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2025年05月現在

個人再生から任意整理への変更は可能?方針変更をする方法やリスクなど徹底解説

一度は個人再生を選択したものの、さまざまな理由から任意整理へ変更したいと考える人もいるかもしれません。この場合、「一度個人再生をすると決めてしまったら、もう任意整理へ変更できないのでは」と考えることでしょう。

結論、個人再生から任意整理に変更することは可能です。方針変更を希望する場合には、依頼している弁護士や司法書士にその旨を伝えるようにしてみてください。

ただし、個人再生から任意整理に変更できるのは、原則的に個人再生の申立前までです。申立後になると、裁判所による個人再生の手続きが進められるため、任意整理への変更は基本的にできないと考えておきましょう。

そのため、個人再生から任意整理に変更したくなったら、できるだけ早く弁護士へ相談してください。

なお、弁護士によっては手続き途中での方針変更に快く応じてくれない場合もあります。その場合、どうしても任意整理をしたいなら、別の弁護士を探して改めて任意整理を依頼する必要があります。

複数の弁護士へ相談することで、よりよい解決策が見つかる場合もあるので、弁護士の対応に疑問を感じたら、無料相談などを利用して別の弁護士へ相談してみましょう。

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監修
力武法律事務所
力武伸一(弁護士)

個人再生から任意整理への変更は可能

個人再生から任意整理に変更することは可能です。「個人再生を依頼した後に他の手続きに方針変更してはいけない」というルールはないうえに、実際に個人再生から任意整理へ方針を変更している人も少なからずいます。

また、任意整理の場合、個人再生や自己破産ほど手続きを利用するための要件が厳しくありません。「このような人は絶対に任意整理できない」という明確な決まりはないので、比較的利用しやすい手続きといえます。

そのため、個人再生から任意整理へ方針を変更しようか迷っている人は、まずは弁護士へ相談して、改めて自分に合った債務整理の方法を提案してもらうとよいでしょう。

弁護士が方針変更を了承しないこともあるので注意

最終的にどの債務整理を選択するかは債務者が決定することであり、弁護士は債務者が選択した手続きがスムーズに進むようサポートする立場にすぎません。しかし、弁護士が了承しなければ、個人再生から任意整理に変更することはできません。

債務整理において、弁護士は依頼者が生活を再建できるように手続きをサポートします。個人再生から任意整理に方針を変更しても生活再建が見込めるのであれば了承を得られやすいですが、任意整理では再建が難しい場合には了承が得られない可能性があります。

そのため、個人再生から任意整理に方針変更を検討している場合、まずは任意整理への変更を考えている旨を弁護士に相談してみるのがよいでしょう。

なお、なかには債務者の意向を無視して、個人再生から任意整理への方針変更を認めない弁護士もいるため注意が必要です。

もし、きちんと話を聞かず強引に個人再生をすすめてくる弁護士であれば、別の弁護士へ依頼することも検討してみてください。

当サイトでは、全国対応&24時間無料相談できる法律事務所を紹介しています。現在依頼している弁護士の対応に疑問を感じた場合は、ぜひ気軽に相談してください。

個人再生から任意整理へ変更できるのは基本的に個人再生の申立前まで

前述したとおり、個人再生から任意整理への方針変更は可能です。

ただし、タイミングが遅れると個人再生の取消しができない場合もあるため、方針変更がしたくなったら、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。

たとえば、個人再生から任意整理へ方針を変更したい場合、個人再生の申立前であれば基本的には変更できます。方針変更のために裁判所へ書類を提出するなどの手続きも必要ないため、個人再生を依頼している弁護士に変更の旨を申し出ましょう。

しかし、詳しくは後述しますが、個人再生を裁判所に申し立てた後には、原則任意整理に変更することはできません。そのため、個人再生の申立準備期間は、個人再生から方針を変更できる最後の機会だと考え「本当に個人再生を選んで後悔しないのか」じっくりと考えてみてください。

早く手続きを進めたいからと焦って申立てしてしまうと、個人再生を取消すタイミングを逃す恐れもあります。申立準備期間は、ただ必要書類を揃えるだけではなく、改めて個人再生の注意点を確認したり、個人再生後の生活をシミュレーションしてみましょう。

申立後は個人再生の取消しができない可能性が高い

個人再生の申立後にどうしても個人再生から任意整理へ方針を変更したくなった場合、変更が絶対にできないわけではありません。

個人再生の申立後、裁判所が再生手続開始決定を出すと、個人再生の手続きが始まります。この再生手続開始決定が出る前であれば、原則として自由に申立てを取下げられます。

第三十二条 再生手続開始の申立てをした者は、再生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第二十六条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、第三十条第一項の規定による保全処分、前条第一項の規定による中止の命令、第五十四条第一項若しくは第七十九条第一項の規定による処分、第百三十四条の四第一項の規定による保全処分又は第百九十七条第一項の規定による中止の命令がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。
引用元:e-Govポータル「民事再生法第32条」

申立てを取下げたい場合は、個人再生を依頼している弁護士へ相談して、裁判所へ申し出てもらいましょう。

ただし、再生手続開始決定が出た後は、余程のことがない限り申立ての取下げができなくなります。

申立てから再生手続開始決定が出るまでの期間は、個々の状況によりさまざまですが、申立てをした当日に再生手続開始決定が出る場合もあります。

加えて、申立ての取下げが認められなかった場合、個人再生にかかる費用(予納金)も返金されず無駄になってしまう可能性もあります。

そのため、個人再生の申立後に方針を変更したい場合は、個人再生の取消しができなくなる前に、早急に弁護士へ相談するようにしてみてください。

個人再生も任意整理もブラックリストに載る期間はほぼ同じ

個人再生や任意整理をする場合の共通のデメリットとして、手続き後はいわゆる「ブラックリスト入り」になることが挙げられます。

ブラックリストと言う表現はあくまで一般的に使われているものであり、「信用情報として返済能力を疑われるような履歴が残っている状態」のことを指します。

信用情報とは、クレジットカードやローンなどの利用履歴のことです。個人信用情報機関で保管・管理されており、金融機関の審査時に情報が共有されます。

個人再生や任意整理をした場合、その履歴が信用情報として登録されるため、クレジットカードやローンなどの審査に通りづらくなります。このブラックリストに載る期間はどのような履歴が信用情報として登録されるかによって変わりますが、「個人再生より任意整理の方がブラックリストに載る期間が短くなるのでは」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、個人再生も任意整理もブラックリストに載る期間はほぼ同じといえます。

まず任意整理の場合、ブラックリストに載る期間は「和解後に借金を完済してから最長5年間」です。和解後に債権者へ返済する期間は3年〜5年間が一般的なので、完済後の期間と合わせて8年〜10年間がブラックリストに載る最長の期間になります。

一方、個人再生の場合は、ブラックリストに載る期間が個人信用情報機関ごとで以下のように異なります。

  • CIC・・・借金を完済してから最長5年
  • JICC・・・申立てがあった日から最長5年
  • KSC(全銀協)・・・再生手続開始決定の日から最長7年

※個人信用情報機関名をタップ・クリックすることで、参考元のページを確認できます。

上記をまとめると、個人再生の場合にブラックリストに載る最長の期間は5年〜11年間です。そのため、債務者の状況によっては、個人再生の方がブラックリストに載る期間が短くなる可能性もあります。

とはいえ、最長期間で考えると任意整理は10年間、個人再生は11年間ブラックリストに載ることになります。よって、確実にブラックリストから削除されるまでの期間で考えると、どちらの手続きもそれほど変わらないといえるでしょう。

実際のところ、どちらの債務整理を選択した時に、どれくらいの期間ブラックリストに載るのかは、個々の状況により異なります。詳しく知りたい場合は、当サイトで紹介している法律事務所の無料相談などを利用して、確認してみましょう。

個人再生から任意整理に方針変更することを検討するべきケース

ここまで、個人再生から任意整理に変更できることについて解説しましたが、実際にはどのようなケースであれば方針変更を検討するべきかを悩むこともあるかもしれません。

そこで、個人再生から任意整理に方針変更することを検討するべきケースについて、いくつか例をまとめましたので参考にしてみてください。

  • 債務整理の対象にしたくない借金がある場合
  • 任意整理に変更しても返済可能であり、かつ手続きにかかる費用を抑えたい場合
  • 個人再生の申立てが棄却される可能性が高い場合

ここからは、個人再生から任意整理に方針変更することを検討するべきケースについて、それぞれ解説していきます。

債務整理の対象にしたくない借金がある場合

個人再生から任意整理に方針変更することを検討するべきケースとして、債務整理の対象にしたくない借金がある場合が挙げられます。

個人再生の場合、原則として抱えているすべての借金が減額の対象になります。そのため、仮に「連帯保証人がついている借金がある」「お世話になった人だから自分で全額完済したい」という借金があっても、それらの借金は個人再生の対象になります。

一方、任意整理は対象とする借金を依頼者が選択できる手続きです。そのため、連帯保証人がついている借金や自身で完済したい借金などについては任意整理の対象外にすることも可能です。

債務整理の対象にしたくない借金がある場合、個人再生から任意整理に変更することも検討してみるのがよいでしょう。

任意整理に変更しても返済可能であり、かつ手続きにかかる費用を抑えたい場合

こちらは任意整理に変更しても借金返済が可能な場合に限りますが、手続きにかかる費用を抑えたい場合には個人再生から任意整理に変更することも検討してみるのがよいでしょう。

個人再生の場合は裁判所を通した手続きであるため、弁護士や司法書士への費用とともに裁判所費用がかかります。一方、任意整理の場合は裁判所費用がかからないため、個人再生よりも費用を抑えられるのが基本です。

個人再生や任意整理にかかる費用は自身の状況で変わりますが、あくまで目安としては費用が下記となります。

  • 任意整理:債権者1社につき5万円程度
  • 個人再生:50万円〜90万円程度

個人再生の申立てが棄却される可能性が高い場合

前提として、個人再生は申立てをすれば必ず認可が得られる手続きではありません。まず、個人再生をするには下記の条件を満たしている必要があります。

  • 債務総額の上限が5,000万円以下である
  • 将来的に安定した収入源があり、返済の見込みがある
  • 債権者の同意を得ている

そして、これらの条件を満たしている場合であっても、個人再生の認可が得られないケースもあります。具体的には、「特定の債権者への返済を優先した(偏頗弁済)」「裁判所に虚偽申告をした」「書類提出や支払いの期限を守らなかった」といったケースが挙げられます。

これらに該当する場合、個人再生が失敗するリスクがあります。そのリスクを回避するためにも、任意整理への変更を視野に入れておくのもよいでしょう。

個人再生から任意整理へ変更する場合のリスク

任意整理には、個人再生と違い「同居している家族にも秘密でできる」「連帯保証人や担保が設定されている借金を除外できる」などのメリットがあります。

ただし、以下のようなリスクもあるので、個人再生から任意整理への方針変更を検討している人は、リスクを十分に理解したうえで慎重に選択しましょう。

  • 借金全額の返済義務が残る。
  • 和解時までに発生した遅延損害金はカットされないことが多い。
  • 債権者から裁判を起こされる恐れもある。

次の項目から、それぞれのリスクについて詳しくお伝えします。

借金全額の返済義務が残るのが原則

任意整理は返済条件を見直してもらうために、債権者と交渉をする手続きです。どのような返済条件に見直されるかは交渉次第ですが、将来利息や遅延損害金のカットが認められたうえで、3年~5年の分割返済で完済できるように毎月の返済額が調整されるのが一般的です。

しかし、任意整理をしても借金の元金部分が減額されることは基本的にありません。そのため、任意整理後は、借金の元金自体を全額返済する義務が残ることになります。

借金の元金が負債総額によって約1/5や1/10まで減額される個人再生と比べると、減額される金額は大幅に少なくなるので注意してください。

和解時までに発生した利息はカットされないことが多い

弁護士へ個人再生を依頼した場合、依頼した時点で債権者への返済を止めるのが一般的ですが、実はこの間にも金利による利息が一日ごとに発生しています。

任意整理はあくまで債権者との交渉であるため、免除してもらえる可能性は0ではありませんが、返済を止めてから最終的に任意整理で和解する日まで発生した利息はカットされないことが多いです。これには、任意整理の統一基準が関わります。

前提からお伝えしますが、近年、任意整理の案件を取り扱う法律事務所が増えている傾向にあります。そして、任意整理は裁判所を通さない私的な手続きであり、債権者との交渉次第で遅延損害金の免除ができるかどうかなどが変わります。

どの法律事務所に依頼するかによって任意整理の結果が変わることもあり、その場合には法律事務所全体の信用にも影響してしまうことが懸念されることから、弁護士会や司法書士会は任意整理における統一基準を定めています。

統一基準では、遅延損害金や将来利息をつけないように手続きを進めるように定められていますが、和解時までに発生した利息についての定めはありません。そのため、任意整理で債権者と和解できても、元金と和解時までに発生した利息を支払わなければならないのが基本と言えます。

個人再生から任意整理に変更する場合、加算された遅延損害金も含めて借金全額を返済できるかどうか、しっかりと返済のシミュレーションをする必要があります。

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債権者から裁判を起こされる恐れもある

個人再生手続きの途中で任意整理へ方針を変更する場合、返済を止めてから債権者と和解するまでに、かなり長い時間がかかることもあります。

その場合、債権者から裁判を起こされることもあるので注意が必要です。

裁判を起こされると、以下のような財産を差押えられる恐れがあります。

  • 給料
  • 預貯金口座
  • 自宅(持ち家の場合)
  • 生命保険

このような財産が差押えられることを避けるためには、任意整理へ方針を変更すると決まったら、できるだけ早く債権者と和解し返済を再開することが大切です。

まとめ

一度個人再生をすると決めてからでも、手続きの途中で任意整理へ方針を変更することは可能です。

ただし、個人再生の申立後だと個人再生の取消しができない恐れもあるので注意してください。

もし任意整理へ方針を変更したいと依頼中の弁護士へ相談しても、強引に個人再生をすすめられるようなら、別の弁護士に相談してみるとよいかもしれません。

複数の弁護士へ相談することで、より自分に合った解決策が見つかる可能性もあります。

当サイトでは、全国対応&24時間無料相談できる法律事務所を紹介しています。質問だけでも気軽に相談できるので、ぜひ利用してみてください。

個人再生と任意整理のよくある質問

個人再生から任意整理へ変更は可能ですか?

可能ですが、個人再生の申立後だと取消しが認められなかったり、予納金が無駄になる可能性もあるので、変更する場合は申立前におこないましょう。

個人再生から任意整理へ変更できないケースはありますか?

基本的に変更できないということはありませんが、担当弁護士が方針変更を了承しない場合もあります。どうしても変更したい場合は、他の弁護士へも相談して任意整理を引き受けてくれる弁護士を探すとよいでしょう。

個人再生より任意整理を選ぶとよいのはどのようなケースですか?

例えば、同居している家族に秘密で手続きしたい、連帯保証人が設定されている借金を除外して債務整理したいなどの場合には、個人再生より任意整理を選んだ方がよいこともあります。

個人再生から任意整理へ方針変更するのに、リスクはありますか?

個人再生と違い借金が全額残ることが最大のリスクです。返済が滞れば財産差押えなどに発展する恐れもあるため、本当にきちんと返済していけるのか、弁護士とよく話し合ったうえで決定することをおすすめします。

個人再生は避けたいのですが、任意整理で返済するのも不安があります。どうしたらいいですか?

任意整理へ変更しても、返済が滞れば個人再生など別の債務整理が必要になるケースも珍しくありません。方針を変更する際はきちんと返済のシミュレーションをおこない、慎重に判断しましょう。弁護士へ相談すれば家計の節約方法や利用できる公的支援についてもアドバイスをもらえるので、不安なことは小さなことでも相談してください。

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更新日 : 2025年05月09日
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