楽天カードの支払いは任意整理で減額できる
ネットショッピングサイト「楽天市場」で有名な楽天グループ、そのクレジットカード事業を担っているのが楽天カード株式会社です。楽天カード株式会社が発行するクレジットカード「楽天カード」は、年会費無料、ポイント還元率が高いなどの理由から、国内トップクラスの人気を誇ります。
しかし、その便利さゆえに楽天カードを使いすぎてしまい、支払いが困難になってしまう人も多いです。
楽天カードの支払いが厳しくなり「なんとか支払いを減額する方法はないか?」と探している人は、弁護士や司法書士に相談し、任意整理の検討を視野にいれるとよいでしょう。
任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉して将来利息をカットや減額し、3〜5年の長期分割で完済を目指す方法です。将来利息がカットされるので支払総額が減り、個々の状況によっては月々の支払額も大幅に減額できる可能性があります。
ただし任意整理をすると、信用情報に事故情報が掲載されてしまいます。完済から5〜7年程度で事故情報は消えますが、それまではクレジットカードの発行や借入、携帯電話の分割払いができなくなってしまいます。
そのため、親族に頼ったり低金利の金融機関や貸金業者への借り換えを検討したりしても、どうしても返済できない場合の手段と考えるべきです。
なお、当サイトでは任意整理に力を入れている弁護士・司法書士を多数紹介しているので、まずは無料相談を利用してみてください。
楽天カードを任意整理した場合の一般的な和解条件
任意整理は裁判所を介さない任意の交渉事であり、応じるかどうかの決定権は債権者(楽天カード)にあります。
近年では大手の消費者金融やクレジットカード会社でも、厳しい和解条件を提示してくるケースが多くなりつつありますが、その中でも楽天カードは比較的交渉に応じてくれやすい傾向にあります。
ただし「任意整理を開始してから3ヵ月以内に和解が成立しなければ条件が厳しくなる」という特徴があるため早期和解を目指しましょう。
次の項目からは、楽天カードを任意整理した場合の和解条件について解説します。
将来利息は原則として全額カット
楽天カードを任意整理する場合、将来利息のカット(任意整理後に付加される利息を0にすること)はほとんどのケースで可能です。他社では取引期間が短い場合などに将来利息を一部(5%〜10%程度)要求されるケースがあることを考えると、楽天カードは任意整理に協力的な業者といえます。
また、楽天カードの支払いが厳しくなっている人のなかには、ショッピング利用を主としているケースも多いでしょう。
任意整理をした場合、ショッピング利用分についても将来利息カットの交渉が可能です。現在、分割払い・リボ払いを利用していて「なかなか元金が減らない」「利息ばかり払っている」と悩んでいる人にとって、任意整理は大きなメリットがあるといえます。
3ヶ月以内に和解すれば経過利息・損害金のカットにも応じてもらえるケースあり
任意整理をすれば将来利息のカットが見込めますが、任意整理を開始してから3ヵ月以内に和解できる場合は、経過利息や遅延損害金のカットに応じてもらえるケースもあります。
●経過利息:弁護士・司法書士との契約日から債権者との和解交渉成立までに発生した利息
●遅延損害金:支払期日に遅れた場合に支払期日の翌日から延滞分を支払うまで発生する損害賠償金
ただし、楽天カードの取引期間が5年以上ある場合に限られるため、取引期間が短い人はカットに応じてもらえません。
楽天カードは任意整理を開始してから3ヵ月以内に和解できるのであれば、カットできる利息の範囲や月々の支払額などにおいて、比較的柔軟な和解内容になる場合が多いようです。しかし、3ヵ月以上経過すると、経過利息や遅延損害金のカットは原則できなくなるほか、月々の支払額などの条件も厳しくなる可能性が高くなります。
こちらについては、3ヵ月以内に和解が成立しない場合は条件が厳しくなるで詳しく説明します。
残った元金は原則として5年での分割払い
楽天カードを任意整理した場合、利息をカットした後の元金は5年(60回)以内の分割払いで支払うのが原則です。そのため5年以上の分割払いには、応じてもらえない場合がほとんどです。
取引期間が短い場合などは2〜4年以内に支払うよう要求してくる業者も多いなか、楽天カードはほぼすべてのケースで5年での分割払いに応じてくれます。これは、3ヵ月以内に和解できなかった場合でも同様です。
しかし取引期間が3年未満の場合、長期分割(3年以上)には応じてもらえないケースもあります。
もし取引期間が短い状態で任意整理を行い、長期分割の交渉をする際は、その時点の収支状況や他の債務状況などを詳しく説明したうえで交渉する必要があるでしょう。
任意整理後の月支払額は最低3,000円以上
任意整理をする場合、和解後に支払う月々の支払額には最低金額が設けられていることが一般的です。
楽天カードの場合、最低金額は3,000円なので、分割回数は必ず「借金額÷3,000円」より少なくなります。
とくに借金額が少額の場合は、分割回数が60回以下になる可能性が高いです。
なお返済再開時期は、和解成立後3ヵ月まで待ってもらえます。
3ヵ月以内に和解が成立しない場合は条件が厳しくなる
前述しましたが、楽天カードの任意整理に着手後3ヵ月以内に和解できない場合は、条件が厳しくなります。
楽天カードを長期間滞納していると「パルティール債権回収」という業者に債権譲渡される場合があります。
債権譲渡とは、債権の内容を変えずに債権を移転することです。
パルティール債権回収に債権譲渡されたあとに任意整理をする場合、パルティール債権回収との交渉が必要です。
そのため楽天カードの対応より厳しい和解条件になり、経過利息や遅延損害金のカットは原則できなくなったり、月々の支払額などの条件が厳しくなったりする可能性があります。
場合によっては、将来利息のカットを認めないといったケースもありえるため、長期間滞納のまま放置しないことが大切です。
楽天カードを任意整理する場合の注意点
楽天カードの支払いが厳しい場合、任意整理は有効な解決策となり得ます。
ただし、実際に任意整理を行う際にはいくつか注意点もあるので、しっかりと把握したうえで慎重に検討する必要があるでしょう。
楽天カードを任意整理する場合の注意点は、以下のとおりです。
- 信用情報に事故情報が掲載される
- 和解条件や交渉成立の可否は楽天カード次第
- 楽天カードに過払金請求はできない
- ショッピングのみ・キャッシングのみの整理は不可
- 【楽天銀行カードローンを利用している場合】楽天銀行カードローンも任意整理が必要
- 【楽天銀行カードローンを利用している場合】楽天銀行の口座が凍結される
次の項目から、それぞれの注意点について詳しくみていきましょう。
信用情報に事故情報が掲載される
任意整理をすると、そのことが事故情報として信用情報に掲載されます。
信用情報・・・ローンやクレジットカードの借入金額や支払状況、滞納の有無などについて記録された情報。
この事故情報が掲載されている間は、カード利用者の生活にさまざまな影響が生じます。
具体的には以下のとおりです。
- クレジットカードの更新・作成・利用が難しくなる
- キャッシングやローンなどの借入が難しくなる
- スマホ本体代の分割払いが難しくなる
- 賃貸契約を断られる可能性がある
- 保証人になれなくなる
なお、信用情報に掲載された事故情報はずっと残り続けるわけではなく、任意整理した借金を完済してから5〜7年経過すれば削除されるのが一般的です。
※任意整理などの債務整理をすることによる信用情報への影響について、詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
和解条件や交渉成立の可否は楽天カード次第
前述したように、任意整理は裁判所を介さない任意の交渉事です。
法的強制力の伴わない手続きゆえに、和解条件や交渉成立の可否は債権者(楽天カード)次第といえます。
ただし、楽天カードは基本的に任意整理に対して協力的なので、他社の任意整理と比べても良い条件で和解が成立する可能性が高いでしょう。
交渉が長期間になると裁判を起こされる可能性がある
楽天カードは任意整理に協力的な業者ですが、交渉が長期間になると裁判を起こされる可能性があります。
ただし、任意整理後3ヵ月以内に和解できなければ、すぐに裁判を起こしてくるわけではありません。半年以上滞納していると、裁判を起こされる可能性が高いでしょう。
なお弁護者や司法書士などに任意整理を依頼していると、裁判を起こされるまでの期間が長くなる傾向にあります。
楽天カードに過払金請求はできない
任意整理を行う際は、過払金が発生していないかどうかを同時に調査します。
過払金とは、利息制限法で定められた金利の上限を超えて支払った利息で、発生している場合は過払金請求をすれば後から取り戻すことが可能です。
しかし楽天カードには過払金が存在しないため、任意整理をしても過払金は戻ってきません。
2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行されてからは、利息制限法の上限を超える金利で貸付を行なう業者はなくなったとされているからです。
楽天カードは、改正貸金業法が完全施行された後に設立された比較的新しいクレジットカード会社のため、過払金は発生しないと考えられます。
なお、以前は楽天グループに楽天KC株式会社(旧:国内信販株式会社)というクレジットカード会社があり、利息制限法の上限を超える金利で貸付を行っていました。そのため、過払金請求によって払いすぎた分の利息を取り戻すことが可能でした。
ただし、楽天KC株式会社はJトラスト株式会社に売却されたため、任意整理や過払金請求の相手はJトラスト株式会社になります。楽天カードと楽天KCは全く別の会社であるため、過払金請求を行う際は、請求先を間違えないようにしましょう。
キャッシングのみ・ショッピングのみの整理は不可
楽天カードの任意整理を検討中の人で、キャッシング枠とショッピング枠の両方を利用している人は多いでしょう。この場合、どちらか一方だけの任意整理はできません。
楽天カードを任意整理するのであれば、キャッシング枠とショッピング枠の両方を同時に整理する必要があります。たとえば「キャッシング枠だけを任意整理してショッピング機能は使い続ける」といったことはできないのです。
そのため、楽天カードで公共料金や家賃などの各種料金の引き落としを行っている場合は、任意整理をすると引き落としができなくなります。楽天カードで引き落としている料金については、任意整理を開始する前に、支払方法を口座引き落としや振込などに変更しておきましょう。
【楽天銀行カードローンを利用している場合】楽天銀行カードローンも任意整理が必要
楽天カードのほかに楽天銀行カードローンも利用している場合は、基本的にどちらか一方だけを任意整理することはできません。
- 楽天カードを任意整理する場合→「楽天銀行カードローン」も任意整理する必要がある
- 楽天銀行カードローンを任意整理する場合→「楽天カード」も任意整理する必要がある
これは、楽天銀行カードローンの保証会社に楽天カードが設定されているケースが多いことが原因です。
楽天銀行カードローンの保証会社に楽天カードが設定されている場合、楽天カードを任意整理すると楽天カードからの保証が受けられなくなるため、楽天銀行カードローンも利用できなくなります。また楽天銀行カードローンを任意整理すれば、代位弁済をした楽天カードから請求を受けることになるため、楽天カードと改めて任意整理をする必要があります。
代位弁済・・・債務者が何らかの理由で借金の返済ができなくなったとき、保証会社(この場合は楽天カード)が債務者に代わって債権者(この場合は楽天銀行)に借金を返済すること。
楽天銀行カードローンと楽天カードのうち、どちらか一方を任意整理するともう一方も利用できなくなったり、任意整理する必要がでてきたりします。そのため、弁護士や司法書士へ任意整理の相談をすると、両方同時に任意整理するようすすめられることが一般的です。
【楽天銀行カードローンを利用している場合】楽天銀行の口座が凍結される
前述したように、楽天銀行カードローンを利用している場合には、楽天カードと同時に楽天銀行カードローンについても任意整理が必要です。この際、楽天銀行の口座が一時的に凍結されてしまいます。
口座が凍結されると、以下のような取引ができません。
- 預金の引き出し
- 給料や公的給付(児童手当・年金など)などの振込
- 公共料金や保険などの引き落とし
- ATMを利用した取引
そのため、任意整理を開始する前に預金を引き出しておいたり、各種料金の引き落としや給料振込などの口座を変更したりする必要があります。とくに、預金が残っている状態で口座が凍結されてしまうと、預金残高が楽天銀行カードローンの残債務と相殺されてしまうため、忘れずに引き出しておきましょう。
口座の凍結は1〜3ヵ月程度で解除されることが一般的で、その後は今までどおりの銀行取引が可能になります。
なお、楽天銀行カードローンを利用していない場合は、楽天カードを任意整理しても楽天銀行の口座が凍結されることはありません。
楽天カードが任意整理に応じないケース
楽天カードは、任意整理に協力的な業者です。
しかし以下の場合は、任意整理に応じてもらえない場合があります。
- 楽天カードの利用期間が短い場合
- 返済能力が不足している場合
- 楽天カードが不利な条件を提示した場合
それぞれ詳しく解説していきます。
楽天カードの利用期間が短い場合
楽天カードの利用期間が1年未満の場合や返済回数が少ないケースでは、任意整理に応じてもらえない可能性が高いです。
利用期間が短い場合、カード会社に「初めから返済する意思がなく、借金を踏み倒す目的でカードを作ったのではないか」と疑われる可能性があるためです。また利用期間が短いと、カード会社も利息などの収益が得られていないため、任意整理に応じるメリットが少ないといえます。
このような状況を防ぐには、1年以上カードの利用と返済を継続し、誠実な利用履歴を作る必要があります。
返済能力が不足している場合
返済能力が不足している場合も、任意整理に応じてもらえない場合があります。
たとえば次のようなケースが該当します。
- 収入が安定していない場合や極端に低いケース
- 多重債務で返済できる余裕がないケース
- 収入の見込みが立たないケース
これらの場合、任意整理をしても返済を滞納する可能性が高いと判断され、任意整理に応じてもらえない可能性が高くなります。
返済能力を証明するためには、安定した収入を確保して、具体的な返済計画をたてることが大切です。なおパートやアルバイトの場合でも、継続した収入があれば任意整理に応じてもらえる可能性は高いです。
また必要に応じて、家族のサポートを受けるなど、返済の確実性を高める工夫をするとよいでしょう。
楽天カードに不利な条件を提示した場合
楽天カード側に不利になるような条件を提示した場合は、任意整理に応じてもらえない可能性が高くなります。
たとえば、次のような条件が該当します。
- 5年以上の分割払いを要求した場合
- 元金の減額を要求した場合
- すべての利息や遅延損害金の完全免除を要求した場合
楽天カードは3〜5年の分割払いには応じてくれますが、5年を超えた分割払いの交渉は困難です。
自分だけが有利になる条件を提示するだけでは、和解交渉は進みません。
任意整理の交渉をする際は、債務者・債権者(楽天カード)の双方にとって妥当な条件を提示するようにしましょう。
楽天カードが任意整理に応じてくれない場合の対処法
楽天カードが任意整理に応じない場合は、以下の対処法を講じるとよいでしょう。
- 楽天カード以外の債権者と任意整理をする
- 借金の元本を減額できる個人再生を検討する
- すべての借金を免除できる自己破産を検討する
それぞれ解説します。
楽天カード以外の債権者と任意整理をする
楽天カード以外からの借入がある場合は、ほかの債務の任意整理を検討してみましょう。
たとえば、楽天カードの利用期間は3ヵ月ほどでも、他社からの借入が1年以上ある場合には、そちらの債務を優先的に任意整理をするのです。この方法は、楽天カードの借金がほかの債務と比べて少ない場合は、とくに有効です。
仮に楽天カードの債務が25万円で、他社の借金合計が150万円だったとしましょう。この場合ほかの債権者との任意整理が成功し、利息の免除や返済期間の延長ができれば、月々の返済額を大幅に減額できる可能性があります。
その結果、借金合計額が減り、全体的な財務状況が改善される可能性が高くなります。
借金の元本を減額できる個人再生を検討する
個人再生は個人民事再生とも呼ばれ、債務全部の返済が困難なことを裁判所に認めてもらって債務額を大幅に減額し、3〜5年で残債を返済していく債務手続きです。
個人再生のメリットとデメリットは、以下表のとおりです。
メリット |
・ローン返済中の自宅を残して借金を大幅に減額できる
・免責不許可事由がなく、どのような理由の借金にも利用できる
・職種を制限されない
・手元に資産を残したまま手続きができる
・裁判所を介して手続きをするため強制力がある |
デメリット |
・書類が多く、手続きも難しいため時間がかかる
・手続き費用が高額になりやすい
・信用情報に事故情報が掲載される
・ 個人再生手続きをしたことが官報に掲載される
・ 借金に保証人がついている場合、保証人へ返済請求される |
個人再生手続きが認められると借金の元本が1/5〜1/10に減額されますが、返済はし続けなければならないため、安定した収入が必要です。返済を滞納すると、最悪の場合認可が取り消され、借金が元の状態に戻ってしまうため支払いは滞らないようにしましょう。
また、個人再生の手続きをしても、罰金や税金は減額対象にはなりません。税金や健康保険料などの公租公課は、個人再生の手続き上では優先的な債権として取り扱われるため、再生手続きと関係なく支払う必要があります。
個人再生は条件が厳しく、手続きも複雑で必要書類も多いため、自分で個人再生手続きが可能か判断するのは困難です。そのため個人再生を行う場合は、弁護士へ依頼するとよいでしょう。
個人再生について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
すべての借金を免除できる自己破産を検討する
自己破産とは、財産や収入が不足して借金返済の見込みがないことを裁判所に認可してもらい、原則として借金の支払義務を免除してもらう手続きです。
自己破産には次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット |
・借金の返済義務が免除される
・債権者からの請求や催告が止まる
・生活に必要な最低限の財産は残せる |
デメリット |
・ブラックリスト(信用情報)に掲載される
・20万円以下の財産しか手元に残せない
・官報に掲載される
・資格が制限される職業がある
・郵便物や移動が制限される
・市町村役場の破産者名簿に登録される
・破産者が返済できなかった借金は保証人に請求される
・弁護士や裁判所などに費用を支払う必要がある |
自己破産は債務が少ない場合や、返済能力がある場合は利用できません。
またギャンブルや過大な浪費、株為替取引などが原因で借金をした場合や自分の財産を隠した場合などは免責不許可に該当し、自己破産が認められない場合があります。税金や社会保険料、養育費、元配偶者に対する損害賠償などの非免責債権についても支払い義務が残ります。
なお自己破産をすると、ほとんどの借金は免責されますが、高額な財産は処分しなければなりません。そのため、ほかの債務整理ではどうしても返済できない場合の最終手段と考えるべきでしょう。
自己破産が適切な方法か個人で判断するのは難しいため、弁護士にアドバイスを受けながら慎重に判断することが大切です。
自己破産について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
楽天カードを任意整理する際の流れとかかる期間
任意整理の流れやかかる期間は、以下のとおりです。
- 弁護士または司法書士に相談し、委任契約を結ぶ
- <楽天カードに受任通知を送付する:即日~1週間程度/li>
- 取引履歴の開示を請求し「引き直し計算」を行う:2週間~2カ月程度
- 和解交渉をする:2~3ヵ月程度
- 返済を再開する:3~5年程度
・受任通知:弁護士が債務者の代理人になって債務整理手続きを行うことを、債権者に知らせる通知
・引き直し計算:債権者との間で行われたすべての貸し借りについて、適切な利率に直して利息を計算し直すこと
任意整理を弁護士や司法書士に依頼してから、返済が再開されるまでにかかる期間は3〜6ヵ月程度です。ただし債権者が交渉に応じてくれなかったり、和解内容がなかなかまとまらなかったりすると、長引く場合もあります。
なお、返済の再開から借金が完済するまでの期間は3〜5年間です。また借金を完済してから信用情報の事故情報が消えるまでの期間は、5年程度かかります。
たとえば任意整理の手続き後、5年で借金を完済した場合は、その後5年は事故情報が掲載されるため、10年間はカードは作れません。事故情報が削除されると、クレジットカードの発行・借入ができるようになるため、再びカードを作成できるようになるまでの期間の目安にするとよいでしょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
楽天カードを任意整理した人の体験談
この項目では、実際に楽天カードを任意整理した人の体験談を紹介します。
体験談を読めば、楽天カードを任意整理した後の生活をイメージしやすくなるでしょう。
任意整理をしようか迷っている人は、参考にしてください。
毎月の支払額が5万円→1万7,000円に減った事例
ネットショッピングをよく利用していたAさんは、ポイントが貯まるということで楽天カードを作り買い物に使っていました。
はじめは、買い物だけのクレジットカードの使用でしたが、徐々にキャッシングも利用するようになりました。
他にもローンなどの借入れがあり、支払いが困難になったAさんは任意整理を行うことになりました。
楽天カードの任意整理を行った結果、それまで月々5万円だった支払い額は、月々1万7000円にまで減り、今後は利息はカットされて60回の分割の支払いで良いということになりました。
引用元:楽天カードの任意整理 - 茨城つくば債務整理の相談窓口
上記は、楽天カードを任意整理した結果、毎月5万円の支払いが1万7000円に減り、月々3万3,000円の減額に成功した事例です。
また、Aさんの場合は毎月の支払額が減ったことに加えて、将来利息の全額カットや最長期間である5年(60回)の分割払いにも応じてもらえているため、かなりの好条件で和解が成立したことがわかります。
「5年の分割払い、今後の利息・リボ手数料の支払いなし」で和解できた事例
楽天市場で買物をするとポイントが貯まるという理由で、Aさんは2020年に楽天カードを作りました。
はじめは、買物だけの利用でしたが、徐々にキャッシングも利用するように。
支払いが難しくなったAさんは、任意整理を行うことになりました。
(中略)
・楽天カードの支払い残:132万3092円
(キャッシング:43万7042円・買物分:88万6050円)
任意整理を行い、5年(60回)払い・今後の利息・リボ手数料の支払いはなしとする、和解が成立しました。
初回:2万5092円・以後毎月2万2000円×59回とする分割払いが成立しました。
引用元:楽天カードの任意整理(2022年)楽天カードの返済が苦しい場合は必見
上記は、楽天カードを任意整理した結果「5年(60回)の分割払い、今後の利息・リボ手数料の支払いなし」という条件で和解が成立した事例です。
とくに、楽天カードの金利は、ショッピングよりキャッシングのほうが年率3%程度高く設定されています。キャッシングの利用もあったAさんにとって、今後の利息・リボ手数料の支払いなしという条件は、かなりメリットが大きかったことでしょう。
楽天カードを含めた3社と和解できた事例
離婚をきっかけに、以前から持っていた楽天カードを利用し始めたTさん。
仕事が安定するまでは、楽天カードや他のカードで生活費を補っていたようです。
その後、仕事も安定してきましたが、今度はカード払いで生活費が圧迫されることに。
元金が減らず、これ以上借金が増えることを防ぐため、任意整理を行うことになりました。
(中略)
・楽天カードの支払い残:42万0090円
(キャッシング:15万0741円・買物利用分:26万9349円)
・3社合計の支払い残:114万円
Tさんは、楽天カードと合わせて3社の任意整理を行いました。
楽天カードは5年の分割払いで毎月7000円の返済へ。
3社合計で、毎月2万円の支払いとなる任意整理を行いました。
引用元:楽天カードの任意整理(2022年)楽天カードの返済が苦しい場合は必見
上記は、楽天カードを含めた3社を任意整理した結果、楽天カードについては「5年の分割払い、毎月7000円の返済」という条件で和解できた事例です。
Aさんの場合も、最長期間である5年(60回)の分割払いに応じてもらえているため、かなりの好条件で和解が成立したと考えられます。
ここまで、3つの体験談を紹介しましたが、どのケースも5年(60回)の分割払いにて和解が成立しています。楽天カードを任意整理する場合は、高確率で5年(60回)の分割払いに変更できることがわかるでしょう。
任意整理後に楽天カードは作れる?
楽天カードは「ポイント還元率が高い」「楽天市場でのショッピング利用でさまざまな特典を受けられる」などの理由から、多くの利用者に愛されているクレジットカードです。
そのため、任意整理後に楽天カードを作成したいと考えている人は多いでしょう。
実際のところ任意整理後に楽天カードを作ることは可能なのでしょうか?
次の項目で、詳しく解説します。
楽天カードを任意整理の対象に含めていなければ作れる可能性はある
結論からいうと、任意整理後でも楽天カードを作れる可能性は0ではありません。
ただし、任意整理の際に楽天カードを整理対象から外していることが絶対条件となります。
なお、楽天カードを整理対象から外しても、任意整理後しばらくしてから強制解約になるケースがあります。その場合、再び楽天カードを作るのは難しくなる可能性が高いです。
任意整理後に強制解約となった時点で、楽天カードには信用情報に事故情報が載っている事実を知られている可能性が高いです。事故情報が載っているということは「契約どおりに支払いができず、延滞や債務整理などをした人」とみなされます。そのため「カードを発行してもきちんと支払いをしてくれないのでは?」と警戒されてしまうのです。
クレジットカード会社にもよりますが、過去に事故情報が載っていた事実を会社独自の顧客情報に記録されてしまうと、その情報は半永久的に残り続けます。したがって、再び楽天カードを作ろうとしたとき、入会審査に通りにくくなってしまう可能性が高いのです。
任意整理後も楽天カードを使い続けたい場合は、任意整理をする前に楽天カードを解約しておき、事故情報が消えてから再び作り直したほうがよいでしょう。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
作れるのは任意整理した借金を完済してから5年経過してから
任意整理の際に楽天カードを整理対象から外していたとしても、任意整理後すぐに楽天カードが作れるわけではありません。
前述したように、任意整理をすると信用情報に事故情報が載るため、楽天カードを含むクレジットカードの入会審査に通らなくなります。
信用情報に載った事故情報は、一般的に任意整理した借金を完済してから5〜7年経過すると消えるといわれているので、楽天カードを作れるのはその後と考えてください。
なお、信用情報から事故情報が消えるまでの期間はあくまでも目安です。そのため信用情報の開示を行い、事故情報が消えていることを確認してから、楽天カードの入会審査に申し込むことをおすすめします。
信用情報の開示方法について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
楽天カードを任意整理の対象に含めた場合は作れない
楽天カードを任意整理の対象とした場合、完済から5年以上が経過しても楽天カードの再発行は、ほぼ不可能と考えたほうがよいでしょう。
楽天カードを任意整理すると、任意整理した段階で強制解約となり使えなくなります。
そして、楽天カード株式会社独自の顧客情報に任意整理をしたという情報が記録され、その情報はグループ会社などにも共有されます。
会社独自の顧客情報に載った情報は、信用情報に掲載された事故情報のように時間が経っても自動的に消えることはありません。そのため、楽天カード株式会社やそのグループ会社では、ほぼ永久的にクレジットカードを発行できなくなるのです。
まとめ
楽天カードは、基本的に将来利息の全額カットや5年(60回)での分割払いなどに応じてくれるため、任意整理によって支払い負担を軽減しやすい業者といえます。
ただし楽天カードを任意整理すると、信用情報に事故情報が掲載されます。事故情報は5〜7年程で消滅しますが、クレジットカードが作れなくなったり、スマホ本体の分割払いができなくなったりするのです。
また楽天カードを任意整理する場合「ショッピングのみ・キャッシングのみの整理は不可」「楽天銀行カードローンを利用している場合、楽天銀行の口座が凍結される」などの注意点もあります。
そのため任意整理は、親族に頼る、低金利の貸金業者に借り換えるなどの対策を講じても、返済ができない場合に検討すべきでしょう。そのうえで任意整理をすると、どのような条件で楽天カードと和解することになるのか詳しく知りたい場合は、弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。
当サイトでも、任意整理を積極的に扱う弁護士や司法書士を多数紹介しているため、任意整理を検討している人は、無料相談を利用してみてください。
楽天カードの任意整理についてよくある質問
楽天カードを任意整理したら楽天ポイントは失効しますか?
楽天カードを任意整理しても楽天ポイントは失効せず、引き続き保有・利用することは可能です。
保有する楽天ポイントが失効するのは楽天会員を退会した場合だけで、楽天カードの強制解約は楽天会員の退会ではありません。
ただし、楽天カードを任意整理したことによる強制解約の場合、カードの再発行は認められないため、楽天カードを新しく発行してポイントを引き継ぐことはできません。楽天ポイントの保有・利用は、楽天カード以外の該当する楽天サービスにて行う必要があります。
任意整理した後も、楽天市場で買い物はできますか?
任意整理をした場合でも、
楽天市場での買い物は可能です。
ただし支払い方法がカード払いのままだと、カード解約のタイミングで支払いができなくなってしまいます。そのため、代金引換に変える、家族名義のカードに変更するなどの手続きが必要です。
自分が主契約だった場合、 ほかの家族カードは使えますか?
家族カードの主契約者の楽天カードが強制解約になった場合、家族カードも同時に解約されてしまいます。
楽天カードの家族カードで携帯電話料金や光熱費、公共料金の支払いをしている場合は、引き落としができず滞納になってしまうため、なるべく早く支払い方法を変更しましょう。
任意整理した後も楽天モバイルは使えますか?
楽天カードを任意整理した後も、端末の分割払いが終了している場合は、通話料のみ支払って使い続けることが可能です。
ただし楽天モバイルの利用料金を楽天カードで支払っている場合、任意整理後は楽天カードが使えなくなるため、利用料金を滞納してしまう可能性があります。
最短即日取立STOP!
一人で悩まずに士業にご相談を
- 北海道・東北
-
- 関東
-
- 東海
-
- 関西
-
- 北陸・甲信越
-
- 中国・四国
-
- 九州・沖縄
-