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任意整理の6つのデメリットとは?軽減する方法と併せて解説

任意整理 デメリット

借金返済が苦しく、任意整理を検討しているのですが、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

任意整理を行うと、いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態になり、期間中はクレジットカードやローンを利用できません。他にも、保証人に請求が移行したり、銀行口座が凍結されるなどのデメリットがあります。

デメリットを回避する方法はないのでしょうか?

ブラックリストそのものを回避する方法は残念ながらありませんが、他のキャッシュレス決済を持つなど、代替手段はあります。保証人や口座凍結についても、対策は可能です。

どのような対策があるのかや、具体的にどれくらい借金を減らせるのかを調べてから判断したいです。

それなら、まずは弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。任意整理すべきかどうかも含めて、最適な借金解決の方法をアドバイスしれくれるでしょう。

任意整理とは、将来利息(これから支払うはずだった利息)をなくし、月々の返済額を減額する手続きです。弁護士や司法書士に依頼して、債権者と直接交渉を行います。

任意整理をすれば、返済額をおおむね1/2まで減らせます。返済負担を大きく軽減できるので、借金で生活が圧迫されている人にはおすすめの解決方法です。

しかし、任意整理にはいくつかのデメリットもあるので、知識がないまま手続きをするのは危険です。デメリットを事前に把握し、その対策まで考えた上で手続きを始めましょう。

この記事では、任意整理のデメリットと、その軽減方法を詳しく解説していきます。任意整理を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、より自分の状況に合ったアドバイスを貰いたい場合は、弁護士や司法書士に直接相談するのがおすすめです。下記の「借金減額シミュレーター」を使えば、借金をどのくらい減らせるか弁護士に直接聞けるので、ぜひ活用してみましょう。

この記事でわかること
  • 任意整理は信用情報にキズがつく(ブラックリストに載る)ことが最大のデメリット。
  • 他の債務整理と比べた場合、減額幅は少ないがデメリットも小さい。
  • 適切な対策を取れば、任意整理によるデメリットは軽減できる。

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任意整理の主なデメリット6つ

任意整理を行うと、以下6つのデメリットを受けることになります。

  • 信用情報にキズがつく(ブラックリストに載る)
  • 連帯保証人に請求が移る
  • 銀行口座を凍結されることがある
  • 借金の減額幅が小さい
  • 収入があることが条件となる
  • 必ず和解できるとは限らない

特に重要なのは、信用情報にキズがつくこと、いわゆる「ブラックリストに載る」ことです。新規借入やクレジットカードの利用ができなくなるので、日々の生活に大きな影響を及ぼします。

それぞれのデメリットを具体的に見ていきましょう。

1.信用情報にキズがつく(ブラックリストに載る)

返済の滞納に関連する話題として、「信用情報にキズがつく」や「ブラックリストに載る」とよく言われます。これらはいずれも、事故情報が信用情報に登録されることを意味するフレーズです。

「信用情報」とは、年収や勤務先、クレジットカードやローンの借入状況などをまとめた情報です。国指定の信用情報機関によって管理され、その内容は金融業者や信販会社の審査に提供されます。

信用情報に登録される情報の内、滞納や任意整理の履歴を「事故情報」と呼び、事故情報があると「貸し倒れリスクが高い人」とみなされます。

結果、金融業者や信販会社の審査に落ちるようになり、ローンやクレジットカードを利用できなくなるのです。

上記の通り、事故情報が登録されることを一般に「ブラックリストに載る」と表現します。フレーズから「ブラックリストという帳簿がある」と勘違いする人もいますが、実際には存在しません。あくまで「信用情報に事故情報が載ること」を意味する、慣習的な言い方です。

信用情報にキズがつくと受ける影響

信用情報にキズがつくことで受ける主な影響は、次の4つが挙げられます。

  • クレジットカードが使えなくなる
  • ローンが組めなくなる
  • 賃貸審査で不利になることがある
  • 保証人になれなくなる
  • スマホ端末の分割払いができない

ブラックリスト期間中は上記のような制限があるため、不便に思うことが多くなるでしょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

クレジットカードが使えなくなる

ブラックリスト期間中は、クレジットカードを使えません。新規発行だけでなく、すでに持っているカードも利用停止となります。

事故情報はこれまで利用したことがないクレジットカード会社にも共有されるため、ブラックリスト期間中は一切クレジットカードを使えないと考えておきましょう。

ローンが組めなくなる

銀行や消費者金融などのローンも、ブラックリスト期間中は利用できません。住宅ローンやカードローンなど、種類に関係なく新規借入ができなくなります。

クレジットカードと同じく、これまで借り入れたことがない金融業者であっても審査で落ちてしまいます。

中には「ブラックリストでもOK」などと謳っている業者もいますが、このような業者は違法金利で貸し付ける闇金業者なので、何があっても関わらないようにしましょう。

なお、マイカーローンの内、カーディーラーや中古車販売店が独自に提供する「自社ローン」については、保証人さえ見つければ利用可能です。

賃貸審査で不利になることがある

賃貸物件の入居審査を受けるとき、家賃保証会社の審査に落ちる場合があります。一部の家賃保証会社は信販会社(融資やクレジットカード事業など「信用供与」を行う企業)の系列であり、審査時に信用情報をチェックするためです。

主な信販系家賃保証会社としては、次の企業が挙げられます。

  • 株式会社アプラス
  • 株式会社エポスカード
  • 株式会社ジャックス
  • 株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)
  • 株式会社クレディセゾン(セゾン)
  • SMBCファイナンスサービス株式会社(旧セディナ)
  • SBIギャランティ株式会社

物件によっては信販系家賃保証会社の利用を指定されており、入居できない場合があります。

ただし、信販系以外の家賃保証会社が指定されている物件や、そもそも家賃保証会社の利用を義務付けられていない物件は、問題なく入居可能です。

保証人になれなくなる

ブラックリスト期間中は、借金やローン・奨学金などの保証人・連帯保証人になれません。

保証人は債務者本人が返済不能になったとき、代わりに返済義務を負うため、一定の返済能力が求められます。事故情報があると「返済能力に問題がある」とみなされ、保証人として認められないのです。

なお、保証人自身が任意整理をした場合、債務者は別の保証人を再設定する必要があります。自分が保証人になっている状況で任意整理をしたい場合、弁護士や司法書士に相談した上、債務者へ連絡しておくと良いでしょう。

スマホ端末の分割払いができない

新品なら10万~20万円もするスマホ端末は、携帯キャリアの分割プランで購入するのが一般的になっています。この分割払いも、信用情報にキズがつくと利用できません。

スマホ端末の分割払いは、ローン契約と同じように信用情報の調査が入ります。事故情報があると、支払い能力に問題があるとみなされるのです。

なお、回線契約については制限されないため、端末を一括支払いで購入するか、別途中古で用意すれば、スマホ自体の利用は可能です。

ブラックリスト期間は元本完済から約5年程度

ブラックリストに載ったとしても、一定の期間が過ぎれば事故情報は削除されます。

任意整理の履歴については、おおむね「元本を完済してから5年程度」で削除されるのが一般的です。任意整理は手続き後も元本を返す必要があるので、その返済期間プラス約5年がブラックリスト期間ということになります。

ただし、任意整理と併せて「過払い金請求」を行い、返還された利息で元金を完済できるケースもあります。その場合、ブラックリストの期間は「任意整理手続きから5年程度」です。

ブラックリスト期間が終われば、ローンやクレジットカードは問題なく利用できるようになります。

事故情報は自分で確認することも可能

信用情報機関に開示請求することで、自分の信用情報を取り寄せることができます。請求自体はそれほど難しくないので、自身で事故情報の有無を調べることも可能です。

信用情報機関には以下の3つがあり、各借入先の加盟する機関に問い合わせます。金融機関によっては、複数の信用情報機関に加入している場合もあります。

信用情報機関の種類
機関名 主な加盟業者 問い合わせ費用
日本信用情報機構(JICC) 消費者金融、銀行が中心 1,000円
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード会社、消費者金融が中心 500円~1,000円
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行、信用金庫、信用組合が中心 1,000円~1,200円

信用情報機関によって削除のタイミングが若干変わる場合もあるので、ブラックリスト期間の終了から少し時間を置いて調べるとよいでしょう。

2.連帯保証人に請求が移る

任意整理をした借入に連帯保証人がついている場合、そちらに請求が移ります。つまり、連帯保証人に借金を肩代わりしてもらうことになるのです。

連帯保証人も返済できない場合、一緒に任意整理をするという対処方法もありますが、その場合は保証人もブラックリスト入りしてしまいます。いずれにしろ、連帯保証人への迷惑は避けられません。

ただし、任意整理は対象にする借入を選べるため、連帯保証人のついていない借入のみ任意整理することができます。たとえば、連帯保証人のいる借入Aと、連帯保証人のいない借入Bがある場合、借入Aのみ任意整理することが可能です。

「連帯保証人がいない借入」の例としては、次に挙げるものが一般的です。

  • 消費者金融のキャッシング
  • 銀行のカードローンやフリーローン
  • クレジットカードのリボ払いやキャッシング

任意整理を行う借入を、上記のような「連帯保証人がいない借入」に限定すれば、連帯保証人への請求移行を避けられます。

3.銀行口座が一時的に凍結されることがある

次の2パターンに該当する場合、銀行口座が凍結され、預金の引き出しなどができなくなる恐れがあります。

  • 銀行からの借入を任意整理する
  • 銀行系列の消費者金融で任意整理する

銀行からの借入を任意整理する場合、その銀行は本店・支店問わず口座が凍結されます。一方、銀行系列の消費者金融で任意整理する場合、銀行と消費者金融の両方で借入があるときに限り、口座を凍結される可能性があります。

たとえば、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの系列であり、三菱UFJ銀行カードローンの保証業務も担っています。アコムと三菱UFJ銀行カードローンの両方で借入がある場合、任意整理の対象をアコムに限定しても、三菱UFJ銀行の口座が凍結されてしまうのです。
一方、三菱UFJ銀行からの借入がない場合、アコムで任意整理をしても口座は凍結されません。

口座凍結は3ヶ月ほど続き、預金が借金と相殺されたり、凍結されたまま解約されたりする場合があります。給与の振込や公共料金の引き落としなどは、事前に別の銀行へ切り替えておくとよいでしょう。

4.借金の減額幅が小さい

任意整理は将来利息のカットしかできないため、他の手続きと比べて減額幅が小さくなります。

自己破産は全額免責、個人再生は最大1/10までと、どちらの手続きも元本を大幅に減らせます。利息しか減らせない任意整理では、どうしても減額幅では勝てません。

経済的に困窮しており、将来利息をカットしても返済が苦しい場合は、任意整理をしても意味がないと言えるでしょう。

5.収入があることが条件となる

何らかの理由で収入がない、あるいは極端に少ない場合、任意整理はできなくなります。先述の通り、任意整理は元本を返すことが前提なので、手続き後も毎月一定額の返済を続ける必要があるからです。

債権者が任意整理を受け入れるのは、自己破産で元本の回収ができなくなっては困るからです。元本の返済が見込めないのであれば、債権者側は任意整理に応じるメリットがなくなります。

収入がなく、元本の返済が困難な場合、はじめから自己破産や個人再生をした方がスムーズに借金を減らせます。これらは裁判所の審判によって手続きするため、債権者の意向に関係なく実行できるからです。

6.必ず和解できるとは限らない

任意整理は債権者との交渉である以上、相手側の承諾が必要です。交渉で和解できなければ、任意整理は実行できなくなります。

和解できるかどうかは、債権者にとって「任意整理を承諾しても利益を回収できるか」がポイントです。これまでの返済である程度の利息を支払っていれば、承諾を得やすいでしょう。

一方、債権者から見て次のような状況だと、和解できない恐れが高くなります。

  • 借入期間が短い(これまで回収した利息が少ない)
  • 担保がついている(差し押さえをした方が利益を回収できる)
  • 社内方針として交渉より訴訟を優先している

債権者によっては「カットする利息は一部のみ」など、条件を厳しくしてくる場合もあるでしょう。交渉が難航するようであれば、自己破産や個人再生など、他の手続きを考える必要があります。

交渉の成功率を上げつつ、他の選択肢も視野に入れるのであれば、任意整理の実績が豊富な弁護士に相談することが大切です。個々の状況に合わせて、的確なアドバイスをしてもらえるでしょう。

任意整理は債務整理の中で優先的に考えるべき手続き!その理由は?

任意整理の弱点について解説しましたが、一方で優れている面も多くあります。メリットとデメリットのバランスを考えた場合、任意整理は最もおすすめの債務整理手続きです。

その理由として、次の3つを詳しく解説していきます。

  • 受けるデメリットが最も小さいから
  • 減額幅が小さいとはいえ、月々の返済額が1/2もカットできるから
  • どの借入を対象にするか選べるから

受けるデメリットが最も小さいから

任意整理は、債務整理の中で受けるデメリットが最も小さくなります。

具体的には、以下の点で他の手続きより優れています。

  • ブラックリスト期間が短い
  • 家族にバレずに進められる
  • 費用が安い
  • 財産処分を避けられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ブラックリスト期間が短い

任意整理のブラックリスト期間は完済から約5年と解説しましたが、自己破産や個人再生だと最長で7年(裁判所の決定日起算)になります。

信用情報期間の内、JICCとCICは事故情報の登録期間が約5年で、任意整理と変わりありません。しかし、KSCのみ自己破産や個人再生の登録期間を7年としているのです※。

※2022年11月4日に登録期間が短縮されたため、それ以前の手続きは最長で約10年間残る可能性があります。

わずか2年ではありますが、任意整理の方が他の債務整理より早く普通の暮らしに戻れるかもしれないのです。

参照:株式会社日本信用情報機構「信用情報の内容と登録期間」

参照:株式会社シー・アイ・シー「CICが保有する信用情報」

参照:一般社団法人全国銀行協会「 全国銀行個人信用情報センター 情報の登録期間」

家族にバレずに進められる

自己破産や個人再生は裁判所にて手続きを行い、減額・免責が決定したときは官報に情報が記載されます。

官報とは?
国の機関紙で、公文や公告が記載される。誰でも閲覧できるが、主な閲覧者は行政関係者や金融業者、信用情報機関など。

実際の手続きは弁護士などに任せられるとはいえ、情報が公開される以上、家族や勤務先にバレる可能性もあります。

一方、任意整理は債権者と1対1で交渉を行うため、クローズなやり取りができます。家族や勤務先にバレないまま、手続きを進めることが可能です。

費用が安い

債務整理には、弁護士報酬や裁判所の手数料などで費用が発生します。任意整理は自己破産・個人再生に比べて費用が安いため、負担がそれほど気になりません。

各手続きの費用相場は以下の通りです。

債務整理の費用目安
手続きの種類 費用相場 費用の内訳
任意整理 1社あたり4万円程度+減額報酬(減額幅の10%程度) ・弁護士費用
自己破産 30万円程度~100万円程度 ・弁護士費用
・裁判所への手数料
個人再生 50万円程度~60万円程度 ・弁護士費用
・裁判所への手数料

※司法書士は弁護士より安く依頼できるが、1社あたり140万円以下の借入にしか対応してもらえないので注意。

上記の通り、任意整理は他の手続きより安く依頼できます。

ただし、上記の相場はあくまで目安であり、実際の費用は個々の状況や地域などで変わります。まずは法律事務所などに相談し、見積もりを出してもらいましょう。

「借金しているのにこんな費用は用意できない!」と思う人もいるかもしれませんが、弁護士などへ債務整理を依頼した場合、手続きが完了するまで返済をストップできるので、その間に積み立てられることが可能です。

また、支払いが困難な場合、分割払いや後払いができる法律事務所もあるので、やはり一度相談してみましょう。

財産処分を避けられる

先述の通り、自己破産では財産の処分が必要です。手元に残せるのは一部の現金と生活必需品のみで、処分した財産は債権者への弁済に充てられます。

また、個人再生に財産の強制処分はありませんが、借金をより減らすためには結局処分することになります。なぜなら、手元に残す財産が多いほど減額幅が小さくなるからです。

一方、任意整理は財産処分の必要がありません。財産の処分に抵抗があっても、任意整理なら気兼ねなく手続きが可能です。

減額幅が小さいとはいえ、月々の返済額が1/2もカットできるから

先にも解説した通り、任意整理は他の手続きと比べて減額幅が少ないと言えます。しかし、少ないのはあくまで比較した場合であって、任意整理の減額効果自体は決して小さくありません。

任意整理を行った場合、月々の返済額はおおむね1/2ほどカットできます。利息カットに加えて返済期間の調整も行うので、返済額を大きく減らすことが可能なのです。

実際にどのくらい減額できるのかは借入状況によるため、まずは弁護士や司法書士に相談してみましょう。下記の借金減額診断チェッカーを使えば、簡単な質問で減額幅を弁護士へ問い合わせられるので、ぜひ活用してみてください。

どの借入を対象にするか選べるから

自己破産や個人再生は、借入の全てを対象に手続きを行うため、借入の一部を除くことができません※。

※個人再生は、「住宅ローン特則」という制度を使えば住宅ローンを対象から外すことができる。

一方、任意整理は債権者との直接交渉なので、どの債権者に交渉を持ちかけるか選ぶことができます。

保証人のいる借入を除外すればトラブルを避けられますし、住宅ローンやマイカーローンを除外すれば家・車を手元に残すことが可能です。

「特定の借金だけ減額したい」「優先的に返済したい借入がある」という希望を叶えられるのは、任意整理だけなのです。

任意整理のデメリットを軽減する方法

ブラックリストなどのデメリットを考えて、任意整理をためらう人も多いと思います。しかし、ブラックリスト入りしたからといって、生活が立ち行かなくなるわけではありません。工夫次第で、任意整理による影響を軽減することもできます。

具体的な方法として、次の5つを見ていきましょう。

  • クレジットカード以外のキャッシュレス決済を利用する
  • 賃貸物件は「信販系の家賃保証会社」を利用しない物件を探す
  • 銀行口座は給与などの振込先を変更する
  • 車のローンは自社ローンを利用する
  • 生活費に困ったら公的貸付を利用する

クレジットカード以外のキャッシュレス決済を利用する

クレジットカードが使えなくなる代わりに、他のキャッシュレス決済手段を持っておけば、現金をいちいち取り出さずに買い物ができます。

近年は様々なキャッシュレス決済が普及しており、選択肢も増えています。たとえば、次のような決済方法はクレジットカードの代わりとして使いやすいでしょう。

  • デビットカード
  • プリペイドカード
  • 家族カード
  • 電子マネー決済

デビットカード

デビットカードは、利用と同時に銀行口座から引き落としがされるカードです。買い物でデビットカードを使えば、口座から即時に引き落とされます。

クレジットカードと同じ感覚で使えますが、審査は原則不要で、ブラックリスト期間でも作成可能です。また、通帳に利用履歴が逐一残るので、支出管理もしやすくなります。

口座残高がなくなれば利用できなくなるので、お金の使いすぎも防止できます。利用限度額の設定も可能なので、任意整理後に再び散財するようなミスも防げるでしょう。

プリペイドカード

プリペイドカードは、あらかじめ入金した金額だけ使える決済ツールです。図書カードやQUOカードのような「使い切り型」もありますが、クレジットカードの代わりであれば「チャージ型」を使いましょう。

様々な企業が発行しており、カードによって使えるお店も変わってきます。

  • 交通系:Suica、ICOCA、PASMOなど
  • 流通系:WAON、nanaco、楽天Edyなど
  • クレジットカード(国際ブランド)系:VISA、JCB、Mastercardなど

よく行くお店に対応しているプリペイドカードを持てば、日々の生活で不便を感じることはほぼないでしょう。

家族カード

家族カードは、クレジットカード会員の家族が取得できるカードです。家族カードがあれば、会員本人と同じようにクレジットカードを使えます。

家族カードは本カードと同じランクのものが発行されるため、本カードがゴールドであれば家族カードもゴールドになります。海外旅行保険などの付帯サービスも、本会員と同等のものを受けることが可能です。

支払いは本会員にまとめて請求され、利用限度額も「本カードと家族カードを合わせて本会員の利用限度額まで」となります。たとえば、本会員の利用限度額が100万円であれば、各カード合算で100万円までの利用となります。

他にも、「ポイントが本会員にまとめて加算されるので貯まるのが早い」「家族単位での家計管理が楽」といった点がメリットです。

ただし、家族カードにも発行時に審査があり、場合によっては落とされる場合があります。本会員の審査よりは厳しくありませんが、確実に発行してもらえるわけではないので覚えておきましょう。

電子マネー決済

電子マネー決済は、スマートフォンなどのモバイル端末を使って支払う方法です。大きく分けて「コード決済」と「モバイル決済」の2種類があります。

コード決済は、スマホのアプリをダウンロードし、QRコードやバーコードを読み取ることで支払いができます。PayPayや楽天ペイ、d払いなどが代表的です。

一方のモバイル決済は、ICチップが搭載されたスマホなどを専用機器にかざして支払う方式です。Apple PayやGoogle Pay、お財布ケータイなどがあります。

また、上記は店舗での支払い方法による分類ですが、最終的な金銭の支払い方法による分類として、下記の3つもあります。

電子マネー決済の仕組み
支払い方式 仕組み
前払い(プリペイド方式) アプリにお金をチャージして使う
即時払い方式 電子マネー決済の利用と同時に、登録した口座やデビットカードで引き落とされる
後払い(ポストペイ方式) 一定期間ごとに利用額をまとめて支払う(口座引き落としやクレジットカード、携帯電話料金との合算など)

スマホがあれば支払いが済むようになるので、財布を取り出す手間がなくなり、現金管理も不要となるのがメリットです。

賃貸物件は「信販系の家賃保証会社」を利用しない物件を探す

先述の通り、ブラックリスト期間中は「信販系の家賃保証会社」を利用できないため、信販系の家賃保証会社が不要な物件を探すようにしましょう。

信販系以外の家賃保証会社が指定されていたり、連帯保証人がいれば家賃保証会社が不要であったりと、任意整理後でも入居できる賃貸物件は多数あります。

また、不動産会社にブラックリスト期間中であることを伝えれば、諸々の事情に配慮して物件探しをサポートしてくれます。場合によっては、信販系の家賃保証会社を指定している物件でも、オーナーと交渉して入居できるように取り計らってもらえるかもしれません。

銀行口座は給与の振込先などを変更する

銀行からの借入を任意整理する場合など、口座凍結の恐れがあるときは、別の銀行へ切り替えることで対応可能です。

事前に預金を引き出し、給与振込や公共料金の引き落としなどを別銀行の口座に移せば、凍結されても影響はありません。

なお、給与の振込先口座が会社から指定されている場合、総務などに相談し、別の銀行で対応してもらえないか交渉する必要があります。原則として、会社の口座指定に法的強制力はないため、大抵は対応してもらえるでしょう。

車のローンは「自社ローン」を利用する

先にも解説した通り、ブラックリスト期間中でも「自社ローン」を使えば、ローンで車を購入できます。

通常、マイカーローンは信販会社などが間に入りますが、自社ローンはカーディーラーや中古車販売店が独自に提供しており、信用情報を見られることがありません。

ただし、自社ローンは一般的なマイカーローンより金利が高い傾向にあり、支払いの負担は大きくなるでしょう。また、基本的に保証人も必要となるので覚えておきましょう。

生活費に困ったら公的貸付を利用する

ブラックリスト期間に経済状況が悪化し、どうしても自分の収入だけでは生活が立ち行かなくなることもあります。そのようなときは、公的貸付を利用しましょう。

公的貸付は自治体などが行っている貸付で、その目的は市民の生活支援にあります。営利目的ではないので金利は低く、収入がわずかでも借入が可能です。

ここでは、主な公的貸付として以下の3つを紹介します。

  • 生活福祉資金貸付制度
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金
  • 求職者支援資金融資

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者、障がい者の生活を経済的に支える目的で作られた貸付制度です。

貸付金は資金の用途別に分類されており、それぞれ条件を満たせば融資を受けられます。

生活福祉資金貸付制度の種類(一部抜粋)
資金の種類 用途 貸付限度額 償還(返済)期間 利子
生活支援費 生活再建までの費用 ・単身者:月15万円以内×原則3ヶ月(最長12ヶ月)
※2人以上の世帯は上限20万円
据置期間※終了から10年 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
福祉費 生業を営むための経費や住宅の増改築費など 580万円以内
※具体的な用途によって異なる
据置期間終了から20年 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
緊急小口資金 緊急かつ一時的に生活維持ができないときの少額費用 10万円まで 据置期間終了から12ヶ月 無利子

※据置期間:元本の返済が猶予され、利息だけ支払う期間

参照:厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」

上記以外にも様々な資金があるので、まずは地域の社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。

母子父子寡婦福祉資金貸付金

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親や寡婦に対する貸付制度です。各自治体の役所(福祉担当窓口)で受け付けています。

生活福祉資金貸付制度と同様に、用途別に貸付条件が定められています。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の種類(一部抜粋)
資金の種類 用途 貸付限度額 償還(返済)期間 利子
事業開始資金 事業開始に必要な費用 ・個人:314万円
・団体:471万円
7年 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
修学資金 子供の就学費用 月額5万円程度~
※就学先や学年によって異なる
原則20年 無利子
生活資金 失業中や技能習得中、介護を受けているときなどの生活資金 ・一般:月10万5,000円
・技能習得:月14万1,000円
5年~20年(用途によって異なる) 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%

参照:男女共同参画局「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」

上記以外にも、就職支度資金や住宅資金など様々な用途の貸付があるので、まずは役所に相談してみましょう。

求職者支援資金融資

求職者支援資金融資は、職業訓練を受けている間、職業訓練受講給付金を受給する人が受けられる融資制度です。給付金だけでは生活費が不足する場合に利用できます。

具体的な融資内容は、以下の通りです。

  • 貸付額:月5万円~10万円(配偶者の有無などで異なる) × 職業訓練の受講月数分(最大12ヶ月)
  • 保証人:不要
  • 利率:年3%

前提となる職業訓練受講給付金の受給には、世帯収入や保有不動産などの条件があります。詳しくは、ハローワークで相談してみましょう。

任意整理が向いている人・向いていない人

この項目では、任意整理が向いている人・向いていない人の特徴について解説します。

現在、任意整理をしようか迷っている人は、ぜひ参考に任意整理とそれ以外の解決策、どちらを選択するのか検討してみてください。

任意整理が向いている人

任意整理が向いている人は以下のような方です。

  • 月々の返済額が1/2程度になれば返済できる人
  • 一部の借金のみの整理を考えている人
  • リボ払いの早期完済を目指したい人

月々の返済額が1/2程度になれば返済できる人

任意整理をすると、将来利息がカットされることにより、月々の返済額が1/2程度まで減額できます。

そのため、月々の返済額が現在の金額の1/2程度になれば返済できる人は、任意整理が向いているといえるでしょう。

一方で、月々の返済額が現在の金額の1/2程度になってもなお返済が苦しい場合、任意整理では借金の負担軽減効果が十分ではないと考えられます。

そのような人は、より借金の減額効果が高い個人再生や自己破産といった債務整理方法を検討するとよいでしょう。

一部の借金のみの整理を考えている人

「車を手放したくないから、車のローンは整理の対象から外したい」
「連帯保証人になっている親戚に迷惑をかけたくないので、奨学金以外の借金のみ整理したい」

このように、さまざまな理由から一部の借金を債務整理の対象から除外したいと考える人は少なくありません。

一部の借金のみの債務整理を考えている場合、基本的に選択できる方法は任意整理のみです。

なぜなら、個人再生や自己破産といった任意整理以外の債務整理には、すべての債権者を平等に扱わなければならないという原則があるからです。そのため、個人再生や自己破産で借金問題を解決する場合は、整理の対象とする借金を債務者が選ぶことは基本的にできません。

リボ払いの早期完済を目指したい人

債務整理をする目的が「リボ払いの利用残高を早く完済するため」である場合も、任意整理が向いているといえます。

リボ払いは手数料の利率が高く、そのまま返済を続けると高額な利息を支払うことになります。

そのため、今後支払うはずのリボ払い手数料をカットする任意整理をおこなうことで、返済負担を大幅に減らせる効果が期待できるのです。

ただし、リボ払い手数料をカットした後の残金を3~5年で分割返済できる見込みがない場合は、より借金の減額効果が高い個人再生や自己破産も視野に入れる必要があるでしょう。

任意整理が向いていない人

逆に、任意整理でなく自己破産や個人再生を考えるべき人は以下のような方です。

  • 継続的な収入がない人
  • 収入に対する借金の額が大きすぎる人

継続的な収入がない人

任意整理の場合、手続きをした後も数年間は返済を続けなければなりません。

よって、継続的な収入を得られる見込みがあることが、手続きをおこなえる条件になります。

もし、手続き後に継続的な収入を得られる見込みがないのであれば、借金をゼロにできる自己破産も視野に入れて検討したほうがよいかもしれません。

収入に対する借金の額が大きすぎる人

任意整理によって減額できるのは、基本的に今後支払う予定の利息分だけであり、元金については3~5年程度で全額返済しなければなりません。

そのため、任意整理を利用するには、借金の元金を3~5年で完済できるだけの収入を得ている必要があります。

もし、5年以内に完済が難しいのであれば、収入に対する借金の額が大きすぎると考えられるため、個人再生や自己破産など、より借金の減額効果が高い方法を検討するとよいでしょう。

任意整理後、ブラックリストになったら気を付けること

ブラックリスト期間中、「お金が足りない」と思っても次の2点は守りましょう。

  • 「ブラックOKの融資」に手を出さない
  • 「グレーな取引」に手を出さない

これらの注意点を破ると、任意整理の前より状況が悪くなってしまいます。借金からの生活再建を実現するためにも、必ず守るようにしましょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

「ブラックOKの融資」に手を出さない

正規の金融業者であれば、ブラックリストの債務者に融資することは原則ありません。ましてや、「ブラックリストの方でも融資OK」などと宣伝することもありません。

ブラックOKを謳う業者は基本的に闇金業者なので、そのような業者から融資を受けると、法外な利息を取られてしまいます。利息が元本の数倍~数十倍になってしまうこともあるでしょう。

返済できない債務者に対しては、暴力や嫌がらせで取り立てようとしたり、犯罪に加担するよう強要してきたりします。

また、元本の完済が可能でも、難癖をつけて受け取りを拒否し、利息だけを延々と取り続けてくる手口もあります。

いずれにせよ、闇金業者と関わっても良いことは一つもないため、ブラックOKを謳う業者には近づかないようにしましょう。

「グレーな取引」に手を出さない

インターネットで検索すると、「現金を稼ぐための裏ワザ」などと銘打った方法がいくつも紹介されています。

しかし、こうした「裏ワザ」は、明確な違法でなくてもグレーな取引であったり、身体的・精神的・金銭的にリスクの大きい方法であったりすることが大半です。

たとえば、以下に挙げる方法は危険性が高いため、手を出さないようにしましょう。

  • クレジットカードの現金化
  • マルチ商法・ネットワークビジネス
  • パパ活・ママ活
  • マッチングアプリなどのサクラ
  • アダルト関連の仕事
  • 給与ファクタリング
  • パチンコの打ち子
  • 裏バイト(不自然に高給、求人がSNSのみ、業務内容が不明瞭などが特徴)

これらのグレーな取引に手を出してしまうと、ブラックリスト期間が終わっても普通の生活に戻れないかもしれません。「違法じゃないなら大丈夫」と考えず、堅実に生活を立て直していきましょう。

まとめ

任意整理は、債務整理の中では比較的デメリットの少ない手続きです。それでも、ブラックリストや口座凍結などのデメリットがあります。

任意整理を行うにあたって大切なのは、弁護士や司法書士に相談し、法律の観点から適切な借金解決方法を提案してもらうことです。まずは法律事務所などに相談し、今の借入状況や任意整理で減らせる借金額、任意整理後の心構えなどを相談してみましょう。

借金問題を専門としている弁護士・司法書士なら、最終的に任意整理は不要という結論になっても、個々の状況に応じた的確なアドバイスをしてくれます。基本的に初回無料で相談できるので、気軽に問い合わせてみましょう。

任意整理のよくある質問

任意整理とはどのような手続きですか?

任意整理とは、弁護士や司法書士に代理人となってもらい、債権者と今後支払う予定の利息をカットや減額してもらえるよう交渉する手続きです。

任意整理のメリットはなんですか?

他の債務整理(自己破産・個人再生)と比べて、デメリットが小さく、かかる費用も少ないことです。また、どの借入を対象にするか選べるので、保証人のいる借金や、家を担保にしている住宅ローンなど、任意整理したくない借入を除外することができます。

任意整理にはどのようなデメリットがありますか?

最長で約5年間ブラックリストになり、クレジットカードやローンが使えなくなります。他には、保証人に請求が移行する、銀行口座が凍結されるといったデメリットがあります。

任意整理の費用相場や手続き期間はどのくらいですか?

費用は、1社当たり4万円程度に、減額分の10%程度を追加した金額が相場です。手続き期間は個々のケースによりますが、依頼から和解成立までは3ヶ月程度が一般的です。

任意整理をするべきか悩んでいます。どこに相談したらよいですか?

任意整理の実績が豊富な法律事務所への相談をおすすめします。当サイトでも、無料相談可能な法律事務所を紹介しています。無料相談を利用して、あなたに合った借金の解決方法をアドバイスしてもらうとよいでしょう。→STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」

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