借金50万円はやばい?見極めるポイントについて
「借金50万円」は、危険かそうでないかの分かれ目とも言えるラインです。なぜなら、収入や借りた経緯によって、50万円という金額の危険性が変わるからです。
それなりに収入があり、しっかりとした計画のもと借りたのであれば、それほど危険とは言えません。毎月コツコツ返していれば、いずれは返済は可能でしょう。
しかし、収入が低い場合や、計画性なく作ってしまった借金の場合、返済できないケースが多くなります。更に借金が膨れ上がり、生活が破綻するかもしれません。
まずは自分の借金50万円が「やばい」かどうか、客観的に見極めるためのポイントを解説していきます。
1.年収150万円超かどうか
借金が50万円の場合、年収が150万円を超えるかどうかで危険度が変わります。
なぜなら、個人の借入総額を制限する「総量規制」という制度では、年収の1/3が上限となっているからです。
【総量規制とは?】
貸金業者の過剰貸付を禁止し、多重債務者を減らすための制度。貸金業者は顧客の借入状況を調査する義務があり、借金の総額が年収の1/3を超えるときは貸付できない。
参照:
e-Govポータル「貸金業法 第十三条の二」
債務者を守るための制度ですが、言い換えれば、「個人が無理なく返済できるのは年収の1/3まで」が法律上の考え方ということです。
しかし、貸金業法はあくまで貸金業者への規制なので、対象外となる借入もあります。例えば、下記の借入が総量規制の対象外です。
- 不動産ローン
- マイカーローン
- 高額医療費支払いのための貸し付け
- その他銀行からの貸付
上記の借り入れを含めて、年収の1/3を超えている人も少なくありません。
年収150万円以下で借金が50万円の場合、返済能力ギリギリか、オーバーするところまで借り入れているということになります。早めに対策を取らなければ、生活に支障が出る確率が高いといえるでしょう。
2.月々の返済額が月収の1/3に収まっているかどうか
総額ではなく、月々の返済額が1/3に収まっているかどうかも、危険性を判断する上でポイントとなります。総量規制は年収の1/3までなので、単純に月々の返済額もおおむね1/3程度が返済能力の上限といえるからです。
また、住宅ローンを融資するときの返済比率目安も、多くの金融機関が「額面収入の25%~35%程度」としています。
金利が低く、家という担保がある住宅ローンでさえ、無理なく返済できるのは月収の1/3までとされているのです。
3.どのようにできた借金か
借金を作るまでの経緯も、状況判断には重要です。計画的に借りたものなのか、想定外の借金なのかで、借金の危険性が変わります。
具体的には、次の2点にあてはまる場合は要注意です。
- 少額の借金を繰り返している
- 必要ない買い物を浪費を繰り返している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少額の借金を繰り返しているのは黄色信号
少額の借金を繰り返した結果、借金の総額が50万円までいったのであれば、家計に何らかの問題があるかもしれません。
借金は本来、お金が足りないときの一時しのぎに使うものです。日々の生活費などで細かく借りているのであれば、収入が入り次第返済するのが理想です。
しかし、少額の借金を繰り返し、返済が追いついていないということは、お金の使い方が健全ではないといえます。
また、繰り返しお金を借りることで心理的な抵抗がなくなり、借金が癖になってしまうこともあります。もしかしたら「借金依存症」という、れっきとした病気になっているかもしれません。
現状を放置していると更に借金を繰り返し、50万円どころか数百万円まで膨れ上がる恐れがあるでしょう。
必要ない買い物や浪費を繰り返したのも黄色信号
医療費や子供の進学費用など、必要なお金を計画立てて借りたのであれば、それほど問題はありません。
しかし、ブランド物のバッグや高価なゴルフ用品など、日々の暮らしで必要とはいえない買い物をしている場合、危険度は高いといえます。
他にも、旅行やギャンブルなど趣味・娯楽で借金をしている場合、浪費に歯止めが効かなくなっている可能性があります。
必要ない買い物や浪費で借金をしてしまうと、いずれお金のやり繰りが立ち行かなくなり、実生活にも悪影響が出てきてしまいます。
4.元金が減っているかどうか
ある程度返済をしている場合、元金が減っているかどうかも危険度を測るポイントです。
金利が高かったり、毎月の返済額が少なかったりすると、返済額における利息の割合が高くなります。
例えば、借金50万円を年率18%で借りている場合、最初の1ヶ月(30日間)にかかる利息は次のように計算します。
50万×18%÷365×30=約7,397円
仮に月々の返済額が1万5,000円だとすると、元金の返済に充てられるのは約半分ということです。
月々の返済を最低額まで下げている場合、ほとんど利息の支払いに充てられ、元金が減らない恐れがあるのです。
借金50万円を早期完済するためのコツ
借金50万円を早期完済するためのコツとして、下記の3つを紹介します。
- 今後の返済計画を立てる
- 無駄な出費を抑え節約する
- 副業して収入を増やす
無理のない返済計画を立てた上で、節約や収入増を計りましょう。それぞれの詳しいやり方を解説します。
1.今後の返済計画を立てる
まずは借入の詳細が把握し、今後返済していく上で「月いくらずつ・何年かけて返済していくのか」という目標を立てましょう。
借金返済は必ず「元金+利息」という形で支払うので、借入残債をただ月返済額で割っただけでは正確な返済年数は計算できません。
利息込みでの返済年数の計算は少々複雑なので、以下のようなシミュレーションサイトを利用するとよいでしょう
参照:借入返済額シミュレーション|知るぽると
借入残債と利率が分かっていれば返済年数の目安を簡単にシミュレーションできます。
もし、自分で計算しても合っているか不安という場合は、法律事務所へ相談すれば教えてもらえます。
同時に返済方法について具体的なアドバイスをもらえるので、無料相談などを利用して一度相談してみるとよいでしょう。
>>返済計画について弁護士へ相談する【初回相談無料】
今後の返済計画を立てたら月収と月あたりの支出を計算し、その差額である「月々返済に回せる金額(余剰金)」を明らかにしましょう。
返済計画の中で決めた月々の返済額が余剰金で賄える状態であれば、今の生活を変えずに無理なく返済していけます。
もし余剰金だけでは月々の返済が難しい場合、次の項目から紹介する方法で収入を増やしたり、支出を減らす工夫をしましょう。
金利や月々の返済額など借金の詳細を把握しよう
返済計画を立てる中で、以下のような項目について調べ、借金の詳細を把握することも大事です。
- 借入社数
- 借入業者名
- 業者ごとの借金残債
- 月々の返済額
- 金利(年利何%か?)
- 借入期間
- 滞納期間
- 連帯保証人の有無
- 担保の有無
- 裁判所通知の有無
- 裁判所通知有の場合、支払督促か訴状か
- 裁判所通知の受取日
- 裁判所通知が訴状の場合、期日はいつか?
- 借入理由
- 滞納理由
上記項目を借入業者毎にまとめて表にするとよいでしょう。
もし借入についてはっきりしない部分がある場合は、金融機関から送られてくる明細書や会員規約を見たり、金融機関に直接電話で問合せて確認したりするとよいでしょう。
2.無駄な出費を抑え節約する
次に、出費で抑えられない項目がないか検討します。毎月の出費の中でも特に見直すべきなのは、固定費と嗜好品などです。
毎月かかる固定費には、主に以下のようなものがあります。
- 家賃
- 公共料金(電気・ガス・水道料金)
- 通信費(固定電話・携帯電話・ネット料金)
- 保険料
- 教育費(塾代・部活動費・習い事代など)
上記で特に大きいのは家賃ですが、引っ越すとなるとそれだけで大きな出費となるので、引っ越してからどれくらいで採算が取れるか(引っ越し費用を回収できるか)を考えましょう。公共料金や通信費・保険料・教育費は、業者替えや契約プランの見直しで節約できる場合があります。
嗜好品については、主に以下のような項目があります。
- 外食
- レジャー
- 飲み会代
- 被服費・美容院代
- タバコ代
外食は減らして自炊を増やしたり、飲み会・美容院に行く頻度を減らしたりなど、無駄な出費は可能な限りカットしましょう。
ただし、固定費を押さえて生活の質を下げたり、嗜好品を我慢しすぎてストレスが溜まったりすると、反動で浪費してしまう恐れもあります。
節約は無理のない範囲で、できれば楽しみながら取り組む方が、長続きするでしょう。
3.副業して収入を増やす
今の仕事が非正規雇用だったり、正社員でも副業ができる会社に勤めている場合は、副業をして収入を増やすとよいでしょう。
たとえば平日勤務の仕事をしているのであれば、土日のみ勤務できる引越業者のアルバイトなどがあります。
また、自宅で空いた時間を利用してアルバイトするのであれば、データ入力やシール貼りなどの在宅でこなせる仕事も選択肢の一つです。
現在の仕事がフルタイムではなく時短勤務の場合、1日3~4時間程度だけ勤務できるコンビニのアルバイトなどを検討してもよいでしょう。
どうしても借金50万円の返済が難しい場合の対策
どうしても50万円の返済が困難な場合、次にあげる対策を検討してみましょう。
- 親族に金銭的支援を相談する
- 低金利ローンへの借り換えで利息負担を軽減する
- 債務整理で返済可能な金額まで減額する
自分だけで何とかしようとせず、身近な人や国の制度などをうまく活用することが大切です。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.親族に金銭的支援を相談する
自分一人で借金を返済していくのが難しいと感じたら、親や親戚に金銭的援助をお願いできないか相談してみましょう。
親族に秘密で借金をしている場合、言いだしづらい話題ではありますが、自力で解決しようとして借金返済のために借金を重ねても、いずれは限界を迎えて自転車操業もできなくなります。
借金の金額が大きくなればなるほど、親や親戚に打ち明けることも借金問題を解決することも難しくなります。人によって事情はそれぞれですが、親や親戚を頼れるなら、できるだけ借金の金額が少ないうちに相談するとよいでしょう。
2.低金利ローンへの借り換えで利息負担を軽減する
利息が高く、元金が中々減らない場合は、低金利ローンへの借り換えを検討しましょう。
基本的に、貸金業者やクレジットカードのローンより、銀行ローンの方が金利は低くなります。例えば、50万円を3年間で返済する場合、年利14%の銀行ローンと年利18%の消費者金融ローンでは、次のように返済額が変わります。
|
月々の返済額 |
返済総額 |
銀行ローン(金利14%) |
17,088円 |
615,168円 |
消費者金融ローン(金利18%) |
18,076円 |
650,736円 |
※元利均等方式、ボーナス払いなしで計算
月々の返済額で見れば1,000円程度の差ですが、総額では3万5,000円の違いがあります。金利差がもっと大きい場合や、今後借入額が増えていった場合は、さらに差額は増えるでしょう。
また、複数社から借り入れている場合、1つのローンにまとめることで全体の金利を抑えられたり、返済管理が楽になったりといったメリットがあります。
「わずかな違いしかない」と思えるかもしれませんが、50万円の借金を放置していると借入状況が悪くなるかもしれないことは、先述した通りです。甘く見ず、負担が軽い内に最大限の対策を打ちましょう。。
3.債務整理で返済可能な金額まで減額する
債務整理とは国が認めた借金救済制度で、利息をカットしたり一括請求を長期の分割払いに変更できるなど、合法的に借金の負担を減らす手続きの総称です。
単なる節約方法ではなく、借金自体の負担を軽減できるところが大きなメリットです。
債務整理には主に以下の3つの方法があります。
任意整理 |
弁護士や司法書士が金融機関と直接交渉して、今後支払う予定の利息をカットや減額し、3~5年の長期分割で完済を目指す。 |
自己破産 |
裁判所を介しておこなう手続きで、一部を除いて全ての財産を手放す代わりに借金の支払いを全額免除してもらえる。 |
個人再生 |
裁判所を介しておこなう手続きで、原則として手放さずに借金を最大1/10に圧縮し、3~5年で分割返済する。 |
50万円の借金であれば「任意整理」をして利息を減らすことで、毎月の返済額を1万円以下に下げられる可能性があります。利息を減らした分、最終的に支払う返済総額も10万円以上抑えられるかもしれません。
なお、自己破産や個人再生であれば借金の元金も減らせますが、法律事務所へ依頼するための費用だけで50万円以上かかることがほとんどです。
実際に「自分の場合どれくらい借金が減るのか」は個々の状況によるため、詳しく知りたい場合は法律事務所へ直接相談してみましょう。
当サイトでは無料相談ができる法律事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に相談してください。
借金が50万円しかなくても自己破産できるのか?
借金を全額免除する自己破産ですが、「50万円の借金でも自己破産できるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
結論からいうと、自己破産の条件に「◯万円」といった具体的な借入額の規定はありません。裁判所が様々な状況を精査し、総合的に判断を下します。
裁判所が自己破産について判断する時、特に重要視されるのは次の4点です。
- 支払い能力があるかどうか
- 期日を過ぎている返済を支払う能力があるか
- 継続的かつ客観的に見て返済不能か
- 自己破産の否認条件にあてはまらないか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
支払い能力があるかどうか
支払い能力とは、抱えている借金を返済する能力のことです。借金総額が50万円なら、あらゆる角度から見て「50万円の返済が可能であるかどうか」が問題となります。
現在の収入やその他の借入状況の他、次のような点も見られます。
- 換金して返済に充てられる保有資産はないか
- 今は返せなくても、返済期限の延期などで返済可能にならないか
- 将来的に収入アップの見込みがないか
- 家族の援助を受けられないか
これらを総合的に考慮して、支払い能力の有無を見極めます。自分が「返済できない」と思っていても、裁判所の判断によっては支払い能力が有るとみなされるかもしれません。
期日を過ぎている返済を支払う能力があるか
期日を過ぎている返済を返済できるかどうかも、重要なポイントです。要するに、「現状支払うべきお金を支払えるかどうか」が見られます。
逆にいえば、返済期日まで余裕がある場合、支払い不能とみなされない可能性があります。
たとえば、「半年後に500万円を返済しなければならないが、支払いの見通しが立たない」という状況でも、返済期日が差し迫っていないため自己破産が認められないかもしれません。
継続的かつ客観的に見て返済不能か
支払い不能な状態が継続的であり、客観的に見ても明らかであることも、自己破産の要件になります。
数ヶ月後にまとまった資金が手に入る場合や、一時的に収入が落ち込んだもののすぐに立て直せるような場合は、支払い能力がないとはいえません。
「第三者から見て今後の返済が確実にできない状態」でないと、自己破産を認められないでしょう。
自己破産の否認条件にあてはまらないか
自己破産の否認条件は、ここまで解説した支払い能力があることの他に、「免責不許可事由」というものがあります。
本人が違反行為や不誠実な態度・行動をしていると、自己破産を認めるべきではないと判断されてしまうのです。
具体的な免責不許可事由の例としては、次のようなケースがあげられます。
- 収入や借入状況を偽って借金した
- 自己破産することを前提に多額の借金をした
- 複数の借入先に対して1社だけ優先して返すなど、不平等な扱いをした
- ギャンブルやFX、著しく高い買い物で支払い不能になった
- 自己破産前や手続き中に残っている財産を隠した
ただし、免責不許可事由にあてはまっても、しっかりと反省の態度を示し、心を入れ替えて誠実に手続きを行えば、裁判官の判断で免責(裁量免責)してもらえるかもしれません。
自己破産できるかどうかは個別のケースで判断が変わってしまうので、まずは弁護士に相談し、借金の経緯などを話した上でアドバイスを聞いてみましょう。
>>自己破産について弁護士へ相談する【初回相談無料】
まとめ
パチンコやアプリの課金などで少し使いすぎただけでも、借金はあっという間に50万円を超えてしまいます。
最初は「50万円くらいすぐに返せる」と思っていても、計画を立てて返済していかないと気づけば利息ばかり払っていて、元金が全く減っていないことも珍しくありません。
借金の返済を早く終えたいのなら、返済計画を立てたうえで、収入を増やしたり支出を減らして月返済額をできる限り増やしましょう。
もし、自力で返済するのが難しい場合は、任意整理を検討してみてください。
毎月の返済額を減らしたり、返済期間を短縮することで無理なく完済を目指せます。
任意整理についてもっと詳しく知りたい人は、ぜひ当サイトで紹介している法律事務所へ相談して自分の状況に合わせたアドバイスを受けてみてください。
任意整理に関してよくある質問
借金が50万円あります。返済がきつくなってきたのですが、何かよい解決方法はありませんか?
借金50万円なら任意整理で解決できる可能性が高いです。
任意整理を積極的に取り扱っている弁護士へ相談してみるとよいでしょう。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
金利18%で50万円を借りています。任意整理をすると返済総額はどれくらい減りますか?
毎月の返済額が2万円程度なら、13万円ほど減らすことが可能です。
任意整理の費用相場を教えてください。
手続きする債権者1件につき、4万円程度が相場といわれています。
任意整理をするべきか悩んでいます。どこに相談したらよいですか?
任意整理の実績が豊富な法律事務所への相談をおすすめします。
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任意整理の途中で返済が難しくなったらどうなりますか?
無断で滞納すると、債権者から利息を含めた残債を一括請求されるのが通常です。
そのため、返済が難しいと感じたらすぐに担当の弁護士へ相談しましょう。
最短即日取立STOP!
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