闇金からの借金は債務整理できるのか?
闇金からの借金は債務整理が可能なのでしょうか?答えは、可能です。ただし、相手は国の許可をとっていない違法業者なので、交渉に応じてくれるかは不明です。また、債務整理は士業に頼まなくても個人で手続きすることが可能ですが、闇金の場合は弁護士等の士業を間に挟まないと交渉のテーブルすらつけないでしょう。相手は違法業者なので常識は通用しないとお考え下さい。
闇金業者からの借金は債務整理ができるかどうかについてお話ししてきましたが、そもそも闇金業者は違法なので、債務整理をする必要すらありません。端的に言えば、返済不要ということです。もちろん相手もそんなことは百も承知なので、弁護士等を通して違法であることをきちんと法的に突きつけましょう。
債務整理は可能だが、他の方法で解決することが一般的
闇金による借金も債務整理することは可能です。もし債務整理をしたい場合は、必ず弁護士等の士業を介入させてください。債務整理は個人ですることも可能ですが、闇金相手の場合は別です。個人で対応しようとすると、相手に舐められるからです。相手は違法業者の反社会的勢力なので個人の力量でなんとかできる相手ではありません。必ず法に長けた弁護士等を同伴させ、交渉に臨みましょう。
闇金業者相手でも債務整理することは可能ですが、そもそも交渉に応じてくれるかどうかは分かりません。そもそも法を重んじる相手ではないので債務整理自体が頓挫してしまう可能性があります。そのため、闇金からの借金は債務整理で解決しないことがほとんどです。闇金の借金で苦しんでいるのなら、債務整理をするのではなく、弁護士に相談に行きましょう。
闇金問題を解決する手段
闇金の借金問題を解決するには弁護士に相談し、依頼することが一番です。なぜなら、闇金の借金は違法な取引、契約だからです。別な言い方をすれば、闇金の借金は無効だからです。つまり、闇金の借金は法的に返済する必要がない借金ということです。もっと言えば、借金を返済する必要もないし、今まで返済していた返済金も取り返すことが可能なのです。
弁護士や司法書士を通し、関係を絶ってもらう
闇金の借金は法的に返済する必要はありませんが、きちんとその旨を相手側に示す必要があります。ただ、返さないだけだと相手はしつこくあなたに返済を迫ってきます。相手は闇金の違法業者であり、反社会的勢力です。一般常識は通用しません。そこで弁護士を通して、文書でこの取引、この契約は無効だということを示さなければなりません。このプロセスは非常に大事です。自分一人でなんとかしようとしないで、きちんと法的なプロセスを介して解決しましょう。
返還請求を行う
闇金の借金は法的に無効なので返済する必要がありません。また、今まで返済してきた返済金も取り返すことが可能です。今まで返済してきた返済金を返還して欲しかったら弁護士に返還請求を行ってもらいましょう。ただし、実際に返してもらえるかは未知数です。なぜなら闇金は所定の事務所などではなく、街なので取引している場合が多いからです。法的に返還請求をかけることは可能ですが、実際に返金してもらえる可能性は低いと認識しておきましょう。
闇金からの借金は返済する必要がない
闇金からの借金は返済する必要がありません。なぜなら、民法708条の「不法原因給付」に該当するからです。
不法原因給付とは、「不法な原因に基づいて給付された資金は返還請求ができない」と条文で記載されています。要するに、貸金業登録をしていない貸金業者や出資法に違反する高い金利で貸付をしている業者は、違法な方法で儲けることを目的としているため、契約を無効にできるというものです。
このように、闇金からの借金は法律によって返済する必要がないと定められています。しかし、闇金は借金をすると過剰な取り立てなどで、返済をさせようとさまざまな迷惑行為をするため、返済を自分一人で拒否するのは難しいです。
最高裁判決により闇金の借金は返済する義務がない
平成20年6月10日の最高裁判決によって「闇金が著しく高利で貸し付けた場合、支払った元本と利息の全額を損害として請求できる。また、借主は元本についても闇金業者に返還する義務がない。」と判決が出されています。
参考:ヤミ金融業者に係る最高裁判決の概要
つまり、元本を返済する必要がないだけでなく、支払った金額を取り戻すことができるという判例です。しかし、現実は支払った金額を取り戻せる可能性は高くありません。闇金業者の多くは、住所や名前がわからないため、どこに損害賠償請求をすればいいのかがわからないからです。仮に、損害賠償請求ができたとしても、差し押さえるものがないこともあります。
このように、闇金に損害賠償請求をするためには、実体を解明して請求先をはっきりさせないといけません。
闇金とサラ金との違いは貸金業登録をしているかどうか
闇金とサラ金との違いは貸金業者登録の有無になります。
サラ金は、アコムやプロミスといった消費者金融が該当し、貸金業登録をしています。また、出資法第5条の「年20%の金利を上限とする」に違反することもありません。
一方で、闇金は貸金業者登録をせずに貸金業を行っており、金利についても出資法を守っていないことがほとんどです。
このように、法律に違反しているのが闇金で、違反していないのがサラ金と覚えてもらって差し支えありません。
貸金業登録をしているかどうかを確認する
前述の通り、貸金業者が闇金かどうか判断するためには、貸金業登録をしているかどうか確認する必要があります。闇金は、適法の貸金業者のように装っている事もあるため、すぐに闇金だと気付かないケースも報告されているからです。仮に、借金をして法外な返済を求められている場合は、まず貸金業登録をしているかの確認をして闇金かどうかの確認をしてください。闇金だと判断できると、対応策を講じることができます。
また、貸金業者登録をしているのかを確認する際には、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用することで確認が可能です。住所や企業名、代表者の名前、電話番号などを入力すると、貸金業者登録をされている場合は、情報が出てきます。
参考:登録貸金業者情報検索サービス
出資法違反をしていないか確認する
闇金かどうか判断する方法として、貸金業者登録の確認以外にも金利や取立方法が出資法に違反しているかどうかで、判断することも可能です。特に金利については事前に確認できることが多いので、必ず契約書面を確認するようにしてください。
また、金利は、出資法の第5条に「年20%が上限」と定められており、20%超えるものついては違法です。例えば、よく聞く「トイチ」(10日で1割)は年利365%(単利)の金利になります。20%の上限を遥かに超えているので、当然ですが、闇金です。
このように、金利を確認することでも、闇金だと判断ができます。
闇金の迷惑行為と対処法
闇金に借金をした場合には、以下の手口で取り立てをしてきます。
- 何度も電話をしてくる
- 親族にまで電話をしてくる
- 勤務先に電話をしてくる
- 近所に借金があることをばらす
上記の迷惑行為をしてきた場合の対処法について説明していきます。
何度も電話をしてくるときは強気に対応する
闇金業者は、返済させるために執拗に催促の電話をしてきます。何度も電話がある場合には、無視をせずに強気で対応することが重要です。
その理由は、闇金業者はプリペイド携帯などを複数台持っているため、着信拒否をして無視しようとしても他の電話番号から電話が来るので意味がないからです。さらに、電話に出ない場合には、自宅や親族、会社に電話される可能性もあります。
このように、電話を無視することは得策とはいえません。そのため、闇金業者からの電話には対応し、返済する気がない事と弁護士や司法書士、警察に相談する旨を強気に伝えることが重要です。闇金側も違法なのは重々承知のため、それにより引き下がる可能性もあります。
親族にまで電話をされたときは弁護士・司法書士や警察に相談する
闇金業者から親族にまで電話をされたときは、弁護士や警察に相談することで対処が可能です。弁護士・司法書士や警察に相談することはどの迷惑行為にも有効な方法になります。
また、親族に電話がくる場合は、闇金業者からお金を借りるときに親族の電話番号を教えてしまっていることが多いです。このように、他の電話番号を教えてしまうと、そこをターゲットにして嫌がらせ行為をしてきます。
そのため、貸金業者に自分以外の電話番号を教えてはいけません。仮に、すでに教えてしまっている場合には、事前に迷惑がかかる可能性を説明して、弁護士・司法書士や警察に相談するようにしてください。
勤務先に電話がきたときは素直に上司に相談する
闇金業者から勤務先にまで電話やメールがきたときは、素直に上司に相談することが重要です。隠そうとしても闇金業者が教える可能性が高いうえに、何よりも会社に迷惑がかかります。
有効な対処法としては、電話を無視してもらうことが有効です。ただし、電話を無視しても他の電話番号からかかってくる場合があります。執拗に電話がある場合には、「すでに退職した」と伝えてもらうようにしてください。会社に迷惑がかかり退職することは考えられることなので、電話が来なくなる可能性が高いです。
このように、勤務先に電話がある場合には、すぐに上司に相談することが重要になります。でないと、本当に退職勧奨されることになりかねません。
近所に借金があることをばらすと脅してくるときは警察に相談する
あまり多くはないですが、自宅に訪問してチラシや張り紙などの迷惑行為があった場合には、写真を取るなどの証拠を確保して警察に相談してください。
警察は、証拠のある被害に関しては、動いてくれます。そのため、証拠として現場の写真やチラシ、張り紙を警察に提出することで、対処してくれる可能性が高いです。
このように、証拠がある迷惑行為に関しては警察に相談することが有効です。
弁護士や司法書士、警察に相談することで闇金への対処が可能
闇金業者に対して有効な手段は弁護士や司法書士、警察に相談することです。なぜなら、闇金業者は、重々違法なのは承知のうえで営業しているため、逮捕されることを最も恐れているからです。そのため、専門家とのやりとりを避ける傾向にあります。
では、相談先の弁護士と司法書士、警察ではどういった違いがあるのでしょうか?
違いは以下です。
- 弁護士と司法書士に相談することで対処可能
- 弁護士と司法書士は140万円を超える案件が交渉できないこと以外に大きな差がない
- 迷惑行為がある場合は警察に相談
- 相談だけなら消費者センターと法テラスに相談
上記について、それぞれ詳しく解説します。
弁護士や司法書士に依頼することで取り立てを止めることができる
弁護士や司法書士に依頼をして闇金業者との仲介に入った場合、仲介後の取り立て行為は貸金業法違反です。そのため、依頼を受けた弁護士や司法書士が仲介に入ったと、貸金業者に知らせる受任通知を送付した後に、取り立てをすると違法になります。
仮に、受任通知を受けた後に取り立てをうけた場合は、依頼した弁護士や司法書士に相談してください。法律違反で警察が介入してくれます。ただし、闇金業者は警察の介入を極端に嫌がるため、弁護士や司法書士が仲介した時点で引き下がることが多いです。
このように、弁護士や司法書士が介入することで、取り立てを止めることができます。ただし、司法書士は140万円を超える案件の場合は交渉ができないので注意が必要です。そのため、140万円を超える借金がある場合には、弁護士に相談するようにしてください。
弁護士の相談費用は5〜7万程度
闇金について弁護士に相談するための費用は闇金1社あたり5〜7万円程度です。
ただし、無料相談を行っている事務所もあるので、闇金から借金をしてしまって返済に困っている場合は、すぐに相談するようにしてください。
司法書士への相談費用は5万程度
司法書士の料金は5万円程度と弁護士よりもすこし割安の場合が多いです。ただし、前述の通り、借金額が140万円を超える案件には対応できません。
そのため、司法書士に依頼をする場合は、借金額を確認して依頼することが重要です。
闇金に強い弁護士や司法書士に相談する
弁護士や司法書士に依頼をする時は、闇金案件に対する豊富な実績がある事務所かどうかが重要なポイントになります。闇金への対処は、経験が必要になるためです。経験のない弱腰の弁護士に対しては、闇金業者も強気に出る可能性があります。そして、その場合は、解決まで長期化しかねません。
また、すぐに元金だけを支払って解決しようとする弁護士や司法書士にも注意する必要があります。本来は、支払う必要がないため、大損です。しかし、周りに知らたくない場合や早期解決したい場合などは、元金を支払うことで早期解決を望む顧客も少なくありません。そのため、自分の都合をよく聞いて対応してくれているかどうかが重要です。
ただし、闇金に強い弁護士や司法書士に依頼した場合は、1週間程度で解決できることが多いため、あまり期間に差がない可能性もあります。
お金を支払わないことが重要
弁護士や司法書士が介入した場合に重要なのが、どんなに脅されてもお金を支払わないことです。一度、支払ってしまうと、取り戻せる可能性はほとんどありません。そのため、脅しに屈してお金を支払わないようにしてください。
闇金から迷惑行為などの実害がある場合は警察に相談する
闇金からの迷惑行為によって実害がある場合には、警察に相談することで対処が可能です。
迷惑行為とは、例えば、チラシのバラマキや自宅へ押しかける、執拗な電話などの行為が挙げられます。ただし、証拠がないと対応してくれないことが多いため、証拠を残すことが重要です。そのため、恫喝している音声データの録音やチラシ自体を保管するという風に、証拠を集めるようにしてください。
仮に、警察が介入してくれて解決した場合は、費用がかからないことがメリットです。
専門ダイヤルか管轄の警察署に通報
警察に相談する際は、相談専門ダイヤルである「#9110」や管轄の警察署に通報にすることで、スムーズに相談することが可能です。110番は緊急性や事件性がないとすぐに対応してくれないことが多いので、上記の方法で相談することをおすすめします。
ただし、家にまで取り立てに来て恫喝されているなど恐怖を感じた時は迷わず110番してください。すぐに警察が駆けつけてくれます。
警察に相談するときは証拠集めが重要
重要なことなので、何度もいいますが、警察は証拠がなければ動いてくれないことが多いです。
そのため、闇金業者の電話履歴や振込先の口座番号、金銭を受け取った日にちなどを記録し、通話はレコーダーで録音するといった証拠を集めるようにしてください。その証拠が自分を守る武器になります。
どこに相談したらいいかわからない場合は消費者生活センターに相談
どこに相談したらいいかわからない場合は消費者生活センターに相談するのも有効な手段です。消費者生活センターは解決してくれませんが、今後どういった方法で対応したらいいのかなどのアドバイスがもらえます。
無料で相談できるので、とにかくどこかに相談したいという人は、消費者生活センターに相談するようにしてください。
参考:独立行政法人国民生活センター
無料で相談するには法テラスに相談する
法律のトラブルについて無料で相談できる日本司法支援センターに相談するのも有効な方法です。法テラスは、国が設立した法的トラブルの解決窓口になります。無料で弁護士や司法書士に相談してもらえるため、解決の糸口になるかもしれません。
また、要件を満たすことで、弁護士などの費用を立替えてもらうことが可能なので、一度訪ねてみてください。
参考:法テラス
まとめ
闇金は「不法原因給付」あたるため、返済する必要がありません。しかし、闇金業者は電話などの迷惑行為によって執拗に取り立てを行ってきます。このような場合には、弁護士や司法書士、警察に相談することで解決が可能です。
ただし、闇金に強い弁護士や司法書士に依頼しないと解決まで時間がかかることや証拠がないと警察が動いてくれないといった相談するときの注意点があります。注意点を理解していないと、解決への道のりがより困難になってしまうのです。
ですから、この記事では、弁護士や司法書士、警察に相談するときのコツや闇金業者の迷惑行為の対処法、闇金業者に借金をしないためのポイントについて詳しく解説しました。闇金業者に借金をして悩んでいる場合、この記事を参考にしてみてください。
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債務整理や闇金のよくある質問
闇金からの借金も債務整理できますか?
闇金からの借入を債務整理で解決するのは難しいです。
任意整理の交渉に応じる闇金業者はいませんし、自己破産や個人再生をしても関係なく督促を求めてくるのが通常です。
闇金からの督促を止めるにはどうしたらよいですか?
闇金対応可能な弁護士へ相談するのがよいでしょう。
物損や脅迫などの被害があれば証拠を残し、警察へ被害届を出すのも有効です。
当サイトでは、闇金対応可能な弁護士を紹介しています。無料で相談できますので、ぜひ問い合わせてみてください。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
闇金からの借入に返済義務はありますか?
闇金業者の貸付は出資法などの法律に違反しているケースが多く、違法的に貸し付けられた金銭については元金を含めて返済義務はありません。よって闇金の支払い要求に応じる必要はありません。
闇金からも消費者金融からも督促が来ているのですが、どちらから対処すべきですか?
まず、闇金問題を闇金対応可能な弁護士に依頼して解決するのがよいでしょう。
また、闇金対応と債務整理どちらも可能な弁護士なら、闇金問題を解決しつつ、消費者金融の借金にも対応してくれます。
闇金対応と債務整理が同時に対応可能かどうか、無料相談で確認しましょう。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
自己破産をしたら闇金からDMが来るようになりました。なぜですか?
自己破産をすると、だれでも閲覧可能な官報に住所と氏名が載ります。
闇金はお金に困っている人をターゲットにするため、日々官報をチェックし自己破産者にDMを送るのです。
すべて無視して取り合わないようにしましょう。
あまりにしつこい場合は、弁護士や警察に相談してください。
最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を
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