任意整理した人も家族カードは使える?
「任意整理をするとクレジットカードが使えなくなる」と聞いたことがある人は多いでしょう。
これは任意整理をすると、完済後5年間は信用情報(過去の借金の履歴)に事故情報が登録され、事故情報が登録されている間は、クレジットカードの審査が通りづらくなるといわれているためです。
しかし、任意整理をすると全てのクレジットカードが使えなくなるわけではなく、家族カードであれば使える可能性が高いです。
- 家族カードとはどのようなカードなのか?
- 任意整理をしても家族カードなら新規発行や既存カードの使用継続が可能なのか?
次の項目から、それぞれ詳しくお伝えします。
家族カードとは本会員と生計を共にする家族へ発行されるカード
家族カードとは、本会員と生計を共にする配偶者・18歳以上の子供・両親に発行する、本会員と同じ種類のカードを指します。
家族カードを発行する際、クレジットカード会社は本会員の収入や勤務先、年齢や信用情報をチェックし、本会員の信用力に応じて家族カードを発行するか判断します。
そのため収入のない専業主婦や学生などでも、本会員に信用力があれば家族カードを持てるのが特徴です。
上記以外の親族に家族カードを発行するかどうかは、金融機関によって判断が異なります。
なお内縁の夫婦や同棲している交際相手など、法的に親族関係がない人については、基本的に家族カードを作れません。
また家族カードの引落しは原則、親カードと同じ口座でおこないます。
加えて本会員と家族会員は、キャッシング・ショッピング共に利用限度額を共有しています。
そのため、例えば本会員の利用限度額が100万円なら家族カードを何枚発行していても、合計100万円までしか使えない点に注意しましょう。
任意整理した人も家族カードを新規発行できる
過去に任意整理をして、信用情報に事故情報がまだ登録されている人でも、家族カードを新規発行することが可能です。
家族カードを発行する際、基本的に信用力を問われるのは本会員のみなので、家族会員となる人の信用情報に事故情報が載っていても問題ないからです。
ただし任意整理をした人が、以前に長期滞納や債務整理をしたクレジットカード会社で、他の人を本会員として家族カードを発行するのは難しいでしょう。
なぜなら長期滞納や債務整理をした時点で、当該クレジットカード会社独自の顧客リストにその情報が登録され、いわゆる「社内ブラック」の状態になっているからです。
社内ブラックになると、基本的に当該クレジットカード会社において、新規でカードを発行することは二度とできません。
信用情報の事故情報は、一定期間が経過すると削除されるのに対して、クレジットカード会社独自の顧客リストに載った情報は、時間が経っても消えることはないからです。
これは家族カードを発行する場合も同じで、例え本会員に十分な信用力があっても、家族会員となる人が社内ブラックだったなら、カードが発行できない恐れがあります。
任意整理した人も既存の家族カードを使い続けられる
任意整理をして信用情報に事故情報が登録されても、既に持っている家族カードを使い続けることは可能です。
クレジットカードを発行すると、クレジットカード会社は途上与信といって、定期的に会員の信用情報をチェックし、事故情報が掲載されていないか確認します。
この途上与信は更新時におこなわれる場合がほとんどですが、クレジットカード会社によってはもっと頻繁におこなうこともあります。
ただし途上与信でチェックされるのは、基本的に本会員の信用情報のみなので、家族会員の信用情報に事故情報が載っていても問題ないのです。
ここまで一般的なケースについてお伝えしましたが、実際に任意整理後でも家族カードが使えるかどうかは個々の状況によりさまざまです。
気になる人は法律事務所へ直接相談し、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
本会員が任意整理すると家族カードは使えなくなる
前の項目では、任意整理をした人が家族カードを新規で発行したり、既に持っている家族カードを使用継続できるのか、についてお伝えしました。
では本会員が任意整理をした場合、家族カードはどうなるのでしょうか。
本会員が任意整理をする場合、以下の2つのケースが考えられます。
- 本会員が親カードを任意整理の対象に含めたケース。
- 本会員が親カードを任意整理の対象に含めなかったケース。
①の場合、親カードは任意整理した時点で利用できなくなります。
親カードが利用できなくなったことで、家族カードも自動的に使えなくなります。
一方②の場合、親カードは任意整理後しばらくの間、利用できる可能性があります。
ただし更新や途上与信のタイミングで、本会員の信用情報がクレジットカード会社にチェックされ、その時点で親カードは利用できなくなる可能性が高いです。
親カードが利用できなくなれば、その時点で家族カードも使えなくなります。
家族カードの利用残高も任意整理できる
家族カードの利用残高が膨らんでしまい、任意整理で負担を減らしたいと考える人もいるでしょう。
しかし、家族カードと一般的なクレジットカードの違いがよく分からない場合「家族カードの利用残高は任意整理できるのか」疑問に思う人もいるかもしれません。
結論からいうと、家族カードの利用残高も任意整理できます。
なぜなら、家族カードの利用残高もクレジットカードの利用残高と同様「借金」とみなされ、任意整理の対象となるからです。
ただし、家族カードの任意整理を家族会員がおこなうことはできません。
その理由について、次の項目で詳しくお伝えします。
家族カードを任意整理できるのは本会員のみ
前述したとおり、家族カードは本会員の信用力を担保にして発行されたカードです。
そのため家族カードを利用したのが家族会員であっても、利用残高の返済義務は本会員にあるとクレジットカード会社は判断します。
従って家族カードの利用残高を任意整理する場合、代理人となる弁護士と契約するのは、本会員でなければなりません。
本会員に内緒で家族カードを使い過ぎてしまった場合、本会員に知られず任意整理をしたいと考える人もいますが、残念ながらそれは不可能です。
また家族カード以外にも借金やクレジットカードの利用残高が膨らみ、まとめて任意整理したいと考える人もいますが、それもできません。
家族カードの利用残高については、本会員本人に任意整理をしてもらう必要があります。
本会員に打ち明けづらいけど、借金を自力で返済していくのも厳しいという場合は、法律事務所へ相談しましょう。
弁護士が個々の状況に合わせて、適切なアドバイスをしてくれます。
任意整理後、家族カードの代わりに使えるキャッシュレス決済
前述したとおり、任意整理をした人でも家族カードを新規で発行したり、既に持っている家族カードを使い続けられます。
ただし本会員が任意整理した場合など、状況によっては家族カードが使えないという人もいるでしょう。
家族カードを利用するのは難しいけど、どうしてもキャッシュレス決済を利用したいという場合は、次の項目から紹介するキャッシュレス決済の利用も検討してみましょう。
デビットカード
デビットカードは、カードの利用と同時に口座から利用した金額が引落される仕組みのカードです。
基本的にクレジットカードのような審査がなく、信用情報に事故情報が載っていても発行できます。
ただし立替サービスがついているデビットカードの場合、審査が必要になるので注意しましょう。
最近はポイント還元率がクレジットカード並に高いデビットカードも多いので、ぜひ利用を検討してみてください。
チャージ式のキャッシュレス決済
チャージ式のキャッシュレス決済は、あらかじめカードにお金をチャージしておき、支払い時はチャージしておいたお金で商品やサービスの購入ができます。
- バンドルカード(VISAプリペイドカード)
- PayPay
- LINEPay
- Suicaなど交通系ICカード
上記のように、さまざまなタイプのチャージ式キャッシュレス決済があるので、自分のライフスタイルなどに合わせて利用するとよいでしょう。
任意整理しても使えるクレジットカード
前の項目では、家族カードが使えない場合に、代わりとなるキャッシュレス決済について紹介しました。
とはいえ、現代社会ではクレジットカードが使えないと何かと不便ですよね。
そこで次の項目から、任意整理しても使えるクレジットカードを4つ紹介しますので、参考にしてください。
ライフカード(デポジット型)
基本的に任意整理をすると、完済後5年間はクレジットカードが作れないといわれていますが、一部例外があります。
それが、ライフカード(デポジット型)のようなデポジット型のクレジットカードです。
デポジット型のクレジットカードは、事前にデポジット(保証金)を入金することで信用を担保するので、信用情報に事故情報が掲載されている人でも作れます。
ライフカード(デポジット型)の場合、デポジット=限度額となり、デポジットはカード受取りの際に年会費と一緒に代金引換で支払います。
また、年会費は入会初年度についてはカード受取りの際に代金引換で支払い、2年目以降は、登録した金融機関口座からの自動振替となります。
ライフカード(デポジット型)には「スタンダードカード」と「ゴールドカード」があり、それぞれの年会費や限度額は以下のようになっています。
|
スタンダード |
ゴールド |
年会費 |
5千円(税抜) |
1万円 or 2万円(税抜) |
限度額 |
5万円 or 10万円 |
【年会費1万円】20~90万円【年会費2万円】100~190万円 |
また、ライフカード(デポジット型)はETCカードも発行可能です。(年会費無料)
ただし、限度額5万円のスタンダードカードだけは、ETCカードの発行ができないので注意してください。
ちなみに、ライフカード(デポジット型)以外でも、デポジット型のクレジットカードであれば任意整理後でも作れる可能性が高いので、気になる場合はぜひ探してみてください。
社員用法人カードや共済系クレジットカード
会社が経費を一括管理したり申請の手間を減らすために、社員用に法人カードの追加カードを作って社員に持たせる場合があります。
通常、法人カードの審査対象は会社もしくは会社代表者なので、社員用に法人カードの追加カードを発行する場合、審査はありません。
つまり、社員用法人カードは名義人となる社員個人の信用情報を気にせず発行できるため、当該社員が任意整理しても使えることになります。
ただし、カードの利用内容は会社とカード発行元会社の両方にチェックされているため、利用の仕方には十分注意しましょう。
また、勤務先の福利厚生の一環で作れるクレジットカードがあれば、勤務先の信用があるため任意整理後でも作れる可能性があります。
国家公務員や公立・私立学校の職員の人は、以下のような共済系クレジットカードもあるので、検討するとよいでしょう。
【国家公務員】
参照:KKRメンバーズカードのご案内 | KKRホテルズ&リゾーツ | KKR-国家公務員共済組合連合会
【公立学校共済組合の組合員】
参照:公立共済メンバーズカード|公立共済やすらぎの宿【公式サイト】全国の観光・家族旅行・出張は当宿泊予約サイトで。
【私学共済制度加入者】
参照:私学メンバーズカード ~直営宿泊施設の永久利用証~
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カードは、アメリカのクレジットカード会社で日本のクレジットカード会社と審査基準が異なります。
そのため、過去に任意整理をして信用情報に事故情報が掲載されていても、現在安定した収入があれば、審査に通る可能性があります。
アメリカン・エキスプレス・カードには「アメリカン・エキスプレス・カード」と「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」があり、それぞれ年会費が異なります。
- アメリカン・エキスプレス・カード・・・年会費13,200円(税込)
- ANAアメリカン・エキスプレス・カード・・・年会費7,700円(税込)
アメリカン・エキスプレス・カードは、債務整理した人でも作れたという口コミが多数あるため、どうしても任意整理後にクレジットカードを作りたい人にはおすすめです。
まとめ
任意整理しても基本的に家族カードの新規発行や既存カードの使用継続は可能です。
ただし任意整理をした家族が、以前に長期滞納や債務整理をしたクレジットカード会社では、その家族に対してカードが発行されない場合もあるので注意してください。
任意整理した場合に家族カードが使えるかどうかは個々の状況によるので、法律事務所へ一度相談するとよいでしょう。
当サイトでは無料相談できる法律事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に相談してみてください。
家族カードのよくある質問
任意整理しても家族カードは作れますか?
家族カードで信用力を問われるのは、基本的に本会員のみなので、家族会員となる人が任意整理しても家族カードは作れます。
任意整理しても家族カードなら使い続けられますか?
クレジットカード会社は途上与信といって、カード発行後も会員の信用情報をチェックすることがありますが、基本的にチェックされるなは本会員の信用情報なので、家族会員が任意整理しても家族カードは使い続けられます。
夫が本会員になっている家族カードを使いすぎてしまいました。本会員である夫に内緒で家族カードを任意整理できますか?
家族カードを任意整理できるのは本会員のみです。よって本会員に内緒で任意整理はできません。
親カードを任意整理したら家族カードはどうなりますか?
親カードを任意整理すると親カードは利用できなくなり、自動的に家族カードも使えなくなります。
本会員が任意整理をしました。親カードが整理対象の債権者に含まれていない場合、家族カードはどうなりますか?
親カードを任意整理しなかったとしても、本会員の信用情報に事故情報が載っているため、更新などのタイミングで親カードが使えなくなる可能性があります。親カードが使えなくなれば、自動的に家族カードも使えなくなります。
最短即日取立STOP!
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