カードローンが返済できない場合に生じるデメリット5つ
カードローンの返済ができないでいると、下記のようなデメリットが発生します。
- ①カードローン・クレジットカードの強制解約
- ②残債の一括請求が行われる
- ③遅延損害金の発生
- ④強制執行による財産の差し押さえ
- ⑤信用情報への事故情報掲載
まずは、カードローンの返済ができないと起こり得るデメリットについてお伝えします。
①カードローンが強制解約される
カードローンの返済ができずに、長期間の滞納が発生してしまった際には、当該カードローンの強制解約が行われます。強制解約をされてしまうことによって、そのカードは返済専用のカードになってしまうため、2度と借り入れに利用することはできません。
また、一度強制解約をされてしまった貸金業者(債権者)とは、今後半永久的に契約を締結することができないでしょう。中には、「住所や苗字、勤め先が変われば新たに契約できるのではないか?」と思われている方もいますが、ほぼ100%無理です。
なぜなら、一度強制解約になってしまうと、その情報が社内で半永久的に共有され続けるからです。この状態をいわゆる社内ブラックと言いますが、通常のブラックリストとは異なり、期限に上限がありません。残念ながら、そのカードローン会社とは2度と取引ができないので注意してください。
ワンポイント解説
関係のないクレジットカードにも影響が発生する
カードローンの返済ができないと、あなた(債務者)が所有するクレジットカード等も利用停止・強制解約になる恐れがあります。その理由は、クレジットカード会社が、定期的に信用情報の確認を行うためです(途上与信)。
途上与信の結果、あなたの信用や債務状況が著しく悪化している場合には、クレジットカードの利用停止や強制解約になり得ます。関係のないクレジットカード会社も、信用情報機関を通じて、あなたの信用情報を把握しているため注意してください。
②残債の一括請求が行われる
カードローンの返済ができない状態が続くと、残債(残っている借金)の一括請求が行われます。これは、期限の利益の喪失というもので、カードローン契約締結時に交わした契約書に記載されています。
たとえば、三井住友銀行カードローンの会員規約には、下記のように記載しています。
本債務に限らず、当行に対する債務の一つでも期限に返済しなかったとき、または期限の利益を喪失したとき。
引用元:三井住友銀行「カードローン規定第12条(期限前の利益喪失事由)」
三井住友銀行カードローンの場合は、カードローンに限らず三井住友銀行に対する債務のひとつでも滞納すれば、期限の利益を喪失してしまいます。期限の利益を喪失するということは、残債をすべて一括返済しなければいけないということです。
すべての貸金業者で「期限の利益の喪失」に関する条項が記載されているはずです。おそらく、ほとんどの方は目を通していないかと思いますが、その契約書にサインをしている以上は、一括請求=一括返済のみです。
ただ、カードローンの返済ができなければすぐに、一括請求されるわけではありません。カードローン会社等によっては、一定期間置いてもなお返済されないときに、一括請求を行います。一括返済されてしまえば、自分で自分の首を絞める結果になります。そうならないよう、早めに対応しておくことが大切でしょう。
ワンポイント解説
一括返済が難しい場合は任意整理で分割可能
一括請求された借金は、原則一括返済しか認められていません。どうしても分割の返済・完済を目指すなら任意整理を検討してください。多くの貸金業者では、任意整理の交渉に応じる体制を整えています(各会社によって若干の対応差あり)。
③遅延損害金が発生する
カードローンの返済を約束の日にちまでにできなければ、滞納1日目から遅延損害金(遅延利息)が発生します。遅延損害金とは、返済に遅れてしまったことに対するペナルティという意味合いが強く、通常の利息よりも高めに設定されているケースがほとんどです。
通常の利率上限
借入金額 |
利率上限/年率 |
10万円以下 |
20% |
10万円以上100万円以下 |
18% |
100万円以上 |
15% |
遅延損害金の利率上限
借入金額 |
利率上限/年率 |
10万円以下 |
29.2% |
10万円以上100万円以下 |
26.28% |
100万円以上 |
21.9% |
参考:利息制限法「第1条(利息の制限)・第4条(賠償額の予定の制限)」
利息制限法では、遅延損害金に対する上限利率を1.46倍までと定めています。よって、カードローン会社は、通常の利率上限に1.46倍かけた範囲内で遅延損害金を請求するのが一般的です。
なお、大手消費者金融等のカードローンは、遅延損害金の利率を20%に設定しているケースが多いです。これは、借入金額によって変わることはなく、たとえ数百万円単位の借り入れがあっても、滞納日から20%の利息が発生します。
たとえば、カードローン会社から100万円借り入れしている方が「返済できないから…」と言って滞納してしまうと、1日目から約547円の利息が発生してしまいます。万が一、1か月間(30日)滞納してしまえば、約16,438円を利息として支払わなければいけません。
通常の利息(15%)なら、100万円を30日間借りていたとしても約12,328円の利息で済みます。たった5%の差ですが、カードローンの返済できない期間が長引けば長引くほど、遅延損害金が重くのしかかります。
現状でも返済できないのに、さらに遅延損害金がのしかかれば、余計返済が難しくなってしまいます。そうなると、任意整理等で利息をカットして返済するしかありません。いずれ、任意整理をするならば早めに弁護士に相談しておいたほうがキズも浅く済むでしょう。
④強制執行により給与や財産を差し押さえられる
カードローンを返済できない状況が続きローン会社から届く再三の督促を無視し続けていると、最終的には強制執行が行われます。
強制執行とは?
強制執行とは法的手続きによって強制力を持ち、債務者の財産を差し押さえることを言います。つまり、債務者(あなた)が「お金がありません!」「返済できません!」と訴えても、強制的に財産を差し押さえ、債務(借金)の弁済を行うことになります。
強制執行でもっとも懸念すべきことは、給料の差し押さえです。
あなたの持っている財産をすべて差し押さえてもなお、足りなければ給料を差し押さえられてしまいます。その結果、会社にカードローンを滞納していた事実がかならずバレます。家族がいる方は、給料の減少や自宅宛に届く書類等で家族にもバレてしまう恐れもあるでしょう。
ワンポイント解説
強制執行を止められるのは法的手続きのみ
強制執行(差し押さえ)が始まってしまうと、いくら債権者(カードローン会社)に泣きついても止まりません。強制執行を止めるためには、自己破産や個人再生といった債務整理手続きしか方法がなくなってしまいます。
強制執行前なら、任意整理という選択肢も残されています。しばらく返済できる見込みがないなら、今すぐに弁護士へ相談し、任意整理も含めた解決方法を模索されたほうが良いでしょう。
⑤信用情報にキズが付く
カードローンの返済ができないと、信用情報にキズがついてしまいます。数日程度の滞納なら大きな問題はありませんが、滞納期間が長期(2か月以上)になってしまうと、異動情報が掲載され、滞納が解消されるまで残り続けるので注意しなければいけません。
異動情報は通常の滞納情報とは異なり、【非常にネガティブな事実】として認知されます。異動情報が掲載されている期間は、各種ローン契約の締結やクレジットカードの所有、カードローンの利用すべてが難しくなります。
これから家を購入したい、車をローンで購入したい、カード決済がメインとなっても、すべてが異動情報によって難しくなるでしょう。異動情報を消すためには、カードローンを返済して滞納を解消するしかありません。
カードローンを返済できない状態がずっと続けば、半永久的に異動情報が残り続けます。少なからず、今後の生活にも影響をあたえる恐れがあるので、注意してください。
カードローンが返済できない場合に今すぐ行うべき有効な対策3つ
カードローンの返済が難しいときには、下記のことを検討・実行してください。
- 支払えないことが分かった時点で債権者に相談をし、返済猶予してもらう
- 不用品の売却でお金を工面する
- 債務整理で借金を整理し、根本解決を図る
次に、カードローンの返済ができないときに取るべき行動についてお伝えします。
カードローン会社に返済期間猶予の相談を行う
カードローンの返済ができないことを分かった時点で、直ちにカードローン会社へ相談してください。まず、あなたがやるべきことは、これ一択です。かならず、滞納する前、「カードローンが返済できないことが分かった時点」です。
今まで当たり前に返済をできていたのに、今月だけ返済ができないのには、何かしらの事情があるはずです。出勤日数が少なくて給料が少ない、何かしらの事情で支出が多い等。返済日に突然、「返済できない」という状態に陥ることはほぼあり得ません。
前もって滞納前に相談することで、カード会社は返済日を猶予してる可能性が高いです。それが、1週間なのか1か月なのかは各債権者によって異なりますが、しっかり相談することで、対応してくれる可能性が上がります。
一番やってはいけないのが、何も言わずに滞納すること。「カードローンが返済できないから…」と言って、つい放置されてしまう方もいますが、これをやってしまうと、先にお伝えしたようなことが起こり得ます。まずは債権者に相談してください。
突発的な返済不可なら返済資金を工面する
何らかの事情で1か月だけ、カードローンの返済ができないときは、新たな借り入れや不用品の売却でお金を工面することをおすすめします。
本来、借金を返済するために新たな借金を抱えたり、その場凌ぎの行為をしたりすることは決しておすすめはしません。
ただ、病気やケガ等で1か月だけ収入が減ってしまい、カードローンの返済ができないことは誰にでも起こり得ます。次月以降は、確実な返済を見込めるなら、あらゆる手段を用いて資金を工面しても良いです。
とくに、カードローンの返済金額は高くても月額数万円程度であることがほとんどです。友人や家族からの借り入れ、不用品の売却で確実に工面できるでしょう。どうしても頼れる人がいないなら、生活福祉資金貸付制度の利用を検討してください。
この制度は、経済困窮者を対象にあらゆる使途別の融資を行います。病気やケガ、失業等何かしらの事情で返済できないなら、借り入れできる可能性が高いので、ぜひ検討してください。
生活福祉資金貸付制度の相談先「厚生労働省|生活支援特設HP」
恒常的な返済不能状態なら債務整理を行う
カードローンの返済をできる見込みがないなら、債務整理で根本的な解決をしてください。
しばらく返済できる見込みがないにもかかわらず、その場凌ぎの返済を続けていても、いずれ返済に行き詰ります。
毎月、お金を工面するために試行錯誤するのも相当なストレスですし、遅かれ早かれ返済ができない状況に陥るでしょう。いずれ返済できなくなるなら、早めに対応しておいたほうが、自分や家族のためになります。
債務整理手続きの種類とその効果
そして、債務整理には下記3種類の手続きがあります。
自分に合った債務整理手続きをすることで、確実にカードローンの返済を続けたり、返済を免除されたりします。
各手続の詳細については以下の記事をご覧ください。
債務整理の事前相談は無料で行える
「債務整理をしようか悩んでいる」「自分は債務整理をするべきなのかわからない」「債務整理をしたくはないけど、借金を解決したい(カードローンの返済ができない)」と考えている方は、とりあえず弁護士へ相談してください。
弁護士へ相談したからといって、かならず債務整理をする必要はありません。弁護士も、あなたの状況に合わせて債務整理を検討すべきか否かを一緒に検討してくれます。もちろん、あなたの要望を聞いたうえでどのようにすべきか、最善の策を提案してくれるでしょう。
弁護士への事前相談は無料なので、「カードローンの返済ができないけどどうしよう…」など、些細な疑問を問いかける形でも構いません。
弁護士は、少し敷居の高い印象を持たれている方も多いですが、同じ人間です。あなたのために相談に乗り、自分の持っている知識で最大限のアドアイスを行います。まずは、気軽な気持ちでご相談ください。
弁護士への相談は早ければ早いほどメリットが大きい
弁護士へ相談は早ければ早いほどメリットが大きいです。その理由は下記の3つ。
- 強制執行後は任意整理という選択肢がなくなる
- 早ければ早いほど交渉がスムーズにいく
- 早ければ早いほど債務者が抱えるストレスを軽減できる
カードローンの返済ができないまま放置し続けて、最終段階である強制執行まで至ってしまうと、任意整理という選択肢がほぼ無くなります。なぜなら、債権者は強制的に借金を回収できる手段を持っているからです。
任意整理はあくまでも交渉であるため、債権者が応じなければ手続きを開始することすらできません。また、滞納が遅くなればなるほど交渉が厳しくなったり、和解条件が厳しくなったりします。
そして、債務整理をする最大のメリットとして、債権者からの取り立てを止められるメリットがあります。いずれの債務整理手続きであっても、弁護士へ相談した時点で取り立てを止められます。
カードローンの返済ができないと発生する、鬱陶しいほどの取り立てを直ちに止められるため、早ければ早いほどメリットは大きいです。弁護士への相談が遅くなればなるほど、状況は悪化し続けます。返済できない時点で、早期に弁護士へ相談されたほうが自分のためになるでしょう。
参考:貸金業法「第21条(取り立て行為の規制)」
借金問題について無料相談できる専門機関について
借金問題については、行政や民間など、無料相談の場を設けている機関が複数存在します。
信頼のおける主な専門機関は以下のとおりです。
無料相談を行うことで心が軽くなったり、具体的にな解決策が見つかる可能性もあります。相談するメリットは大きいので、このような機関を利用してみることもひとつ有効です。
※各機関の詳細についてまとめた記事はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、カードローンの返済ができないと気に起こり得ることと、返済できないときの対処法についてお伝えしました。
カードローンの返済ができないと、カードの強制解約や一括請求、信用情報への掲載等あらゆる影響が発生するとのことでした。あまりにも滞納が続くと、最終的には強制執行による財産の差し押さえが始まり、会社や家族にもバレてしまう恐れがあります。
カードローンが返済できない。たったこれだけのこと、誰にでも起こり得ることであるにもかかわらず、その影響は甚大です。今回お伝えした、返済できないときの対処法を参考に、正しく対応されたほうが自分のためになるでしょう。
【Q&A】カードローンが返済できないとどうなる?正しい対処法とは?
カードローンが返済できないとどうなりますか?
カードローンの返済ができないと、利用停止や強制解約は避けられません。そのうえで、滞納が発生すれば、信用情報への掲載や一括請求、強制執行等、段階的に影響が大きくなる恐れがあります。
カードローンの返済ができないときはどうすれば良いでしょうか?
一時的な事情で返済ができないなら、どうにかお金を工面して返済をしてください。とりあえず、その場を凌げる方法や手段を検討すれば良いでしょう。これに対して、収支のバランスが悪く、返済できる見込みが立たない場合には、債務整理を検討してください。
最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を
- 北海道・東北
-
- 関東
-
- 東海
-
- 関西
-
- 北陸・甲信越
-
- 中国・四国
-
- 九州・沖縄
-