カードローン支払いの救済措置4つ
生活費補填目的などでカードローンを利用する債務者は少なくありませんが、計画的にサービスを利用しなければ知らない間に借り入れ総額が膨れ上がって返済継続が困難な状況に追い込まれてしまいます。
そもそも、カードローンは年利率15%~20%の厳しい利息条件が課される商品です。カードローンに手を出すだけで「利息」という経済的損失を強いられますし、支払いが少しでも滞ると利息負担よりも厳しいペナルティが科されます。
そこで、現在契約中のカードローンの支払いに不安がある・すでに滞納しているのなら、すみやかに次の4つの救済措置をご検討ください。
- ①カードローンの支払いが数日程度遅れるなら支払い期限猶予について交渉する
- ②カードローンの利息負担が重過ぎるならおまとめローンへの借り換えを検討する
- ③生活費不足が原因でカードローンの支払いが難しいなら行政支援制度を活用する
- ④カードローンの返済状況を抜本的に見直したいなら債務整理を利用する
それでは、カードローンの支払い状況に対する4つの救済措置について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①カード会社に支払い猶予の相談
カードローンの支払いが難しい状況なら、債権者である金融機関に支払い期限の猶予を相談してみましょう。債権者が支払い期限猶予を認めてくれた場合には、遅延損害金などの負担なしで支払いを先延ばしにできる可能性があります。
ただし、金融機関は商売で貸金業を展開しているわけですから、どのような債務者からの支払い猶予交渉にも応じてくれるというわけではありません。
したがって、カードローン会社との支払い猶予交渉が救済措置として機能するのは次のような限定的な場面だけだとご理解ください。
- 過去に一度も滞納歴がない
- 突発的な理由により数日程度支払いが遅れる
- 今回支払い猶予をしてもらえれば今後は滞納なく返済継続ができる見込みがある
ワンポイント解説
債権者への自主的な問い合わせは「返済意思」の証明になる
カードローンを滞納しそうな状況で債権者に対して問い合わせをすることには、「返済意思があること」を示す役割もあります。たとえば、債権者に何の連絡もなくカードローンを滞納する・債権者からの問い合わせを無視するような不誠実な対応をとってしまうと、貸金業のプロである債権者は容赦なく滞納ペナルティを科してきます(場合によっては、残債の一括請求・強制執行のタイミングが早まる可能性も否定できません)。したがって、現段階でカードローンの滞納分を支払えるか否かにかかわらず、滞納している場合・明らかに滞納しそうな場合には、自主的に債権者に連絡を入れて滞納ペナルティが深刻化するスピードを抑えるべきだと考えられます(その間に、債務整理などの準備を行いましょう)。
②おまとめローンによる一本化・低金利商品への借り換え
「現在契約中のカードローンの利息条件が厳しい」「複数の借入れ先に対する返済が同時進行で家計のやりくりが大変」など、利息条件に対する不満を抱えている・多重債務状況に追い込まれている債務者におすすめの救済措置が「おまとめローン」「借り換え」という手法です。
- おまとめローン:複数の借り入れを一本化する救済措置
- 借り換え:別の商品(低金利商品)に乗り換える救済措置
おまとめローンが救済措置になる具体例
たとえば、ABC社それぞれから50万円ずつ(年利率18%の利息条件)、合計150万円のカードローンを組んでいる場面についてです。
この状況で、総額150万円をD社におまとめローン(年利率7.7%)に一本化すると、最終的に発生する利息負担総額には次のような違いが生まれます。
毎月の返済総額 |
ABC社に均等返済したときの利息負担総額 |
D社おまとめローンで返済したときの利息負担総額 |
45,000円 |
594,981円 |
193,146円 |
60,000円 |
394,122円 |
140,226円 |
つまり、このケース(一本化前後で毎月の返済額に変更がない場合)では、おまとめローンへの一本化によって次の3つのメリットが得られることが分かります。
- 返済窓口数がABC3社からD社1社に減るので家計管理が楽になる
- 毎月の支払い額は同じでも、おまとめローンへの一本化だけで利息負担総額が大幅に減額される
- 利息総額が半分以下になるので家計に余裕が生まれる
ただし、おまとめローンに一本化した後に毎月の返済額を減額すると、「毎月の返済額を減らせる」というメリットが手に入る一方で、「返済期間が長期化して利息の減額割合が減る(場合によっては利息負担総額が増える)」というデメリットが生じる点には注意を要します。
したがって、おまとめローンへの一本化を救済措置として頼る場合には、事前に返済シミュレーションを実施したうえで、「毎月いくらずつ返済すれば家計の負担を軽減しつつ完済を目指せるのか」を慎重にご判断ください。
低金利商品への借り換えが救済措置になる具体例
金融機関各社が展開しているカードローン商品には、それぞれ独自の利息条件が課されています。
つまり、現在契約中のカードローンよりも低金利の商品に借り換えをすれば、厳しい利息負担から解放されて返済しやすい状況を作り出せるということです。
たとえば、消費者金融X社のカードローン(融資額100万円・年利率条件15%)から、銀行Y社のカードローン(年利率条件4.7%)に借り換えた場合に生じる差異について確認してみましょう。
毎月の返済額 |
X社に払う利息総額
完済までに要する返済期間 |
Y社に払う利息総額
完済までに要する返済期間 |
20,000円 |
579,052円
79ヶ月 |
115,083円
56ヶ月 |
30,000円 |
301,674円
44ヶ月 |
73,669円
36ヶ月 |
40,000円 |
206,514円
31ヶ月 |
54,474円
27ヶ月 |
50,000円 |
157,936円
24ヶ月 |
43,380円
21ヶ月 |
低金利商品に借り換えるだけで、利息負担総額を軽減して返済期間を短縮できることが分かります。
一般的に、消費者金融系カードローンよりも銀行系カードローンの方が利用しやすい融資条件になっているので、「毎月の金利負担を軽減できれば完済を目指せる」という場合には、他社のカードローン商品への乗り換えをご検討ください。
ただし、現在契約中のカードローンをすでに滞納している場合には他社への乗り換えが認められない可能性が高いですし、低金利商品になるほど借り換え審査が厳しくなるため信用状況に不安を抱えていると審査に落とされるリスクも生じます。
むやみに低金利商品への申し込みを繰り返すと「申し込みブラック」として信用情報に傷がついてしまうので、1社の借り換え審査に落ちて返済継続に不安がある場合には債務整理を検討するのが現実的でしょう。
③行政の福祉制度
カードローンの支払いが原因で生活費の工面さえ難しい状況に追い込まれているのなら、行政の福祉制度という救済措置を利用して家計を立て直す方法が考えられます。
たとえば、新型コロナウイルス感染症による不況が原因で収入が減少したご家庭であれば、生活福祉資金の特例貸付として緊急小口資金を頼ることができます。緊急かつ一時的な生計維持を目的として無利子・無担保で20万円以内の融資を受けられるので、お住まいの市区町村社会福祉協議会までお問い合わせください。
また、緊急小口資金以外にも以下のような行政の支援枠組みが救済措置として用意されています。
債務者の世帯状況によって利用できる支援制度は異なってくるので、ご不明な点はお住まいの市役所等までご確認ください。
④債務整理
「カードローンの支払いをつづけるのが困難」「他の救済措置ではカードローンの返済状況を改善できない」という場合には、「債務整理」という救済措置を利用して借金問題を解決するのがおすすめです。
本来、債権者・債務者間の合意に基づいて契約を締結した以上は、約束通りにカードローンの返済をしなければいけません。
ただ、「想像以上に利息が厳しい」「想定外の収入減少に見舞われた」「病気が原因で仕事を辞めざるを得なかった」などのように、どうしてもカードローンの返済を継続できない事情を抱えるに至った場合にも返済義務の履行を求められるとなると、債務者は健康な生活を送ること自体が困難になってしまいます。
このように、借金が原因で窮状に追い込まれた債務者を救済する目的で用意された救済措置が「債務整理」です。つまり、債務整理を利用すればカードローンの返済義務を合法的に軽減することによって借金地獄からの脱却を目指せるということです。
ここからは、債務整理の具体的な内容・手続きにかかる費用・利用時の注意点などについて詳しく見ていきましょう。
債務整理の3つの種類とその効果
債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生の3種類の手続きが用意されています。
各手続きの概要・減額効果については以下の表を参考にしてください。
種類 |
概要 |
減額効果 |
任意整理 |
・裁判所の利用なし、債権者と直接交渉する手続き
・連帯保証人への迷惑を避けやすい
・家族に知られずにカードローンの滞納トラブルを改善しやすい
・毎月の返済額が増えるリスクがある |
・将来利息の支払いをカットできる
・借金返済総額を約1/2に減額できる可能性がある
・3年~5年の分割払い計画を作り直せる |
自己破産 |
・裁判所を利用する手続き
・収入要件を問われないので無職・フリーター・専業主婦でも利用できる
・非免責債権(養育費・税金・一部の損害賠償)は免責の対象外になる
・ギャンブルや浪費の痕跡があると手続きの難易度が高くなる(=免責不許可事由)
・財産処分や職業制限などのデメリットが大きい |
・カードローンの返済義務が帳消しになる |
個人再生 |
・裁判所を利用する手続き
・自己破産のように借金の原因は問題視されない
・正社員などの安定した給与所得が必要
・住宅ローン特則を利用できるのでマイホームを残せる |
・借入総額に応じて一定割合元本自体の減額を目指せる(最大1/10)
・減額後の元本について3年の分割払い計画を作り直せる
・総額100万円以上の借金がなければ減額効果を期待できない(最低弁済額が定められているので) |
借金減額効果が大きい順番に並べると、【自己破産>個人再生>任意整理】となります。自己破産ならその時点で借金生活は終了しますが、個人再生・任意整理では数年間減額後の借金残債を返済しつづけなければいけません。
その一方で、債務整理手続き選択時には各手続き特有のデメリットにも注意を要します。デメリットの大きさを単純比較すると借金減額効果の強さに反比例するため、「できるだけ減額効果が大きい手続きが良い」と安易に自己破産を選んでしまうと想像以上のデメリットを強いられるでしょう。
したがって、債務整理手続きを選択する際には、債務者個人の希望だけを基準にするのではなく、弁護士・司法書士という法律の専門家にアドバイスを求めるのがおすすめです。
借金問題に強い専門家に相談すれば、債務者の生活実態・借金状況・生活再建に対する希望などを総合的に考慮して適切な手続きを提案してくれるでしょう。
債務整理のデメリット2つ
債務整理を利用すれば「カードローンの返済義務が減免される」というメリットを手にすることができます。
ただ、債務者だけが恩恵を受けられるとなると、債権者側が一方的に不利益を強いられることになり不公平です。
そこで、債権者・債務者双方の利益を調整するために、債務整理を利用した債務者側にも一定のデメリットが生じるという運用がとられています。
ここからは、任意整理・自己破産・個人再生に共通する「信用情報にキズがつく」というデメリットと、特にデメリットが大きい自己破産特有の注意事項について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①信用情報にキズがつく
債務整理を利用すると、債務者の信用情報にキズがつきます。一般的には、「ブラックリストに登録される」と言われる事象のことです。
各個人の信用情報を管理しているのは、全国銀行個人信用情報センター(KSC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3つの信用情報機関。債務整理の利用歴が信用情報機関に提供されると、債務者の日常生活には次のようなペナルティが生じます。
- 現在発行中のすべてのクレジットカードが強制解約される(時期はバラバラ)
- クレジットカードの新規発行審査に通らない
- 新規のローン審査に通らない
- スマートフォン端末代金の割賦販売に影響が出る
- 日本学生支援機構の奨学金借入れ時の連帯保証人・保証人になれない
- 賃貸物件の入居審査・更新審査に支障が出る(信販系家賃保証会社付き物件のみ)
ブラックリスト登録によって生じる具体的なデメリットを目にすると、「債務整理をきっかけに信用情報にキズがつくのは嫌だ」「多少利息で損をしても良いからカードローンの契約通りに完済を目指そう」という考えに至る債務者は少なくはないはずです。
確かに、生活費などを上手に工面して無理なくカードローンの自力完済を目指せるなら、わざわざ債務整理を利用しなくても借金問題を解決できるでしょう。
ただし、債務整理とブラックリスト登録については以下のような関係性が存在するため、債務者の状況次第では過度に「信用情報にキズがつくこと」を恐れる必要はありません。
- カードローンを滞納すると遅かれ早かれ「延滞」を理由にブラックリストに登録される
- ブラックリスト登録期間は、任意整理なら5年、自己破産・個人再生なら10年のみ(期間が明けると信用回復する)
- ブラックリスト登録によるデメリットは代替手段で回避できる
カードローンの支払い問題を抱えている債務者が最優先に考えるべきなのは「借金問題を根本的に解決すること」です。信用情報にキズがつくかどうかは派生的な問題でしかないので、過度にこだわるべきではないでしょう。
②財産処分や職業制限などが生じる(自己破産のみ)
「カードローンの返済義務を帳消しにできる」という絶大な効果を得られる自己破産には特有の注意点が存在します。
自己破産を利用した場合に生じるデメリットは次の8点です。
- ①自由財産以外の債務者名義の財産が処分される
- ②破産手続き中に生じる資格制限によって仕事ができなくなる職業が存在する
- ③破産手続き中に移動制限が生じる(都度、裁判所の許可が必要)
- ④破産手続き中、債務者宛の郵便物は破産管財人が管理する
- ⑤自己破産した旨が官報に掲載される
- ⑥裁判所に支払う予納金を手続き最初に納付しなければいけない
- ⑦家族に一定の影響が生じる(自宅や車が処分された場合)
- ⑧連帯保証人や担保提供者に迷惑がかかる
もちろん、自己破産を利用したときにこれらすべてのデメリットを強いられるわけではありません。
たとえば、資格制限が生じるのは士業・警備員などの一定の職業に限られますし、債務者が処分対象の財産を所有していなければ実質的に財産処分を受けることもありません。つまり、債務者の状況次第で自己破産のデメリットの負担の重さは変動するということです。
したがって、自己破産を選択するか否かは、債務者の個別事情に照らし合わせてメリット・デメリットを勘案する必要があると考えられます。借金問題に強い弁護士・司法書士のアドバイスを求めましょう。
債務整理にかかる費用
カードローンの支払いで困っている債務者にとっては、債務整理に必要な費用も気になるところでしょう。
一般的な債務整理費用は次の通りです。
種類 |
裁判所に支払う費用 |
弁護士・司法書士に支払う費用 |
任意整理 |
0円 |
相談料:30分5,000円前後(無料の事務所も多い)
着手金:3万円~5万円程度
成功報酬:減額分の10%程度
その他手数料・実費 |
自己破産 |
予納金(管財事件):20万円~50万円程度
予納金(同時廃止事件):1万円~3万円程度
収入印紙代・予納郵便代など:1万円前後 |
20万円~50万円程度(相談料・着手金・成功報酬を含む) |
個人再生 |
申立手数料:約1万円
裁判所予納金:約13,000円
郵便代などの実費:数千円 |
20万円~50万円程度(相談料・着手金・成功報酬を含む) |
※費用体系は法律事務所によって異なるので都度お問い合わせください。
なお、債務者自身だけで手続きを進行するなら「専門家への依頼料」は発生しません(たとえば、任意整理を債務者自身で実施すれば費用負担ゼロで和解契約締結を目指せるということです)。
ただし、弁護士・司法書士の費用については法テラスの費用立て替え制度を利用できる場合がありますし、各法律事務所が専門家費用の分割払いなどにも柔軟に対応してくれる点を見落とすべきではないでしょう。
つまり、弁護士・司法書士に支払う費用についてはある程度融通が利くことが多いですし、専門家に債務整理を依頼した方が手続負担を大幅に軽減して生活再建を目指せるということです(金銭的負担を上回る恩恵に与れる)。
したがって、「債務整理費用をできるだけ節約したい」という考えも間違いではありませんが、まずは「カードローンの返済状況を根本的に改善して生活再建を達成すること」を主目的として、弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。
債務整理は怪しくない!国が認めた借金救済制度である
「債務整理は怪しい」「契約したのに返済が減免されるなんて詐欺みたいだ」という誤解を抱く債務者は少なくありません。
確かに、カードローン会社から執拗な督促を繰り返されると、「借金は契約通りに返済しなければいけないものだ」と思い込んでしまうのも無理もないことです。
ただ、債務整理は法律に基づく合法的なルールに則って手続きが進められるもの。つまり、国が認めた借金救済制度であり、借金問題で苦しむ債務者にとっての救済措置として位置付けられるものです。
弁護士・司法書士という法律の有資格者が多数提供するサービスでもあるので、安心して債務整理による生活再建をご検討ください。
カードローン救済措置はどれを選ぶべき?3つの判断基準
カードローンの救済措置には「①カードローン会社への連絡・②行政の支援制度の活用・③おまとめローン等への借り換え・④債務整理」という4つの方法がありますが、「①~④のどの救済措置を利用すれば生活再建を効率的に目指せるか」については債務者の置かれた具体的な状況に基づいて判断しなければいけません。
そこで、次のようなカードローンの救済措置選択時の判断基準が参考になります。
- 突発的な滞納 → カードローン会社に猶予交渉・行政の福祉支援制度で家計基盤の見直し
- 金利が苦しいだけ → おまとめローン等への借り換えで自力完済を目指す
- すでに滞納中・完済の見通しが立たない → 債務整理
それでは、カードローンの救済措置選択時の3つの判断基準について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①突発的な滞納ならカード会社への相談や行政福祉制度を利用
突発的な事情で滞納が生じた場合に有効な手段は、カードローン会社に支払い期限の猶予を求める方法です。
たとえば、冠婚葬祭などの臨時出費が原因でカードローンの支払い日までにお金を用意できないが、翌週の給料日になれば問題なく支払える状況なら、カードローン会社に事情を話して1~2週間支払い期限を先延ばしにしてもらいましょう。
ただし、突発的な滞納が何度も繰り返し起こっている状況なら、家計管理が上手くできていない証拠ですし、これ以上返済生活を継続するのは避けるべきでしょう。また、このような状況だと、カードローン会社側が支払い期限猶予に応じてくれない可能性もあります。
したがって、カードローン会社に支払い期限交渉をするのが効果的なのは、単発的かつ臨時的な滞納のケースだけだと考えておきましょう。滞納癖がある場合、計画的な返済が難しい場合なら、すみやかに債務整理で返済計画を見直すことをおすすめします。
なお、債務整理でどれだけカードローンを減額できるかについては以下の借金減額診断チェッカーが有効です。無料で利用できるので今後の返済可能性を判断するためにお役立てください。
②金利が苦しいだけならおまとめローン
現在契約中のカードローンの金利条件が厳しく、利息内容を見直すだけで完済を目指せるだけの収入があるのなら、おまとめローンへの一本化・低金利商品への借り換えが有効な手段です。
おまとめローン等を救済措置として活用するか否かについては、以下の判断基準を参考にしてください。
- 現在の利息条件を見直せば無理なく返済を継続できる
- 複数のカードローンを利用しているので返済管理が大変
- 完済予定日まで安定した収入を得られる確証が高い
- 低金利商品の厳しい融資審査に通るだけの経済的信用力がある
言い換えれば、仮に低金利商品に借り換えても返済継続が難しい場合や、すでに新型コロナウイルス感染症による不況が原因で収入減少に見舞われている場合、過去に滞納歴があるために低金利商品の審査に通らない場合には、返済状況に対して抜本的なテコ入れが必要だということです。
弁護士・司法書士に相談をすれば債務整理の必要性自体も判断してくれるので、おまとめローン等を利用するか迷っている場合にも専門家の意見を参考にしてみましょう。
③滞納している支払い不可の見通しになったら債務整理
カードローンの支払いについて次のような状況に追い込まれているのなら、迷うことなく債務整理という救済措置に踏み出すべきだと考えられます。
- すでにカードローンを滞納中で自力では延滞分の資金調達が難しい
- カードローン借入れ時よりも大幅に収入が減少している
- 短期的な滞納を繰り返している
- 長期化している借金生活に疲弊して完済予定日まで返済をつづける気力が出てこない
実際にカードローンの返済計画をこなせていない場合だけではなく、終わらない借金生活に疲れてしまって精魂尽き果てたような場合にも債務整理は有効です。
滞納履歴の有無にかかわらず債務整理を利用すれば返済計画を大幅に軽減できるので、少しでも「借金生活を楽にしたい」と感じているのなら弁護士・司法書士までご相談ください。
債務整理は任意整理→自己破産→個人再生の順で選ぶのが一般的
実際に債務整理を利用するときには、どの手続きを利用して生活再建を目指すのかを判断しなければいけません。
ただ、手続きごとにメリット・デメリットが異なるため、「自分に適切な手続きの見つけ方が分からない」「手続き選択を間違って想定外の不利益を被るのは嫌だ」と不安を感じる債務者も少なくはないはずです。
そこで、債務整理の手続き選択の際には、次のような判断基準に基づいて利用するべき救済措置を決めましょう。
- ①完済できるだけの返済能力が残っている → 任意整理
- ②完済できるだけの返済能力が残っていない → 自己破産or個人再生
- ③自己破産のデメリットを許容できる → 自己破産
- ④自己破産のデメリットを許容できない → 個人再生
手続き負担の重さ・生活再建に至るまでのスピード感・借金問題解決の可能性を総合的に考慮すると、「任意整理→自己破産→個人再生」の順番で考えると選ぶべき手続きを判断しやすいはずです。
ただし、債務者ごとに重視するポイントは異なるため、手続き選択時には①~④以外の要素も臨機応変に取り込むべき場合もあるでしょう。
弁護士・司法書士に相談すれば債務者固有の事情にも配慮して適切な生活再建方法を検討してくれるので、「最短距離で生活再建を実現したい」と希望するのなら専門家の意見を参考にするべきだと考えられます。借金問題に強い専門家は無料相談の機会を用意してくれている場合が多いので、積極的にご活用ください。
カードローンの支払い滞納により生じるペナルティ5つ
「少しくらいならカードローンを滞納しても大丈夫」「今まで何度も延滞を繰り返しているから今回も問題ないだろう」「再来月のボーナスで延滞分もまとめて返済すれば文句を言われないはず」など、カードローンを滞納することに対する問題意識が低い債務者は少なくありません。
しかし、カードローンの支払いを滞納するのは危険です。なぜなら、滞納期間に応じて次の5つのペナルティが科されるからです。
- ①遅延損害金が発生する
- ②厳しい取り立てが実施される
- ③残債を一括請求される
- ④ブラックリストへ登録される
- ⑤強制執行が実行される
それでは、救済措置を利用せずにカードローンの滞納を放置した場合に生じる5つのペナルティについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①遅延損害金が発生する
カードローンの返済が滞ると、滞納翌日から1日単位で遅延損害金が発生します。
たとえば、消費者金融アコムのカードローン約款では遅延損害金について以下のような定めを置いています。
第31条(遅延損害金)
1.次に定める会員が、約定返済金額の支払を遅滞したとき等、期限の利益を喪失したときは、当社所定の遅延損害金を支払うものとします。
(1)平成19年6月18日以降に新たに入会した会員
(2)前号のほか、平成19年6月18日以降に本規約を承認のうえ、当社と貸付に係る契約を締結した会員
2.遅延損害金の計算方法は次のとおりとします。
借入残高×遅延損害金年率(年利率20%)÷365日(うるう年は366日)×期限の利益喪失日の翌日からの経過日数
引用元:AC会員規約
つまり、遅延損害金の算出公式である【借入残債 × 遅延損害金年利率20% ÷ 365日 × 延滞日数】に照らすと、たとえばカードローン残債が200万円の場合なら、滞納1日で「1,096円」、滞納1週間で「7,671円」、滞納1ヶ月で「32,877円」の遅延損害金が発生するということです。
したがって、延滞期間が長期化するほど遅延損害金が増えるので、できるだけ早いタイミングで遅延損害金の発生回避のために救済措置に踏み出す必要があるでしょう。
②取り立てが実施される
カードローンの返済が遅れると、滞納期間中は債権者から厳しい取り立てが実施されます。
代表的な取り立て方法は次の通りです。
- 登録済みの携帯電話に対する問い合わせ
- 督促状・催告書などの郵便物送付
払いたくても払えない状況で督促が繰り返されるのはストレス要因になるものです。場合によっては、カードローン会社からの問い合わせを無視したり着信拒否したりしたくなることもあるでしょう。
しかし、カードローン滞納中は、お金を払えるか否かにかかわらず債権者からの連絡には真摯に対応しなければいけません。なぜなら、債権者からの連絡を無視すると次のような方法で取り立てが深刻化するおそれがあるからです。
- 自宅固定電話や職場に電話がかかってくる
- 自宅や職場に担当者が訪問してくる
このような方法で取り立てが激化すると、債務者家族や職場にも迷惑がかかってしまいます。
たとえば、弁護士・司法書士に債務整理を依頼して「受任通知」を送付してもらえれば、その時点でカードローン会社からの取り立ては完全に停止します(貸金業法第21条1項9号)。
カードローンの返済状況を改善できるだけではなく、取り立てストレスからも解放されるので、督促行為が原因で家族に迷惑をかけたくないと考えるのなら専門家にアドバイスを求めるべきでしょう。
③残債を一括請求される
カードローンの滞納が2ヶ月程度に及んだ段階で、債務者が期限の利益を喪失して残債を一括請求されます。
残債の一括請求は、債権者が法的措置の準備段階に入った証拠です。残債の一括返済を求める旨を告げる内容証明郵便に記載された期限までに一括返済しなければいつ強制執行が実行されてもおかしくない危機的な状況に追い込まれます。
もちろん、毎月の返済さえ難しい債務者にとって、残債を一括返済するのは不可能に近いはずです。
したがって、残債の一括通知書を受け取った場合には、すみやかに弁護士・司法書士に相談をして債務整理に踏み出すべきです。任意整理・個人再生なら残債の一括請求後でも分割払い計画を作り直せますし、自己破産なら返済義務から完全に逃れられるでしょう。
④ブラックリストへ登録される
カードローンの滞納期間が約2ヶ月経過して期限の利益を喪失したのと同時期に、「長期延滞」を原因として信用情報機関に事故情報が登録されます。
先ほど紹介したように、債務整理を利用してもブラックリストへの登録は避けられませんが、「債務整理」を理由とする事故情報の登録は数年間で抹消されるのに対して、「長期延滞」を理由とする事故情報の登録は延滞状態が継続する限り抹消されません。
つまり、カードローンを滞納しつづける限りはブラックリストによるデメリットを強いられつづけますし、いつまでも信用回復の兆しさえ掴むことができないということです。
したがって、カードローン滞納分を自力で完済できない場合には、債務整理を利用して信用回復のタイミングを前倒しするのがポイントとなります。日常生活への悪影響を克服して早期に人生をやり直すために、債務整理をご検討ください。
⑤強制執行が実行される
カードローンの滞納期間が数ヶ月以上に及び期限の利益を喪失すると、債権者が「強制執行」という法的措置に踏み出して財産などを差し押さえます。差し押さえられた財産等は借金の返済に充てられるので、よほどの事情がない限り取り戻すのは難しいでしょう。
強制執行で差し押さえの対象にされるのは次のようなモノです。何を処分対象にするかを決めるのは債権者です。
- 給与
- 預貯金口座
- 債務者名義の財産(動産・不動産問わず)
たとえば、給与が差し押さえられると、毎月の手取り給与額の1/4が請求額を充たすまで天引きされつづけます。会社が差し押さえ手続きに巻き込まれるので迷惑がかかりますし、天引きされた給与額では生活費工面に支障が出るでしょう。
また、マイホームが処分されると引越しを余儀なくされますし、債務者以外の家族にも迷惑がかかってしまいます。
このように、強制執行が実行されるとカードローン滞納時よりも厳しい生活を強いられる可能性が高いので、カードローン滞納者は何としても強制執行を回避しなければいけません。
強制執行が実行される前に、債権者から差押予告通知書、裁判所から訴状・支払督促などの書面が郵送されるので、これらの書面を受け取ったときには借金問題と向き合う覚悟を決めて弁護士・司法書士まですみやかにご相談ください。
まとめ
カードローン支払いに対する救済措置は、①支払い期限の猶予交渉、②行政の支援制度、③おまとめローン等への借り換え、④債務整理の4つの方法が考えられます。
ただし、どの救済措置を利用しても問題ないというわけではありません。生活再建手法の適否については債務者の個別事情を考慮して決める必要があります。
借金問題に強い弁護士・司法書士に相談をすれば、債務整理の必要性を含めて、現実的な生活再建方法を提案してくれるでしょう。カードローンの滞納問題を放置するほど深刻なペナルティが科されるので、できるだけ早いタイミングでご相談ください。
カードローンの救済措置に関するQ&A
急な出費に迫られてカードローンの返済日に間に合いません。どうすれば良いですか?
冠婚葬祭などの臨時の出費でカードローンの返済に間に合わないなら、カードローン会社に相談して支払い期限猶予を求めましょう。数日~1週間程度の短期間なら支払いを待ってくれる可能性があります。ただし、過去に何度も滞納歴があると債権者からの合意を引き出せない可能性もありますし、猶予してもらった期間までにお金を用意できなければ滞納ペナルティが科される点にご注意ください。
新型コロナウイルス感染症による不況が原因でカードローンの支払いが難しくなりました。利用できる救済措置はありますか?
現在、緊急小口資金制度などの行政支援制度によって生活資金でお悩みの方に向けた貸付けが実施されています。まずはこれらの行政支援制度を活用して家計を立て直すことを検討するべきでしょう。そのうえで、家計が安定すれば自力完済を目指すのも不可能ではありませんが、収入が改善せずカードローンの返済見込みが立たないのなら、弁護士・司法書士まで債務整理をご相談ください。
カードローンを自力で返済できない場合の救済措置はありますか?
カードローンの自力完済が難しい状況なら、「債務整理」という救済措置で返済内容を改善することが可能です。たとえば、任意整理なら利息カット、個人再生なら元本減額、自己破産なら返済義務の免責というように、各手続きに応じてカードローンの減額効果を実感できるでしょう。ただし、手続きごとに注意点が多数存在するので、債務整理利用時には借金問題の実績豊富な専門家のアドバイスが不可欠です。
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