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2025年03月現在

時効の援用にかかる費用は?費用相場から費用を抑えるための対策まで解説

時効の援用にかかる費用は?費用相場から費用を抑えるための対策まで解説

借金の時効の援用を検討している場合、「手続きをするにはどの程度の費用がかかるのだろう」のように考えている人もいることでしょう。

時効の援用にかかる費用としては、主に「内容証明郵便を発送するための費用」「法律の専門家に依頼する費用」が挙げられます。そして、時効の援用は専門家に依頼せずとも個人で行うことも可能なため、専門家に依頼するかどうかで費用は変わります。

実際にかかる費用は依頼する法律事務所などによって変わるため、あくまで目安に過ぎませんが、個人で手続きをする場合には1,000円〜2,000円程度、専門家に依頼する場合には2万円〜10万円程度が相場です。

なお、時効の援用の依頼先には、行政書士・司法書士・弁護士が挙げられますが、それぞれで対応できる業務の範囲や金額が異なります。そのため、時効の援用を専門家に依頼する場合には、それぞれの特徴を把握したうえで依頼先を決めるようにしましょう。

当記事では、時効の援用にかかる費用をテーマに、費用相場や依頼する専門家の選び方などについて網羅的に解説していきます。時効の援用を検討している場合には参考にしてみてください。

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時効の援用にかかる費用は専門家に依頼するかどうかで変わる!手続き方法ごとの費用相場と項目

前提からお伝えしますが、時効の援用は専門家しか対応できないわけではなく、個人だけで行うことも可能な手続きです。専門家に依頼した場合には、その人に支払う着手金や報酬金などの費用がかかりますが、個人で行う場合には当然この費用はかかりません。

そのため、「個人だけで手続きをする」「専門家に依頼して手続きを進めてもらう」のどちらをとるかによって、時効の援用にかかる費用は大きく変わるのです。

あくまで目安に過ぎませんが、専門家に依頼するケースと個人で手続きをするケースごとに時効の援用にかかる費用をまとめましたので参考にしてみてください。

時効援用の費用相場
専門家に依頼するケース 2万円〜10万円程度
個人で手続きをするケース 1,000円〜2,000円程度

時効の援用を個人だけで行う場合、費用相場は1,000円〜2,000円程度です。一方、専門家に依頼して手続きをする場合には2万円〜10万円程度が相場となります。

また、詳しくは「時効の援用にかかる費用項目や相場」の見出しで解説しますが、時効の援用の依頼先としては「行政書士」「司法書士」「弁護士」があり、これらの専門家によっても費用相場は変わります。

時効の援用の費用を知っておきたい場合、まずは「専門家に依頼するかどうか」「依頼する場合にはどの専門家に依頼するか」といった点を明確にしたうえで、それにあった費用相場を確認してみてください。

ワンポイント解説

□基本的に個人だけで時効の援用をするのは推奨できない

詳しくは後述しますが、時効の援用を成功させるには条件を満たしている必要があります。条件を満たしているかどうかを確認するには、抱えているすべての借金の返済履歴や債権者との対応などをくまなく調べておく必要があります。

そのため、時効の援用をするには、専門的な知識や経験が必須といえます。

また、時効が成立していない場合に時効の援用をすると、債権者からの督促が再開されてしまうリスクもあります。

知識や経験が乏しいまま時効の援用の手続きを進めてしまうと、むしろ状況が悪化してしまうことも考えられるため、基本的には法律の専門家に依頼するのが得策です。

時効の援用にかかる費用項目や相場

ここからは、時効の援用にかかる費用の項目や相場を解説していきます。専門家に依頼をするかしないかによって発生する費用項目は変わりますが、時効の援用にかかる費用項目としては下記が挙げられます。

  • 内容証明郵便を発送するための費用:1,000円程度
  • 時効の援用を専門家に依頼する場合の費用:2万円〜10万円程度

個人で時効の援用をする場合には、専門家に依頼するための費用は不要です。そのため、内容証明郵便の発送にかかる費用が主となり、費用相場は1,000円程度といわれています。

一方、弁護士などの専門家に時効の援用を依頼する場合、これらの費用だけでなく相談料や着手金といった費用もかかります。そのため、個人で手続きするよりも費用は高額になり、2万円〜10万円程度が費用相場といわれているのです。

ここからは、時効の援用にかかる費用項目について、それぞれ詳しく解説していきます。

内容証明郵便を発送するための費用:1,000円程度

時効の援用をする場合、債権者に対して時効援用証明書を送付する必要があります。そして、時効援用証明書は、内容証明郵便で送付するのが一般的です。

内容証明郵便とは、「いつ・誰が、誰に・どのような内容の文書を送ったのか」を公的に証明できる郵便のことです。通常の送付方法の場合、債権者にその郵便物が届いたのかなどを公的に証明するのが難しいため、時効の援用では内容証明郵便で送付される傾向があります。

内容証明郵便で送付する際の料金は、下記のように定められています。

項目 料金
郵便物の料金 定形郵便物(50gまで):110円
内容証明の加算料金 480円
一般書留の加算料金 480円
配達証明 350円
合計 1,420円

※2025年2月時点の料金です。
※送付する時効援用証明書によって金額が変わることがあります。

なお、内容証明郵便での送付は、専門家への依頼にかかわらず基本的には必要です。時効の援用を個人でする場合には自身で支払う必要があり、専門家に依頼する場合には実費としてその担当者に支払う必要があります。

時効の援用を専門家に依頼する場合の費用:2万円〜10万円程度

時効の援用を専門家に依頼する場合、一般的には2万円〜10万円程度が費用相場といわれています。そして、時効の援用の依頼先には「行政書士」「司法書士」「弁護士」が挙げられますが、どの専門家に依頼するかによっても費用は異なります。

実際の金額は法律事務所によって異なるためあくまで目安に過ぎませんが、行政書士・司法書士・弁護士に時効の援用を依頼した場合の費用相場は下記のとおりです。

  • 行政書士に依頼する場合の費用:1万円〜3万円程度が相場
  • 司法書士に依頼する場合の費用:3万円〜5万円程度が相場
  • 弁護士に依頼する場合の費用:5万円〜10万円程度が相場

ここからは、時効の援用を専門家に依頼する場合の費用について、行政書士・司法書士・弁護士ごとで詳しく解説していきます。

行政書士に依頼する場合の費用:1万円〜3万円程度が相場

行政書士とは、公的な機関に提出する書類の作成や、書類提出の代行などを主に行ってもらえる法律の専門家のことです。行政書士に時効の援用を依頼した場合、1万円〜3万円程度が費用相場と言われています。

概要
費用相場 1万円〜3万円程度
※行政書士によって異なる
時効の援用における業務内容 ・時効援用証明書の作成
・内容証明郵便の送付

行政書士は書類の作成や提出の代行が主な業務としています。時効の援用においては、債権者に送付する時効援用証明書の作成や、内容証明郵便の送付に対応してもらえるのが一般的です。

ただし、時効の援用をするには、これまでの債務や返済の状況などを調査しなければなりません。行政書士の場合は書類の作成や送付までが対応業務になるため、対応できる業務範囲は司法書士や弁護士よりも狭いといえます。

司法書士に依頼する場合の費用:3万円〜5万円程度が相場

司法書士は、公的な機関に提出する書類の作成だけでなく、依頼者の代理人として手続きを行える法律の専門家です。司法書士に時効の援用を依頼した場合、3万円〜5万円程度が費用相場と言われています。

概要
費用相場 3万円〜5万円程度が相場
※司法書士によって異なる
時効の援用における業務内容 ・借金が時効を迎えているかどうかの調査
・時効援用証明書の作成
・内容証明郵便の送付
※1社あたりの借金が140万円まで対応可能

司法書士に時効の援用を依頼すれば、書類の作成や提出だけでなく、借金が時効を迎えているかどうかの調査も行ってもらえます。そのため、「自身の状況で借金の時効が成立しているかを確かめたい」という場合に向いています。

ただし、司法書士が対応できるのは、1社あたり140万円までの借金だけです。140万円を超える借金の時効援用をするには、司法書士ではなく弁護士に依頼する必要があります。

弁護士に依頼する場合の費用:5万円〜10万円程度が相場

弁護士は、依頼者の代理人として活動できる法律の専門家です。弁護士に時効の援用を依頼した場合、5万円〜10万円程度が費用相場と言われています。

概要
費用相場 5万円〜10万円
※弁護士によって異なる
時効の援用における業務内容 ・借金が時効を迎えているかどうかの調査
・時効援用証明書の作成
・内容証明郵便の送付
※借金の金額にかかわらず代行可能

弁護士は司法書士や行政書士が対応できる法律業務を行えるうえに、借金の金額にかかわらず時効の援用における手続きを代行できます。簡単にいえば、時効の援用において弁護士は、司法書士や行政書士が行えない業務にも対応できるのです。

時効の援用はどの専門家に依頼するべき?行政書士・司法書士・弁護士の違い

時効の援用において、費用相場や対応可能な業務範囲は、行政書士・司法書士・弁護士によって異なります。そのため、時効の援用を専門家に依頼することを検討していても、どの専門家に依頼するべきかを悩むこともあるでしょう。

ここからは、時効の援用における行政書士・司法書士・弁護士の違いを踏まえて、それぞれで依頼するべきケースについて解説していきます。時効の援用を専門家に依頼することを検討している場合には参考にしてみてください。

行政書士:借金が時効を迎えているかどうかを自分で調べられる場合

時効の援用を行政書士に依頼する場合、主には時効援用証明書の作成や内容証明郵便の送付に対応してもらえます。「借金が時効を迎えているのかどうか」については、行政書士に一任することはできません。

そのため、借金が時効を迎えているかどうかを自分で調べられる場合であれば、行政書士に時効の援用を依頼するのを検討するのもよいでしょう。

なお、時効の援用において、行政書士であれば司法書士や弁護士よりも費用を抑えられるのが一般的です。「借金の時効を迎えているのを自分で調べる代わりに時効の援用の費用を抑えたい」という場合も、行政書士への依頼が向いているといえます。

司法書士:借金の金額が140万円以下の場合

借金が時効を迎えているのかどうかは、専門的な知識や経験がなければ自分で調べるのは難しいです。そのため、「借金が時効を迎えているのかを調べてもらいたい」というところから依頼する場合には、行政書士ではなく司法書士か弁護士を検討するのが得策です。

そして、時効の援用における司法書士と弁護士の違いとして、対応できる借金の金額が挙げられます。司法書士の場合は時効の援用をする債権者1社あたり140万円までであれば、手続きの代行が可能です。

たとえば、3社から100万円ずつ借入しており、合計300万円の借金があるケースを想定します。この場合、借入総額は140万円を超えていますが、1社あたりの借金は140万円以下であるため、いずれも司法書士に時効の援用を依頼できます。

時効を迎えている借金の金額が140万円以下である場合には、司法書士に時効の援用を依頼するのもよいでしょう。

弁護士:借金の金額が140万円を超える、またはすべての手続きを一任したい場合

時効の援用において、弁護士は対応できる業務や金額に制限がありません。そのため、行政書士と司法書士よりも業務範囲を広く対応できるともいえます。

また、弁護士に時効の援用を依頼すると、借金が時効を迎えているかの調査から債権者への連絡など、すべての手続きを任せられます。

そのため、「時効の援用をする借金が140万円を超えている」「時効の援用の手続きを一任したい」という場合には弁護士に依頼することを検討するのもよいでしょう。

時効の援用にかかる費用を抑えるための対策

専門家に依頼せずに個人だけで手続きをする場合を除いて、時効の援用にかかる費用は決して少額とはいえない金額であり、場合によっては10万円以上の金額がかかることもあります。そのため、「時効の援用にかかる費用を少しでも抑えたい」という人もいるかもしれません。

時効の援用にかかる費用を抑えたい場合、下記のような対策を講じてみてください。

  • 相談料や成功報酬が無料の専門家に依頼をする
  • 複数の法律事務所に相談をして費用を比較しておく

時効の援用における専門家に支払う費用は、その法律事務所が自由に設定可能です。法律事務所によって時効の援用の費用は異なるため、複数の法律事務所を調べたうえで依頼先を決めることも大切です。

ここからは、時効の援用にかかる費用を抑えるための対策について、それぞれ詳しく解説していきます。

相談料や成功報酬が無料の専門家に依頼をする

法律の専門家に時効の援用を依頼する場合、下記のようなさまざまな費用がかかります。

費用項目 概要
相談料 法律の専門家に依頼をするには、まずは相談が必要になるのが一般的。その際には相談する時間に対して費用がかかることもある。
着手金 実際に法律の専門家に依頼するために必要な費用。法律事務所によって金額は異なる。
成功報酬 時効の援用が成功した場合に支払う費用。支払いが必要な法律事務所であれば、時効を迎えて返済義務がなくなった借金の金額の数%が支払額になる。
実費 実際にかかる経費などの費用。時効の援用においては内容証明郵便などが該当する。

時効の援用を法律の専門家に依頼する場合、原則的には着手金や実費の支払いが必要です。しかし、相談料や成功報酬については無料としている法律事務所も少なくありません。

そのため、相談料や成功報酬がかからない法律事務所に依頼をすれば、時効の援用にかかる費用を抑えられると考えられるのです。

なお、法律事務所の公式サイトには、時効の援用にかかる費用が掲載されているケースもあります。時効の援用を法律の専門家に依頼する場合、法律事務所の公式サイトなどから相談料や成功報酬がかかるのかを確認しておくのもよいでしょう。

複数の法律事務所に相談をして費用を比較しておく

時効の援用にかかる費用を少しでも抑えたい場合、複数の法律事務所の費用を比較検討しておくことも大切です。

前述したように、法律事務所によって時効の援用にかかる費用は変わります。そのため、同じ専門家であっても、「A事務所のほうがB事務所よりも費用が○万円高い」のようなことも起こり得ます。

時効の援用にかかる費用を抑えたい場合、複数の法律事務所を比較したうえで費用が安い事務所を見つけるのも得策です。

なお、法律事務所では、時効の援用についての相談のみも受け付けているのが一般的です。法律事務所によっては初回のみ無料で相談可能としているため、まずは無料相談を活用しつつ時効の援用にかかる費用を比較しておくのもよいでしょう。

時効の援用にかかる費用を一括で用意できないときの対処法

時効の援用を法律の専門家に依頼する場合、必ずしも費用を一括で用意しなければならないとは限りません。下記のような対策を講じることで、時効の援用にかかる費用を一括で用意できなくても法律の専門家に依頼することが可能です。

  • 費用の分割払いに対応している法律事務所に依頼する
  • 法テラスの民事法律扶助制度を利用する

時効の援用を法律の専門家に依頼したい場合でも、一括で費用を用意するのが難しい人もいることでしょう。そのような場合、上記の対策を講じたうえで時効の援用を依頼することも検討してみてください。

ここからは、時効の援用にかかる費用を一括で用意できないときの対処法について、それぞれ詳しく解説していきます。

費用の分割払いに対応している法律事務所に依頼する

時効の援用を法律の専門家に依頼する場合、2万円〜10万円程度が費用相場といわれています。とくに弁護士に依頼する場合には、対応してもらえる業務範囲が広い分、行政書士や司法書士よりも費用が高額になるのが一般的です。

そのため、「弁護士などの専門家に時効の援用を依頼したいけど費用が心配」という人もいるかもしません。

法律事務所によっては、時効の援用にかかる費用を一括ではなく分割での支払いに対応していることもあります。そのため、時効の援用にかかる費用を一括で用意できない場合には、分割払いに対応している法律事務所を選ぶのもよいでしょう。

費用の分割払いに対応しているかどうかは、法律事務所の公式サイトで公表されているのが一般的です。時効の援用にかかる費用を一括で用意するのが難しい場合には、法律事務所の公式サイトから支払方法についても確認しておくのがよいでしょう。

法テラスの民事法律扶助制度を利用する

法テラスとは、国が設立した法的トラブルを解決するための総合案内所のことです。さまざまな問題について相談が可能ですが、時効の援用のような借金問題に関する相談も受け付けています。

そして、法テラスでは相談者が抱える問題が解決に向かうように、さまざまな制度が用意されており、その1つとして「民事法律扶助制度」があります。

民事法律扶助制度とは、経済的に苦しい人を対象に、無料法律相談を行うとともに、弁護士・司法書士への費用を立て替えるための制度のことです。

民事法律扶助制度を利用すれば弁護士や司法書士への費用を一時的に立て替えてもらえるため、「弁護士や司法書士に依頼したいけど、時効の援用にかかる費用を一括で用意できない」という場合に向いている対策です。

民事法律扶助制度によって立て替えてもらった費用は、時効の援用が完了した後に分割で支払うことが可能で、毎月の支払額は5,000円〜10,000円程度となるのが一般的です。

ただし、法テラスの民事法律扶助制度を利用するには、一定の条件を満たしている必要があります。

条件 概要
勝訴の見込みがあること 裁判が必要な場合、弁護士・司法書士に依頼することで問題を解決できる見込みがあれば条件を満たせる。
収入が一定以下であること ひと月の収入に基準があり、それを超えていると条件を満たせない。たとえば、単身の場合は原則月収が182,000円以下となる。
保有している資産が一定以下であること 保有している資産にも基準があり、それを超えていると条件を満たせない。たとえば、単身の場合は資産合計額が180万円以下となる。
民事法律扶助の趣旨に適していること 経済的に余裕のない人を支援するための制度であるため、「報復的感情を満たすため」「宣伝のため」「権利濫用的な訴訟」などに該当する場合は利用できない。

条件をすべて満たしている場合、法テラスの民事法律扶助制度の対象となります。

なお、民事法律扶助制度の詳しい条件や申請方法などについては、法テラスの公式サイト「民事法律扶助業務」を確認してみてください。

時効の援用に失敗した場合は督促が再開されて返済が必要になる!失敗しないためにも時効の援用の条件を把握しておこう

時効の援用は手続きをすれば必ず成功するわけではありません。仮に時効の援用に失敗してしまった場合、債権者からの督促が再開されるため、今後は返済が必要になります。

そのため、時効の援用をする場合には、手続きが失敗するのを避けるためにも条件を把握しておくようにしましょう。

前提として、金融機関からの借金であれば、最終弁済期から原則5年が経過することで消滅時効が成立します。最終弁済期とは、最後に借金の返済をした日のことです。

たとえば、2020年1月に金融機関に対して借金の返済を行った場合を想定します。この返済を行ってから債権者と債務者が何も対応をしなければ、2025年1月には借金の消滅時効が完成し、時効の援用をすれば返済義務がなくなります。

しかし、5年が経過すれば必ず借金の消滅時効が成立するわけではありません。借金の消滅時効は更新されたり、一時的に停止するケースもあるためです。

つまり、時効の援用を成功させるには、更新や停止がないうえで最終弁済期から5年以上が経過していることが条件になるのです。

ここからは、借金の消滅時効に関する更新や停止について解説していきます。

借金の消滅時効が更新されるケース

借金の消滅時効が更新されるケースとしては、「債務承認をした」「支払いの請求や督促があった」などが該当します。

債務承認とは、借金がまだ残っていること、およびその金額の返済義務があることを認めることです。具体的には、下記のようなケースが債務承認に該当します。

  • 期日通りに借金の返済をする
  • 債権者に対して「返済を待ってほしい」などの対応をする
  • 分割払いや支払い猶予を認めてもらうための手続きをする

たとえば、借金の返済に遅れている場合、債権者から督促が行われたケースを想定します。この場合に、債権者に対して電話などで「そのうち返す」「もう少し待ってほしい」などの対応をすると、債務承認があったとみなされて、この時点で借金の消滅時効が更新されます。

借金の消滅時効が更新された場合には、その時点から原則5年が経過しなければ、時効の援用は成功しません。

借金の消滅時効が停止されるケース

借金の消滅時効が一時的に停止されるケースもあります。これを「時効の完成猶予」といい、猶予が認められている場合には6か月の間は消滅時効のカウントがされません。

たとえば、2020年1月に金融機関に対して借金の返済を行った場合を想定します。

本来は、この返済を行ってから債権者と債務者が何も対応をしなければ、2025年1月には借金の消滅時効が完成します。しかし、時効の完成猶予が認められた場合には6か月の間借金の消滅時効はカウントされないため、2025年1月を迎えても時効の援用は成功しません。

なお、民法第150条では、時効の完成猶予について下記のように定められています。

催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
引用元 e-Gov「民法」

民法で定められている「催告」について、借金の消滅時効においては債権者からの請求が該当します。そのため、借金の返済に関する督促として電話や郵送物がきた場合には、時効の完成猶予が認められます。

時効の援用が難しい場合には債務整理することも視野に入れておく

借金の消滅時効が完成していなければ、時効の援用は成功しません。基本的に金融機関からの借金であれば、消滅時効が完成する前に訴訟による債権回収が行われるのが一般的であるため、金融機関からの借金が時効を迎えるケースは多くありません。

また、「時効の援用を視野に入れていたが、借金の消滅時効が完成していなかった」というケースもあるかもしれません。このような場合で、借金の返済が難しいのであれば、債務整理を視野に入れるのも手です。

債務整理とは、借金問題を解決させるための手続きのことです。インターネットでは、「国が認めた借金救済制度」「借金減額制度」などと呼ばれることもあります。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあり、いずれも毎月の返済負担を軽減できたり、借金自体を減額・免除できたりといったメリットがあるものです。

手続き 概要
任意整理 返済条件を見直してもらうために、債権者に交渉をする手続き。

どのように条件が見直されるのかは交渉次第だが、将来利息をカットしたうえで元金自体を3年〜5年程度で返済できるように返済額を調整してもらえるのが一般的。
個人再生 裁判所を通して、借金自体を減額するための手続き。

原則的には借金自体が1/5、最大で1/10までに減額される。
自己破産 裁判所を通して、借金を帳消しにするための手続き。

ほかの債務整理手続きよりもデメリットが大きいため注意が必要。

※手続き名をタップ・クリックすることで、詳しい解説をしている記事を確認できます。

時効の援用ができずに借金返済に困っている場合でも、債務整理をすることで問題解決につながります。司法書士や弁護士に依頼をするのが一般的であるため、時効の援用を相談する際には債務整理についても尋ねておくのがよいでしょう。

ただし、債務整理にはメリットだけでなくデメリットもあります。とくに、手続き後はいわゆる「ブラックリスト入り」になり、今後の生活に支障をきたしてしまう可能性もあります。

債務整理を検討する際には、デメリットを十分に把握したうえで、「手続きが必要なほど借金返済が苦しいのか」について考えることが重要です。

まとめ

時効の援用にかかる費用は、法律の専門家に依頼するかどうかによって大きく変わります。自分で手続きをする場合には1,000円程度が相場ですが、法律の専門家に時効の援用を依頼する場合には2万円〜10万円程度の費用がかかるのが一般的です。

また、時効の援用の依頼先は行政書士・司法書士・弁護士が挙げられますが、いずれも費用相場は異なります。そのため、時効の援用にかかる費用を知りたい場合、「法律の専門家に依頼するのかどうか」「どの専門家に依頼するのか」を明確にしておくことが大切です。

なお、時効の援用にかかる費用は決して少額とはいえない金額になることもあります。支払いが困難になる可能性もあるため、時効の援用にかかる費用を抑えるための対策などを講じておくことも検討しておきましょう。

時効の援用についてのよくある質問

時効の援用を専門家に依頼しても成功しないことはあるのでしょうか?

前提からお伝えしますが、借金の消滅時効が完成していなければ時効の援用はできません。弁護士や司法書士に依頼する場合、借金が消滅時効を迎えているかどうかを調べてもらえるのが一般的です。

そして、借金が消滅時効を迎えていないと発覚すれば、ほかの方法で借金問題を解決する方針に切り替わると考えられるため、そもそも失敗することが確定しているのであれば、時効の援用は依頼できないと考えられます。

時効の援用が失敗した場合、専門家に支払った費用はどうなりますか?

専門家に支払った費用は実費を除いて返還されるケースもあります。どのような対応になるのかは専門家によって変わるため、事前に相談しておくのがよいでしょう。

時効の援用が成功すれば信用情報は回復するのでしょうか?

時効の援用が成功した場合には、信用情報から延滞の履歴が抹消されるため、ブラックリスト入りの状態が解消される可能性もあります。ブラックリスト入りの状態が解消されれば、ローンやクレジットカードなどの審査に通る可能性は十分に考えられます。

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更新日 : 2025年03月24日
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