【過払金の計算方法】請求するといくら戻ってくるのか?

戻ってきた過払い金がいくらであったか、事前に知る方法はありますか?


引き直し計算をすることで、事前に知ることが可能です。しかし引き直し計算は非常に複雑なため、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
なるほど。引き直し計算をするためには、何か必要なものはありますか?


引き直し計算をするためには過払い金請求を行う貸金業者との取引履歴が必要です。取引履歴については貸金業者に依頼することで取り寄せることが出来ます。
過払い金請求をした際、いくら戻ってきたのかを事前に知りたいという方は多いと思います。
ではどのようにすれば事前にいくら戻ってくるのか知ることが出来るのでしょうか?
過払い金がいくら発生しているか知るためには、貸金業者の取引履歴を確認したうえでの引き直し計算が必要です。引き直し計算とは、グレーゾーン金利で支払われていた利息を本来の金利で再計算することを指します。
この引き直し計算は非常に複雑なため、正確な過払い金を知るためには弁護士などの専門家に依頼することがおすすめです。
弁護士に過払い金請求の手続きを依頼することで、取り戻せる過払い金の額を正確に計算できることや短期間で手続きが可能なことなど多くのメリットがあります。
当サイトでは、全国対応&24時間無料相談できる法律事務所を紹介しているので、過払い金請求を検討するならぜひ一度相談してみてください。
>>【過払い金請求をお考えの方へ】法律事務所への無料相談はこちら

- 過払い金とは利息制限法で定められた利息の額よりも多く貸金業社に支払ってしまった利息のこと
- 貸金業者との取引履歴を確認して引き直し計算することで過払い金の金額を知ることが出来る
- 引き直し計算は複雑なため正確な金額を知るには弁護士などの専門家に依頼することがおすすめ
- 過払い金請求をして借金問題が解決出来ない場合は債務整理を検討する
過払い金とは貸金業者に支払い過ぎている利息のこと
過払い金とは利息制限法により定められた利息の額よりも、多く支払ってしまった利息のことです。
この過払い金を貸金業者に返還請求することを過払い金請求と言います。
過払い金請求をすることで手元にお金が戻ってきたり、借金を減額することが可能です。
過払い金は利息制限法と出資法の金利差が原因で発生している
過払い金が発生した原因は、上限を超えた金利が無効になる利息制限法によって定められている上限金利15〜20%(年率)と、刑事罰の対象になる出資法の上限金利である29.2%(年率)の上限の違いです。
この利息制限法の20%と出資法の29.2%の間の金利帯をグレーゾーン金利と呼び、2010年6月17日には法改正により無くなっています。
過払い金請求が出来る可能性が高い2つの条件
過払い金が発生している可能性がある債務の条件は以下の2つになります。
- 2010年6月17日より以前に契約した借金であること
- 完済してから10年以内の借金であること
それぞれについて説明します。
2010年6月17日以前の借金が条件である理由
貸金業法と出資法の改正により、2010年6月18日以降の債務については出資法の上限が20%に引き下げられています。
この法改正によってグレーゾーン金利がなくなり、20%以上の金利での貸付は刑事罰の対象になりました。
そのため法改正以降、法律に則った金利で貸付を行っている貸金業社がほとんどのため、過払い金は発生していません。
出典:金融庁
なお、現在は利息制限法の上限金利を超える金利で貸付が行われた場合、民事上無効の貸付になります。
利息制限法の上限金利は貸付金額によって異なるので、気になる方は貸付金額と金利を確認するようにしてください。
借金を完済してから10年以内が条件である理由
過払い金請求をする権利は法律上「不当利得返還請求権不当利得返還請求権とは、民法703条と704条で規定されている法律上の原因がない利得である不当利得を返すように請求出来る権利のこと」に該当し、過払金は債券にあたります。
そのため、時効によって消滅をするので注意が必要です。
ちなみに、過払い金の時効は完済してから10年になります。
完済した時期によって適用される時効の期間が違うので、過払い金請求をする場合には完済した日を確認するようにしてください。
また、2020年4月1日の民法改正により2020年4月1日以降に完済した債務の過払い金については「請求出来る権利があると知ってから5年」が時効になります。
戻ってきた過払い金を事前に知るためには引き直し計算をする
過払い金がいくら発生しているかを知るためには、引き直し計算をする必要があります。
引き直し計算とは借金の返済で支払ってきた利息を、利息制限法に修正して再計算し直すことです。
そのため過去の取引履歴を確認することが必要不可欠になります。
引き直し計算をする際は、必ず貸金業社に取引履歴を請求するようにしてください。
また引き直し計算は複雑なため、素人が安易にすることはおすすめ出来ません。
間違っていては元も子もないためです。
特に返済途中で再度借り入れをしているケースなどは間違いやすいため、注意が必要です。
正確な過払い金を知りたい場合は、自身で計算せずに専門家に依頼するようにしてください。
法律事務所などによっては引き直し計算を無料で実施している事務所もあるので、過払い金について気になる方は一度相談することをおすすめします。
過払い金の引き直し計算をするためには取引履歴を調べる必要がある
前述したように、過払い金の引き直し計算をするためには、まず貸金業者との取引履歴をすべて調べなくてはいけません。
そのため貸金業者に取引履歴の開示請求をする必要があります。
取引履歴を開示することは貸金業者に電話で問い合わせることで可能です。
ただし、業者によっては電話で問い合わせてから所定の開示請求書の提出を求めることもあります。
さらに、取引履歴の開示請求をしてから開示されるまでの期間も業者によって異なります。
1週間程度で開示される場合や数ヶ月掛かる場合もあるため、時効が迫っているケースではすぐに開示請求をするようにしてください。
借金を完済している場合の過払い金の計算例
借り入れで発生している利息は「利息=元金(借入金額)×金利(年利)÷365×借入日数(返済日数)」で簡易的な計算が可能です。
上記の計算式にグレーゾーン金利の29.2%と利息制限法の上限である15%〜20%で計算することで過払い金がわかります。
例えば、200万円の借り入れ金を1年後に返済した場合の計算は以下になります。
・グレーゾーン金利29.2%(年利)の場合
200万円(元金)×29.2%(年利)÷365日×365日(借り入れ日数)=584,000円
・利息制限法15%(年利)の場合
200万円(元金)×15%(年利)÷365日×365日(借り入れ日数)=300,000円
利息はグレーゾーン金利で計算した場合は58.4万円になり、利息制限法で計算した場合は30万円になります。
この利息の差額である28.4万円が過払い金です。
ただし、上記の計算はあくまで簡易的な計算になります。
実際の計算は返済によって元金が変わりますし、返済途中に追加で借り入る場合もあるため、上記の計算方法だけでは求めることが出来ません。
正確な過払い金を計算するためには、取引履歴を基に計算する必要があります。
過払い金の返還請求をすることで支払い過ぎたお金を取り戻せる可能性がある
引き直し計算などで過払い金があるとわかったら、過払い金請求をすることで過去に支払い過ぎていた分のお金を取り戻すことが可能です。
過払い金請求を行う手順は以下になります。
- 貸金業者に取引履歴の開示請求を行う
- 取引履歴をもとに引き直し計算をする
- 過払い金が発生している場合は過払い金返還請求を行う
- 貸金業者と交渉して和解する
- 過払い金が返金される
ただし貸金業者との交渉で和解が成立しない場合は、過払い金請求訴訟になる可能性もあります。
また借金の返済中に過払い金請求をして借金が完済出来ない場合には、信用情報機関(ブラックリスト)に登録される可能性があるため、注意が必要です。
このように過払い金請求は複雑な計算が必要な引き直し計算や貸金業者との交渉など専門的な知識が必要になるため、専門家である弁護士などに相談することをおすすめします。
過払い金請求をするなら弁護士に相談するのがおすすめ
弁護士に過払い金請求を相談するメリットは以下の5つです。
- 相談することで過払い金請求が成功しやすくなる
- 過払い金請求の手続きに時間や手間がかからない
- 家族や周囲に知られないように過払い金請求が出来る
- 返済途中の場合は督促が止まる
- 過払い金請求して借金問題が解決しない場合に適切なアドバイスがもらえる
上記の中で最も大きなメリットは過払い金請求が成功しやすくなることです。
消費者金融などの貸金業者は金融のプロであるため、過払い金請求の判例や法律などに精通しています。
そのため、自分で交渉する場合には交渉が難航する可能性が高く、本来取り戻せたはずの過払い金よりも返還された過払い金が少なくなる可能性があるためおすすめ出来ません。
一方で、弁護士が交渉する場合は、弁護士は貸金業者以上に法律や判例などを熟知しているため、対等に交渉することが出来ます。
そのため、本来取り戻せることが出来る過払い金を減らすことなく、過払い金請求を成功させられる可能性が高いです。
過払い金で借金が完済出来ない場合は債務整理の手続きを検討する
過払い金請求をしても借金問題が解決出来ない場合の解決方法の一つが債務整理を行うことです。
債務整理は以下の3つの手続きがあり、それぞれで特徴が違います。
- 任意整理は債権者と交渉して利息カットや返済期限の延長などをする手続き
- 個人再生は借金を大幅に減額する手続き
- 自己破産は借金の返済を免除する手続き
それぞれについて説明していきます。
返済能力があるならデメリットが少ない任意整理がおすすめ
複数のカードローンやリボ払いなどによって利息の支払いが高額になり、返済に苦しんでいるなら任意整理がおすすめの債務整理の方法です。
任意整理は債権者と交渉をして利息のカットや返済期間の延長などをする手続きになります。
債務整理の中で最もデメリットが少ないことや家族や周囲にバレにくいなどのメリットがあります。
一方で、任意整理のデメリットは以下の3つです。
- 借金が免除されるわけではないためある程度の収入が必要
- 債権者と和解しないと利用が出来ない
- 信用情報機関に5年間登録される
上記のようなデメリットはありますが、任意整理は債務整理の中で最もデメリットが少ないため、ある程度の返済能力があるなら任意整理を選ぶようにしてください。
なお、任意整理については【任意整理のメリット・デメリット】手軽な費用で財産を処分されずに減額可能!元本が残ることには注意で詳しく解説しています。
任意整理で借金問題が解決できないなら借金を大幅に減額できる個人再生を検討する
個人再生は大幅に借金を減額出来ることや、「住宅ローン特則住宅ローン特則は生活の基盤である住宅を手元に残すことで、個人再生後の迅速な生活の建て直しにつなげることを目的に作られた制度です。」という制度を利用することで債務整理をしても自宅を手元に残せるといったメリットがあります。
しかし、一方で以下の5つのデメリットがあるため、注意が必要です。
- ブラックリストに5〜10年登録されるためカードローンやクレジットカードが利用出来ない
- 一定以上の資産を持てない
- 官報に掲載される
- 弁護士への依頼費用が高額
- ある程度の返済能力がないと利用出来ない
一定以上の資産が持てない理由は「清算価値保障の原則」という借金よりも資産が下回る場合は、一部を残して全額弁済しないといけないという決まりがあるためです。
このように任意整理と比べてデメリットが多いですが大幅に借金を減額できるため、任意整理では解決出来ない時に検討してみてください。
なお、個人再生については借金を1/5に減額し住宅も残せる個人再生とは?メリット・デメリットや詳しい手続きについて解説でも分かりやすく説明してあるので、あわせて参照ください。
個人再生で解決できる見込みがないなら自己破産をする
自己破産は債務の返済が免除されるという大きなメリットがある一方で、非常に重いデメリットがあります。
主なデメリットは以下の5つが挙げられます。
- 信用情報機関に5〜10年登録される
- 官報に記載される
- 自由財産を除いた財産が処分される
- 資格制限のある職業につけない(税理士や宅地建物取引士など)
- 自己破産の手続き中に移動制限がある
特に資格制限については、他にはない大きなデメリットです。
自己破産の免責許可が得られるまで税理士や宅地建物取引士といった資格制限のある職業に就くことが出来ませんので、注意する必要があります。
資格制限のある職業で働いている場合は解雇される事態が起こりかねません。
そのため、自己破産でないと解決できない場合以外は、個人再生か任意整理をおすすめします。
なお、自己破産については自己破産とは?借金がゼロになる代わりに失う財産や制限は?手続きの前に覚えておきたいことで詳しく解説しています。
まとめ
過払い金でいくら戻ってくるかを知るためには、引き直し計算をすることが必要です。
しかし、引き直し計算は複雑なため、自身で行うことは容易ではありません。
したがって、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼して過払い金請求の手続きを行うことで、過払い金請求が成功しやすいことや時間や手間を省略できるなどのメリットがあります。
また過払い金請求で借金問題が解決出来なかったときの債務整理手続きについても弁護士に相談することが出来るため、自身にとって最良の形で債務整理をすることが可能です。
過払い金請求を行うときのQ&A
過払い金とは、貸金業者に利息制限法で定められた利息よりも多く支払ってしまった利息のことです。
過払い金を引き直し計算することで知ることが可能です。ただし、引き直し計算は非常に複雑なため、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼をすることで過払い金請求が成功しやすくなることや、自身で行う場合よりも手間と時間が掛からないなどのメリットがあります。そのため、弁護士に依頼することがおすすめです。
過払い金請求をして完済出来ない場合に、借金問題を解決出来る方法としておすすめなのが債務整理です。ただし、債務整理には任意整理や個人再生、自己破産の3つの手続き方法があり、それぞれ特徴が違うため注意する必要があります。熟慮して自身にあった方法を選ぶようにしてください。
過払い金と債務を相殺して帳消しにできればブラックリストに載ることはありませんが、過払い金より債務が大きいとブラックリストに載ってしまいます。あえて返済を進めてから過払い金請求をしてブラックリスト入りを防ぐという手もありますが、過払い金にも時効があるのでその点には注意しなければなりません。過払い金で債務が相殺できるかどうかは実際に過払い金を計算してみないと分かりませんが、過払い金の計算式は複雑なので弁護士へ相談するとよいでしょう。

過払い金請求とは?手続き可能な条件とグレーゾーン金利について
過払い金請求は本来払う必要がなかったお金を取り戻す手続きであるため、もし過払い金が発生しているような場合はぜひとも行っておきたい手続きです。 現在、借金をしている場合だけでなく既に完済している場合でも過払い金は請求できます。 ただし、過払い…

リボ払いで過払金は発生する?返済の負担を軽減する方法を紹介します
リボ払いとは、支払い方式が毎月定額の返済方式です。リボ払いは元金がなかなか減らず、利息ばかり支払っているという人も少なくありません。 そこで、利息を取り戻す「過払金請求」を検討する人も多いでしょう。過払金が認められれば、払いすぎた利息を返還…

レイクに過払い金請求したい!利息負担を軽減する方法について
CMなどでよく見かける過払い金請求ですが、過去にレイクで借り入れたことがある人や、現在返済中の人も、請求できる可能性があります。 ただし、借り入れた時期や最後の返済日など、一定の条件を満たしていることが必要です。 この記事では、レイクで過払…

アコムに過払い金請求したい!利息負担を軽減する方法について
過払い金請求とは、払い過ぎてしまった金利を返還してもらう手続きです。アコムでお金を借りた経験があれば、例え返済中でも請求できる可能性があります。 ただし、過払い金請求は対象となる借入時期があるうえに、完済日から10年以上経つと時効が成立して…