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2024年11月現在

債務整理に優先順位はある?どの手続きから考えるべきなのか?

借金の返済がだんだん厳しくなってきて、債務整理も考えているのですが何からしたらよいのかわかりません。優先順位を教えてください。

まずはご自身の収入や支出を見直してみましょう。その後、利用できる公的支援や税金の減免申請をして、借金の返済に余裕が出るか試してみてはいかがでしょうか。債務整理をするのはそのあとでも遅くないですよ。

わかりました。まだ切羽詰まっているというほどではないので試してみます。もし債務整理をする場合、どの手続きを優先しておこなうべきですか?

どの債務整理手続きをするかは、個々の事情に大きく左右されるので一概に「どの手続きが優先」というものはありません。あなたの状況にあったアドバイスができますので、一度、借入状況や収入のわかる資料を持って相談にいらしてください。

債務整理を検討しているものの、どの方法を選べばよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。

債務整理手続きには「任意整理」「自己破産」「個人再生」の3種類がありますが、個々の事情に大きく左右されるため、明確な優先順位はありません。

そのため、弁護士に相談して方法を決めることをおすすめします。

また「自分が債務整理をするべきかわからない」という人も、法律事務所の無料相談を利用して、弁護士にアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。

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この記事でわかること
  • 債務整理を検討する人は、収支の管理などを優先しておこなおう。
  • 債務整理手続きに優先順位はなく、個々の事情に応じて弁護士と相談して決める。
  • 自己破産時は債権の優先順位を守らないと、免責不許可となる恐れがある。

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債務整理の優先順位は状況に合わせて弁護士とよく話し合おう

債務整理にはいくつかの種類がありますが「どの手続きを優先しておこなうべき」という明確な優先順位はありません。

どの手続きをするのかは、個々の状況に合わせて弁護士のアドバイスをもとに決定します。

ただ「このような場合はどの手続きを希望すればいいのか、弁護士に相談する前に知りたい」という人もいると思います。

そこでこの項目では、状況ごとに優先するべき債務整理手続きの例を紹介しますので、参考にしてください。

「毎月の返済額が減れば返済可能」な人は任意整理を優先

任意整理は、将来的な利息のカットを債権者に交渉し、交渉成立後は元金のみを3~5年で返済する手続きです。

利息がなくなるので、毎月の返済額が大幅に減ります。返済額が半分ほど減るケースも少なくありません。

そのため「毎月の返済額が減れば返済可能」な人は、任意整理を優先に考えてもよいでしょう。

また、任意整理には他にも以下のようなメリットがあります。

  • 手続きする債務を選べるので、ローン返済中の家や車があっても差押えられない
  • 他の手続きよりも費用が安い
  • 比較的手続きにかかる期間が短い
  • 裁判所を通さないため、周りの人に知られる可能性が他の手続きよりも低い

元金のみの返済に対する「返済能力」や「返済意思」があれば、債権者との交渉は成立する可能性が高いので、弁護士に希望してみてはいかがでしょうか。

「借金総額が高額で返済不能」な人は自己破産を優先

  • 借金がもういくらあるのかわからないほど多い
  • 複数社から借金していて、滞納もしている
  • 生活もままならないので、借金をすべてなくしたい

このような人は、自己破産を優先して検討するとよいかもしれません。

自己破産は、一定以上の価値がある財産を手放し、債務をすべてなくす手続きです。

自己破産後は任意整理や個人再生のように残債が残らないので、借金に関して心配することなく生活ができます。

ただし、以下のような「免責不許可事由」があると、自己破産をしても借金の返済義務がなくならない可能性が高いので注意しましょう。

  • 借金の理由がギャンブルである
  • 借金の理由が浪費によるものである
  • 返済不能にも関わらず虚偽の申告をして借金をした

免責不許可にあたる事由は他にも多くあるので、自己破産を希望する場合は、弁護士とよく話し合うとよいでしょう。

「手元に残したい財産がある」人は個人再生を優先

個人再生は、借金総額を大幅に圧縮して残りを3~5年で返済する手続きです。

個人再生手続きで借金残債を決定する方法に「清算価値基準」によるものがあります。清算価値基準とは、所有している財産の価値を最低弁済額とする方法です。

例えば、500万円の価値がある腕時計を所有していた場合、500万円が最低弁済額となります。

その場合、腕時計を手放して500万円を返済するのが一般的ですが、500万円を分割で支払えるのであれば、腕時計を手元に残せる可能性があります。

ただし、返済計画が無謀な場合などは、手元に残したい財産でも認められない可能性があるので、弁護士とよく相談しましょう。

債務整理を検討している人が優先してするべきこと

「借金の返済がきついから、債務整理をしたほうがよい」と考える人は多いです。

しかし、数年間ブラックリストに掲載されたり、車や家などの財産を手放す必要があるなどデメリットもあります。

そこでこの項目では、債務整理を検討している人が優先してやるべきことをお伝えします。

ただし、すでに借金を長く滞納していたり、借金の返済が家計を圧迫して生活費が捻出もままならないなどという場合は、すぐにでも弁護士へ相談するのがよいでしょう。

収支のバランスを整えて返済できないか考えよう

毎月の借金返済に悩む人は、収入と支出のバランスが上手く取れなくなっているケースが多いです。

そこで、まずは支出に優先順位をつけて収支のバランスを整えてみましょう。

一般的に、支出の優先順位は以下のとおりです。

  1. 消費
  2. 投資
  3. 浪費

消費は生活費や食費、光熱費など「生活に必要な支出」です。自炊をしたり、なるべく安いスーパーで買い物をすることで節約できます。

投資は貯蓄やセミナー、株式投資など「将来役に立つものへの支出」です。借金返済が終わるまでは控えてもよい支出といえるでしょう。

浪費はギャンブルや必要以上の贅沢品、外食など「無駄な支出」なので、浪費をなくすことで、借金返済に充てられるお金を捻出できる場合が多いです。

利用できる公的支援があれば申請して受取ろう

なかには生活費のために借金をしている人もいるでしょう。また、病気で働けずに借金をしてしまったという人も多いです。

最近では新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化し、借金に頼らざるを得ない人も少なくありません。

そのような場合、以下に挙げる公的支援が利用できるかもしれません。

  • 生活福祉資金貸付
  • 年金担保貸付
  • 緊急小口資金貸付

上記は無利子や低金利で国から貸付が受けられます。また、一人親世帯に向けた公的支援も多くあります。

  • 母子父子寡婦福祉資金貸付
  • 児童扶養手当
  • ひとり親家庭等医療費助成制度
  • 住宅手当
  • 生活サポート基金

新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまった場合は、以下の公的支援を受取れる可能性があります。

  • 持続化給付金
  • 未払賃金立替払制度
  • 傷病手当金
  • 休業手当

無利子や返済不要のものもあるので、一度お近くの自治体窓口に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

公的支援の詳細は以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。

税金の滞納は自治体に分納や減免を相談しよう

借金を抱えている人のなかには、税金を滞納している人も多いのではないでしょうか。また、税金を納付するために借金をしている人もいるかもしれません。

税金は、債務整理をしても納付義務が消えません。

そのため、税金を滞納している場合は自治体の窓口へ分納や減免の相談をするとよいでしょう。

国民年金や国民健康保険料も減免してもらえる場合があるので、下記の記事を参考に申請することをおすすめします。

副業で収入を増やせないか考えよう

副業で収入を増やすのも、借金の返済を進めるためにとても効果的です。また、収入の多い仕事に転職を検討するのもよいでしょう。

借金が数十万円程度であれば、副業によって借金返済を効率的に終わらせられるケースも多くあります。

副業に出向く日を確保するのが難しいという場合は、勤務時間が自由な「在宅ワーク」での副業をするのもおすすめです。

以下の記事を参考に、自身の生活リズムに合わせた副業を検討してみるのはいかがでしょうか。

滞納中の住宅ローンは支払うか返済条件の変更を交渉をしよう

債務整理をする場合、住宅ローンを滞納していると自宅を差押えられる可能性が高くなります。

そのため、住宅ローンの滞納はなくしておくのが望ましいです。

また、住宅ローンに家計を圧迫されているという人もいると思います。その場合は、借入先の金融機関に返済条件の変更を交渉してみましょう。

以下のような条件で、変更を受け付けている金融機関が多いです。

  • 返済期間を延長して月々の返済額を下げる
  • 元金の支払を猶予して一定期間利息のみ支払う
  • 一定期間だけ返済額を下げる

金融機関へ交渉するときは、現在の条件での返済が難しい根拠となる給与明細などの資料を持参するとスムーズです。

一時的な給料の低下の場合、返済条件を変更すれば滞納や借金をせずに返済を続けられる人も多いのではないでしょうか。

弁護士に相談して債務整理を依頼しよう

すでに借金を滞納していたり、借金総額が年収の1/3以上であるなど自力での返済が困難な場合は、弁護士に相談して債務整理を依頼するのがよいでしょう。

弁護士費用が心配な人は、法テラスを利用するのがおすすめです。

法テラスとは、国が設立した法的支援をおこなう機関です。無料で法律相談ができ、費用の立替え制度もあります。

法テラスの詳細は、以下の法テラスのページを参考にしてください。

参照:法テラス「費用を立て替えてもらいたい」

ただし、法テラスでは依頼する弁護士を指定することができません。そのため、自身で弁護士を選びたい場合は法律事務所の無料相談を利用したり、ホームページで検索してみるとよいでしょう。

その際は、借金問題に強い弁護士へ依頼をするのがおすすめです。

当サイトでも、無料相談を受け付けている借金問題の解決に力を入れる弁護士を紹介しています。ぜひお気軽に相談してみてください。

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自己破産時は債務に優先順位があるので破産管財人に任せよう

自己破産をすることになった人は

  • 友人から借りている分だけでも先に返済したい
  • 会社でお世話になった取引先への売掛分だけ先に払おう

などと思うかもしれません。

しかし、自己破産では「債権者の平等」が理念とされているため、上記のような行為は「免責不許可事由」となってしまいます。

自己破産時に処分される債務者の財産は、破産管財人によって管理され債権者へと分配されます。

そのため、自己破産時は勝手に財産の処分や返済はせずに、破産管財人にすべてを任せましょう。

自己破産時における債務の優先順位

自己破産の破産手続きにおける債務の優先順位は、以下の通りです。

  1. 別除権
  2. 財団債権
  3. 優先的破産債権
  4. 一般の破産債権

次の項目から、それぞれ詳しく解説します。

1.別除権

別除権とは、特定の財産に対する担保権などを指し、担保物について破産手続きによらず優先的に返済を受けられます。

9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。

引用元:e-Govポータル「破産法第2条9」

例えば、破産者に住宅ローンが残っている場合、住宅ローン借入先の金融機関は担保権を実行し、住宅を競売にかけて住宅ローン残債を確保することが認められています。

2.財団債権

財団債権とは、破産手続きによらず破産財団から随時弁済を受けられる債権です。

7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。

引用元:e-Govポータル「破産法第2条7」

例えば、以下のようなものが財団債権に当てはまります。

  • 自己破産手続きにかかる費用
  • 破産管財人への報酬
  • 1年以内の税金
  • 破産手続開始前3ヶ月間における破産者の従業員の給料
  • 破産手続の終了前に退職した破産者の従業員の3ヶ月分の給料

参照:e-Govポータル「破産法第148条」

例えば、会社が倒産しても破産手続開始前の3ヶ月分の給料は優先して請求することができます。

3.優先的破産債権

財団債権に当てはまらない債権は「破産債権」とされ、破産手続きにおいて破産者の財産を換価して返済を受けます。

第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。

引用元:参照:e-Govポータル「破産法第98条」

その中でも、とくに優先される債権を「優先的破産債権」といい、具体的には以下のようなものがあります。

  • 財団債権に含まれない公租公課
  • 財団債権に含まれない給料
  • 葬式の費用

優先的債権が複数ある場合は、以下の優先順位で配当されていきます。

  1. 公租(国税・地方税)の請求権
  2. 公課(国民年金や国民健康の保険料など)の請求権
  3. 共益費用の請求権
  4. 雇用関係の請求権
  5. 葬式費用の請求権
  6. 日用品の供給の請求権

そのため、破産者に財産がないと下位の優先順位の債権者は債権を回収できない恐れがあります。

4.一般の破産債権

上記のどれにも当てはまらない債権は「一般の破産債権」とされます。

個人間での借金などが当てはまります。

破産者には余剰な財産はあまりないことが多く、一般の破産債権は回収できないケースがほとんどです。

優先順位を守らずに返済すると自己破産の免責が認められない可能性がある

前述したように、自己破産をすると個人間の借金は返済が難しいことがほとんどです。

しかし、友人や知人、家族からの借金を優先して返済することは「免責不許可事由」にあたります。

そのため、個人間の借金を優先して返済してしまうと、自己破産の免責がおりずに借金の返済義務がなくならない恐れがあるので絶対にやめましょう。

自己破産後に任意で返済を続けることは可能です。そのため、個人間の借金は自己破産後に少しずつ返済していくのがよいでしょう。

まとめ

債務整理は借金問題解決の有効な手段ですが、債務整理を検討している人が優先してするべきことがいくつかあります。

それでも借金の返済が難しい場合は、弁護士に相談して自分の状況に合わせた債務整理手続きを依頼するとよいでしょう。

自己破産をする場合は、返済に細かく優先順位がつけられています。優先順位を守らず、勝手に返済をすると免責がおりない恐れがあるので注意が必要です。

個人的にどうしても優先したい借金があるときは、破産手続き前に弁護士へ相談してみるとよいでしょう。

債務整理のよくある質問

債務整理ではどの手続きが優先されますか?

債務整理手続きに明確な優先順位はありません。個々の事情に合わせた手続きを弁護士と相談して決定します。

自己破産をするのですが、友人からの借金を先に返せますか?

友人からの借金を優先して返すと「免責不許可事由」となって、自己破産をしても借金返済の義務がなくならない可能性があるのでやめましょう。自己破産手続き終了後に任意で返済していくのがよいでしょう。

債務整理を依頼する前にしておくことはありますか?

借入状況や収入のわかる資料を用意しておいたり、普段の収支をまとめておくと手続きがスムーズです。

債務整理を検討しているのですが、まず何から手を付けてよいか分かりません。

個々の状況によって債務整理に必要な情報や書類は異なるので、まずは法律事務所の無料相談などを利用して相談してください。専門家である弁護士などに状況を整理してもらい、適切なアドバイスをもらいましょう。

借金の他に税金の滞納もあります。借金の返済を優先したいので、税金を優先的に債務整理することはできますか?

税金は債務整理の対象になりません。そのため、借金より税金の支払いを優先し、早めに各自治体の窓口で分納交渉をおこないましょう。そのうえで、借金は債務整理することで返済の負担を減らせます。

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更新日 : 2024年11月18日
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