任意整理のあと、さらに任意整理の対象となる債権者を増やすのが「追加介入」です。追加介入をすることで、返済の負担を今よりも抑えられるメリットがあります。
一般的に任意整理は、債務整理をする債権者が選べます。「A・B社は任意整理をして返済額を減らす。C社はこれまでどおり返済する」などのイメージです。
たとえば「任意整理後しばらくは問題なく返済できていたが、収入が減りC社の返済が厳しくなった」などという場合、追加介入をすることで負担を抑えられる可能性が高くなります。
とはいえ追加介入にはメリットがある一方、信用情報機関への登録内容が更新される、保証人(いれば)に請求が行くことがあるなどの注意点もあるため、安易に選ぶことはおすすめしません。また必ずしも追加介入が成功するとも限りません。
では、債務整理のあと返済が苦しくなったらどうすればよいのか?
もちろん追加介入も選択肢ですが、ベストな解決策は人によって異なります。そのためまずは任意整理に強い弁護士・司法書士事務所へ相談してください。
任意整理を得意分野とする弁護士・司法書士事務所であれば、追加介入すべきなのか、別の解決策があるのかなど、あなたにもっとも有利な解決策を提案してくれるはずです。
当サイトでは任意整理に力を入れる弁護士・司法書士事務所を紹介しているので、ぜひ複数の事務所へ相談して確かめてみてください。
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この記事でわかること
- 任意整理後に追加介入すると「月々の返済額を減らせる」「利息をカットし返済総額を減らせる」などのメリットがある。
- 任意整理後に追加介入するケースには「一部の債権者だけ任意整理しても返済が苦しい」「収入が減った」場合などがある。
- 任意整理後に追加介入しても返済できない時は、再和解や自己破産・個人再生へ方針を変更して解決するとよい。
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任意整理の「追加介入」とは?
任意整理後に何らかの理由で返済が苦しくなった場合、追加介入することで返済が楽になる可能性があります。
追加介入とは、任意整理の対象とする債権者の数を増やすことです。
例えば、あなたがA社とB社から借入をしており、A社だけを任意整理したとします。
そして和解後、途中で返済が苦しくなり後からB社も任意整理すると「追加介入」となるのです。
この記事では「任意整理後に追加介入するとどのようなメリットがあるのか」や「任意整理後に追加介入する具体的なケース」などについて紹介します。
任意整理後に追加介入するメリット
任意整理後に追加介入するメリットは、主に以下の3つです。
- 月々の返済額を減らせる。
- 利息をカットし返済総額を減らせる。
- 借金を一本化でき返済の管理がしやすくなる。
次の項目から、それぞれ詳しくお伝えします。
月々の返済額を減らせる
追加介入を希望する人が最も期待しているのは「月々の返済額を減らすこと」ではないでしょうか。
任意整理で得られる効果の一つが「月々の返済額を減らせること」であり、任意整理の対象とする債権者が増えれば、それだけ効果が及ぶ範囲も広くなります。
その結果、追加介入前より月々の返済額を減らせる可能性があるのです。
利息をカットし返済総額を減らせる
任意整理で得られる一番の効果は、利息のカットにより返済総額を減らせることです。
利息のカットについても、任意整理の対象とする債権者が増えれば、それだけ効果が及ぶ範囲も広くなり、大幅な返済総額の減額が望めます。
また、任意整理後の返済が順調にできている人にとっても、利息をカットし返済総額を減らせることは大きなメリットといえるでしょう。
借金を一本化でき返済の管理がしやすくなる
特に、多数の金融機関から借入をしていると、返済日や返済方法がバラバラで管理しづらいケースも多いです。
そのような場合は、借入の一部を任意整理するのではなく、すべての債権者を任意整理の対象とすることで、返済日や返済方法を統一できます。
ただし、借金の一本化を目的に追加介入する場合は、すべての債権者を同じ弁護士・司法書士事務所で任意整理しないと、返済窓口を統一できないので注意してください。
なお任意整理後や追加介入は、メリットと同時に「ブラックリストに載る期間が延びる」「財産(自動車など)を引き揚げられるおそれがある」などデメリットも存在します。以下の記事で詳しく説明しているので、あわせてご覧ください。
任意整理後に追加介入するケース
任意整理後に追加介入するケースにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な例をいくつか紹介します。
- 一部の債権者だけ任意整理しても返済が苦しい。
- 未介入の債権者からの借金が増えた。
- 収入が減った。
- 前回の任意整理で大きな効果を実感した。
- 借換えなどで保証人や担保を外せた。
- 転職などで給料口座のある銀行が変わった。
次の項目から、それぞれのケースについて詳しくみていきましょう。
一部の債権者だけ任意整理しても返済が苦しい
任意整理をする際に、一部の債権者を対象から外す理由には、人によってさまざまなものがあります。
- 知人が働いている金融機関は除外したい。
- 自営業を営んでいて、会社名義でも借入している金融機関は外したい。
このように、相手の金融機関の人に知られたくない、迷惑をかけたくないという理由から、特定の債権者を対象から外し、一部の債権者だけ任意整理するケースは多いです。
しかし、任意整理後に返済が苦しくなった場合、何も対処せずにいると任意整理した債権者か任意整理しなかった債権者、どちらかへの返済を滞納することになります。
任意整理しなかった債権者への返済を優先して、任意整理した債権者への返済を滞納した場合、滞納2ヶ月程で一括請求を受け、最終的に給料などを差押えられる恐れもあるのです。
もし、給料が差押えられれば、任意整理しなかった債権者への返済はもちろん、生活自体ままならなくなるので、そうなる前に任意整理しなかった債権者も追加介入するのが一般的です。
「せっかく決心して任意整理しなかった債権者を追加介入するのなら、よりよい条件で和解を勝ち取りたい」と考える人が多いでしょう。
その場合、任意整理に強い弁護士・司法書士事務所を選ぶことが重要です。
実は選ぶ弁護士・司法書士事務所によって得意分野は大きく分かれるため、任意整理の実績が乏しいところに依頼してしまうと、希望どおりの条件で和解できないケースもあります。
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未介入の債権者からの借金が増えた
依頼した時点で「残高が数万円など少額の借金しかない債権者」は、任意整理するメリットが薄く費用がもったいないとして、任意整理の対象から外すことが多いです。
ところが、和解後しばらくすると、任意整理しなかった債権者からの借金が増えている人は少なくありません。
任意整理後に生活が苦しくなった時などに、任意整理した債権者からは借りられないため、任意整理しなかった債権者から新たに借金をしてしまうのです。
こうなると、借金が増えた債権者への返済が家計を圧迫し、ますます生活が苦しくなるため、任意整理しなかった債権者も追加介入することになります。
収入が減った
任意整理後に転職や勤務先の業績悪化などで、収入が減ってしまう人は珍しくありません。
任意整理の和解条件は、任意整理前における債務者の収入状況を基準にしているので、収入が減れば、今までどおりの条件で返済することが難しくなります。
収入の減少が一時的なものであれば、債権者と交渉し返済を待ってもらうなどして、対応できる場合もあります。
しかし、今後も収入が回復する見込みがないのなら、まだ任意整理していな債権者を追加介入して、月々の返済額を減らすことになるでしょう。
前回の任意整理で大きな効果を実感した
なかには、任意整理後の返済が順調にできているにもかかわらず、追加介入を希望する人もいます。
例えば「前回は初めての任意整理で試しに1社だけ依頼したけれど、とても効果があったので他の債権者も追加介入したい」というようなケースです。
このような人は、追加介入による借金の一本化やさらなる利息のカットで、より効率よく借金の早期完済を目指したいと考えています。
借換えなどで保証人や担保を外せた
保証人や担保が設定されている借金は、任意整理すると保証人に迷惑がかかったり、担保となっている不動産などを没収されてしまうため、任意整理の対象から外すことが多いです。
しかし、例えば保証人や担保が設定されている借金を、保証人・担保不要のローンなどで一度完済する借換えなどをおこなえば、保証人や担保を外すことも可能です。
そのため、任意整理時は保証人や担保が設定されていて対象から外した借金も、返済途中で借換えなどをおこない、保証人や担保を外したうえで後から追加介入することもあります。
転職などで給料口座のある銀行が変わった
給料口座のある銀行から借入している人は多いです。
そのような人が任意整理する場合、給料口座のある銀行からの借金を任意整理すると、給料口座が凍結されてしまいます。
そのため、通常は給料口座を任意整理の対象でない別の銀行の口座へ移してから、借入している銀行を任意整理します。
ところが、給料口座が会社指定の場合、給料口座の変更は簡単ではありません。
どうしても給料口座を変更できない場合は、給料口座のある銀行を任意整理の対象から外し、一部の債権者のみ任意整理するのが一般的です。
そして、転職などをきっかけに給料口座を変更できるようになると、そのタイミングで元々給料口座のあった銀行からの借金を追加介入するケースも少なくないのです。
ここまで紹介したように、任意整理後に追加介入するケースには、実にさまざまなものがあります。
また、紹介したのはほんの一例で、必ずしも上記のケースに当てはまる人だけに、追加介入するメリットがあるわけではありません。
- 一度任意整理をしたけど、もっと返済を楽にできないか?
- 任意整理後の返済がまだ残っているけど、既に返済が苦しくなってきた・・・
このような疑問や不安がある場合は、ぜひ一度、任意整理に強い弁護士・司法書士事務所へ相談してみてください。
経験豊富な専門家が追加介入はもちろん、それ以外の解決策も視野に入れてアドバイスしてくれます。
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任意整理後に追加介入しても返済できない時の解決策
追加介入は、任意整理後に返済が苦しくなった時、大変効果的な解決策です。
しかし、なかには追加介入しただけでは状況が改善せず、返済が苦しいままという人もいるでしょう。
追加介入しても返済できない状況が変わらない場合、以下のようなさらなる解決策を講じる必要があります。
- 再和解する。
- 自己破産や個人再生へ方針を変更する。
次の項目から、それぞれの解決策について詳しくお伝えします。
再和解する
既に任意整理で和解している債権者への返済が滞っており、一括請求や裁判所からの通知が届いている状況なら、再和解を検討しましょう。
再和解とは、一度任意整理で和解した債権者と、再び返済条件の交渉をすることです。
再和解は、一般的に1回目の任意整理より難易度が高く、和解条件が厳しくなる恐れがあります。
依頼する際は任意整理の実績をしっかりと確認し、経験豊富な弁護士・司法書士事務所を選びましょう。
任意整理の再和解について、さらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
自己破産や個人再生へ方針を変更する
追加介入や再和解でも返済が苦しい場合、任意整理以外の債務整理へ方針を変更することも検討してください。
任意整理以外の債務整理は、主に「自己破産」と「個人再生」の2つです。
自己破産 |
20万以上の価値ある財産を手放す代わりに借金を全額免除してもらう。 |
個人再生 |
20万以上の価値ある財産を手放さずに借金を約1/5に圧縮し、3~5年で分割返済する。借金の圧縮割合は、借金総額によって異なる。 |
例えば、自己破産は家や車など所有している財産を失う恐れがある代わりに、最も借金の負担を減らせる方法です。
また、個人再生なら基本的に財産を手放す必要はなく、条件を満たせばローンの残る住宅も手元に残せます。
どちらも任意整理より大幅に借金の負担を減らせるので、任意整理では解決できない借金問題に有効な方法です。
どちらの方法が合っているかは個々の状況によるので、弁護士・司法書士事務所へ直接相談するとよいでしょう。
なお、任意整理をしたあとに返済が困難になった場合のリスクや、自己破産と個人再生の概要、任意整理中の方が自己破産に切り替える際の注意点などを知りたい場合は、こちらの記事も併せて参考にしてください。
まとめ
任意整理後に返済が苦しくなった場合は、追加介入することで返済が楽になる可能性があります。
追加介入するケースにはさまざまなものがあり、実際に追加介入するべきかは個々の状況によるので、弁護士・司法書士事務所へ直接相談するのがおすすめです。
特に任意整理に強い弁護士・司法書士事務所へ相談すれば、追加介入はもちろん、それ以外の解決策も視野に入れてアドバイスをしてくれます。
もし、追加介入では解決が難しい状況でも、他の債務整理なども視野にいれて最善の解決策を提示してくれるので、ぜひ無料相談を利用して弁護士・司法書士事務所へ相談してください。
任意整理の追加介入でよくある質問
任意整理の追加介入とは何ですか?
任意整理の対象にする社数を増やし、返済総額を下げる方法です。
任意整理後に追加介入するメリットは?
・月々の返済額を減らせる
・利息をカットし返済総額を減らせる
・借金を一本化でき返済の管理がしやすくなる
などのメリットがあります。
任意整理後に追加介入するのはどのようなケースですか?
・任意整理後に収入が減り、一部の債権者だけ任意整理しても返済が苦しい
・前回の任意整理では試しに1社だけ介入したが、とても効果があったので借金の一本化やさらなる返済総額の減額を目指したい
・転職などで給料口座のある銀行が変わり、介入できる債権者が増えた
など、任意整理後に追加介入するケースにはさまざまなものがあります。
任意整理後に追加介入したい場合どこに相談すればよいですか?
任意整理の実績豊富な法律事務所へ相談するのがおすすめです。任意整理の実績が豊富なら、より債務者に有利な条件で和解を勝ち取ってくれる可能性が高いです。なお、実際に依頼する法律事務所は、複数のところに相談して実績を比べたうえで決めるとよいでしょう。
任意整理後に追加介入しても返済できない場合どうすればよいですか?
任意整理後に追加介入しても返済できない場合、前に任意整理で和解した債権者と再和解するか、自己破産や個人再生へ方針を変更して解決することが多いです。債務者の状況にもよりますが、どちらの方法も追加介入より借金の負担を減らせる可能性があります。
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