住宅ローンの返済が家計の大きな負担となっています。今はなんとか貯金で賄っているのですが、この先払い続けられるか不安です。
その場合、借入をしている金融機関に相談すると返済猶予や減額を認めてもらえる可能性が高いです。滞納前に相談してみるとよいでしょう。
わかりました。さっそく相談してみます。ただ、借金の返済もあり減額されてもそのうちまた返済が難しくなりそうなんです。どうしたらよいでしょうか・・・。
借金問題については自力での返済が困難だと感じたら、一度借入や収入状況がわかる資料をもって弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。債務整理も視野に、状況に合わせた解決方法を考えましょう。
何らかの理由により収入が減少し、住宅ローンを支払うのが大きな負担となっている方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンは、滞納してしまうと住宅を手放さなければならない可能性が高く、早急に対処が必要です。
まずは住宅ローンの借入をしている金融機関へ、猶予や減額の相談をするとよいでしょう。
もしも、収入減少や住宅ローン、その他の借金などが原因で生活が困難であるなら、弁護士に債務整理を依頼することで解決できるかもしれません。
ローン返済中の住宅を手放さずに手続きすることも可能なので、まずは一度、無料相談をしてみてはいかがでしょうか。
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- 住宅ローンの返済に困ったら、すぐに借入先の金融機関へ減免の相談をしよう。
- 借金の返済が負担で住宅ローンが払えないときは、債務整理で借金問題を解消しよう。
住宅ローンを減額する方法5つ
住宅ローンを払えなくなってしまうと、残債の一括請求を受けたり、住宅を競売にかけられる恐れもあります。
そのため、支払いがきついと感じたら、早急に対処することが大切です。
この項目では、住宅ローンの支払いが苦しくなったときに使える「住宅ローンを減額する方法」について解説します。
具体的には、以下の5つです。
- 1.返済期間を延長して月々の返済額を下げる
- 2.一時的な猶予制度を活用する
- 3.ボーナス払いの変更を交渉する
- 4.金利が低いか返済期間が長いローンに借り換える
- 5.繰上げ返済を行う
1.返済期間を延長して月々の返済額を下げる
まず一番交渉が成立しやすいのが、返済期間を延長して月々の返済額を減額してもらう方法です。
適用金利や返済を延長する期間、借入額にもよりますが、月々の返済額は1~3万円程度減額されるケースが多いです。
ただし、返済期間が長くなると利息を支払う回数も増えるので、返済総額は多くなります。
2.一時的な猶予制度を活用する
一時的な猶予制度を活用するのも有効です。
なお、一時的な猶予制度は、主に以下の2種類あります。
- 一時減額
- 元金据え置き
A.一時減額
収入が回復する見込みがあれば、一定期間だけの減額を交渉するとよいでしょう。
減額した分については、一定期間が経過した後に上乗せされます。
そのため、減額期間が終わると月々の返済額は元の金額より高くなるのが通常です。
もしも、収入の回復が確実でないのなら、返済期間の延長による減額か元金の据え置きを交渉するのがよいでしょう。
B.元金据え置き
収入が20%以上減っていたり、失業した場合は「元金据え置き」が認められる可能性があります。
元金据え置きとは、元金は返済せずに利息のみを支払う期間を設定できる制度です。
設定できる期間は金融機関によって異なり、例えばフラット35では最長3年の元金据え置きが可能です。
その期間は大幅に住宅ローンの負担を軽減できます。
ただし、返済期間は延長されないため、元金据え置き期間終了後は月々の返済金額が増えるので注意が必要です。
3.ボーナス払いの変更を交渉する
月々の返済は問題ないけれど、ボーナスの減額やカットによりボーナス払いが困難なケースも多いです。
その場合は、ボーナス払いの減額や中止を交渉するとよいでしょう。
ただし、ボーナス払いの減額や中止をした後は、その分を月々の返済額に上乗せするため毎月の返済負担は大きくなるので注意してください。
なお、ボーナス払いの支払いが困難なときの対処法は、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
4.金利が低いか返済期間が長いローンに借り換える
現在の契約よりも金利の低いローンがあれば、借換えをすることで月々の返済金額を下げられます。
また、借換え時に返済期間を長く設定すると、さらに月々の返済金額を小さくすることが可能です。
ただし、ローンの借換えには審査があります。
そのため、失業していたり収入が減少していると、ローンの審査に通らない可能性が高いです。
また、ローンの借換えには以下のような費用がかかります。
- 新規契約手続き料(保証料、事務手数料、印紙代等)
- 全額繰上返済手数料
- 抵当権設定費用
- 抵当権抹消費用
返済年数や借入金額にもよりますが、住宅ローン借換えにかかる費用の相場は30~80万円程度です。
場合によっては、司法書士や弁護士に手続きを依頼する必要があり、その費用もかかります。
住宅ローンを借換える場合は、月々の返済金額だけでなくこのような経費も含めて検討しましょう。
5.繰上げ返済を行う
ボーナスや臨時収入などで返済資金を余分に確保することが可能なら、繰り上げ返済をおこなうのも一つの手です。
繰り上げ返済とは、決められた月々の返済額にプラスαの金額を上乗せして返済する方法です。
繰り上げ返済した分は全額が元金に充当されるため、より早いスピードで元金を減らし支払う利息総額を抑える効果があります。
住宅ローンを滞納するリスク
住宅ローンを滞納した場合、さまざまなリスクがあります。
具体的には、以下のとおりです。
- 競売で自宅を失う可能性がある
- 信用情報にキズがつく
競売で自宅を失う可能性がある
住宅ローンを無断で滞納すると、一般的に以下のような流れで住宅が競売となってしまいます。
滞納2ヶ月後 | 金融機関から督促状や催告書が届く |
---|---|
滞納3ヶ月後 | 競売手続きが開始 |
滞納6ヶ月後 | 競売期日通知が届く |
「競売期日通知」は、競売が開始される日時を知らせる通知のことで、届くと競売を拒否することはできず退去しなければなりません。
信用情報にキズがつく
滞納期間が2ヶ月を超えると、滞納の事実が信用情報に事故情報として登録されます。
信用情報に事故情報が登録されてしまうと、以下のようにさまざまな影響が生じます。
- 新規借入やキャッシングの利用、ローンを組むことができなくなる
- クレジットカードの新規発行やすでにあるカードの使用ができなくなる
- スマホや携帯電話の分割払いができなくなる
- 奨学金などの保証人になれなくなる
- 賃貸物件の審査に通らない場合がある
事故情報は一生残るわけではなく、債務整理や借金を完済すると一定期間が経過した後に削除されることが一般的です。
ただし、借金を返済できないまま放置してしまうと、いつまでも滞納が解消されず事故情報が残ってしまうので注意してください。
以下の記事ではブラックリストを早期に解除する方法について解説していますので、是非合わせてお読みください。
住宅ローンの支払いが厳しくても自宅を守る方法
住宅ローンの支払いができなくなってしまうと、基本的に住宅は競売にかけられ、売却額はローンの返済に充てられます。
しかし、以下のような方法を利用すれば、住宅ローンの支払いができなくなっても自宅を手元に残せる可能性が高いです。
- リースバックを活用する
- 親族間売買を活用する
- 個人再生の「住宅ローン特則」を活用する
リースバックを活用する
リースバックとは、住宅を売却して現金化し、売却後は家賃を支払って住み続ける方法です。
所有者が変わるため、固定資産税や維持管理費の負担も軽くなります。
ただし、オーバーローンの場合はリースバックが難しいケースがほとんどです。
また、リースバックでの買取価格は相場よりも平均で1~3割程低くなります。
親族間売買を活用する
リースバックと似た方法として親族間売却があります。
仕組みはリースバックと同様ですが、親族間売却の場合、買主側が住宅ローンを組めないケースが多いです。
ローンが組めないと、ローン残債を一括で支払う必要があります。
そのため、一括購入できる親族がいない場合は、親族間売却は難しいかもしれません。
個人再生の「住宅ローン特則」を活用する
住宅ローン以外に多額の借金があるため、住宅ローンの支払いが厳しい場合には、住宅ローン特則を活用した個人再生をおこない住宅を残せることもあります。
個人再生とは、借金総額を約1/5、人によっては1/10まで減額し、3年または5年の長期分割払いで返済していく債務整理方法です。
さらに、住宅ローン特則を活用すれば、住宅ローンは通常どおり返済するという条件で自宅を手放さずに借金を減額できます。
ただし、住宅ローンと減額後の借金を数年単位で支払い続ける必要があるため、十分な金額の安定収入を得られることが必要となります。
どうしても住宅ローンが払えない場合は自宅を売却する必要がある?
前項で紹介した「住宅ローンの支払いが厳しくても自宅を守る方法」を利用しても住宅ローンが払えない場合、自宅を売却する必要があるかもしれません。
この場合、自宅の売却方法には主に以下2つの方法があります。
- 通常売却
- 任意売却
住宅の売却価格とローン残債によって、どちらの売却方法を選ぶべきかが異なります。
次の項目から、詳しく見ていきましょう。
売却価格がローン残債を上回れば「通常売却」
売却価格がローン残債を上回っている「アンダーローン」であれば、通常売却が可能です。
売却した金額でローン残債を支払い、残りは手元に残せます。
また、売却を依頼する不動産業者も自分で選ぶことができます。
アンダーローンの場合は、リースバックも問題なく契約できますので、検討するとよいでしょう。
売却価格がローン残債を下回ると「任意売却」
売却価格がローン残債を下回っている「オーバーローン」だと、通常売却はできず「任意売却」となります。
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難となってしまった際に、借入先である金融機関の同意を得て売却をすることです。
通常売却のように売却した金額でローンの残債を支払うことができないので、必ず金融機関の同意を得なければなりません。
通常売却の場合は、自分で不動産業者を選んで売却できますが、任意売却では金融機関が売却先を決定します。
任意売却後に残ったローン残債については、金融機関と交渉をして分割返済となるケースがほとんどです。
残債の返済も難しい場合は、自己破産を検討した方がよいかもしれません。
自己破産については、のちの項目で解説しているので参考にしてください。
住宅ローンや他の借金で生活が立ち行かないなら債務整理も検討
住宅ローンの返済が困難な原因が借金にある場合、借金があることは減免措置の理由と認められずに金融機関との交渉は成立しない可能性が高いです。
その場合は、住宅ローンの減額を試みるよりも借金問題を先に解決したほうがよいでしょう。
借金解消の方法として、副業で収入を増やしたり親族から金銭的支援を受けるのは有効です。
それでも返済が難しく生活が困難になっている場合は、債務整理を検討した方がよいかもしれません。
任意整理や個人再生なら、住宅を残したまま手続きが可能です。
当サイトでも紹介していますが、無料相談を受け付けている法律事務所も多くあります。
住宅ローンを滞納して住宅を差押えられてしまう前に、一度弁護士に相談してください。
この項目では、債務整理について詳しくお伝えします。
「任意整理」で月々の借金返済額を減らす
任意整理は、債権者へ将来分の利息カットを交渉します。
交渉成立後は元金のみの返済となるため、月々の返済負担は大幅に軽くなるケースが多いです。
また、任意整理では、手続きする債務を選べます。
そのため、返済中の住宅や車のローンがある場合は、ローン会社を債権者から外し、いままでどおり返済していくことで、商品を手元に残したまま借金を減額できます。
任意整理によってどの程度借金が減額できるのか、一度無料の借金減額チェッカーを利用してみてはいかがでしょうか。
任意整理のさらに詳しい要件は、以下の記事を参考にしてください。
「個人再生」で借金総額を1/5程度に圧縮する
個人再生は、借金総額を大幅に減額して残債を再生計画に基づいて返済する手続きです。
個人再生では、手続きをする債務を選べません。
ただし、住宅ローン特則によってローン返済中であっても、住宅を残せます。
個人再生で住宅を残す場合、住宅ローンに関しては金融機関と契約した通りの返済を個人再生手続き後も続けることが条件となります。
住宅ローン特則を適用する場合、債務整理をしても住宅ローンの連帯保証人には影響がないこともメリットの1つです。
第百七十七条 再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
2 再生計画は、別除権者が有する第五十三条第一項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。
ただし、再生計画認可後に借金やローンの返済が滞ると、住宅ローンの残債は連帯保証人が一括返済を求められる可能性が高いです。
また、借金残債については本人が一括返済を求められ、場合によっては減額前の金額で返済する必要があります。
住宅ローン特則の適用は条件が複雑なため、利用したい場合は一度弁護士に相談するとよいでしょう。
「自己破産」で借金をなくして住宅も手放す
自己破産は、一定以上の価値がある財産を手放し、債務をすべてなくす手続きです。
手続きの際に、ローンが残っている住宅や車は原則差押えとなります。
住宅ローンを完済している場合でも、差押えられると考えたほうがよいでしょう。
住宅を残したい場合は、任意整理か個人再生をおすすめします。
自己破産の詳しい要件に関しては、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
住宅ローンは、借入先の金融機関へ返済計画の変更が交渉できます。
そのため、住宅ローンの返済が困難だと感じたら、すぐに借入先の金融機関に連絡しましょう。
交渉できる内容は、主に以下のとおりです。
- 返済期間を延長して月々の返済額を減らす
- 一定期間のみ元金の支払いを猶予してもらう
- 一定期間のみ減額してもらう
交渉の際は、減額を希望する理由や金額、元の返済条件に戻せる時期などを明確にしておくと成立しやすいです。
住宅ローンの返済が困難な原因が借金にあるのなら、ローン返済中の住宅も残しつつ借金の減免ができる制度もあるので、一度弁護士に相談してみてください。
住宅ローンの返済に関してよくある質問
給料が減って住宅ローンの返済がきついのですが、減免措置などはありますか?
住宅ローンを滞納するとどうなりますか?
住宅ローンが残っていても、住宅を売却できますか?
借金の返済がきつくて住宅ローンまで手が回りません。どうしたらよいでしょうか?
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
住宅ローンを残したまま債務整理できる、個人再生とはどのような手続きでしょうか?
条件を満たすかどうかは、弁護士へ相談するのがよいでしょう。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」