掲載件数
410
2024年11月現在

自己破産を行える条件とは?認められないケースはあるのか?

自己破産で借金をゼロにしたいのですが、どうすればよいですか?

借金を返済できない状態にある・借金が免責不許可事由に該当しない・過去7年以内に自己破産をしていないという3種類の条件をすべて満たさない限り、自己破産はできません。

自分が自己破産をできるかは、どのように確認できますか?

裁判所に自己破産が認められるかを個人で判断することは難しいので、無料相談を利用して専門家の弁護士に確認してみてください。

自己破産とは、借金をゼロにして返済が免除される制度ですが、誰でも利用できる訳ではなく、自己破産を裁判所に認められるには一定条件を満たす必要があります。

借金を返済できない状態にある・借金が免責不許可事由に該当しない・過去7年以内に自己破産をしていないという3種類の条件を満たさなければ、自己破産はおこなえません。

とはいえ「借金が支払不能にあるか?」や「借金が免責不許可事由にするか?」については、裁判所の裁量次第なので、自己破産ができるかを自分で見分けることは困難です。

以下のリンクから、自己破産の実績豊富な弁護士に無料で相談できるので「自分のケースでも自己破産できそうか?」といった疑問点を気軽に確認してみるとよいでしょう。

>>【無料相談】自己破産ができるか弁護士にチェックしてもらう!

この記事でわかること
  • 借金を返済できない状態にある・借金が免責不許可事由に該当しない・過去7年以内に自己破産をしていない場合でないと、自己破産で借金をゼロにできない
  • 借金総額が年収の1/3以下の場合・借金の原因がギャンブルや浪費の場合は自己破産が認められにくい
  • 自己破産ができるかどうかは、弁護士に判断してもらおう

最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を

ツナグ債務整理で債務整理に強い
弁護士・司法書士を探す
監修
弁護士法人アクロピース
吉田 伸広(弁護士)

自己破産が認められるための条件は3種類

自己破産とは、借金をゼロにして返済が免除される制度ですが、裁判所による許可が必要なため、申立てをしたからといって必ずしも自己破産が認められるとは限りません。

実際、令和2年度の司法統計を確認しても、個人で自己破産を申し立てた2329人のうち90人は棄却又は却下となっています。

裁判所に自己破産を認められるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 借金を返済できない状態にある
  • 借金が免責不許可事由に該当しない
  • 過去7年以内に自己破産をしていない

借金が返済できないほど苦しい状態にあったり、借金の原因がギャンブルなどの免責不許可事由ではないことなど、本当に必要と判断されない限り、自己破産は認められません。

自己破産が認められるための条件を、1つずつ解説していきます。

参照:「令和2年度司法統計 第108表 破産既済事件数-破産者及び終局区分別」(全地方裁判所)

1.借金を返済できない状態にある

1つ目の条件は借金の返済ができない状態にあることです。

「借金の返済ができない状態にあるか?」については、借金・財産・収入・支出などの金額をみて、裁判所によって客観的に判断されます。

そのため、借金総額が収入より多いとしても、預貯金があれば支払不能とはいえません。

あくまで目安でになりますが、借金総額が100万円以上の場合や年収の1/3を上回る場合でないと、支払不能とは判断されずに自己破産が認められにくいです。

支払不能と判断されやすいケース

以下のような債務状況の場合、支払不能と判断されやすいです。

・借金総額:300万円
・毎月の返済額:10万円
・毎月の収入:手取り18万円
・預貯金:0円
・住居:賃貸1人暮らし

このケースの場合、借金を毎月返済していると手元には8万円しか残らないので、借金完済までの30ヶ月間も家賃や生活費を捻出せずに生活を続けることは困難と考えられます。

そのため、支払不能の状態に陥っていると判断されて、自己破産が認められやすいです。

支払不能と判断されにくいケース

以下のような債務状況の場合、支払不能と判断されにくいです。

・借金総額:300万円
・毎月の返済額:10万円
・毎月の収入:手取り30万円
・預貯金:0円
・住居:実家暮らし

このケースであれば、借金を返済しても手元に毎月20万円が残る上、実家暮らしで家賃や生活費を捻出する必要もないので、完済までの30ヶ月間を問題なく生活できるでしょう。

したがって、支払不能には陥っていないと判断されて、自己破産が認められにくいです。

2.借金が免責不許可事由に該当しない

2つ目の条件は借金が免責不許可事由に該当しないことです。

以下のような場合、借金が免責不許可事由に該当する可能性が高いです。

  • 差押えを避けるために財産を第三者に渡す
  • 特定の債権者にだけ返済する
  • 浪費やギャンブルによる借金
  • 嘘をついて借金をする
  • 帳簿を隠したり、書き換えたりする
  • 虚偽の債権者一覧表・名簿を提出する
  • 裁判所の調査を拒む、虚偽の説明をする
  • 破産管財人の職務を妨害する
  • 過去7年以内に破産したなど

自己破産は単に借金を帳消しにすることが目的ではなく、借金の支払いをなくすことで今後の生活を再建することが目的の制度です。

なかには「自己破産することを前提に借金をしよう」と考える人もいるため、そうした行為を防止するために免責不許可事由というルールが設けられているのです。

また、自己破産をしても免除されない、以下のような借金を非免責債権と呼びます。

  • 税金
  • 罰金
  • 養育費
  • 国民健康保険料
  • 裁判所に申告しなかった借金
  • 従業員に支払う給料(個人事業主の場合)

これらの非免責債権は自己破産をしても支払い義務が残るので、自己破産をした後も非免責債権の支払いは続けなければならない点に注意しましょう。

裁量免責により自己破産できる場合もある

借金の原因が免責不許可事由でも、自己破産が一切認められない訳ではありません。

免責不許可事由があっても、債務者の状況などを総合的に考慮した結果、考慮すべき事情がある場合であれば、裁判所の裁量次第で自己破産を認めてもらえるケースもあります。

具体的には、以下のような事情がある場合には、借金の原因が免責不許可事由でも裁量免責による自己破産が認められる可能性が高いです。

  • 自己破産手続に協力的な姿勢を見せている
  • 自己破産によって経済的な更生の可能性がある

裁判所への予納金の支払い・破産管財人との相談・財産目録の提出など、自己破産における手続きに協力的な姿勢を見せておくことが大切です。

また「今後ギャンブルはおこなわない」と誓う・家計収支表を作成する・自己破産の手続き中に新規借入をしないなど、今後の生活再建を目指す姿勢を示すことも重要です。

裁量免責により自己破産をおこないたい場合、弁護士によるアドバイスが効果的なので、無料相談で「どうすれば裁量免責が認められるか?」などを聞いてみるとよいでしょう。

>>【免責不許可事由で困っている人向け】弁護士の無料相談はこちら!

3.過去7年以内に自己破産をしていない

3つ目の条件は過去7年以内に自己破産をしていないことです。

こちらも免責不許可事由に該当しているケースですが、他の免責不許可事由とは異なり、裁量免責による自己破産が認められないため注意しましょう。

回数制限はありませんが、1度自己破産をすると以降7年間は自己破産ができません。

また、給与所得者等再生やハードシップ免責を利用した場合も、以降7年間は自己破産が認められないので覚えておきましょう。

給与所得者等再生 個人再生の一種で、定期的な収入がある人が利用できる制度
ハードシップ免責 個人再生の返済が難しい場合、一定条件を満たせば残りの返済を免除する制度

もしも過去7年以内に自己破産をしている場合、7年経過するまで待つか、任意整理・個人再生という他の債務整理で借金を減らしてもらいましょう。

2回目の自己破産が認められる場合もある

法律上は回数制限がないので、2回目の自己破産が認められる場合もあります。

ただし、以下の条件を満たさない限り、2回目以降の自己破産は認められません。

  • 前回の自己破産から7年以上経過している
  • 前回の自己破産と同じ原因でない

短期間に複数回の自己破産を認めてしまうと、債権者が破綻してしまうので「前回から7年以上経過していないと、2回目以降の自己破産は認めない」と破産法で定めています。

また、自己破産をおこなう場合は「破産者が反省しているか?」という点を裁判所が慎重に判断した上で免責を認めるため、同じ原因による自己破産は基本的に認められません。

ちなみに、2回目以降の自己破産は管財事件と扱われる可能性が高く、同時廃止の場合よりも手間がかかる上に費用も高額になりやすい点にも注意しましょう。

自己破産が認められにくいケース

自己破産を裁判所に認めてもらうには3種類の条件がありますが、具体的にどのような場合に自己破産ができなくなってしまうのでしょうか。

以下のようなケースの場合、自己破産が裁判所に認められにくい傾向にあります。

  • 借金総額が年収の1/3以下の場合
  • 借金の原因がギャンブルや浪費の場合

借金総額が少ないと支払不能ではないと判断されるほか、借金の原因が免責不許可事由に該当する場合も支払いを免除するには相応しくないと判断されてしまいやすいです。

それぞれのケースを順番に解説していきます。

借金総額が年収の1/3以下の場合

借金総額が年収の1/3以下の場合、自己破産が認められにくいです。

なぜなら、自己破産は借金を返済できないほど困っている人のための制度であり、借金総額が少ない場合は「まだ返済不能には陥っていない」と判断されてしまうからです。

貸金業法によって「借金総額が年収の1/3を上回る場合、貸付をしてはいけない」と定められているため、借金総額が年収の1/3以下であれば支払不能とは判断されにくいです。

ですので、借金総額が年収の1/3以下の場合は自己破産ではなく、後述する任意整理・個人再生といった方法で借金の一部を減額してもらうとよいでしょう。

借金の原因がギャンブルや浪費の場合

借金の原因がギャンブルや浪費の場合、自己破産が認められにくいです。

浪費やギャンブルで借金をしてしまい、それが借金の大部分であると、免責不許可事由に該当してしまうため、自己破産が認められる可能性は低いです。

ただし、免責不許可事由に該当する借金でも、裁判所の裁量次第では裁量免責による自己破産が認められるケースもあるので、まずは弁護士に相談してみるとよいでしょう。

自己破産ができるかを見分ける方法

実際に弁護士に依頼する前に「自己破産ができるかどうか?」を把握しておきたい人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、自己破産が成立する条件は複雑なため、裁判所に手続きが認められるかどうかを自身で判断することは難しいのが実情です。

そのため、無料相談を利用して、弁護士に借金総額・債務状況などを伝えて、専門家目線から「自己破産ができるか?」を判断してもらいましょう。

弁護士の無料相談で判断してもらう

自己破産を取扱う弁護士事務所の多くは無料相談を実施しているので「自己破産ができそうか?」を弁護士に直接確認することをおすすめします。

借金問題の実績豊富な弁護士であれば、相談者の借金総額・債務状況などをヒアリングした上で、自己破産が認められるか否かをある程度シュミレーションできるからです。

以下のリンクから、借金問題の実績豊富な弁護士による無料相談が受けられるので「自分の場合でも自己破産ができそうか?」を専門家目線で判断してもらうとよいでしょう。

>>【弁護士の無料相談】自己破産ができるかをチェックしてみる!

自己破産が認められない場合の対処法

借金が免責不許可事由に該当する場合などでは、残念ながら自己破産が認められないケースもあります。

自己破産が認められない場合、以下の対処法で借金を減らすことが可能です。

  • 個人再生で借金の一部を減額してもらう
  • 任意整理で借金の利息を減額してもらう

合法的に借金を減額できる「債務整理」には、自己破産だけでなく個人再生・任意整理の2種類があり、それぞれ借金の元本または利息を減らすことが可能です。

それぞれの対処法について、1つずつ解説していきます。

個人再生で借金の一部を減額してもらう

個人再生とは、借金の元本を1/5〜1/10程度に減額してもらい、3〜5年程度かけて借金完済を目指す手続きです。

個人再生であれば、借金の原因は問われない上、手続きの種類によっては期間・資格に関する制限もないので、自己破産が認められない場合でも手続きできるケースがあります。

ただし、個人再生は住宅ローンを除いた借金総額が5000万円未満でないと認められず、返済能力が低いと判断された場合も断られるケースがあるため注意しましょう。

任意整理で借金の利息を減額してもらう

任意整理とは、借金の利息のみを減額してもらい、3〜5年程度かけて借金完済を目指す手続きです。

任意整理の場合、借金の原因は問われない上に期間・資格制限もないので、自己破産が認められない場合でも借金の利息のみを減額してもらえるケースがあります。

他の債務整理に比べると、減額できる借金は少ないですが、自己破産や個人再生のように裁判所をとおす必要がない上、借金の減額が認められる可能性は高い傾向にあります。

自己破産はやめるべき?他の債務整理手続きを検討しても良い人

自己破産の条件を充たすからといって、常に自己破産がすべての債務者にとって適切な債務整理手続だというわけではありません。

債務者ごとに事情は異なるので、条件次第では個人再生・任意整理がおすすめのケースもあります。

以下では、自己破産ではなく別の方法を選択すべきケースを紹介します。

債務整理に踏み出す前に、弁護士などの専門家に相談して適切な助言を受けるようにしましょう。

自己破産の職業制限に引っかかる人

自己破産を申し立てると、資格が制限されるために仕事ができなくなる場合があります。

例えば、弁護士や取締役などの会社役員は自己破産手続期間中資格が制限されるので、無収入となってしまいます。

任意整理や個人再生では、職業制限は生じません。

自己破産によって仕事ができなくなると困る人は、任意整理か個人再生を検討しましょう。

どうしてもローン返済中の自宅を残したい人

自己破産をすると、所有している自宅を処分しなければならないので、自宅を残したいという方は、次の方法を検討しましょう。

自己破産を諦めて任意整理をおこなえば、所有している財産を処分する必要はないので、自宅を手元に残せます。

また、個人再生の住宅ローン特別条項ルールを活用する方法でも、一定条件を満たせば、住宅ローン以外の債務の支払わずに済みます。

自己破産をしながらリースバックを利用する方法でも、自宅などの不動産をリースバック業者に売却して、当該業者から不動産を借りることで自宅に住み続けることが可能です。

ただし、自己破産の条件である免責不許可事由に該当するリスクがあるので、事前に弁護士と相談のうえ、債権者などの同意を得なければいけません。

借金の連帯保証人がついている人

自己破産をすると、債務者本人に代わって連帯保証人が借金の返済をおこなわなければいけません。

連帯保証人になってくれた親族や知人に迷惑をかけたくない人は、任意整理を検討しましょう。

任意整理では、債務整理をする債務を選べるので、連帯保証人が付いていない債務だけを整理対象に選べば、連帯保証人に迷惑をかけずに借金を減らせます。

財産をもっている人

自己破産をすると、以下の財産はすべて取り上げられて、換金されて債権者に振り分けられます。

  • 99万円以上の現金
  • 自宅や市場価値があると認められる自動車
  • 生活する上で必要と考えられる財産以外のもの

このような財産を手元に残したい人には、個人再生や任意整理がおすすめです。

ただし、個人再生の場合には、所有財産が多ければ借金の大幅な減額を期待できない点にご注意ください。

まとめ

借金を返済できない状態にある・借金が免責不許可事由に該当しない・過去7年以内に自己破産をしていないという条件を満たさない限り、自己破産で借金をゼロにできません。

このうち「借金が返済不能にあるか?」や「借金が免責不許可事由に該当しないか?」については、裁判所の裁量によるところが大きいため、個人で判断することは難しいです。

「自分のケースでも自己破産が認められそうか?」については、自己破産の経験豊富な弁護士に相談して、専門家目線から判断してもらうことをおすすめします。

もし自己破産が認められなかった場合、個人再生や任意整理で借金を減らすこともできるので、まずは気軽に弁護士の無料相談を受けてみるとよいでしょう。

自己破産の条件に関するよくある質問

自己破産が認められるには、条件がありますか?

借金を返済できない状態にある・借金が免責不許可事由に該当しない・過去7年以内に自己破産をしていないという条件をすべて満たさない限り、自己破産は裁判所に認められません。

どのような場合、支払不能と判断されやすいですか?

借金総額が100万円以上の場合や年収の1/3を上回る場合、支払不能と判断されて自己破産が認められやすいです。

どのような場合、借金が免責不許可事由と見なされますか?

借金の原因がギャンブルや浪費の場合、免責不許可事由の借金とみなされて、自己破産が認められにくいです。

どうすれば、自己破産ができるかを見分けられますか?

専門家でない素人が見分けることは困難なので、無料相談を相談して弁護士に判断してもらいましょう。
【弁護士の無料相談】自己破産ができるかをチェックしてもらう!

自己破産が認められない場合、どうすればよいですか?

個人再生で借金の一部を減額してもらうか、任意整理で借金の利息を減額してもらいましょう。

最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を

ツナグ債務整理で債務整理に強い
弁護士・司法書士を探す

自己破産に関するコラムはこちら

債務整理に強い弁護士・司法書士を探す

掲載事務所
410
更新日 : 2024年11月18日
検索