽減することをいいます。「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つの手続きが用意されており、各債務者が自分に適した方法で借金まみれの生活からの脱出を狙えます。
もっとも、各債務整理手続きには以下のような特徴があります。債務者自身では適切な手続き選択ができないおそれがあるので、必ず弁護士に相談をして効果的な方法を提案してもらいましょう。
|
自己破産 |
個人再生 |
任意整理 |
メリット |
・原則すべての借金を免責できる
・無職、フリーターでも利用できる |
・借金総額を大幅に減額できる
・財産が処分されることはない
・住宅ローン返済中の自宅も残せる |
・将来利息をカットできる
・裁判所を利用しないので手続きが楽
・家族にバレにくい
・対象の債務を選べる |
デメリット |
・財産が処分される(自由財産以外)
・職業制限を受ける場合あり
・免責不許可事由があると借金が残る可能性がある
・手続きに時間がかかる |
・一定の安定した収入が必要
・債権者による決議が必要
・手続きに時間がかかる
・保証人に迷惑がかかる |
・借金減額効果が(比較的)弱い
・一定の収入が必要
・債権者の同意が不可欠 |
法律のプロである弁護士の力を頼れば、次の3つのメリットが得られます
- すぐに借金取り立てや返済がストップする
- 債権者とのやりとりを丸投げできる
- 債務整理の費用を心配する必要がない
それぞれ解説します。
弁護士に債務整理を依頼すれば今すぐ借金取り立てや返済がストップする
弁護士に債務整理を依頼すれば、取り立てや返済がストップします。
依頼を受けたあと弁護士が債権者に対して送付する「受任通知」には、取り立てを止める効力があるためです。その効力は債権者が受任通知を受け取ったときから発生し、取り立てが止まるだけでなく返済もストップします。
つまり、「弁護士に債務整理を依頼する=督促ストレスから解放される」ということです。毎月の返済額を用意する必要がなくなるため、返済がストップしている間に生活を立て直すことも可能でしょう。
借金まみれの生活から抜け出すために重要なのは、生活を再建するためのモチベーションを維持することです。
繰り返し行われる取り立ては、借金をしている人にとって大きなストレスになります。なかには、取り立ての電話に怯えて暮らしてきたという人もいるでしょう。債務整理にはデメリットもあるためよく検討する必要はありますが、弁護士に債務整理を依頼することで一息つけるのではないでしょうか。
日々の生活にも困っているという場合は、今すぐに弁護士の力を頼るのがおすすめです。
弁護士の「受任通知」については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
債権者とのやりとりを丸投げできる
弁護士に債務整理を依頼したあとは、弁護士に債権者とのやりとりをすべて丸投げできます。債権者との交渉は弁護士が行ってくれるうえ債権者から直接連絡が入ることもなくなるため、心穏やかに過ごせるでしょう。
また、事務所によっては支払いを事務所経由で行ってくれる「返済代行」が可能な場合もあります。
債務整理のうち「任意整理」と「個人再生」については支払義務が残るため、手続きが完了すると支払いが再開します。債務整理後の支払いは、債権者に直接振り込むのが原則です。債権者が複数いる場合は、それぞれに対して振り込みます。
借金まみれになった結果債務整理を選択した人のなかには、何年にもわたって支払い続けるのが不安な人もいるでしょう。
返済代行を依頼する場合、毎月欠かさず弁護士事務所に支払う必要があり、代行手数料もかかりますが、債権者が何社であろうと返済窓口を事務所に一本化できます。つまり、債務整理の依頼から完済まで、債権者と直接やりとりすることなく問題解決を目指せるということです。
何より、弁護士事務所とのつながりが債務整理後も続くため、何かあったときに相談できる点も大きなメリットといえるでしょう。
債務整理の費用を支援する制度が用意されている
債務者のなかには、「債務整理の費用・弁護士費用が用意できないから依頼できない」という人も少なくはないでしょう。
確かに、債務整理を利用するには一定の費用が必要です。裁判所への予納金・弁護士費用など、最低でも数万円~数十万円かかります。
ただし、借金まみれで困窮している債務者が債務整理を利用する場合には、次のようなサービス・支援制度が用意されています。そのため、費用面について過度に不安に感じる必要はありません。
- 借金問題の相談無料
- 債務整理に必要な弁護士費用の分割払い対応
- 法テラスの民事法律扶助制度
生活に困窮している人に特におすすめなのが、「法テラスの民事法律扶助制度」です。利用するには収入・資産などの要件を満たす必要がありますが、要件をクリアすれば弁護士費用を立て替えてもらえます。
そもそも、債務整理は借金苦でお金がない人を救うための制度です。つまり、「お金がないから債務整理できない」などと考える必要はありません。必ず生活を立て直すためのスタートラインに立つことができます。
借金問題が今以上に深刻になる前に、弁護士に相談するようにしましょう。
法テラスの利用条件や費用面の対策については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
参照:弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ|法テラス
「借金まみれ」とはどんな状態?
以下の3つのうち、いずれかの状態にあてはまっている場合、「借金まみれ」におちいっている可能性があります。どうすればこの状態を抜け出せるか、早急に対策法を考える必要があるでしょう。
- 返済しても借入残高が減っていかない
- 2社以上から借入を繰り返している
- 借入総額が年収の3分の1を超えている
それぞれ解説します。
返済しても借入残高が減っていかない
借金まみれの状態になっている場合、「いくら返済しても借入残高が減っていかない」という状況になります。借入総額に比例して利息も高額になり、返済してもその多くが利息に充当されてしまうためです。
たとえば、100万円を金利15%で借入し、50回で支払う場合のケースを見てみましょう。
回数 |
毎月の返済額 |
元金分 |
利息分 |
借入残高 |
1回 |
2万7,017円 |
1万4,517円 |
1万2,500円 |
98万5,483円 |
2回 |
2万7,017円 |
1万4,699円 |
1万2,318円 |
97万784円 |
3回 |
2万7,017円 |
1万4,883円 |
1万2,134円 |
95万5,901円 |
4回 |
2万7,017円 |
1万5,069円 |
1万1,948円 |
94万832円 |
5回 |
2万7,017円 |
1万5,257円 |
1万1,760円 |
92万5,575円 |
上記のケースでは毎月3万円近く支払っているにもかかわらず、借入残高はその半分程度しか減っていません。
残高が減っていくにつれて利息も減っていくため、順調に返済していけばいつかは完済できるでしょう。しかし、借入を繰り返し残高が減らない状態におちいると高額の利息を支払い続けることになり、いつまで経っても借金が返済できません。
2社以上から借入を繰り返している
2社以上から借入をする「多重債務」の状態になっているケースも、借金地獄におちいっている人の典型例です。
注意すべきは「A社への返済のためにB社から借入をし、B社への返済のためにC社から借入をする」というような状態が当たり前になってしまうことです。この場合、返済分にも借り入れたお金にも利息がかかるため、毎月返済をしているのに借入残高が減らないどころか、むしろ借入総額が膨らんでしまいます。
借入ができるうちは、綱渡りのような状態でもなんとか返済していけるかもしれません。
しかし限度額に達し借入ができなくなると、一気に返済困難な状況になる可能性があります。自力での立て直しは難しいでしょう。
借入総額が年収の3分の1を超えている
「借入総額が年収の3分の1を超えているかどうか」も、借金地獄におちいっているかどうかの目安の1つです。
賃金業法で定められている「総量規制」でも、「年収の3分の1を超える借入」を過剰貸付として制限しています。
【総量規制とは】
賃金業者から借入できる金額の上限を制限するための法律。年収の3分の1を超えて借入できないと定められている。
たとえば年収240万円の人であれば、80万円が上限です。
ただし、総量規制の対象になるのは消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングです。銀行や信用金庫からの借入は対象になりません。
そのため、銀行や信用金庫からの借入を含めて年収の3分の1を超える借入をしているケースもあります。このような場合、自力での完済は難しい可能性が高いでしょう。
参照:第13条の2(過剰貸付け等の禁止)|賃金業法
借金まみれになりやすい人の特徴
借金まみれになりやすい人には特徴があります。以下にあてはまる人は要注意です。
- 計画性がない
- 収入が減っても生活水準を下げられない
- 酒やタバコに依存している
- ギャンブルがやめられない
- 借金してでもブランドものを購入してしまう
- 収入が少ない
- 借金をすることに抵抗を感じない
それぞれの特徴・解決法は以下のとおりです。
▼計画性がない
特徴 |
・あればあるだけ使ってしまう
・そもそも自分の収入と支出を把握できていない |
解決法 |
あらかじめ計画を立て、そのとおりに行動することが苦手・そのような習慣がない場合は、収入と支出を把握するところから始める。 |
▼収入が減っても生活水準を下げられない
特徴 |
・収入に見合った生活ができない
・「収入が減った」という現実を受け止められない
・見栄を張ってしまう |
解決法 |
一度上げてしまった生活水準を下げることは困難であるため、収入が上がっても、生活水準を上げすぎないよう注意する。 |
▼酒やタバコに依存している
特徴 |
・常に酒、タバコのことが頭から離れない
・支払いを後回しにしてでも酒、タバコを購入してしまう |
解決法 |
「アルコール外来」や「禁煙外来」など、アルコール依存やニコチン依存の治療を目的とした診療科を受診する。 |
アルコール依存症の借金については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼ギャンブルがやめられない
特徴 |
・一度大勝ちした感覚が忘れられない
・借金してでもギャンブルをしてしまう
・ギャンブル中は金銭感覚が麻痺してしまい、ためらいなくお金を使ってしまう |
解決法 |
まずはカウンセリングを受けるなど、ギャンブルをやめる方法から考える。 |
ギャンブルの借金が返せない場合の解決策については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼借金してでもブランドものを購入してしまう
特徴 |
・借入をしてまで購入するくせがつき、それに対して危機感がない
・新作が出るたびに借入を重ねてしまう |
解決法 |
月に使える上限を決めておくか、給料の範囲内でしか買い物しないことを徹底する。 |
▼収入が少ない
特徴 |
・自分の収入だけでは生活費を捻出できず、日常的に借入を利用してしまう
・収入に対して支払いが多い |
解決法 |
収入を増やす工夫をしたり生活保護を受けたりなど、借入をせずに生活費をまかなえるようにする。 |
生活苦でできた借金の解消方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼借金をすることに抵抗を感じない
特徴 |
「借入すればいいや」と安易に考えてしまう |
解決法 |
借入について学び直し、借入のリスクを正しく理解する。 |
借金まみれの状態から脱却したいなら、自分がどのタイプに該当するのかを把握し、「借金をすることが当たり前」の状況を変えていく必要があるでしょう。
借金を返せないとどうなる?想定できる悲惨な末路
お金の管理を怠っていたという場合だけではなく、怪我や病気による収入減少など債務者自身ではどうしようもない事情があったケースでも、貸金業者からの借金は返済しなければいけないのが原則です。
なぜなら、お金を借りるときには業者との間で金銭消費貸借契約(民法第587条)を締結しており、「債務整理」という特別ルールを使わない限り、債務者には借金の返済義務が発生するためです。
したがって、契約通りにお金を返済できない場合には、どのような事情があったとしても次の5つのペナルティの発生を避けられません。
- 滞納翌日~:厳しい取り立てがスタートする
- 滞納翌日~:遅延損害金が毎日発生する
- 滞納2カ月~3カ月:ブラックリストに登録される
- 滞納2カ月~3カ月:残債を一括請求される
- 滞納4カ月~半年程度:財産などが差し押さえられる
いずれのペナルティも債務者を経済的・精神的に追いこむものばかりです。借金を返せないからといって現状をそのまま放置すると、状況は深刻化していくだけです。そのためすみやかな対応が求められます。
それでは、各ペナルティについて詳しく見ていきましょう。
債権者からの借金取り立てで生きるのが辛くなる
返済日にお金を用意できないと、債権者側から厳しい取り立てが繰り返されます。債務者がどれだけ経済的に困窮していようとも、滞納している以上は督促を避けることができません。
合法的に貸金業を営む消費者金融であれば、一般的に督促状の送付・携帯電話への着信といった穏健な方法で取り立てが行われます。
しかし、個人から借金をしている場合や、闇金などから借り入れている場合には、自宅への訪問や家族への連絡が行われることも少なくありません。
お金が払えない状況なのに繰り返される督促ほど精神的なストレス要因になるものはないでしょう。取り立てを避けるためにも、滞納状態におちいる前に債務整理などの現実的な方法に着手すべきだと考えられます。
借金の取り立てが合法か違法かを見分ける方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
滞納によって遅延損害金が発生し生活がさらに困窮する
返済日に返済できないと、滞納翌日から遅延損害金が発生します。遅延損害金は借金元本・利息に加えて発生するものであるため、さらに経済的に厳しい状況に追いこまれるでしょう。
「遅延損害金」とは、滞納翌日から滞納日数に応じて発生するペナルティのことです。以下の方法で計算されます。
借金残債 × 遅延損害金年利率(年利率20%で計算されることが多い) × 滞納日数 ÷ 365日
たとえば、総額200万円の借金を滞納すると、滞納1日で約1,096円、滞納1週間で約7,671円、滞納1ヶ月で約3万2,877円の遅延損害金が発生する計算です。毎月の返済額とは別にこれだけの経済負担が発生するのは決して軽視できるものではありません。
したがって、遅延損害金が発生しないように、そして、滞納したとしてもできるだけ滞納日数が少なく済むように、現実的な対応が求められるでしょう。
遅延損害金については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
ブラックリストに登録されて日常生活に支障が出る
借金の滞納が2カ月~3カ月続くと、信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
ブラックリストに登録されることで、次のようなデメリットが発生します。今後の生活にさまざまな支障が出ることが予想されます。
- クレジットカード・ETCカードが使えなくなる(新規発行も不可)
- 新たな借金・ローンを契約できない
- 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
- 携帯電話・スマホ端末代金の分割払いができなくなる
- 奨学金の保証人になれない
もっとも、ブラックリストに登録されることによって生じるデメリットには対処法も用意されています。以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
借金地獄なのに残債を一括請求される
借金を2カ月~3カ月滞納すると、借金の残債を一括請求されます。なぜなら、各貸金業者が定める契約・約款には「期限の利益喪失条項」が盛り込まれており、滞納2カ月~3カ月で「債務者が期限の利益を喪失した」と扱われることが一般的であるためです。
【期限の利益とは】
債務者が、あらかじめ決めた日付まではお金を返さなくてよいとする権利のこと。
「毎月の支払いさえ難しいから滞納しているのに、残債の一括請求など応じられるはずもない」と債務者が感じるのは当然です。しかし、滞納ペナルティとして残債の一括請求を避けることはできません。
一括請求に応じられなければ、債権者側が「強制執行」という法的手続きによって債権の回収を図ることになります。このステージまで進んでしまうと、多くの生活基盤まで失われて生活の立て直しが難しくなるでしょう。
したがって、残債を一括請求される段階まで状況が進んでしまったなら、強制執行に進む前に弁護士に相談をし、債務整理に踏み切る必要があります。
残債を一括請求されたときのリスク・対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
最終的に財産を差し押さえられる
借金を返済できない日々が続いた結果、待っているのは「財産・給与などが差し押さえられる」という末路です。
「お金がないから」といって債務者がお金を支払わないままでは、債権者側は損をしてしまいます。そこで、債務者の財産を強制執行で差し押さえることによって債権の回収が図られます。
債務者の最低限度の生活を守るため、強制執行によって差し押さえられる財産には一定の制限が設けられていますが、それでも次のような財産は原則として処分の対象になってしまうことを念頭に置いておきましょう。
- マイホーム・自家用車
- 現金・預金
- 給与
- 生活に必要な財産以外の動産
- 生命保険・年金など
どの財産を差し押さえるかを決めるのは債権者です。債務者は一切意見を述べることができません。
たとえば、給与が差し押さえられると会社に借金のことがバレます。自宅や動産が差し押さえられると家族にも迷惑がかかるでしょう。
したがって、どれだけ厳しい借金地獄におちいったとしても、強制執行だけは避けなければいけません。債務整理を利用すれば強制執行を回避できるため、すみやかに弁護士までご相談ください。
借金まみれで生活できないときにやってはいけないこと3つ
借金まみれで生活できないほど追いこまれてしまうと、焦りの気持ちから誤った選択をしてしまうリスクがあります。
そのなかでも、特にやってはいけないのが次の3つです。
- 借金返済のために新たな借り入れをすること
- 闇金や違法な取引に手を出すこと
- 借金地獄に絶望して死を選ぶこと
どの方法を採用したとしても、借金問題が根本的に解決することはありません。なぜこれらの方法を選択してはいけないのか、それぞれ見ていきましょう。
借金返済のために新たな借り入れをすること
生活苦から返済日にお金を用意できないとしても、他社から新規の借り入れをしてはいけません。なぜなら、借金返済のために借金をしたところで、債務者が抱えている借金が減ることはないためです。
たとえば、A社への返済を間に合わせるためにB社から借り入れをしたとき、A社からの借金総額は減っていますが、その分だけB社の借金が増えることになります。これでは、返済窓口が増えて家計管理がより難しくなるだけでしょう。
そもそも、借金返済のために借金を繰り返すという発想自体が間違っています。「借金の返済は家計のなかから行う、家計のなかから返済できないのなら自力で完済を目指すのではなく、債務整理を検討する必要がある」ということをしっかり理解してください。
借金返済のために借金してはいけない理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
闇金や違法な取引に手を出すこと
債務者のなかには、すでに滞納を繰り返しているためにブラックリストに登録されている人や、総量規制に抵触するために新たな借り入れができない人も少なくないでしょう。
そのような状況にまで追い込まれた債務者に近付いてくるのが闇金です。「ブラックでも融資可能」「審査なしで即日着金」などの甘い文句で、困窮する債務者からさらにお金を搾りあげようとします。
そもそも借金返済のために借金をすること自体が間違いですが、特に闇金とかかわりをもってしまうと次のリスクが発生するので絶対に避けてください。
- 違法金利(トイチ・トサン・トゴ)を請求される
- 違法な取り立てを受ける(脅迫など)
- 口座買取・携帯買取・ひととき融資などの違法行為を強要される
- 個人情報が抜かれて犯罪に巻き込まれる
どこからもお金を融資してもらえない債務者にとって、無条件でお金を貸してくれる闇金は魅力的な存在に映ってしまいます。ただ、闇金とかかわりをもってしまうと間違いなく今よりも酷い借金まみれの生活に追いやられるだけだということを忘れてはいけません。
融資を希望する場合には、闇金ではなく親族・知人や行政の公的支援制度などを頼りましょう。そして、借金問題が深刻になる前に、弁護士に債務整理などの対応を依頼してください。
闇金とかかわるリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
借金地獄に絶望して死を選ぶこと
借金まみれで生活できない状態だと、借金苦から逃れるために命を投げ出すことを考える債務者もいるでしょう。
しかし、どれだけ生活が苦しくても死を選ぶことは間違いです。その理由は次の3つです。
- 債務者が死んでも相続人が借金の返済義務を負担するだけ
- 債務者が死んでも生命保険が出ない可能性が高い
- 借金問題はかならず解決できるので債務者が死ぬ必要はない
もっとも大切なポイントは、どのような返済状況に追いこまれたとしても借金問題はかならず解決できるということです。
目先の返済負担から今すぐ逃れたい気持ちは当然です。それならば、死ぬことではなく債務整理を選択してください。
まとめ
借金まみれで生活できない状況でも、かならず生活再建のためのきっかけを手にすることができます。そのためには、「家計の工夫・公的支援制度の活用・債務整理の実行」を上手に組み合わせましょう。
特に、弁護士に債務整理を依頼すれば、今すぐに借金生活から抜け出せる実感を得られます。解決に向けて動きだすタイミングが早いほどスムーズに新生活に向けて準備を進められるため、まずは債務整理に強い弁護士までお問い合わせください。
借金まみれで生活できない債務者のためのQ&A
借金返済に追われる日々で何も考える余裕がありません。最初に何をすべきですか?
まずは、現在の借金状況を正確に把握することが肝心です。そして、完済までのスケジュールを見据えたときに、「自力で完済できるのか否か」を判断してください。もし自力完済を目指せるのなら、完済まで滞納なく返済スケジュールをこなしましょう。そして、「どうしても完済できそうにない」と感じるのなら、すみやかに弁護士に債務整理を依頼してください。
借金地獄から抜け出せる人に特徴はありますか?誰でも抜け出せますか?
現実逃避せず、借金問題にきちんと向き合える人や周囲に相談できる人は借金地獄から抜け出せる傾向にあります。また、借金地獄におちいる原因となったことをやめる努力ができる人も抜け出せる可能性があるでしょう。
たとえば、「ギャンブルが原因で借金地獄におちいってしまったが、人生を変えるためにギャンブルを断つ」といった決断ができる人であればきっと抜け出せます。誰にでもできることではないかもしれませんが、難しければ専門家の力を借り、問題解決を目指しましょう。
借金に苦しんでいるのが自分だけなような気がして毎日つらいです。全国で借金をしている人はどのくらいいますか?
金融広報中央委員会の公表した資料によると、単身世帯の12.6%、二人以上世帯の19.4%が借金をしているというデータがあります。単身世帯で約8人に1人、二人以上世帯で約5世帯のうち1世帯が借金をしている計算です。
参照:
家計の金融行動に関する世論調査2023年(単身世帯調査)|金融広報中央委員会
参照:家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯調査)|金融広報中央委員会
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