借金200万円はやばい?抱えすぎと考えられる人の特徴5つ
200万円の借金は決して少ない金額ではなく、完済するまでには何年もの月日を要する場合がほとんどです。
完済までに時間がかかるため、返済途中で収入やライフスタイルが変化し、滞納してしまう人も少なくありません。
一方で、毎月きちんと返済を続けて完済できる人がいるのも確かで、自力で返済可能かどうか判断が分かれる金額でもあります。
実際のところ、借金200万円は自力で完済できないほどやばい金額なのでしょうか?
次の項目から、200万円の時点で「借金を抱えすぎている」と考えられる人の特徴を5つ紹介します。
1.年収が600万円以下の人
総量規制という法律により、個人が借入できる金額は年収の1/3までと定められています。
総量規制・・・貸金業者から借りられるお金の総額が本人の年収の1/3を超えてはならないとする法律。貸金業法第13条の2第2項が総量規制を定めた条文に該当する。
総量規制を基準に考えれば、200万円の借金ができるのは年収が600万円以上ある人のみです。
ただし、銀行からの借入やクレジットカードのショッピング枠など、総量規制の対象外となる借入もあるため、実際には年収600万円以下でも200万円以上借りられることもあります。
とはいえ、総量規制で定められた借入額の上限は、一般的にその人が返済可能な金額の目安にもなっています。
年収600万円以下で200万円の借金があるなら、今後返済ができなくなる恐れがあるやばい状況と考えましょう。
参照:貸金業法第13条の2第2項 | e-Gov法令検索
ワンポイント解説
年収が600万円を超えている人でも、生活レベルや家族構成などによっては借金200万円を自力で完済するのが困難な場合もあります。
たとえば、借金200万円の他に住宅ローンを組んでいたり、子どもがたくさんいて保険料や教育費などに毎月多額のお金をかけている場合などです。
年収600万円以下という金額は、あくまでも一つの目安と考えておきましょう。
2.返済のために新たな借入をしている人
収入から返済資金を捻出できなくなると、新たな借入をして足りない分を補填しようとする人がいます。
しかし、返済のために他社から借入をしてしまうと、借入先が増えることで月々の返済額も増えてしまうことが一般的です。また、補填するために借りた金額にも利息がつくため、結果的に返済総額も増えてしまい、借金が膨れ上がる原因となってしまいます。
既に利用している借入先からの追加融資で補填した場合も、やはり借りた金額に利息が上乗せされるため、返済総額が増えてしまうでしょう。
このように、返済のために新たな借入をしている場合は、借金が雪だるま式に増えていくやばい状況である可能性が高いです。
3.滞納をしてしまった経験がある人
過去に何度も借金を滞納してしまった経験がある人は、自力で借金200万円の完済を目指さないほうがよいかもしれません。
借金は、滞納すると1日ごとに遅延損害金が発生します。
遅延損害金の金額は、次の式で求められます。
遅延損害金=元金×遅延損害金利率÷365(日)×滞納日数
仮に、200万円の借金を滞納した場合、滞納日数に応じた遅延損害金の金額は以下のとおりです。(遅延損害金利率は20%とします)
滞納日数 |
遅延損害金 |
滞納1日 |
200万×0.2÷365×1(日)=約1,096(円) |
滞納1週間 |
200万×0.2÷365×7(日)=約7,671(円) |
滞納1ヶ月 |
200万×0.2÷365×30(日)=約32,877(円) |
滞納1年 |
200万×0.2÷365×365(日)=40万(円) |
上表からわかるとおり、200万円の借金は1日滞納しただけでも1,000円以上の遅延損害金が上乗せされてしまいます。滞納期間が1ヶ月を超えれば、3万円以上も返済負担が増えることになるのです。
遅延損害金の利率はほとんどの場合、通常の利息よりも高い年率20%に設定されています。そのため、通常の利息よりも早いペースで借金が増えてしまうのです。
借金の滞納は、借金が減らないだけでなく増えてしまう原因となります。もし、度々返済資金が用意できず滞納してしまうことがあるのなら、早めに弁護士や司法書士へ相談し債務整理など返済負担を減らす手続きを検討するとよいでしょう。
4.3社以上からの合計で借金200万円の人
同じ200万円でも、借入先が1社なのか複数社なのかによって完済の難易度は変わります。
借入先が複数社ある場合、返済日や返済方法などがバラバラで、うっかり入金を忘れて滞納してしまったり、計画的に返済資金を用意できなくなるリスクが高くなります。とくに、3社以上からの合計で200万円の借金をしている人は、支払いの管理がしづらくなる傾向にあるので注意が必要です。
また、利息制限法という法律によって金融機関が設定できる金利には上限が設けられており、その上限は借入額が増えると下がる仕組みになっています。
- 元本額が10万円未満 → 年率20%まで
- 元本額が10万円以上100万円未満 → 年率18%まで
- 元本額が100万円以上 → 年率15%まで
たとえば、1社から200万円借りている場合、適用される金利はどんなに高くても年率15%です。
一方で、A社から100万円、B社とC社から50万円借りており、3社から合計200万円の借金をしている場合、A社・B社・C社がそれぞれ設定できる金利の上限は以下のとおりです。
社名 |
借入額 |
金利の上限 |
A社 |
100万円 |
年率15% |
B社 |
50万円 |
年率18% |
C社 |
50万円 |
年率18% |
つまり、複数社からの合計で200万円の借金をしている人は、支払いの管理が困難なうえに高い金利で返済をおこなわなければならず、自力での完済が困難な借金を抱えているといえるのです。
5.その他、無理をしないと返済できない状況にある人
前項で紹介した特徴に当てはまらなくても、たとえば以下のような状況にある人は、借金200万円を自力で返済できない可能性が高いです。
- 何年も払っているのに元金が減っていない
- ギャンブル依存症や浪費癖がある
長年返済を続けているわりに元金が減っていない人は、毎月の返済額がほぼ利息のみになっている可能性が高いです。この場合、そのまま払い続けても一向に元金が減らず、いつまでも借金を完済できません。
また、ギャンブル依存症や浪費癖がある人は、ギャンブルや衝動買いをしたいという欲求が抑えられず、支出がかさんで返済資金が不足しがちです。また、ギャンブルや衝動買いを繰り返すたびに、新たな借金を増やしてしまう人もいます。
上記に当てはまらなくても、借金を返済していく中で何らかの不安を感じたことがあるのなら、既に自力で返済するのが困難なほど借金を抱えてしまっている可能性が高いでしょう。
借金200万円はやばい?返済額別にかかる完済までの年数
借金200万円がやばいといわれる理由の一つとして、支払う利息総額が高額となることが挙げられます。
借金は返済期間が長くなればなるほど、支払う利息総額も高くなることが一般的です。前述したように、200万円もの借金となると完済までに何年もかかるのが通常ですから、利息総額は相当な金額になると予想されます。
この項目では、月々の返済額別に、完済までにかかる年数や支払う利息総額などについて、シミュレーションした結果を紹介します。(金利は年率15%で計算しています)
借金200万円を自力で返済しようか迷っている人は「本当に自力返済が可能なのか?」判断する際の参考にしてください。
月々3万円返済する場合・・・・およそ12年
まずは、月々の返済額が3万円程度の場合で計算します。月々3万円であれば、家計への負担も少なく、無理なく返済していけるという人も多いでしょう。
借金200万円を、年率15%で月々約3万円(30,017円)ずつ返済した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
完済までにかかる年数 |
利息総額 |
総返済額 |
12年 |
2,322,448円 |
4,322,448円 |
月々約3万円ずつの返済だと、完済するためには10年以上も返済を続けなければならないことがわかりました。
また、完済までに支払う利息総額は230万円以上と、元金200万円よりも高い利息を支払わなければなりません。
月々約3万円ずつ返済する場合、毎月の返済負担は抑えられますが、相当に長い期間をかけて借りた金額の倍以上の金額を返済することを覚悟しなければならないのです。
月々5万円返済する場合・・・・およそ4年半
続いて、月々の返済額が5万円程度の場合で計算します。月々5万円は決して少ない金額ではありませんが、この金額なら何とか返済していけるという人も多いでしょう。
借金200万円を、年率15%で月々約5万円(50,502円)ずつ返済した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
完済までにかかる年数 |
利息総額 |
総返済額 |
4年7ヶ月 |
777,610円 |
2,777,610円 |
月々約5万円ずつの返済だと、完済するためにかかる年数はおよそ4年半であることがわかりました。月々約3万円ずつ返済する場合に比べると、返済期間は半分以下に短縮できるようです。
また、完済までに支払う利息総額は約78万円で、月々約3万円ずつ返済する場合に比べればかなり少なくなりますが、それでも元金の1/3以上の金額を利息として支払わなければなりません。
月々約5万円ずつ返済する場合も、毎月の返済負担は抑えられますが、何十万円もの利息込みでの返済に、長い期間耐えなければならないのです。
月々7万円返済する場合・・・・およそ3年
さらに、月々の返済額が7万円程度の場合も計算します。月々7万円の返済となると、家計にかなりの負担がかかるケースも多く、返済を続けるには綿密な家計管理が不可欠となるでしょう。
借金200万円を、年率15%で月々約7万円(70,902円)ずつ返済した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
完済までにかかる年数 |
利息総額 |
総返済額 |
2年11ヶ月 |
481,570円 |
2,481,570円 |
月々約7万円ずつの返済だと、完済するためにかかる年数はおよそ3年であることがわかりました。月々約3万円ずつ返済する場合に比べると、返済期間は1/4程度に短縮できるようです。
また、完済までに支払う利息総額は約48万円で、やはり元金の1/4程度の金額は利息として支払わなければなりません。
月々約7万円ずつ返済する場合、家計への負担が大きいうえに、何十万円もの利息を元金に上乗せして支払わなければならないのです。
月々10万円返済する場合・・・・およそ2年
最後に、月々の返済額が10万円程度の場合で計算します。月々10万円の返済となると、家計への負担は相当なものであり、返済を続けるには綿密な家計管理に加えて十分な収入が不可欠となるでしょう。
借金200万円を、年率15%で月々約10万円(100,593円)ずつ返済した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
完済までにかかる年数 |
利息総額 |
総返済額 |
1年11ヶ月 |
313,639円 |
2,313,639円 |
月々約10万円ずつの返済だと、完済するためにかかる年数はおよそ2年であることがわかりました。月々約3万円ずつ返済する場合に比べると、返済期間は1/6程度に短縮できるようです。
また、完済までに支払う利息総額は約31万円で、元金に対する割合はかなり少なくなるものの、やはり数十万円単位の利息を支払わなければなりません。
月々約10万円ずつ返済する場合も、家計への負担が大きいうえに、何十万円もの利息を元金に上乗せして支払わなければならないのです。
借金200万円を滞納した場合のやばいリスクとは?
借金200万円がやばいといわれる理由の一つは、滞納した場合に起こるさまざまなリスクにあります。
では、借金200万円を滞納した場合、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか?
借金200万円を滞納した場合の一般的な流れを紹介すると、以下のとおりです。
次の項目から、上表で紹介したリスクを時系列に沿って詳しく解説します。
①遅延損害金が発生する
返済が遅れると、返済日の翌日から遅延損害金が発生します。滞納分を返済する際には、通常の利息とは別に遅延損害金を支払わなければなりません。
遅延損害金の金額は、次の式で求められます。
遅延損害金=元金×遅延損害金利率÷365(日)×滞納日数 ※うるう年は366で計算
仮に、200万円の借金を30日間滞納した場合、遅延損害金がいくらになるのか計算すると、以下のとおりです。(遅延損害金利率は20%とします)
200万×0.2÷365×30(日)=約32,877(円)
上記の式からわかるとおり、遅延損害金の金額は滞納期間が長くなるほど大きくなります。しかも、遅延損害金の利率は通常の利息より高く設定されている場合がほとんどなので、早いスピードで借金が増えていくことが予想できるでしょう。
②電話・メール・郵便での督促が繰り返される
返済期日から数日が経過すると、債権者から電話やメールで連絡が来ます。連絡が来るのは通常、本人の携帯電話のみで、その内容は滞納状況の共有や返済可能日の確認など、事務的な連絡である場合がほとんどです。
債権者からの電話やメールを無視してしまうと、次に郵便で督促状が送られてきます。督促状は、最初「入金をお忘れではありませんか?」と優しく返済を促す内容から始まり、2通目、3通目と回数が増えるごとに文面が厳しくなっていくことが一般的です。
督促状も無視し続けていると、今度は自宅の固定電話や実家、勤務先にも電話がかかってきたり、督促状が届く可能性があります。債務者以外が電話口に出た際、債権者が社名や借金について口にすることはありませんが、何度も身元や要件が曖昧な電話がかかって来たら、家族や同僚に怪しまれる恐れはあるでしょう。
督促を無視すると訪問による取り立てを受けることも
電話やメール、郵便での督促をすべて無視し続けると、金融機関が債務者の住民票から自宅を調べ、直接訪問したり近所に聞き込みをおこなうケースもあります。
ただし、債務者から退去するよういわれたのに家の前などに居座ったり、大声を出して脅すなどの行為は、貸金業法第21条により禁止されているため安心してください
とはいえ、自宅に何度も訪問されたり近所に聞き込みなどされてしまうと、家族や近隣の人に借金があることや返済できていない事実を知られてしまう恐れがあるため注意が必要です。
参照:貸金業法第21条 | e-Gov法令検索
③ブラックリストに載る
滞納期間が2ヶ月(61日)を超えると、滞納の事実が信用情報に事故情報として登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
ブラックリストに載ってしまうと、以下のようにさまざまな影響が生じます。
- 新規借入やキャッシングの利用、ローンを組むことができなくなる
- クレジットカードの新規発行や既にあるカードの使用ができなくなる
- スマホや携帯電話の分割払いができなくなる
- 奨学金などの保証人になれなくなる
- 賃貸物件の審査に通らない場合がある
事故情報は一生残るわけではなく、債務整理や借金を完済すると一定期間が経過した後に削除されることが一般的です。
ただし、借金を返せないまま放置してしまうと、いつまでも滞納が解消されず事故情報が残ってしまうので注意してください。
④借金残高を一括請求される
滞納期間が2〜3ヶ月に及ぶと、債権者から内容証明郵便で一括請求の通知が届くこともあります。
なお、一括請求されるのは滞納している分の元金や利息、遅延損害金だけでなく、借金残高の全額であることが一般的です。
これは、一括請求の通知が届く時点で、債務者が期限の利益を喪失していることが原因です。
期限の利益とは債務者が持つ借金を分割で返済する権利のことで、期限の利益を喪失すると、債権者は債務者に対して借金全額を一括請求できるようになります。
そして、借入時に記入する契約書には、期限の利益を喪失する条件として「分割払いの返済が遅れてしまったとき」などの内容が定められている場合がほとんどなのです。
⑤連帯保証人に請求がいく
借金に連帯保証人が設定されている場合、滞納が続くと連帯保証人にも請求がいく恐れがあります。
連帯保証人・・・債務者が借金を返済できなくなった際、代わりに返済義務を負う人のこと。
事業性ローンや奨学金などを借りる際は、債権者から連帯保証人を設定するよう求められるケースが多いです。
連帯保証人になってしまうと、借金残高が残っている限り、債務者と同様に督促を受け続けることになるので、返せない場合は早めに法律事務所へ相談することをおすすめします。
⑥訴訟を提起され財産を差し押さえられる
一括請求の通知も無視すると、債権者から訴訟を提起され裁判所から通知が届くこともあります。
裁判所から届く通知は、主に「支払督促」と「訴状」の2種類で、どちらも放置してしまうと債権者に有利な形で判決が下り、債権者は債務者の財産を差し押さえる権利を得ます。
債権者が差し押さえる財産には、主に以下のようなものがあります。
- 給料
- 銀行口座
- 生命保険の解約返戻金
- 不動産(自宅を含む)
- 車
優先的に差押えられるのは、給料と銀行口座内の預貯金です。とくに給料は、一度差し押さえると手取り額の1/4※を毎月回収できるため、多くの債権者が最優先で差し押さえようとします。
※手取り額が44万円を超える場合は、33万円を超えた金額すべてが差押えの対象
もし、給料の差押えを受けてしまったら、勤務先にも裁判所から通知が届き、勤務先に借金の事実を知られるだけでなく迷惑をかけることにもなってしまうでしょう。
同じ200万円でも返済が苦しくなりやすい借金の特徴
ここまで、200万円の時点で「借金を抱えすぎている」と考えられる人の特徴について紹介してきました。
それぞれの状況によって、同じ借金200万円でも、自力で完済可能な人と自力での完済は困難な人がいることがおわかりいただけたと思います。
この項目では「借金の特徴」に視点を移し「同じ200万円でも、返済が苦しくなりやすい借金にはどのような特徴があるのか?」について詳しく解説します。
返済が苦しくなりやすい借金の特徴は、大きく以下の2つです。
次の項目から、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
金利が年率10%以上の借金
同じ借金200万円でも、設定されている金利の高さによって、借金の返済負担は大きく変わります。
たとえば、年率3%で借りている車のローン200万円を10年間で完済する場合、毎月の返済額は19,312円です。毎月2万円以下であれば、それほど収入の多くない人でも、無理なく返済できるケースが多いでしょう。
一方で、年率12%で200万円をカードローンで借りた場合、同じ10年間で完済しようとすると、毎月の返済額は28,694円です。車のローンと比較すると、返済負担は約1.5倍となります。
1度の返済なら大した違いには感じないかもしれませんが、この金額を10年間払い続けると考えた場合、最終的な総返済額に大きな違いが出ることはいうまでもありません。
とくに、年率10%以上で借金を返済している場合は、利息だけで数十万〜百万以上支払うことになるケースも多く、仮に完済できたとしても家計に与えるダメージは大きいでしょう。
例として、年率10%の金利が設定されていることの多い借金を挙げると、以下のとおりです。
例1.消費者金融からの借入
一般的に、消費者金融からの借入には、銀行からの借入に比べて高い金利が設定されています。
前述したように、借入額に応じて設定できる金利には上限が設けられていますが、消費者金融が設定する金利は、法律で定められた上限いっぱいであることがほとんどです。
つまり、消費者金融からの借入には、年率15〜20%の高金利が設定されているということです。
基本的に消費者金融から借入をした場合、年率10%を下回ることはないと考えておいたほうがよいでしょう。
例2.無担保カードローン
一般的に、銀行からの借入には、消費者金融に比べて低い金利が設定されています。
しかし、銀行からの借入であっても、年率10%を超える高い金利が設定されていることもあります。無担保カードローンを利用して借入をした場合です。
無担保カードローンとは、その名のとおり担保を設定せずにお金を借りられるカードローンのことです。
無担保で融資する場合、金融機関側は有担保の場合と比べて貸し倒れのリスクが高いと考えます。担保が設定されていれば、その担保を守るために必死になって返済しますが、無担保だと返済できなくても失うものがないため、債務者はそれほど真剣に返済をしなくなると考えるからです。
そのため、金融機関は「貸し倒れのリスクが高いなら早めに元を取っておきたい」と考えて、無担保のローンに有担保のローンより高めの金利を設定します。これが、無担保カードローンに高い金利が設定されている理由です。
一般的に、銀行の提供している商品であっても、無担保カードローンの金利は年率10%以上に設定されている場合がほとんどです。
目的のない少額ずつの借入でできた借金
同じ200万円でも、複数社から少額ずつ借入をしている場合は、返済が困難になりやすいため注意が必要です。
前述したように、複数社からの借入は支払いの管理が難しく、滞納してしまうと高額な遅延損害金が上乗せされてしまいます。
また、借入額が少額の場合、金融機関が設定できる金利の上限が高くなるため、1社から200万円借りている場合より高い金利で返済しなければならないケースも多いです。
複数社から少額ずつ借入をしている場合、早めに任意整理をするなどして借金を一本化し、支払い管理をしやすくする工夫をするべきだといえます。
借金をしている人の中で200万円以上借入がある人の割合
借金200万円がやばい金額なのか気にしている人の中には「借金をしている人の中で200万円以上借入がある人はどれくらいいるのか?」気になっている人も多いのではないでしょうか?
そこで、この項目では一般社団法人 全国銀行協会がおこなった「銀行カードローンに関する消費者意識調査」の結果をもとに、銀行カードローンや貸金業者の利用者について借入総額別の割合を見てみましょう。
2020年1月におこなわれたこの調査では、銀行カードローンや貸金業者を利用している20歳から69歳の男女2,339人を対象に、現在の借入総額を調べました。その結果は以下のとおりです。
現在の借入総額 |
銀行&貸金業 |
銀行のみ |
貸金業のみ |
1~10万円 |
11.9% |
21.9% |
27.8% |
11~30万円 |
15.4% |
19.0% |
21.4% |
31~50万円 |
16.2% |
12.7% |
15.3% |
51~100万円 |
17.6% |
13.2% |
17.6% |
101~200万円 |
16.5% |
13.6% |
9.3% |
201~300万円 |
8.3% |
6.2% |
2.8% |
301~400万円 |
4.0% |
3.8% |
2.5% |
401~500万円 |
2.9% |
0.7% |
0.8% |
501~600万円 |
2.0% |
0.5% |
0.2% |
601~800万円 |
1.9% |
0.2% |
0.4% |
801~1000万円 |
1.0% |
0.4% |
0.6% |
1000万円超 |
2.5% |
7.8% |
1.1% |
平均借入総額 |
156.2万円 |
165.5万円 |
80.2万円 |
※銀行&貸金業・・・銀行カードローンも貸金業者も利用している人
※銀行のみ・・・銀行カードローンのみ利用している人
※貸金業のみ・・・貸金業者のみ利用している人
上表をもとに、200万円以上借入がある人の割合を計算すると、以下のとおりです。
銀行&貸金業 |
銀行のみ |
貸金業のみ |
22.6% |
19.6% |
8.4% |
貸金業者のみ利用している人の中で、200万円以上借入がある人は全体の10%未満だったのに対し、銀行カードローンのみまたは銀行カードローンも貸金業者も利用している人の中で、200万円以上借入がある人は全体の20%前後を占めていました。
この調査結果を見る限りでは、銀行から高額融資を受けている人が多い傾向にあるようです。
また、借入先に関わらず、全体の60%以上の人は借入総額が100万円以下でした。もし、あなたが200万円以上の借金を抱えているのなら「他の人に比べて借金を抱えすぎている」という危機感を持ったほうがよいかもしれません。
参照:「銀行カードローンに関する消費者意識調査」の調査結果について | 2020年 | 一般社団法人 全国銀行協会
借金200万円を効率よく返済する方法
ここからは、借金200万円を効率よく返済するための具体的な方法について紹介します。
その方法は、主に以下の3つです
次の項目から、それぞれの方法について詳しく解説します。
1.金利の高い借金から優先的に繰り上げ返済する
前述したように、借金は返済期間が長くなればなるほど、支払う利息総額と総返済額が高額になります。
そのため、ボーナスや臨時収入などで少しでも余裕があるときは、積極的に繰り上げ返済をして借金をできるだけ早く減らしましょう。
繰り上げ返済・・・決められた月々の返済額にプラスαの金額を上乗せして返済すること。
繰り上げ返済した分は全額が元金に充当されるため、より早いスピードで元金を減らし支払う利息総額を抑える効果があります。
なお、繰り上げ返済をする際は、金利の高い借金から優先的に返済することも重要です。
金利が高いということは、同じ金額を借りていても支払う利息額が高額になるということです。金利の高い借金はできるだけ早く完済し、金利の低い借金のみにすることで、支払う利息総額を抑えられるだけでなく、借入先が減って支払いの管理もしやすくなるでしょう。
繰り上げ返済の資金を確保する方法
借金200万円を効率よく返済するために効果的なことがわかっていても、繰り上げ返済できるほどの資金を確保するのは簡単なことではありません。
そこで、この項目では繰り上げ返済の資金を確保する方法について、具体的に紹介します。
その方法には、以下のようなものがあります。
- 毎月の出費を見直す
- 副業をして収入を増やす
- 不要品を売却する
携帯料金や家賃、保険料などの固定費を見直せば、一度だけの繰り上げ返済ではなく、毎月の返済額を増額しより早く完済を目指せる可能性もあります。
また、副業をして収入を増やすのもおすすめです。本業が平日勤務の場合は週末のみのアルバイトをしたり、在宅でできるデータ入力や内職の副業なら、空いた時間を有効活用してお金を稼げます。
最近では、フリマアプリで誰でも簡単に商品を売買できるようになりました。商品によってはリサイクルショップよりも高値で売却できることも多いので、フリマアプリを活用して不用品をお金に換えるのも有効な手段です。
2.借り換えやおまとめローンを利用する
金利の低いローンへの借り換えや、おまとめローンの利用により、借金200万円を効率よく返済できるようになる可能性もあります。
たとえば、借金200万円を年率15%で返済している場合、年率5%の商品に借り換えて返済した場合と比べて支払う利息総額には以下のような違いが生じます。
返済期間 |
利息総額(年率15%の場合) |
利息総額(年率5%の場合) |
2年 |
327,352円 |
105,808円 |
3年 |
495,880円 |
157,876円 |
4年 |
671,728円 |
210,784円 |
5年 |
854,740円 |
264,520円 |
6年 |
1,044,880円 |
319,048円 |
10年 |
1,871,920円 |
545,560円 |
上表からわかるとおり、金利が下がることで借金の返済負担は大幅に軽減することが可能です。
複数社から借入をしている場合は、おまとめローンで借金を一本化することにより、返済日や返済方法が統一され、支払いの管理がしやすくなります。また、借金をまとめて元金が大きくなることにより、適用される金利が下げられる効果も期待できます。
ただし、金利の低いローンへ借り換えたりおまとめローンを利用しても、月々の返済額によっては返済期間が長期化し、結果的に多額の利息を支払うことになるケースもあります。申込む前に詳細な返済シミュレーションをおこない、慎重に検討するようにしてください。
3.債務整理をする
ここまで紹介した2つの方法は、あくまでも発生する利息をできるだけ抑えて、支払う利息総額を減らすための方法です。利息がゼロになったり、借金自体が減る方法ではありません。
もし、一刻も早く借金を完済するために、利息をゼロにしたり元金の200万円自体を減らしたいのなら、弁護士や司法書士へ依頼して債務整理をすることをおすすめします。
債務整理とは、利息をカットして元金のみの返済に変更できたり、手続きの内容によっては借金全額の返済義務を免除してもらえる方法です。
「債務整理とは具体的にどのような手続きなのか」「なぜ借金200万円を債務整理で解決するのがおすすめなのか」次の項目から詳しく解説します。
無理のない返済計画に立て直せることが大きなメリット
債務整理にはいくつか種類がありますが、すべての手続きに共通しているメリットは、無理のない返済計画に立て直せるという点です。
債務整理はどの手続きを選択するかによって「利息をカットするのか?元金もカットするのか?」「元金の全額カットするのか?一部のみカットするのか?」など、借金を減額できる割合が分かれています。また、借金全額の返済義務を免除する場合以外は、残りの借金を長期の分割払いで返済できるよう、返済計画を立て直してもらえます。
弁護士や司法書士が債務者の状況を考慮し、一人ひとりに最適な手続きを選択してくれるので、無理のない返済計画に立て直すことが可能なのです。
一時的な返済猶予期間ももらえる
債務整理を依頼すると、弁護士や司法書士が債務者の代わりに、債権者と交渉したり必要な手続きをおこなってくれます。
債務整理の手続きは一般的に半年〜1年かけておこなわれますが、この期間は債権者への支払いを一時的にストップしてよいことになっているのです。
また、依頼した弁護士や司法書士から債権者へ通知を送って、債務者への督促もおこなわないよう働きかけてくれるので、電話や郵便物などによる督促も止まります。
債務者は、債務整理を依頼してすぐに、精神的に苦しめられていた督促や支払いから解放してもらえるのです。
返済がきついと感じ始めたら債務整理をすべきかどうかのアドバイスをもらおう
ここまで、借金200万円を債務整理で解決するメリットについてお伝えしましたが、それでも「自分は債務整理をするべき状況なのか」判断がつかないという人もいるかもしれません。
債務整理をするべきか判断に困ったら、いま現在、自分は借金の返済がきついと感じているか考えてみてください。
もし、少しでも返済がきついと感じたことがあるのなら、債務整理をするべきかどうか、弁護士や司法書士など法律の専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。
債務整理に力を入れている弁護士や司法書士であれば、借金に関する相談を無料で受け付けている場合が多く、費用や相談料を気にせず気軽に相談することが可能です。当サイトでも債務整理を得意とする弁護士・司法書士を多数紹介しており、費用を気にせず返済に関するアドバイスを受けられるので、まずは気軽に無料相談を利用してみましょう。
債務整理3つの方法
債務整理には、以下3つの種類があります。
任意整理 |
将来利息をカットや減額し、残りを3~5年で分割返済する |
手続きの詳細はコチラ |
自己破産 |
20万円以上価値のある財産を手放す代わりに、借金全額の支払義務が免除される |
手続きの詳細はコチラ |
個人再生 |
財産を手元に残したまま住宅ローン以外の借金を約1/5に圧縮し、3~5年で分割返済する |
手続きの詳細はコチラ |
どの方法を選択するかによって、借金の減額割合やメリット・デメリット、手続きにかかる期間などが異なります。自分にとって最適な方法を知りたい場合は、弁護士や司法書士に借入状況や収支状況を詳しく説明し、アドバイスをもらうとよいでしょう。
もし「いきなり弁護士や司法書士に相談するのはハードルが高い」と感じるなら、無料の減額診断チェッカーを利用するのがおすすめです。簡単な質問に答えるだけで「債務整理で借金がいくら減るのか」がすぐにわかります。
まとめ
200万円の借金を抱える状況がやばいかどうかは、借金をしている人の状況や借金自体の特徴によっても異なります。
ただし、全国銀行協会の調査結果から、借入がある人の60%以上は借入総額が100万円以下であることを考えると、200万円以上の借金を抱える人は少数派であるといえます。
いままで滞納せず返済ができており、完済までの見通しがしっかりと立っている人は、自力で返済しても何の問題もないかもしれません。
しかし、借金200万円を返済していく中で少しでも不安を感じたことがあるのなら、弁護士や司法書士に一度相談することをおすすめします。
当サイトでは、借金問題に詳しい弁護士・司法書士を多数紹介しているので、まずは気軽に無料相談を利用してみてください。
借金200万円についてよくある質問
借金200万円は自力で完済できないほどやばい金額なのでしょうか?
同じ200万円でも返済が苦しくなりやすい借金の特徴は?
返済が苦しくなりやすい借金の特徴は、大きく以下の2つです。
・
金利が年率10%以上の借金
・
目的のない少額ずつの借入でできた借金
借金200万円を完済するまでにかかる年数はどれくらいですか?
年率15%で借入していた場合、返済額別にかかる完済までの年数を計算すると以下のようになります。
月々3万円返済する場合・・・・およそ12年
月々5万円返済する場合・・・・およそ4年半
月々7万円返済する場合・・・・およそ3年
月々10万円返済する場合・・・・およそ2年
借金をしている人の中で200万円以上借入がある人はどれくらいいるのですか?
全国銀行協会の調査によると、200万円以上借入がある人の割合は以下のとおりです。
銀行カードローンも貸金業者も利用している人・・・22.6%
銀行カードローンのみ利用している人・・・19.6%
貸金業者のみ利用している人・・・8.4%
借金200万円を効率よく返済する方法はありますか?
最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を
- 北海道・東北
-
- 関東
-
- 東海
-
- 関西
-
- 北陸・甲信越
-
- 中国・四国
-
- 九州・沖縄
-