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配偶者が依頼した弁護士から離婚の連絡があった!対処やNG行為を解説

配偶者が依頼した弁護士から離婚の連絡があった!対処やNG行為を解説

配偶者と別居中に、配偶者が依頼した弁護士から突然連絡が来て、どう対処すればよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

まず大前提として、弁護士からの連絡を無視するのは絶対にやめましょう。離婚問題の解決が長引いてしまうだけでなく、法的手続きを進められる可能性もあるためです。また配偶者に直接連絡をとったり、自分で相手の弁護士と交渉したりするのも、今後の交渉で不利になる恐れがあるので避けた方がよいでしょう。

離婚に応じたくない場合は、まず自分に法定離婚事由があるか(自分がDV・モラハラ・不倫などをしているか)を確認します。法定離婚事由がなければ、合意をしない限り強制的に離婚となることはありません。もし法定離婚事由に心当たりがあれば、裁判に発展すると離婚は避けられない可能性があります。裁判離婚になる場合は、慰謝料や養育費などの軽減交渉を行うのが賢明です。

そして勝手に離婚届を出される恐れがある場合は、離婚届不受理申出書を提出しましょう。

離婚に応じてもよいと考えている場合は、離婚条件に関する話し合いを進めることになります。相手は自分が有利になるような交渉をしてくる可能性があるため、相手の言い分を鵜呑みにしたりすぐに同意したりすることはおすすめできません。

どのケースでも、交渉をできる限り有利に進めるためには適切なサポートやアドバイスをくれる弁護士に依頼するのがおすすめです。

本記事では、別居中の配偶者が依頼した弁護士から連絡があった場合の対処法やNG行為について解説します。配偶者が依頼した弁護士から連絡が来て困っている方はぜひ参考にされてください。

配偶者が依頼した弁護士からはどのように離婚の連絡が来るのか

配偶者が離婚問題を弁護士に依頼した場合、まず内容証明が送られてきたあとに、弁護士本人から電話連絡が来るケースが多いです。ただ離婚理由がDV・モラハラの場合や相手に現住所を伝えていない場合は、内容証明よりも先に電話連絡が来る可能性もあります。どちらにしても決して焦らず、冷静に対応することが大切です。

以下で、弁護士からの連絡方法について詳しく解説します。

まずは内容証明を送る場合が多い

離婚問題に際して配偶者が弁護士に依頼していた場合、弁護士からの連絡はまず内容証明という形で送られてくることが多いです。内容証明とは郵便形式の一つで、以下の内容を郵便局に証拠として残せる方法です。

  • 文書の内容
  • 差出人・受取人
  • 送付日・受領日

上記に加え、受け取りが拒否された場合はその記録も残されます。

内容証明には、文書タイトルを「受任通知」や「離婚協議申入書」、「ご連絡」などとして、主に以下のような内容が記載されているケースが多いです。

  • 相手が依頼した弁護士の名前や住所、連絡先
  • 離婚問題に関する交渉の代理権を与えられたこと
  • 離婚意思の有無
  • 離婚条件(財産分与・慰謝料・親権・養育費など)
  • 離婚交渉時のルール(直接連絡禁止など)

内容証明は離婚問題において証拠としての価値が高く、裁判に発展した際にも有力な証拠として扱われることから、弁護士は内容証明という形で連絡をとります。

また単に証拠を残すためだけでなく、内容証明を送ることで離婚に対して強い意志があることを伝える目的もあります。「期限内(主に1週間から10日前後)に回答がなければ裁判などの法的手段を検討します」などといった文言を記載することにより、相手にプレッシャーを与えられるためです。

こういった文言を見て動揺し自分に不利になる言動をしてしまっては、相手と弁護士の思うつぼでしょう。内容証明が届いても決して焦らず冷静に対応し、もし判断や対応に迷った場合は弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。

内容証明が送られたあとに電話がかかってくることが多い

内容証明が送られてきたあと、送った弁護士から電話がかかってくることがあります。弁護士が自ら電話連絡をすることで、相手が弁護士に依頼したことに信憑性を持たせるためです。ただ例外的に、以下のようなケースでは内容証明よりも先に電話連絡が来ることもあります。

  • 離婚理由がDVやモラハラで、依頼者の身に危険が及ぶ可能性が高い
  • 相手に別居後の住所を伝えていない
  • 相手の同意を得ないまま別居し、すぐに安否を伝える必要がある
  • 相手からの電話やメールを拒否している

ある程度考える余裕のある内容証明とは異なり、電話連絡だと対応までの猶予がないため焦ってしまいがちですが、できる限り冷静に対応しましょう。

内容証明を受け取ったあとに知らない番号から電話が来た場合、相手は弁護士の可能性が高いです。しかしすぐに応対するのではなく、着信履歴に残った電話番号をネットで検索し、本当に弁護士からの電話なのかどうか確認しましょう。確実に弁護士であることがわかったら、折り返しの電話をするか、先に法律相談をして準備を整えておくのがおすすめです。

なお弁護士との電話では、その場ですぐに何かしらの結論を出さなければならないわけではありません。自身が不利な状況にならないためにも、以降のやりとりは書面で証拠に残しながら進めるのが安心です。相手のDV・モラハラなどがあり現住所を伝えると危険が及ぶ可能性がある場合は、自身も弁護士に依頼するのがおすすめです。

配偶者が依頼した弁護士から連絡があった際の対応のポイント

日常生活を過ごすうえで、おそらくほとんどの人は弁護士から連絡が来るような経験はないでしょう。そのため、離婚問題の最中とはいえ突然弁護士から連絡が来れば、気が動転して焦ったり、訴えられるのではと不安になったりする人も多いです。

しかし冷静さを欠くと適切な判断ができなくなり、自身が不利な状況に持ち込まれてしまう可能性があります。そのような事態を回避するには、以下6つのポイントに気を付けて対応しましょう。

連絡を無視しない

弁護士から連絡が来た場合、絶対に無視をしてはいけません。弁護士からの連絡を無視すると、離婚問題の解決が長引くだけでなく、長期化すればするほど、訴訟費用や弁護士費用などの経済的負担も増えてしまいます。

相手が弁護士に依頼したということは、自身の希望条件で離婚ができなければ裁判などの法的手段も辞さないという強い意志があると考えられます。したがって、連絡を無視すると交渉の余地がないと判断され、弁護士から直接電話連絡が来て回答を求められたり、離婚調停や裁判の手続きを進められたりする可能性が高いです。

弁護士から連絡が来ると強い不安を覚えたり、対応を面倒に感じたりすることから放置してしまおうと考える方もいるでしょう。しかし弁護士からの連絡を無視すると、自身に不利な条件での離婚になってしまう恐れがあるため、無視をせずきちんと対応するべきであると言えます。

その場ですぐに同意・結論を出さない

万が一弁護士と電話や対面で交渉することになった場合でも、その場ですぐに同意したり結論を出したりするのは避けたほうがよいでしょう。相手が弁護士に依頼したからといって、弁護士が提示している条件が適正であるとは限らないため、合意書へのサインも絶対にその場で行ってはいけません。

また、すぐに同意してしまうと自分が不利な状況になる可能性も高いです。自分にとってよい条件で離婚するには、離婚そのものを争う姿勢は見せたうえで、離婚条件などの具体的な話し合いは行わないでおくことがポイントです。

内容証明をしっかりと読む

まずは、送られてきた内容証明の書面をよく読んで確認しましょう。内容証明には、相手が離婚したいと考えている理由や希望する離婚条件、交渉の際のルールなどが記載されています。すべての内容を読み込み、相手が離婚を強く希望していることを理解したうえで、今後どのように対応すべきかを考えましょう。

一般的には、内容証明が送られてから1週間から10日前後の期間内に相手の弁護士に連絡する必要があります。多少の猶予はあるもののゆっくり考える時間もないため、結論に悩んだら弁護士に相談するのが安心です。

回答書を用意する

相手から送られてきた内容証明を読んで内容を把握したら、自分の主張を正確に伝えるため回答書を作成します。相手の請求によって適切な回答は異なるため、相手の主張を理解しておくことが前提です。

回答書には、主に以下のような内容を記載します。

  • 請求内容に対する反論(親権が欲しい、提示された慰謝料を払うのが困難など)
  • 事実に対する反論(記載されている内容が事実と異なる)
  • 回答期限・回答方法に対する要望(回答期限を延長してほしい、慰謝料支払いを分割にしてほしいなど)

もし事実と異なる記載や受け入れられない要求があった場合は、決して感情的にならず根拠を上げて説明することが大切です。あわせて、相手に何か伝えたいことがあれば記載しておきましょう。

配偶者に直接連絡を取らない

弁護士から連絡が来たあと、配偶者に直接連絡をとるのはNGです。内容証明には、今後の交渉は弁護士が代理で行う旨が記載されています。それにもかかわらず直接連絡をとろうとすると、弁護士から抗議の連絡が入ることに加え、自己中心的な印象を相手に与えることになり、以下のようなリスクも生じます。

  • 相手に「非常識」「自己中心的」などのイメージを与える
  • 心証が悪くなり、離婚協議が難航する
  • DVやモラハラがあったのではないかという疑念を抱かれる

とくに離婚理由がDVやモラハラの場合は、直接連絡をとろうとすることで「本当にDV・モラハラがあったのではないか」と推認されやすくなるでしょう。上記は離婚協議のみならず、今後の調停や裁判でも不利になる可能性があります。したがって、相手に何か伝えたいことがあっても本人に直接連絡をするのは避けるべきです。

自分で相手の弁護士と交渉しない

送られてきた内容証明に対し回答書を送付すると、相手の弁護士が対面での交渉を申し入れてくることがあります。しかし、自身で弁護士を立てずに相手の弁護士と交渉するのは避けたほうがよいでしょう。なぜなら弁護士は法律の専門家であり、これまで何件もの離婚問題に取り組んできていることから、交渉を有利に進められてしまう可能性があるためです。

したがって、自分一人ですべて対応しようとするのではなく、必要に応じて自身でも弁護士を立てると安心です。

【ケース別】相手の弁護士から連絡が来た場合の対処法

相手の弁護士から連絡が来た場合の対処法について、「離婚に応じたくない場合」「離婚に応じてもよい場合」「相手が同意なく家を出て行った場合」の3つのケースに分けて、以下で詳しく解説します。

離婚に応じたくない場合

離婚に応じたくない場合の対処法は、以下の3つです。

  • 法的な離婚事由があるか確認する
  • 離婚届不受理申出書を作成・提出する
  • 弁護士に相談・依頼する

それぞれ詳しく解説します。

法的な離婚事由があるか確認する

離婚したくない場合は、自身に法的な離婚事由があるのかを確認しましょう。協議離婚や調停離婚の場合は夫婦双方の合意がなければ離婚できませんが、離婚裁判では法的な離婚事由に該当すると判断されれば、一方が離婚を拒んでいたとしても裁判で離婚が成立する可能性があります。

法的な離婚事由は「法定離婚事由」と呼ばれ、以下のようなものが該当します。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 配偶者の生死が3年以上不明
  • 配偶者が回復の見込みのない強度の精神病患者
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

悪意の遺棄とは、正当な理由なく同居を拒んだり、生活費を渡さないなどの行為が該当します。またその他婚姻を継続しがたい重大な事由には、以下のような行為が当てはまります。

  • DV・モラハラ
  • セックスレス
  • 浪費・借金
  • 薬物中毒・アルコール依存
  • 犯罪により服役
  • 家事育児の非協力
  • 長期間の別居

法定離婚事由に心当たりがあった場合は有責配偶者となり、裁判に発展すると離婚は避けられなくなります。その場合は、慰謝料の減額や分割払いの相談、子どもとの面会交流の頻度を上げるなど、少しでも条件をよくするために交渉をすることになるでしょう。

離婚届不受理申出書を作成・提出する

自分は離婚したくないものの相手が勝手に離婚届を提出してしまう可能性がある場合は、離婚届不受理申出書を準備しましょう。離婚届不受理申出書には有効期限もなく、役所に提出すれば、申出人本人の許可がない限り離婚届が受理されることはありません。

相手の同意を得ずに勝手に離婚届を出す行為は、以下のような犯罪に該当する可能性があります。

  • 電磁的公正証書原本不実記録罪
  • 有印私文書偽造罪
  • 偽造有印私文書行使罪

しかし万が一受理されてしまうと、取り下げるには調停もしくは裁判を経る必要があり、時間も手間もかかります。そのリスクを回避するためには、あらかじめ離婚届不受理申出書を作成・提出しておくのがおすすめです。

弁護士に相談・依頼する

相手が依頼した弁護士から連絡が来たら、一人で対応するのではなく、自身も弁護士に相談・依頼することをおすすめします。突然弁護士から連絡が来ると焦って感情的な対応をしがちですが、知識も経験もなければ、自分にとって不利な状況に持っていかれてしまう可能性が高いです。

その点、弁護士に依頼すれば最適な対応をアドバイスしてもらえるだけでなく、相手の弁護士との交渉もしてもらえます。依頼をせずとも、自身で相手の弁護士に連絡する前に相談しておけばスムーズな交渉につながるでしょう。

離婚に応じてもよい場合

離婚に応じてもよいと考えている場合は、具体的な離婚条件に関する話し合いを進めていきましょう。相手の言い分をすべて聞き入れるのではなく、自分が不利にならないよう冷静に対応することが大切です。なお、交渉を有利に進めたいなら弁護士に依頼するのが確実です。

以下で詳しく解説していきます。

離婚条件に関する話し合いを進める

離婚すること自体に反論がない場合は、離婚条件の交渉に移行しましょう。決めるべき離婚条件には、主に以下のようなものがあります。

  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 年金分割
  • 子どもの親権
  • 養育費
  • 面会交流

なお、交渉を有利に進めようと、相手がこちらを有責配偶者に仕立て上げようとしてくるケースもあります。弁護士がついているとはいえ、相手の言い分が事実と異なる場合にはすべて鵜呑みにする必要はありません。

相手が事実と異なる主張をしていたら証拠を求めたり、反対に自身も事実を証明するための証拠を用意したりしておくと安心です。すぐに同意せず、あくまでも冷静に対応しましょう。

交渉を有利に進めるには弁護士に依頼した方が良い

離婚に応じてもよいと考えていたとしても、交渉を有利に進めるには弁護士に依頼するのがおすすめです。自分だけで対応しようとすると、知識のなさ故に知らず知らずのうちに不利な方向に持っていかれたり、損をしてしまったりする可能性があります。また、相手の要求が本当に適切なのかどうかの判断もつきづらいでしょう。

実際、こちらが弁護士に依頼していないことがわかるや否や、強気に出てくる弁護士も存在します。相手が依頼した弁護士は全面的に相手の味方であり、相手の利益を重視して交渉を進めてくるということは覚えておきましょう。納得しきれていないまま合意させられてあとから後悔するようなことにならないよう、自身も弁護士に依頼することをおすすめします。

相手が同意なく家を出て行った場合

相手が同意を得ることなく家を出ていった場合、以下の2点を確認しましょう。

  • 「悪意の遺棄」に当てはまるか確認する
  • 別居中の生活費(婚姻費用)を請求するために調停を申し立てる

それぞれ詳しく解説します。

「悪意の遺棄」に当てはまるか確認する

相手が勝手に家を出ていった場合は、法定離婚事由である悪意の遺棄に該当する可能性があります。民法では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。勝手に家を出た行為が同居義務違反となることに加え、相手が家族の大黒柱であるにもかかわらずその後の生活費も支払われない場合、悪意の遺棄に該当すると判断され慰謝料を請求できるかもしれません。

通常、離婚裁判で離婚が認められるには少なくとも3年以上の別居期間が必要とされますが、悪意の遺棄では別居期間の長さより、遺棄への意思が重要視されます。

別居中の生活費(婚姻費用)を請求するために調停を申し立てる

すでに別居している場合でも、夫婦間では収入の多い方が少ない方に生活費を支払う必要があります。この生活費を婚姻費用といい、別居中の婚姻費用は家庭裁判所で婚姻費用分担調停を申し立てることで請求可能です。

ただし、婚姻費用は請求した時点から認められるため、過去に別居していた期間分をまとめて請求するといったことは難しいです。そのため相手が勝手に家を出ていったら、すみやかに婚姻費用を請求しましょう。

相手に婚姻費用の請求書面を送付する場合は、請求した日時を証明できるよう、内容証明の形で送るのがおすすめです。本人に直接請求する前に調停を申し立てた場合、請求できるのは調停を申し立てた日以降の婚姻費用のみである点には注意してください。

別居中の配偶者が弁護士を立てる理由は?

別居中の配偶者が弁護士を立てた場合、考えられる理由は主に以下の2つです。

  • 有利な条件で離婚問題を解決したいから
  • 直接連絡を取りたくないから

それぞれ詳しく解説します。

有利な条件で離婚問題を解決したいから

相手が弁護士を立てた場合、離婚問題に際して有利に交渉を進めたがっていると考えられます。たとえば、相手から提示された慰謝料や養育費の金額が相場より大幅に安くても、実際の相場を知らなければそのまま承諾して損してしまうことも考えられるでしょう。

その点、知識の豊富な弁護士に依頼すれば適正な条件のアドバイスももらえるため安心です。とくに離婚に強い弁護士は、離婚問題を有利に進めるための専門知識だけでなく、さまざまなノウハウや実績も兼ね備えています。効果的な証拠の集め方や文書の作成方法、交渉のスキルなども心得ている弁護士に依頼することで、自分に有利な条件での解決を目指しているはずです。

直接連絡を取りたくないから

離婚をするためには基本的に夫婦間での話し合いが必要になりますが、配偶者と直接接触したくない、連絡もとりたくないなどの理由で弁護士に依頼しているケースも多いです。とくに離婚理由が配偶者からのDVやモラハラであった場合、配偶者に対して強い恐怖心があることに加え、直接の接触により身に危険が及ぶ可能性も考えられるでしょう。その場合は、代理権を持っている弁護士に依頼することで、相手に接触せず交渉を進められます。

ただDVやモラハラなどがなくても、単純に相手と極力関わりたくないからと交渉初期から弁護士を立てるケースもあります。

自分も弁護士に依頼するべき理由

相手の弁護士から連絡があったら、一人で対応しようとするのではなく、自身も弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士を立てるべき理由は、主に以下の3つです。

  • 自分にとって有利に離婚できるようアドバイスをもらえる
  • 交渉や調停・訴訟の代理人になってもらえる
  • 手続きや精神的な負担が軽減される

以下で詳しく解説します。

自分にとって有利に離婚できるようアドバイスをもらえる

弁護士に依頼することによる大きなメリットは、自分にとって有利な条件での離婚に向けて交渉しやすいことです。離婚についての話し合いをしている中で、相手から法外な慰謝料や養育費、財産分与などを請求される場合もあるでしょう。法的知識を持っていなければ、慰謝料や養育費の相場や未払いを防ぐ方法など、わからないことだらけです。

弁護士に依頼すれば、法的観点から請求金額が妥当なのかどうかをはじめ、親権を取得する方法や調停のタイミングなど、さまざまなアドバイスを得られます。少しでも有利に交渉を進めたいのであれば、弁護士を立てることをおすすめします。

交渉や調停・訴訟の代理人になってもらえる

離婚をする際には、親権や養育費、財産分与などたくさんのことを決める必要があり、相手とも交渉しなければなりません。しかし弁護士に依頼すれば、交渉の代理人になってもらうことができます。夫婦のみでは進まなかった話し合いも、弁護士が介入することでスムーズに進むケースがあります。

とくに相手からDVやモラハラを受けていたような場合、相手と直接交渉しなくて済むのは大きなメリットと言えるでしょう。専門知識があることから、自身が不利にならないよう適切な離婚条件で交渉を進めてもらうことができます。また、話し合いがまとまらずに調停や訴訟になった場合も、弁護士に代理人を任せることが可能です。

手続きや精神的な負担が軽減される

弁護士に依頼すれば、相手との交渉や書類作成、裁判所での手続きなどをすべて任せられるので、労力を削減できます。とくに調停や裁判にまでなると多くの手続きが必要ですが、弁護士に一任すれば仕事や普段の生活に専念することもできるでしょう。

また、離婚を進めるにあたっては誰しもが、多かれ少なかれストレスを抱えることになります。離婚理由が不倫やDV、モラハラなどの場合はとくに精神的疲労が大きくなる傾向があります。このようなとき、親身に話を聞いてくれて全面的に味方になってくれる弁護士がいれば、非常に心強いでしょう。

弁護士に相談する前に準備すること

弁護士に相談する前に、以下の4つを行っておきましょう。

  • 離婚したいのか、したくないのかについて考える
  • 事実関係を整理する
  • 自分がどうしたいのか条件・希望を上げておく
  • 夫婦の収入・財産状況を調べておく

それぞれ以下で詳しく解説します。

離婚したいのか、したくないのかについて考える

まずは、配偶者と離婚したいのか、したくないのかを明確にしましょう。弁護士に相談するにも、自身が今後どうしたいのかが定まっていなければゴールを設定できません。

弁護士の適切なサポートやアドバイスを受けるには、今後の自身の希望をきちんと決めておくことが必要不可欠です。

事実関係を整理する

離婚する意思が固まったら、事実関係を時系列で整理しておきましょう。離婚したいと思い立った理由やきっかけ、交渉の経緯など、離婚を決断するまでの紆余曲折を時系列にまとめることで、弁護士に説明しやすくなります。

話したいことやこれまでの経緯がまとまっていない状態で相談しても、感情的になったり不正確な情報を伝えてしまったりすることがあります。離婚問題を確実に解決するためには、あらかじめ事実関係を時系列で整理しメモに残しておくのがおすすめです。

証拠を集める

法定離婚事由による離婚や慰謝料請求をするなら、証拠を集めておく必要があります。有効な証拠には、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 写真
  • 録音した音声
  • メールの内容
  • 医師の診断書

逆に言うと、上記のような証拠がなければ離婚や慰謝料請求が認められない可能性があります。相手が法定離婚事由に該当する有責配偶者の場合は、できる限りの証拠を集めておきましょう。

自分がどうしたいのか条件・希望を上げておく

弁護士への相談を考えているなら、自分はどのような条件で離婚したいのかを明確にしておくことが大切です。弁護士は相談者の希望に沿った解決を目指し進めていくため、重視する点をあらかじめ伝えておきましょう。条件にはたとえば以下のようなものが挙げられます。

  • とにかく早く離婚したい
  • 親権が欲しい
  • 慰謝料を請求したい

解決方針を伝えたら、離婚にあたって求める条件や希望が法的に実現できるのか、具体的なアドバイスをもらうことも可能です。なお、離婚すべきかどうかや希望する条件もよくわからないという場合も、その旨を弁護士に伝えれば的確な助言を受けられるでしょう。

夫婦の収入・財産状況を調べておく

弁護士に相談をする前に、互いの収入状況をはじめ、預貯金や株式、自家用車や不動産などの財産をすべて調べて書き出しておきましょう。なぜかというと、これらは離婚後の財産分与や養育費の請求、離婚が成立するまでの婚姻費用請求などを行う際、請求する金額の根拠となるからです。

収入および財産がわかるものの例を、以下にまとめました。

収入がわかるもの
  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 課税証明書
財産がわかるもの
  • 預貯金通帳
  • 不動産登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 住宅ローン・自動車ローンの残高証明書
  • 保険証書・解約返戻金証明書
  • 年金分割のための情報通知書

養育費や婚姻費用の額は、一般的に夫婦二人の年収をもとに算出されるため、一方だけでなく双方の収入がわかる資料を用意しておくとより確実です。

また相手がどの程度金融資産を保有しているか不明な場合は、せめて利用している金融機関名と支店名だけは把握しておきたいところです。金融機関名と支店名がわかれば、弁護士照会制度や家庭裁判所の調査嘱託制度を利用し、相手が持っている財産を正確に把握することができます。

弁護士照会制度とは、弁護士が裁判所での手続きに必要な証拠や資料を収集するための手続きのことです。また家庭裁判所の調査嘱託制度とは、裁判所が金融機関や会社に対して預金口座の情報開示を求める制度です。

弁護士の選び方

弁護士を選ぶ際は、以下3つの点に注目して選びましょう。

  • 離婚問題を解決してきた実績がある
  • 料金体系がわかりやすい
  • 無料相談を活用して相性を確認する

それぞれ以下で詳しく解説します。

離婚問題を解決してきた実績がある

弁護士にもそれぞれ得意分野と不得意分野があり、離婚問題の解決を目指すなら離婚問題を得意としている弁護士に相談するのがおすすめです。法律事務所のホームページの「取扱分野」の欄などを見れば、離婚を取り扱っているかどうかがわかります。また離婚についての特設ページを設けていたり、離婚弁護士に特化したポータルサイトに掲載されていたりすれば、離婚問題にとくに力を入れている可能性が高いと言えるでしょう。

それから、重視すべきなのは離婚問題の解決実績が豊富かどうかという点です。ホームページに事件処理件数や具体的な事例が掲載されているケースも多いため、確認してみましょう。なかには依頼者からの手紙やメッセージを掲載しているところもあり、弁護士の人柄や自分に似た事例でどのような対応をしたのかなどを知ることができます。

料金体系がわかりやすい

弁護士費用は、それぞれの弁護士事務所によって異なります。費用の内訳は主に相談料と着手金、そして成功報酬です。ホームページなどで弁護士を選ぶ場合は、料金体系がわかりやすく、納得できる価格帯であるかどうかをチェックしましょう。

一見すると安いもののあとから高額の費用を請求されるというケースもあるため、追加で料金が発生しないか確認することも大切です。支払方法や費用の算出基準など、少しでも疑問に思う部分があれば直接問い合わせるなどして、不明瞭な部分を残さないようにしましょう。

人柄や自分との相性が良い

離婚問題を相談する弁護士は、自分との相性のよさや人柄で選ぶのがおすすめです。弁護士は離婚問題解決に向けて何度も顔を合わせる相手なので、相性が悪いとコミュニケーション不和によりストレスを抱えてしまう恐れがあります。とは言え、人柄や相性は実際に会って話してみないとわかりません。そこで検討してほしいのが、弁護士事務所が行っている無料初回相談です。

無料相談をしたからといって必ず依頼しなければならないわけではないため、無料相談を行っている弁護士複数人と話してみたうえで、自分に合いそうな弁護士を選ぶことをおすすめします。

なお初回の相談では、現状での離婚の可否や今後の流れ、費用などについて聞くことができます。弁護士によって意見が異なる可能性もあるため、自分の希望に沿った解決に導いてくれる弁護士であるかどうかもある程度見極められるでしょう。

まとめ

配偶者が依頼した弁護士から連絡が来たら、絶対に無視をしてはいけません。相手に直接連絡をとったり、自分で相手の弁護士と交渉したりするのも、今後の交渉で不利になる恐れがあるためNGです。

離婚に応じたくない場合は、まず法定離婚事由があるかを確認しましょう。そして相手に勝手に離婚届を出される恐れがあれば、離婚届不受理申出書を提出しておくと安心です。

離婚に応じてもよい場合は、離婚条件に関する話し合いを進めることになります。このとき、相手に有利な状況に持っていかれないよう、すぐに同意しないことが大切です。

相手が同意なく家を出ていった場合は、悪意の遺棄に当てはまるか確認しましょう。もし該当すれば、慰謝料を請求できる可能性があります。

どのケースでも、交渉をできる限り有利に進めるためには自身も弁護士に依頼するのがおすすめです。