職場への借金取立ては原則禁止されている
職場へ借金の取立てをすることは、原則禁止されています。
ただし、正当な理由がある場合は認められる可能性があることも覚えておきましょう。
また、正当な理由がないにもかかわらず、職場へ取立てをする貸金業者は闇金の可能性があります。
その場合、違法であることを主張してもあまり効果はないので、弁護士・司法書士や警察など専門家の手を借りるとよいでしょう。
法律で禁止されている9つの取立て行為
以下のような取立て行為は、貸金業法によって禁止されています。
- 早朝・深夜の取立て
- 正当な理由のない勤務先への取立て
- 返済や連絡をした場合の取立て
- 退去指示をした場合の居座り行為
- 債務者の借金や私生活について周囲へ知らせる行為
- 他社への借入を促す行為
- 債務者本人以外への取立て
- 債務者以外の人へ協力や連絡先の開示を強要する行為
- 受任通知受け取り後の取立て
このような取立て行為があった場合、弁護士・司法書士や金融庁へ相談しましょう。
脅迫や物損があった場合は、証拠を残して警察へ被害届を出すことも有効です。
参照:e-Govポータル「貸金業法第21条」
違法な取立てをしてくる債権者は闇金の可能性がある
金融庁に許可を得て営業をしている貸金業者の場合、前の項目で解説したような違法な取立て行為はおこなわないのが原則です。
そのため、違法な取り立てをしてくる債権者は闇金の可能性があります。
闇金は、いくら取立てが違法だと主張しても聞き入れることはほとんどありません。
闇金からの取立てをやめさせるには、闇金問題に詳しい弁護士や司法書士へ相談するのがよいでしょう。
闇金問題の解決方法については、後の項目で詳しく解説していますので参考にしてください。
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職場への借金取立てが許されるケース
職場への取立ては違法であると、前述しました。しかし、中には職場への取立てが許されるケースもあります。
「正当な理由」がある場合、債権者が職場へ連絡することが許されているのです。
次の項目から、債権者が職場への連絡が許されるケースを紹介していきます。
督促に対して反応がないケース
債権者が郵便などの適切な方法で何度も督促を行っているのに、債務者が借金を返済せずに対応しないと正当な理由に該当するため、債権者が職場へ電話する行為は違法にはなりません。
例えば、債務者に対して適切な時間に電話で借金の返済をするように督促をおこなった際に返済すると約束したにもかかわらず、借金が返済されないケースなどが挙げられます。
上記のように約束を破った場合やそもそも督促状を無視している場合には、債権者から職場に電話が来る可能性が高いため、注意が必要です。
契約時に登録された携帯や自宅の番号に連絡がつかないケース
借金をした際に登録した電話番号が変わっていて連絡が付かない場合や電話を掛けても無視されて連絡が付かない場合は、貸金業者が職場に電話を掛けても違法な行為とはなりません。
その理由は、法律で規定されている「正当な理由」に該当するためです。
したがって、職場に貸金業者から連絡が来ないようにしたい場合は、債権者からの連絡を無視するのではなく、返済出来なくても対応する必要があります。
職場へ借金の取立てが来たときの対処法
たとえ正当な理由があったとしても、職場には取立ての連絡をしないでほしいと思う人は多いですよね。
そこでこの項目では、職場への取立てに対する対処法を5つ解説します。
自分の状況に合った方法を見つけて、実践してみてください。
滞納せずに借金を返済する
まずは、滞納せずに借金を返済することです。
複数社から借金をしていたり、仕事が忙しい人の場合、借金の振込みをうっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
そのようなときは、おまとめローンや自動引き落としを利用するのがおすすめです。
おまとめローンとは、複数の借金をひとつにまとめることで金利を下げ、また返済日も一つになるので返済忘れを防止できます。
自動引き落としは、対応してくれる貸金業者も多いので問い合わせてみるとよいでしょう。
おまとめローンについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
連絡先や住所の変更を伝える
携帯や固定の電話番号、住所などを変更した際は貸金業者へ連絡をする必要があります。
変更の連絡を忘れており、貸金業者が債務者との連絡がつかないと判断すると、登録されている勤務先へ連絡してくることがあります。
この場合、債権者には正当な理由がありますので、債権者から職場の連絡を避けることはできません。
そのため、電話番号や住所が変わったら速やかに債権者へ知らせましょう。
相手が闇金なら闇金問題に強い弁護士や司法書士へ相談する
前述したように、相手が闇金の場合は違法行為でも関係なく職場へ取立てをしてくることがあります。
闇金業者へは、法律違反を主張しても意味がないことがほとんどです。
そのため、闇金問題に力を入れる弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。
弁護士や司法書士によっては、闇金問題を取り扱っていないことも多いので、ホームページや電話で必ず確認しましょう。
無料相談を受けてみるのもおすすめです。
脅迫や物損などの被害があれば、同時に警察へ被害届を出すのもよいでしょう。
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強引な取立てなら金融庁へ相談する
貸金業者からの取立てが強引で困っているけれど、いきなり弁護士や司法書士へ相談するのはハードルが高いという人もいるでしょう。
その場合は、まず金融庁へ相談してアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。
金融庁では借金問題に関するさまざまな相談を受け付けており、状況に応じたアドバイスを無料でしてくれます。
参照:金融庁「金融サービス利用者相談室」
返済が難しいなら債務整理も検討する
中には、借金の返済が厳しく滞納の解消も難しいという人もいるでしょう。
そのような場合は、弁護士や司法書士へ債務整理を依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼すると、数日で債権者からの督促が止まります。
その後も弁護士や司法書士があなたの代理となって、債権者とのやり取りをしてくれるのでスムーズに借金問題を解決できます。
債務整理については、次の項目で詳しく解説していきますので参考にしてください。
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼すれば取立てがストップする
弁護士へ債務整理を依頼すると、債権者からの取立てがストップします。
もちろん、職場へ取立てをされることもありません。
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼すると、弁護士や司法書士が債務者の代理人となったことを知らせる受任通知が債権者へ送付されます。
受任通知を受取った債権者は、債務者へ直接取立てをすることが禁止されます。
そのため、受任通知が発送されてから2,3日後くらいには債権者からの取立てが止まるのです。
その後、債務整理手続きを開始します。債務整理手続きの内容について、次の項目から解説していきますので参考にしてください。
また、以下の借金減額チェッカーではあなたの借金が債務整理でどれくらい減らせるのか無料で確認できますので、ぜひお気軽にご利用ください。
将来分の利息をカットする「任意整理」
任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と交渉して将来分の利息や遅延損害金をカットする手続きです。
債務整理の中では比較的費用が安く、短い期間で完了する手続きです。
メリット |
デメリット |
・費用が安い
・周りに知られにくい
・手続きする債権を選べる |
・信用情報に事故情報が掲載される
・安定した収入が必要
・減額できるのは利息のみ |
任意整理では手続きする債権が選べるので、返済中のローンがあっても影響なく手続きができます。
ただし、手続き後も返済が続くため、安定した収入が必要です。無職や収入が不安定だと、債権者との交渉が上手くいかない恐れがあります。
任意整理については、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。
借金の返済義務がなくなる「自己破産」
自己破産は、一定以上の価値がある財産を手放して、借金の返済義務をなくす手続きです。
手続き後は借金の返済義務がすべてなくなるので、生活の再建がしやすいメリットがあります。
また、生活必需品や99万円以下の現金など、ある程度の財産は残せるので自己破産後、生活ができなくなるということもないでしょう。
メリット |
デメリット |
・借金の返済義務がなくなる
・ある程度の財産は残せる
・手続き後に返済が残らない |
・20万円以上の財産は処分される
・信用情報に事故情報が掲載される
・免責不許可事由がある |
ただし、そのような状況でも自己破産ができるわけではないので注意しましょう。
例えば借金の理由がギャンブルや浪費の場合、免責不許可事由に当てはまるため、借金の返済を免除してもらえない可能性があります。
また、手続きする債権は選べないため、連帯保証人や保証人に迷惑がかかります。
自分の場合は、自己破産ができるのかまずは弁護士や司法書士へ相談してみるとよいでしょう。
自己破産について、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。
大幅に借金総額を圧縮する「個人再生」
個人再生は、手元に財産を残しつつ借金総額を概ね1/5程に圧縮できる手続きです。
ローン返済中の住宅があっても、条件を満たせば手元に残すことができます。
メリット |
デメリット |
・借金総額を大幅に圧縮できる
・自宅を残せる可能性がある
・免責不許可事由がない |
・安定した収入が必要
・信用情報に事故情報が掲載される
・手続きする債権は選べない |
個人再生も手続きする債権は選べないため、すべての再建が対象となります。
ただ、住宅ローンについては「住宅ローン特則」を利用することで、住宅を手放さずに手続きできる可能性があります。
債務整理の中でも、とくに手続きが複雑なので弁護士や司法書士とよく話し合いましょう。
個人再生については、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。
まとめ
貸金業者が借金の取り立てを職場に来て行うことや職場に電話をして取り立てを行うことは法律違反になります。
そのため、ほとんどの貸金業者が職場に取り立てにくることはありません。
ただし、ヤミ金のように違法な行為をしている業者は違法な行為と理解したうえで取り立てを行ってくることがあるため、対処法を理解しておく必要があります。
そのため、この記事では職場への取り立てが違法な理由や闇金に対する対処法、借金を解決するための方法について解説してきました。
借金を滞納して不安を感じている方はこの記事を参考にしてみてください。
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借金の取り立てについてのよくある質問
借金の取り立てで職場に来ることは違法ですか?
適正な理由がなく借金の取り立てで職場に来ることは貸金業法違反です。また、職場に来て業務を妨害した場合は業務妨害罪に該当します。
どういった理由があるなら職場に電話があっても問題ないのですか?
債務者と連絡がつかない場合や連絡がついても無視されている場合は、貸金業者が職場に電話をしても問題ありません。こういった理由は然るべき理由と見なされるためです。
職場への取り立てを防ぐにはどうすればいいですか?
貸金業者が職場への取り立てをしている場合、弁護士・司法書士や警察に相談することでやめさせることが可能です。ただし、警察に相談する場合は証拠が必要となるため、証拠がない場合は弁護士や司法書士に相談するようにしてください。
職場に取り立てがくる前に借金問題を解決するにはどうすればいいですか?
借金問題を解決するためには債務整理の手続きをおすすめします。
債務整理の手続きには任意整理と個人再生、自己破産の3つの手続きがあるため、自身にあった方法を選ぶことが重要です。
債務整理についてもっと詳しく知りたいです。
債務整理は、利息や元金をカットし返済総額を大幅に減らせる国が認めた借金救済制度です。例えば、任意整理を選べば利息をカットし元金のみ3~5年で返済することになりますし、自己破産を選べば借金はゼロになります。どの方法が適しているかは個人によって異なるので、法律事務所へ直接相談して確認するとよいでしょう。
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