借金返済を元金のみに変更する方法とは?金利が高いと思った場合の解決策について

カードローンで作った100万円の借金があるのですが、利息が高くていくら支払っても元金が中々減りません。元金のみなら返済できると思うのですが、なにかいい方法はありませんか?


元金が減らなくて困っている場合は、利息を免除できる「任意整理」がおすすめです。他の債務整理よりもデメリットが少ないため、これまで通りの生活を続けながら借金完済を目指せます。
そんな手続きがあるんですね!任意整理がどんな手続きなのか、もう少し詳しく教えてもらえますか?


任意整理とは、債権者との交渉で利息を免除したり、借金を分割払いにしたり、返済条件を変更する手続きです。そのため、ある程度の安定収入がないと、債権者も交渉・和解に応じてくれません。任意整理が認められない場合は、個人再生や自己破産といった手続きを検討しましょう。
キャッシング・カードローン・リボ払いで作った、金利が高い借金で悩んでいる人は珍しくありません。
なかには「元金が高額でいくら返済しても利息しか返せていない」ようなケースもあります。
いくら返済しても元金がなかなか減らない場合、債権者に交渉して利息免除や月々の返済額を減らす手続き「任意整理」をおこないましょう。
任意整理であれば、自己破産や個人再生といった他の債務整理に比べてデメリットが少ないため、これまで通りの生活を続けながら借金完済を目指せます。
「任意整理でどのくらい借金を減らせるのか?」を詳しく知りたい人は、以下のリンクから弁護士の無料相談を受けてみるとよいでしょう。

- 利息の支払いが高額になり返済に苦しんでいるなら任意整理がおすすめ
- 任意整理は信用情報機関に登録されるデメリットはあるが他の債務整理よりもデメリットが少ない
- 任意整理は債権者と交渉して借金の減額をする手続きのため、減額に応じてもらうには現実的な返済を提示する必要がある
- 任意整理の和解に応じてもらえない場合や借金が高額で解決できない場合は自己破産や個人再生を検討する
借金返済を元金のみに変更する方法は「任意整理」
カードローン・消費者金融・リボ払いといった、高金利の借金返済に苦しんでいるのなら、任意整理の手続きをおすすめします。
任意整理とは、債権者と交渉することで、利息のカットや長期間の分割払いなどに返済方法を変更する手続きのことです。
そのため、キャッシングやカードローンといった、高金利の借金であればあるほど有効な手段になります。
任意整理とは債権者と交渉して返済条件を変更してもらう手続き
任意整理の目的は、債権者と交渉することで、これまで通りの生活をしながら借金を完済できるように返済条件に変更してもらうことです。
金利を引き下げて再計算する「引き直し計算」によって算出した金額や支払い回数の延長、利息カットといった返済条件の変更を債権者に提案します。
具体的には、これから返済する分の利息(将来利息)をカットした上で、かつ3〜5年かけて返済を行うような計画に立て直すことが多いです。そのため、月々の返済額はおおよそ1/2程度まで減ることが期待できます。
ただし、返済実績がなかったり、今後返済できる見通しがたたない場合は任意整理の和解交渉が不成立になる可能性はあります。
任意整理を行える条件については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、任意整理は他の債務整理手続きである自己破産や個人再生と比べ、デメリットが少ない点が特長です。利息しか払えず、借金がなかなか減らない場合は有効な選択肢となるでしょう。
任意整理 | 自己破産 | 個人再生 | |
---|---|---|---|
裁判所の手続き | 不要 | 必要 | 必要 |
資格制限 | なし | なし | あり |
信用情報にキズがつく | つく | つく | つく |
官報への掲載 | なし | あり | あり |
財産処分 | なし | なし | あり |
任意整理を行う上での注意点3つ
任意整理にも、以下3点の注意点があります。
- 信用情報機関(ブラックリスト)に登録されること
- 過去の利息を遡ってカットすることはできない
- 交渉がうまくいかないと任意整理できないこと
信用情報に傷がつく(ブラックリスト)
任意整理を行うと、信用情報機関に登録されることがデメリットです。
任意整理の場合は、5年間信用情報にキズがつきますので、その期間は以下のような制限を受けることになります。
- クレジットカードが使えなくなる
- 新規のローンや借入が困難になる
- 賃貸の審査で不利に働くことがある
- 保証人になれなくなる
信用情報にキズがつく影響と、それに対する対策については以下の記事で詳しくまとめています。
過去の利息を遡ってカットすることはできない
任意整理は交渉成立以降の利息をカットする手続きですので、過去の金利を遡ってカットすることは一般的にはできません。
「これまで利息を散々払ったのだから、それも元金充当に充ててほしい」と考えていた方もいるかと思いますが、基本的には将来利息のカットをベースに債権者と交渉を行いますので、過去の金利は元金充当にはできないと考えてください。
交渉が成立しない可能性がある
3つ目の注意点は、交渉がうまくいかないと任意整理できないことです。
債権者は元金だけでも回収したいと考えて仕方なく交渉に応じるため、元金の返済が見込める返済計画でないと、交渉に応じません。
そのため、ある程度安定した収入があることが、交渉がうまくいく条件になります。
任意整理における手続きの流れ
任意整理における手続きの流れは、大まかに分けると次の5つです。
- 弁護士と契約(しなくても可能だが、うまくいかないことが多い)
- 受任通知の送付と取引履歴の開示請求
- 借金の引き直し計算を行う(過払金が発覚したら過払金請求を行う)
- 和解案の作成し、和解交渉
- 和解契約を締結する
提示した条件で合意できない場合は特定調停を利用するケースがあります。
特定調停とは、借金の返済が困難な債務者が経済的に再生するために、債務者と債権者が返済内容の変更や担保の変更といった利害調整を行う民事調停のことです。
利息が元金を上回ったら過払金請求ができるのか?
「過去の利息を遡ってカットすることはできない」と解説しましたが、過去に支払い過ぎた利息がある場合は、「過払金請求」という方法で取り返すことができます。

過払金請求とは?
利息制限法を超えた金利(グレーゾーン金利)で支払い過ぎていた利息を、交渉や訴訟によって返還してもらう手続き。
過払金請求で返還される利息は、元金の返済に充当することができる。
月々の返済額が利息ばかりで元金を上回っている場合、過払金を請求できる可能性はあります。
ただし、あくまでグレーゾーン金利の利息を取り返す方法なので、適正な金利が設定されている場合は請求できません。
利息制限法による上限金利は、下記の通りです。
借入の元金 | 利息制限法の上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
上記の金利を超えていなければ、どれだけ利息を支払っていても過払金請求はできません。
過払金請求ができるかどうかは「いつ」「どこから借りたか」がポイント
過払金請求は、グレーゾーン金利時代に借り入れた契約のみが対象です。
そもそも、グレーゾーン金利とは利息制限法と出資法(お金の貸し借りに関する罰則を定める法律)で、上限金利に差があったことから生まれたものです。
かつての出資法は上限金利を29.2%としていたため、利息制限法の15~20%を超えても刑事罰が科されない金利帯(グレーゾーン金利)がありました。貸金業者の多くが、この金利帯で貸付をおこなっていたのです。
2010年6月に改正出資法が施行されたため、現在の借入でグレーゾーン金利は発生しません。また、多くの貸金業者は改正法の施行前に金利を引き下げているので、下記のように適正金利への切り替え時期は異なります。
貸金業者 | 金利引き下げ時期 |
---|---|
アコム | 2007年6月18日 |
アイフル | 2007年8月1日 |
レイク | 2007年12月2日 |
プロミス | 2007年12月19日 |
SMBCモビット | なし(グレーゾーン金利だった時期がない) |
なお、グレーゾーン金利を設けていたのは上記にあげたような消費者金融や、クレジットカードのキャッシング枠です。
銀行は昔から法定利息内で貸し付けていたため、過払金請求の対象にはなりません。
過払金は「完済から10年間」で時効が成立する
仮に過払金が発生していても、完済から10年間(もしくは権利を行使できると知ってから5年間)が経過していると、時効が成立して請求できなくなります。
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
1 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
2 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。
上記の「権利を行使することができる時」については、最高裁で「取引が終了した日(借金を完済した日)」と判断されています※。
法改正から10年以上経っており、すでに時効が成立してしまっている人も増えています。
自分が過払金請求できるか気になる人は、弁護士や司法書士に相談してみるとよいでしょう。個々の借入時期や完済日から、過払金請求が可能か判断してもらえます。
>>【過払金があるかチェック!】借金問題に強い弁護士・司法書士はこちら
高利息の借金で支払いが苦しいときの任意整理以外の解決方法
高利息の借金で支払いが苦しいときの任意整理以外の解決方法は、主に以下の3つです。
方法 | ケース |
---|---|
おまとめローン | 複数社から借入している多重債務の場合 |
個人再生 | 利息カットだけでは返済が難しい場合 |
自己破産 | 借金を返済できる見込みがない場合 |
それぞれ詳しく解説するので、自身の状況に合った選択肢を選んでください。
複数社から借入している多重債務の場合はおまとめローンを利用する
おまとめローンとは、複数の金融機関からのローンを1つの借り入れ先にまとめる商品のことです。新しい金融機関1社から融資を受けて、複数の業者の借金を清算し一本化して返済します。
一本化することで「金利が低くなること」や「月額の返済額を抑えられること」が、おまとめローンを利用するメリットです。
一方で「借り入れ先が多すぎると利用できない」や「金利がもとから低いと効果が得られない」といったデメリットがあります。
ちなみにおまとめローンは、借り換えと似ていますが違うので、注意が必要です。借り換えは借り入れ先の金融機関を変更することを指し、1社からの借金をほかの1社に変更します。
利息カットだけでは返済が難しい場合には個人再生の手続きをする
任意整理で利息カットをするだけでは返済が難しい場合、個人再生の手続きをおすすめします。
個人再生は借金を大幅に減額できる債務整理で、任意整理では解決にならない高額な借金に有効なためです。
自己破産と比較すると、財産を処分する必要(清算価値保障原則はある)や資格制限がないので、デメリットが少ないです。
ただしあくまで自己破産と比較して少ないだけであって、個人再生にもデメリットはあります。
信用情報機関に登録される期間が最大で10年と任意整理よりも長くなることや官報に記載されること、一定以上の財産を持てないことなどです。
そのため手続きする際は、慎重に検討するようにしてください。
借金を返済できる見込みがないなら自己破産をする
借金が年収の1/3以上あり、返済できる見込みもない場合は、自己破産を検討してください。
自己破産をすることで借金の支払い義務がなくなります。
ただし、個人再生と同様に官報に記載されることや信用情報機関に最大10年間登録されること、財産を処分しなくてはならないことなどデメリットが非常に多いです。
特に資格制限で特定(弁護士や税理士など)の資格が停止されることは、資格が必要な仕事をしている人にとっては死活問題になりかねません。
このように自己破産は非常にデメリットが多い債務整理に当たるため、慎重に利用するかを判断することが重要です。
まとめ
金利の高い借金の返済に困っている場合、元金のみの返済に変更できる「任意整理」をおすすめします。
任意整理は他の債務整理の手続きと比較するとデメリットが少ないためです。
とはいえ、債権者が応じてくれないケースや借金が高額すぎて任意整理では返済が不可能なケースなど、任意整理では解決できない場合もあります。
そういった場合は、借金を無くしたり大幅に減額できる「個人再生」や「自己破産」も検討してみてください。
債務整理は自身でおこなうことが困難なため、まずは弁護士などの専門家が在籍している法律事務所の無料相談を受けてみるとよいでしょう。
借金を元金のみ返済したい場合によくある質問
借金問題の解決方法である債務整理の一つ「任意整理」をおこなえば、利息をカットし元金のみ返済できます。
今後支払う予定の利息をカットもしくは減額し、元金のみ3~5年で分割返済する方法です。
任意整理のメリットには、以下のようなものがあります。
・同居の家族に秘密で手続きできる
・1社ごとに対象とする債権者を選べる
・借金を一本化し返済の管理をしやすくできる
任意整理のデメリットには、以下のようなものがあります。
・元金を減額することはできない
・完済後の約5年間は新規借入やクレジットカードの新規発行ができない
借金をゼロにできる自己破産や、元金を1/5~1/10に圧縮できる個人再生などがあります。

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