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2025年05月現在

債務整理のプール金とは?いつ・いくら払えばいいのかなど完全マニュアル

弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、プール金を支払うよう求められる場合もあります。

このプール金とは、法律事務所に毎月払う積立金のことです。

「借金の返済もあるのに、そのうえプール金まで払えない」と依頼後すぐにプール金の支払いが始まることを不安に思う人もいるでしょう。

しかし、借金返済とプール金の積立が被ることは基本的にありません。

また、月々の積立額は手続き後に債権者へ返済する金額を基準に決めるのが一般的で、返済の予行テストと費用の分割払いを兼ねている場合がほとんどです。

このように、プール金は債務整理手続きをするうえで重要な役割を持ち、理由なく請求されることはありません。

プール金のことで不安になったら、まずは無料相談を利用して法律事務所に直接尋ねてみるとよいでしょう。

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債務整理のプール金とは法律事務所に毎月払う積立金のこと

債務整理におけるプール金とは、代理人となる弁護士・司法書士との契約後、その法律事務所に毎月支払う積立金のことです。場合によっては「預り金」などと呼ばれることもあります。

いきなりプール金を支払えと言われると、不安や疑問を抱く人もいるかもしれません。とくに、借金問題を抱えている状況で出費が増えてしまうとなると、不安に思うのも当然でしょう。

しかし、プール金は債務整理手続きをするうえで重要な役割を持っており、理由なく請求されることはありません。具体的にいえば、債務整理の手続き中に必要な出費のために積み立てておくのがプール金であるため、債務整理手続きを円滑に進めるために必要な資金とも言えるでしょう。

ワンポイント解説

○借金返済とプール金積立が被ることはない
「借金の返済があるのに、そのうえ毎月プール金を支払うなんてとても無理」と思う人もいるかもしれませんが、その点は心配ありません。

債務整理を依頼すると、代理人の弁護士(司法書士)から各債権者に受任通知が送られます。受任通知を受け取った債権者は、債務者に直接借金の取り立てをしてはならないと法律で定められているので、一時的に債権者への返済をストップできます。

そのため、借金の返済がなくなって今まで返済に回していたお金をプール金の積立に回せるようになり、プール金の積立が可能になるのです。

法律事務所の方針によってはプール金不要の場合もある

依頼する法律事務所によっては、プール金の積立が必要ない場合もあります。

しかし、法律事務所からプール金の積立を指示されなかったとしても、返済が滞った場合に債権者が待ってくれるわけではありません。

そのため、プール金が不要な法律事務所に債務整理を依頼したとしても、自分で積立をして急な出費に備えておくのがおすすめです。プール金の積立が必要かどうかは、依頼前の面談などで法律事務所に確認するとよいでしょう。

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なぜ債務整理の際にプール金を積み立てるのか?

前の項目では、債務整理の際に積み立てるプール金には重要な役割があるとお伝えしました。

具体的には、プール金を積み立てる理由は主に以下の3つです。

  • 債務者が返済計画どおりに支払えるかテストするため
  • 初回返済額が大きい場合など急な出費に備えるため
  • 弁護士・司法書士への費用を支払うため

次の項目から、それぞれの理由について詳しくお伝えします。

債務者が返済計画どおりに支払えるかテストするため

前提として、債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の手続きがあります。詳しくは後述しますが、プール金が債務整理の必要になるのは任意整理と個人再生の場合が多いです。

そして、任意整理の和解交渉に応じてもらうには、約束した返済計画どおりに支払えることを証明し、債権者に納得してもらう必要があります。

そのため、手続き開始前に、法律事務所では債務者の収支を聞き取り無理のない返済計画を立てますが、実際に積立をした実績がある方が信用を得やすいのはいうまでもありません。

また、個人再生の場合は、再生計画どおり支払える家計状況だと、裁判所に書類を提出して証明しますが、書類提出とは別に申立て後すぐ履行テストをおこなうのが一般的です。

再生計画とは・・・民事再生法に従って作成した返済計画のこと。個人再生では作成した再生計画を裁判所に認可してもらうことで借金の減額や分割返済が可能になる。
履行テストとは・・・再生計画が認可された場合に支払う予定の金額を、一定期間(基本6か月)裁判所から指定された口座へ毎月支払うテストのこと。

履行テストの支払いを確実にできないと、再生計画どおりに返済するのは困難と判断され、再生計画が認可されない可能性が非常に高くなります。

このように、債権者や裁判所に和解案や再生計画を認めてもらうためには、実際に返済計画どおり月々積立をして支払能力があることを証明する必要があります。

プール金の積立は、法律事務所が債務者の支払能力を確認するための予行テストなのです。

初回返済額が大きい場合など急な出費に備えるため

個人再生の場合、裁判所の運用によっては初回返済額を3ヶ月分請求されることがあります。

また、任意整理でも初回に頭金として多く請求されることがありますし、和解交渉を有利に進めるために代理人の弁護士(司法書士)から申し出ることもあります。

そうでなくとも、任意整理や個人再生は3年〜5年の長期計画で返済していくため、返済の途中で冠婚葬祭など予測できない出費が生じる恐れもあります。

このように、急な出費があった場合もプール金を利用できれば、返済が滞って債権者から一括請求を受けたり、再生計画が取消され圧縮された借金が元の金額に戻る事態を避けられます。

弁護士・司法書士への費用を支払うため

債務整理を弁護士・司法書士に依頼するには、費用の支払いが必要になります。

しかし、債務整理を依頼するほとんどの人が、依頼後すぐにまとまった金額を用意して費用の支払いをするのが困難です。

そのため、月々少額で積立をしながら分割で費用を支払えるように、プール金を設定している法律事務所が多いのです。

債務整理の際にプール金が必要になりやすい手続き種類

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の手続きがありますが、すべての手続きでプール金が必要になるわけではありません。結論、任意整理と個人再生をする場合には、プール金が必要になりやすいです。

これは、任意整理と個人再生の場合、手続き後に返済が必要になることが理由の1つとなります。任意整理の場合には債権者との和解条件に沿って返済が必要になり、個人再生の場合には再生計画に則って返済を行います。

債務整理のプール金を用意しておく目的として、「債務者が返済計画どおりに支払えるかテストするため」「初回返済額が大きい場合など急な出費に備えるため」があります。

この目的を考えれば、返済が必要になる任意整理と個人再生の場合にはプール金が必要になりやすいと言えるのです。

ここからは、債務整理の際にプール金が必要になりやすい任意整理と個人再生について、それぞれ解説していきます。

任意整理

任意整理の場合、プール金が必要になりやすいといえます。

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と交渉をする手続きのことです。あくまで返済条件を見直してもらうために交渉を行うため、「任意整理をすれば毎月の返済額が〇〇になる」のように断言することはできません。

とはいえ、弁護士や司法書士は「統一基準」をもとに任意整理を行い、将来利息や遅延損害金を免除するように交渉を行ってもらえるのが基本です。

つまり、任意整理をすることで、利息や遅延損害金を免除してもらい、手続き後は元金自体を返済していくのが基本となります。

なお、返済期間については、3年〜5年程度になるのが一般的ですが、交渉次第ではさらに長期での返済が認められるケースもあります。

個人再生

個人再生の場合も、プール金が必要になりやすいといえます。

個人再生とは、裁判所を通して借金自体の減額を認めてもらうための手続きのことです。どれほど借金が減額されるかは借金総額などによりますが、1/5〜1/10程度に減額されるのが一般的です。

借金自体が減額されるため、任意整理よりも借金減額効果が大きい手続きといえます。

個人再生の場合も、手続き後は減額された元金を3年〜5年程度で返済する流れとなります。

債務整理のプール金の金額は一律で定められはいない

債務整理のプール金の金額は法律などで定められていません。

そもそも、プール金の積立は債務者が返済計画どおりに支払えるかを確認するためのテストでもあります。

そのため、プール金の金額は「手続き後に債権者へ月いくらで返済していくことになりそうか?」を基準に決定するのが一般的です。

「今月は既に債権者への支払いを済ませてしまったので、プール金を支払う余裕がない」という人もいるでしょう。

その場合、事務所によっては代理人の弁護士・司法書士の裁量で、初回金額のみ低く設定するなどの対応をしてくれる場合もあります。

プール金の支払いについて不安があれば、遠慮せず代理人の弁護士・司法書士に相談しましょう。

費用の早期積立が必要な場合はプール金の積立額が上がることもある

月々の積立金額は手続き後の返済額を基準にするとお伝えしましたが、中には例外もあります。

たとえば、「債務整理依頼時点で既にどこかの債権者から訴訟を起こされている場合」などは、一刻も早く債権者と和解し返済を再開する必要があります。

しかし、債権者へ返済しながら弁護士(司法書士)への費用を払うのは債務者に大きな負担となるため、返済再開前に費用の支払いを完了させなければなりません。

そのため、前倒しで費用を積み立てるために、プール金の積立額が上がることがあるのです。

債務整理のプール金は毎月期日までに法律事務所の口座に振り込むのが一般的

プール金は、毎月決められた期日までに指定された法律事務所の口座に振り込むという形で支払うのが一般的です。

期日や振込先口座などの情報は、契約書に記載されていたり、契約の際に別途書面で渡される場合もあります。

もし期日や振込先口座などの情報が分からなくなったら、法律事務所に電話で問い合わせれば教えてもらえます。

事務所によっては土日祝日は電話がつながらず、振込先口座が分からないために支払いが期日に間に合わないと、手続きが止まってしまう恐れもあります。

振込先口座などが分からない時は、期日に余裕をもって確認するようにしましょう。

契約日から1か月以内がプール金の初回期日になりやすい

プール金の支払期日は、初回期日を基準に毎月同じ日に設定するのが通常です。

例えば、初回期日が1月25日だった場合、以降の支払期日は毎月25日となるのが一般的です。

初回期日は代理人の弁護士・司法書士と契約時の面談で決定することが多く、基本的に契約日から1ヶ月以内の日付に設定します。

プール金の積立が遅れると、それだけ債権者へ返済を再開するのが遅くなり、痺れを切らした債権者に訴訟を起こされるリスクがあるからです。

訴訟を起こされると給料や銀行口座などを差押えられる恐れがあるので、代理人の弁護士・司法書士と決めた支払期日は確実に守るようにしましょう。

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債務整理のプール金は債権者への返済に充てられ原則返金されない

積み立てたプール金には、急な出費に備えるための一時預り金という意味もあるため「プール金が返金されることはあるのか?」と気になる人もいるでしょう。

結論、債務整理のプール金は債権者への返済に充てられるため原則返金されません。

特に問題なく債務整理手続きが完了した場合、弁護士(司法書士)への費用を差し引きして余ったプール金は、債務者に返金されるか、債権者への返済に充てられます。

どちらになるかは依頼した法律事務所の方針によりますが、返金せず債権者への返済に充てるケースが多いです。

返金されたとしても債権者へ返済しなければならないことに変わりはありませんが、気になる人は依頼する法律事務所にプール金の扱いについて問い合わせるとよいでしょう。

プール金が返金される可能性があるケース

債務整理手続き中に何らかの理由で手続きを中断する場合は、プール金が返ってくる可能性があります。具体的には、下記のようなケースが該当します。

  • 債務整理を途中でキャンセルした場合
  • 法律事務所が業務停止になった場合

なお、既に支払った分のうちどれくらいの金額が返ってくるかは、手続きの進行状況や法律事務所の運用によって違うため、契約時に詳細を確認するとよいでしょう。

債務整理を途中でキャンセルした場合

債務整理手続きを途中でキャンセルした場合、すでに支払ったプール金の一部が返ってくる可能性があります。

ただし、弁護士・司法書士への費用は主に着手金と報酬金に分かれており、着手金にあたる金額については返金されることは基本ありません。

もし途中で手続きをキャンセルしたくなったら、早めに代理人の弁護士・司法書士に相談することです。

法律事務所が業務停止になった場合

依頼先の法律事務所が業務停止になった場合は、プール金が返金されると考えられます。

ただし、業務停止の手続きや他の依頼者からの問い合わせが集中することもあり、業務停止となった直後の法律事務所では混乱が起きている可能性があります。

そのため、法律事務所が業務停止となってから返金手続きが開始されるまでには、時間がかかると思っておいた方がよいでしょう。

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債務整理のプール金を払えないとどうなるのか?

債務整理において重要な役割を持つプール金ですが、もしプール金を払えなくなった場合、どうなるのでしょうか?

債務整理のプール金を払えない場合、例えば以下のようなリスクが考えられるでしょう。

  • 代理人の弁護士・司法書士に辞任される
  • 代理人の弁護士・司法書士から別の債務整理手続きをすすめられる

次の項目から、プール金を払えなくなった時どうなるのかや、考えられるリスクについてさらに詳しくお伝えします。

代理人の弁護士・司法書士に辞任される

前述したとおり、プール金を積み立てる理由の一つは代理人の弁護士・司法書士への費用を支払うためです。

そのため「プール金が払えない=費用を払えない」として、代理人の弁護士・司法書士に辞任(委任契約を解除)されることがあります。

一般的には「プール金の支払いが2ヶ月滞った場合、辞任する」と委任契約書で定めている法律事務所が多いです。

しかし、延滞前に法律事務所に連絡し、延滞理由などを説明して依頼継続の意思があることを伝えていれば、柔軟に対応してくれるところも多いです。

代理人の弁護士・司法書士から別の債務整理手続きをすすめられる

前述したとおり、プール金の支払いを延滞しても、きちんと連絡していれば親身になって対応してくれる法律事務所がほとんどです。とはいえ、債権者を待たせている以上、法律事務所も何ヶ月も支払いを先延ばしにするわけにはいきません。

そのため、今後長期にわたりプール金を支払うのが困難と判断されてしまうと、別の債務整理手続きへ方針変更するようすすめられる可能性が高いです。

たとえば、最初は任意整理で手続きを進めていた人がプール金を払えなくなった場合、個人再生に方針変更すれば月々の積立額を大幅に減らせる可能性があります。

ただし、個人再生の場合は初回返済額が大きい場合などに備えてプール金でまとまった金額を用意しておく必要があります。また、履行テストで支払いを確実にできないと手続きができなくなる場合もあります。

そのため、個人再生でもプール金の積立が難しい場合は、自己破産への方針変更をすすめられるでしょう。

途中で方針変更するとなると、手続き完了までの期間が延び、そのせいで債権者から訴訟を起こされる恐れもあります。

プール金が必要かどうかにかかわらず、依頼する段階で代理人の弁護士・司法書士とよく話し合い、しっかりと方針を決定することが大切です。

当サイトでは、債務整理に強い弁護士事務所を紹介しています。

自分にはどの債務整理手続きが合っているのか気になる人は、無料相談を受け付けているのでぜひ一度相談してみてください。

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まとめ

借金問題を抱えていて債務整理をしようとした時に、プール金の支払いを求められると最初はびっくりしてしまうかもしれません。

しかし、プール金は債務整理手続きをよりスムーズに行うためにも必要なものであり、後々に必ず自分のためになるお金です。

また、プール金の支払いは返済計画どおり支払いできることを証明するものであり、債務整理手続きの過程において債権者や裁判所、そして依頼先の法律事務所が最も重視していると理解しておきましょう。

自分の収入や生活状況をきちんと話すことで無理のない金額を設定してもらえますし、プール金を払ったことで損になることは決してありません。

債務整理後、将来の返済負担を少しでも軽くするために、プール金は毎回きちんと支払うようにしましょう。

債務整理とプール金についてよくある質問

プール金とはなんですか?

プール金とは、代理人の弁護士(司法書士)との契約後、法律事務所に毎月支払う積立金のことをいい、預り金と呼ぶ場合もあります。

なぜプール金を支払う必要があるのですか?

主な目的は、債務者が返済計画どおりに支払えるかテストするためです。他には、突発的な出費に備えたり、万が一弁護士(司法書士)への報酬を支払えなくなったときにプール金を充当するといった目的もあります。

債務整理のプール金はいつ・いくら支払いますか?

1ヶ月毎に、法律事務所の口座に振り込むのが一般的です。月々の積立額は、債務整理後に毎月返済する金額を基準にします。

プール金は返還されますか?

原則として返還されず、債権者への返済に充てられます。ただし、債務整理を途中でキャンセルしたり、法律事務所が業務停止になったりすると、返還されるケースがあります。

債務整理のプール金を払えないとどうなりますか?

プール金のいらない方法を提案されるか、代理人の弁護士(司法書士)に辞任されて債務整理の手続きがストップします。スムーズに債務整理を進めるためにも、プール金の支払いはしっかりとおこないましょう。

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更新日 : 2025年05月12日
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