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2024年11月現在

自己破産前に借り入れするとどのようなペナルティが生じるのか?

自己破産を検討している人のなかには、生活費が足りずに困っている人もいるでしょう。

自己破産前に借り入れをすると、免責不許可事由に該当する可能性が高いです。

免責不許可事由とは、自己破産による免責が認められないケースのことです。該当すると自己破産ができず、借金の返済義務がなくならない恐れがあるため、自己破産前の借り入れは絶対にやめましょう。

また、免責不許可事由に該当することを知らずに借り入れてしまった場合は、今後の借り入れは控える、裁判所に借金の理由を聞かれたら正直に答える、弁護士に相談して和解を提案してもらうなどの対処が必要です。

なお、自己破産の費用に不安がある場合は、債務整理に強い弁護士へ依頼すると費用の後払い・分割払いに対応してくれる可能性が高いです。

当サイトでは、借金問題の解決に力を入れる弁護士を紹介しています。自己破産が必要な人の金銭事情を熟知した弁護士に、1度相談してみてはいかがでしょうか。

本記事では「自己破産前に借り入れをすると免責不許可事由に該当する」をテーマに解説していきます。

自己破産前に借り入れをしてしまった場合の対処法や、すぐにでもお金が必要ならどうすればよいかについても解説するため、参考にしてください。

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自己破産前に借り入れをすると「免責不許可事由」に該当する可能性あり!

自己破産前に借り入れをしてしまうと「免責不許可事由」に該当してしまう恐れがあります。免責不許可事由とは、自己破産による免責が認められないケースのことで、借金を抱えた理由や態度が破産手続きをするにふさわしくない事由です。これに該当してしまうと免責許可がおりません。

なかでもよく問題となる免責不許可事由には、以下の6つがあります。

  • ①無駄遣いやギャンブルによって作った借金
  • ②財産を隠したり壊したり他人に贈与したりする行為
  • ③破産申立てをする1年前に氏名や住所、年収など経済的な信用を偽って借り入れをした
  • ④ローンやクレジットカードで買ったものを安価で売った
  • ⑤破産申立てより7年以内に免責決定を受けている
  • ⑥裁判所や破産管財人に協力しない

自己破産前に借り入れをしてしまうと「③破産申立てをする1年前に氏名や住所、年収等経済的な信用を偽って借り入れをした」に該当する恐れがあります。最終的に免責許可がおりない場合があるため、自己破産を検討している際は、借り入れをしないようにしてください。

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「破産申立て以前1年以内の借り入れ」は免責不許可事由に該当

免責不許可事由には「破産申立てをする1年前に氏名や住所、年収など経済的な信用を偽って借り入れをした」という記載があります。破産申立て以前1年以内の借り入れは「返済能力がない」とみなされやすいため、注意しなければなりません。

なかには「最初は返済するつもりだった」「いずれの信用情報も偽っていない」などの理由から免責不許可事由に該当しないのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし「返済能力がないのに借り入れをしてしまうこと」で信用情報を偽ったとみなされてしまいます。

返済能力の有無は、債務者の経済状況もさることながら「客観的にみてどうか」が大きなポイントです。たとえば借金を返済するために借り入れをしたり、収入が増える見込みがないのに借り入れをしたりした場合も「返済能力がないのに借り入れをした」とみなされる可能性があります。

また、借り入れから1年経過することなく自己破産手続きを開始しようとすると「返済能力がないのに借り入れをした」とみなされ、免責不許可事由に該当する恐れがあります。

免責不許可事由に該当するかどうかはケースバイケースですが、自己破産申立て前1年以内の借り入れは控えたほうがよいです。とくに破産申立ての直前であればあるほど、悪質性を疑われる恐れがあるので絶対に避けてください。

免責不許可の疑いがかかるだけで費用面で大きなデメリットを受ける

最終的に免責許可がおりたとしても、免責不許可を疑われるだけで費用面で大きなデメリットを受けます。これは、自己破産の種類の違いによるものです。

自己破産には、次の2種類があります。

自己破産の種類 概要
同時廃止事件 破産手続き開始と同時に破産手続を終了させる制度
管財事件 裁判所が選任した破産管財人が破産者と債権者の間に入って破産手続きを進める手続き

どちらの手続きになるかは裁判所が判断し、本人が決めることはできません。

多くの財産を持たない破産者は、通常「同時廃止事件」で自己破産の手続きを行います。その費用はおおよそ30万円です。一方、免責不許可事由の疑いがかかると「管財事件」として扱われてしまうため、費用はおおよそ50万円になります。

その差は約20万円となり、最終的に免責不許可となる可能性も考慮すると、デメリットしかありません。

本当に返すつもりで借り入れし、実際に何回か返済をしていても免責不許可事由を疑われるだけで、20万円もの費用差が発生します。自己破産前に少しでも疑われるような行為は避けておいたほうがよいでしょう。

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自己破産直前の借り入れはかならずバレる

自己破産直前の借り入れはかならずバレます。「バレなければ大丈夫」「借りるだけ借りて自己破産しよう」と思っても、絶対にバレてしまうのでやめてください。

破産手続きを開始すると「債権調査」が開始されます。この調査では、破産者が抱えている債務の具体的な金額や債権者の調査をします。

調査の方法は以下のとおりです。

  • 破産者への聴取
  • 郵送物のチェック(請求書等)
  • 銀行口座の入出金明細
  • 信用情報機関から信用情報の取り寄せ

まずは破産者となる人にすべての債務について聴取をしますが、昔の借金で忘れてしまっているものもあるでしょう。そのため、郵送物の確認や銀行口座の入出金明細、場合によって信用情報機関から信用情報の取り寄せをします。

信用情報機関から情報を取り寄せてしまうと、加盟業者すべての債務が明らかになってしまうため、自己破産前の借り入れがバレる可能性は極めて高いでしょう。

家族や友人などからの借り入れは信用情報に掲載されませんが、銀行の入出金明細などでバレてしまう恐れがあります。いずれの借り入れもバレてしまう可能性が高いので、自己破産前に借り入れをするのは極力避けたほうがよいです。

裁判所に虚偽の申告をした場合も免責不許可事由に該当し自己破産できない

借り入れしていた事実を隠そうとして、裁判所へ虚偽の申告をしたり求められた書類を提出しなかったりすると、免責不許可事由の「裁判所や破産管財人に協力しない」に該当します。

悪質と判断されれば、管財事件になって50万円支払わなければならないうえに、免責許可がおりず、借金は残ったままになる可能性もあるでしょう。借り入れの事実を隠そうとする行為は、状況を悪化させるだけなので絶対にやめてください。

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【要注意】返済能力がないまま借り入れをすると詐欺罪に該当する可能性もある

返済能力がないまま借り入れをすると、刑法に定められている「詐欺罪」に該当します。たとえば、破産すること前提で借り入れをしたり、返済する意思がないのに借り入れをしたりした場合です。

詐欺罪が成立するためには「人を欺いて財物を交付させること」が必要です。あたかも返済するかのようにみせかけて借り入れをする行為は、詐欺罪になる恐れがあります。詐欺罪は成立が難しい罪であり、少しでも要件が変わると立件できない特徴があります。

ただ、自己破産前の借り入れであれば、1度も返済をしていないと詐欺罪が成立しやすくなるでしょう。さらに、客観的にみて返済能力があるかどうかも大切です。仕事をやめて収入がないのに借り入れをするなどの悪質な行為は、詐欺罪となる恐れがあります。

詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」で、罰金刑がありません。詐欺罪が成立した時点で懲役刑は免れないので、自己破産前や返済能力がないときの借り入れは絶対に控えてください。

自己破産前に借り入れをしてしまったときの対処法

もしも免責不許可事由に該当することを知らずに借り入れしてしまったのであれば、今さらどうすることもできません。今後、どうすれば免責許可がおりるのかを考えるべきでしょう。

一般的には、借り入れが余程悪質ではない限り、免責許可がおりることのほうが多いです。

自己破産前に借り入れしてしまったときの対処法は、以下の3つです。

  • 今後の借り入れは一旦控える
  • 裁判所から借金の理由を聞かれたら正直に答える
  • 弁護士へ相談して和解を提案してもらう

それぞれ詳しく解説します。

今後の借り入れは一旦控える

自己破産申立てより1年前以内に借り入れをしてしまった場合、今後の借り入れは一旦控えてください。クレジットカードも、カード会社が費用を立て替えており、借り入れと同じなので利用を避けましょう。

とくに、生活をするために毎月返済と借り入れを繰り返している人や、クレジットカードで買物をしている人は注意してください。今まで使ってしまっていた分は仕方ありませんが、いつまでも使い続けていても状況は改善されません。

「まずは借り入れを一旦控えること」これを徹底してください。

裁判所から借金の理由を聞かれたら正直に答える

免責不許可事由に該当するケースは「破産申立て前1年以内に住所や氏名、年齢、年収などの経済的信用情報を偽って借り入れをしたとき」です。やましい理由がないのであれば、裁判所から借金の理由を問われても正直に答えてください。

自己破産前であっても生活費が足りなくて借り入れをしてしまったり、返済するつもりで借り入れをしたりすることもあるでしょう。

借り入れをした理由によっては、裁量免責が認められることもあります。免責不許可事由に該当する借り入れがあっても、真摯に向き合い協力すれば裁量免責が認められやすくなる可能性もあるので、正直に借金の理由を伝えるように心がけてください。

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破産すること前提での借り入れでなければ、免責許可がおりる可能性が高い

借金を抱えた理由が悪質でなければ、ほぼ免責許可がおりるので安心してください。

悪質な借り入れとは以下のような場合です。

  • 近い将来自己破産するつもりなのに借りられるだけ借りた
  • 返済能力がないのにギャンブルや無駄使いをするために借り入れをした
  • 1回も返済していない(返済する意志もなかった)

このような理由で借り入れをしてしまった場合は、ほかの債務整理手続きを検討するか、債務整理を諦めて返済し続けるかしかありません。自ら選択肢の幅を狭めるような行為は避けたほうがよいでしょう。

弁護士へ相談して和解を提案してもらう

自己破産前に借り入れした事実を弁護士に相談したうえで、破産手続きに進んでください。

弁護士に相談することなく手続きを開始してしまうと、債権者から免責不許可事由の指摘を受けてしまう恐れがあります。その結果、債務者自身が免責許可がおりないなどのデメリットを受けてしまいます。そのため裁判所だけでなく、弁護士に対しても嘘偽りなくすべてを正直に話してください。

正直に話してくれれば、弁護士が裁判所との間に入り自己破産の免責が下りるよう、最大限働きかけてくれます。借り入れ事情などを考慮したうえで債権者との交渉を行い、スムーズに手続きが進められるでしょう。

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すぐにでもお金が必要なら早めに自己破産を行うか生活保護受給の検討

自己破産前に借り入れをしなければ生活が成り立たないほど切羽詰まっているのであれば、今すぐ弁護士へ自己破産の依頼をしてください。

弁護士費用は分割、もしくは法テラスの民事法律扶助制度を利用すればだれでも準備できます。そのうえ、弁護士へ依頼をすると返済が一時ストップするので生活費の確保が可能です。

もしも今、借金の返済はおろか自分の明日の生活すらままならない極限状態なら、生活保護の受給を検討してください。何も行動しなければ状況は悪化する一方です。状況に応じて今すぐ対策を講じましょう。

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自己破産の依頼をすれば返済義務が止まり生活費の確保ができる

弁護士へ自己破産手続きの依頼をすると、弁護士が債権者に対して「受任通知」を送付します。受任通知が届いた時点で、債権者は借金の取り立てができなくなります。また債務者自身も、債権者に対してお金を返済する必要はありません。

今まで返済費用に充てていたお金を生活費に充てることで、安全に生活費の確保ができます。最終的に免責許可がおりれば、その後の借金返済も免れるため、まずは弁護士へ相談してください。

弁護士費用の用意が難しければ、分割払いや民事法律扶助制度の利用を検討

自己破産費用の準備が難しくて破産手続きに踏み切れないのであれば、分割払いや民事法律扶助制度の利用を検討してください。

ほとんどの弁護士事務所で自己破産費用の分割に対応しています。また、裁判所へ支払う費用も弁護士に支払い、積み立てておけるので確実に自己破産費用を準備できるでしょう。

>>【弁護士費用・裁判所費用ともに分割払い可】債務整理に強い弁護士へ無料相談する

分割払いでも費用の用意が難しいのであれば、法テラスの民事法律扶助制度の利用を検討してください。この制度では、弁護士費用や自己破産費用などを立て替えてくれます。

原則返済しなければいけませんが、状況に応じて猶予や免除が認められる場合もあります。なお民事法律扶助制度の利用は、収入要件など一定の要件を満たす必要がありますが、収入が少なく自己破産費用が準備できないのであれば、利用できる可能性は高いでしょう。

→法テラス「民事法律扶助制度」

生活費・返済金の準備が難しいなら今すぐ生活保護の受給検討

生活費がなく今すぐお金が必要、借金返済費用もなく弁護士費用も準備できないなど、極限まで切羽詰まっている状態なら生活保護を検討してください。生活保護受給要件に「借金の有無」は関係ないので、多額の借金を抱えている人でも受給が可能です。

生活保護を受給することで借金の返済ができなくなりますが、自己破産は可能です。まずは自分の生活を立て直すことに注力し、その後に民事法律扶助制度を利用して自己破産を検討しましょう。

生活保護制度の概要、条件や相談窓口については厚生労働省の以下ページをご覧ください。
→厚生労働省「生活保護制度」

まとめ

自己破産前に借り入れをしてしまうと免責不許可事由に該当する恐れがあり、最終的には免責許可がおりなくなってしまう可能性があります。

仮に免責許可がおりても、免責不許可事由を疑われるだけで、費用面で大きなデメリットを受けます。そのため、自己破産前の借り入れは控えるべきです。

もしも自己破産申立てをする1年前以内に借り入れをしてしまった場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。弁護士に相談すれば、借り入れ事情などを考慮したうえで債権者との交渉を行い、スムーズに手続きを進めてもらえます。

そのうえで、今後の借り入れを控える、裁判所からの質問には正直に答えるなどの対応をしてください。

なお、すぐにでもお金が必要なら、早めに自己破産を行うか、生活保護受給を検討することをおすすめします。自己破産を弁護士に依頼すれば、借金の返済が一旦止まるため、まずは、弁護士へ相談してみてください。

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自己破産のよくある質問

免責不許可事由で自己破産が認められなかったら、どうしたらよいですか?

個人再生へ方針転換することをおすすめします。
個人再生では借金の理由は問われません。
個人再生でも借金総額を大幅に減額できるので、弁護士へ相談してみるとよいでしょう。

自己破産をすると、すべての財産が差押えられてしまうのですか?

いいえ。
自己破産をしても、生活に必要最低限な家具家電や20万円以下の預金、99万円以下の現金などは残せます。
詳しくは弁護士へ相談して判断してもらうことをおすすめします。

自己破産手続き中の収入も差押えられてしまうのですか?

自己破産手続き開始後の収入は「新得財産」に該当するので財産処分の対象外となります。
また、自己破産申立て時に給料債権が存在する場合でも、収入の3/4は「差し押さえ禁止財産」に該当するので、処分されるのは収入の1/4です。

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更新日 : 2024年11月18日
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