【離婚理由別】離婚の切り出し方の例文
相手に離婚を切り出す場合、離婚の理由、相手あるいは自分の落ち度によって伝え方を変える必要があります。
ここでは、6つの離婚理由別に、離婚を切り出す際の例文を具体的に紹介します。
- 性格の不一致
- 相手のDVやモラハラ
- 相手の不倫
- 相手の金銭問題
- 自分に好きな人ができた
- セックスレスの場合
性格の不一致
性格の不一致で離婚手続きを進める場合、相手に明確な落ち度があるわけではないため、相手の気持ちに配慮しながら切り出すことが大切です。
相手を「責める」のではなく、「価値観の違い」「お互いの幸せのため」といった前向きな理由を伝えるようにしましょう。
●離婚の切り出し方例文(性格の不一致の場合)
「結婚してから○年間、一緒に過ごしてきた時間には本当に感謝しています。
でも、長い時間を共にする中で、少しずつ価値観の違いを感じることが増えてきました。
日々の会話や将来の考え方や方向性がすれ違うことが多くなり、このまま一緒にいることが本当にお互いのためになるのか、ずっと考えていました。
最近では、会話も減り、以前のように心から笑い合うことも少なくなったよね。
一緒にいるのにどこか距離を感じてしまうこともあって、正直に言うと、夫婦としての関係を続けるのが難しいと感じています。
お互いが無理をして夫婦関係を続けるより、それぞれが新しい人生を歩んだほうが、幸せになれるのではないかと思っています。
そのため、離婚について前向きに話し合いたい。あなたの気持ちも聞かせてほしいです。
相手のDVやモラハラ
DVやモラハラを原因とする離婚を切り出す場合、直接対面すると攻撃されるリスクが高いため、手紙やメールで伝えることが重要です。
DVやモラハラの証拠を確保し、安全な場所に身を置いた状況で離婚を切り出すようにしましょう。
直接会う場合でも、弁護士など法律の専門家に相談し、法的な面を含めてサポートを受けながら話し合うとよいでしょう。
●離婚の切り出し方例文(DVの場合)
結婚してからずっと、あなたの暴力に悩まされ続けてきました。
何度も話し合おうとしましたが、改善されることはなく、むしろ状況は悪化していると感じています。
もしこの環境が続けば、子どもにも悪影響が及ぶことが明らかです。私自身がこれ以上苦しむのはもちろん、子どもをこのまま危険な環境に置いておくわけにはいきません。
私たちの関係を修復することは難しいと判断したので、私が親権者になることを前提に離婚について話し合いたいです。
これ以上あなたと直接話し合うことは難しいため、弁護士を通じて進めていきたいと考えています。
●離婚の切り出し方例文(モラハラの場合)
これまでの結婚生活の中で、私はずっとあなたの言葉や態度に苦しんできました。
些細なことで責められ、意見を言っても否定され、どんなに努力しても認めてもらえない日々が続きました。
一緒にいても、私はずっと孤独を感じていたし、あなたの顔色をうかがいながら生きることに疲れてしまいました。
最初は自分に問題があるのかもしれないと思っていたけれど、あなたの言動はモラハラにあたると考えています。
結婚生活を続けてもお互いが幸せになれる未来が見えなくなり、離婚を決意しました。
今後の手続きについて、話し合いの場を持たせてください。
相手の不倫
相手の不倫を原因とする場合でも、感情的にならず、証拠をしっかりと整理したうえで冷静に伝えることが重要です。
●離婚の切り出し方例文(モラハラの場合)
あなたは不倫はしていないと言っていたけれど、もう言い逃れはできません。
相手とのLINEのやり取り、ホテルの領収書、さらにはドライブレコーダーに映った映像まで、すべて証拠として確認しています。
これ以上あなたの言葉を信じることはできないし、夫婦関係もすでに壊れており、離婚すべきだと思っています。
今後は慰謝料の請求も含め、財産分与や今後の生活について、冷静に話し合いを進めたいと思っています。
相手の金銭問題
相手の浪費や借金などが原因で生活が厳しくなったことを具体的に伝えることがポイントです。
感情的に相手を責めるのではなく、「生活の安定のため」と理論的に話すことも大切です。
今後の生活設計についても考慮するうえで、弁護士などの専門家に財産分与や債務整理について相談するのもよいでしょう。
●離婚の切り出し方例文(相手の金銭問題の場合)
あなたが仕事を頑張ってくれているのは分かっていますが、給料のほとんどをギャンブルや飲み代に使ってしまう現状には、もう耐えられません。
生活費が足りず、これまで私の収入でなんとか補ってきたけれど、子どもの成長に伴って食費や教育費もますます必要になってきています。
このままでは、貯金もできず、子どもにも苦労をさせてしまうのではないかと考えています。
これ以上あなたの金銭問題に振り回されながら生活を続けることはできません。改善する意思がないのなら、離婚を真剣に考えざるを得ません。
今後のことをしっかり話し合いたいので、冷静に向き合う時間を作ってください。
自分に好きな人ができた
自分に好きな人ができた場合、こちら側に非があるため、離婚を切り出す際は細心の注意が必要です。
「関係を見つめ直した結果、これからは別々の道を歩みたい」など、相手を尊重し、傷つけないよう慎重に言葉を選びましょう。
また、相手が納得しやすいよう、夫婦関係の問題点を整理して伝えてもよいでしょう。離婚を急ぐのではなく、相手の気持ちの整理を待つ余裕を持つことが大切です。
●離婚の切り出し方例文(自分に好きな人ができた場合)
これまで一緒に過ごしてきた時間には感謝しています。
ただ、正直に言うと、私の気持ちはもうあなたに向いていません。夫婦としての愛情が薄れてしまい、このまま関係を続けることが難しいと感じています。
あなたを傷つけることになるのは申し訳ないけれど、このまま夫婦として形だけの関係を続けるよりも、お互いにとって新しい道を選ぶほうが良いと思っています。
私の勝手な都合で申し訳ないけれど、冷静に話し合い、円満に離婚を進められたらと思っています。
セックスレスの場合
相手に重大な落ち度があるわけではないため慎重に伝えることが大切です。
単に「セックスがないから離婚」と伝えるのではなく、二人の関係の変化や愛情が冷めた点を理由として説明しましょう。
また、夫婦関係の改善を試みた経緯も併せて伝え、決して一方的な決断ではないことを示すことも必要です。
●離婚の切り出し方例文(セックスレスの場合)
何度もあなたに歩み寄ろうとしてきたけれど、セックスを求めても受け入れてもらえず、夫婦としてのつながりを感じることができなくなってしまいました。
拒まれるたびに自分が必要とされていないように感じ、次第に夫婦関係そのものに意味を見いだせなくなってしまいました。
私の中では、もう夫婦としての関係を続けることは難しいという結論に至っています。あなたの気持ちも聞きたいので、今後について一度じっくり話し合いたいです。
【状況別】離婚の切り出し方の例文
相手に離婚の意思を伝える場合、理由だけでなく、2人の関係や家族の状況に応じて、言葉を選ぶ必要があります。ここでは、4つの状況別に、離婚の切り出し方の具体例を紹介します。
- 子どもがいる場合
- 新婚の場合
- 新婚の場合
- 夫の定年退職が近い場合
子どもがいる場合
子どもがいる状況で離婚を切り出す場合、子どもの将来を第一に考えていることを伝えつつ、話し合いを冷静に進める姿勢を示すことが大切です。
相手の性格や経済的な状況などに応じて、文面をアレンジしてください。
また、子どもに与える心理的影響を最小限に抑えるため、伝えるタイミングや方法を慎重に選ぶことが必要です。
●離婚の切り出し方例文(子どもがいる場合)
今までずっと夫婦関係について考えてきましたが、お互いの気持ちや価値観の違いを埋めるのが難しくなってきたと感じています。
特に、子どもの将来を考えたときに、このまま一緒にいることが本当に最善なのか、何度も悩みました。
離婚を決断するにあたって、親権や養育費、子どもの生活環境など、しっかり話し合わなければならないことがたくさんあります。あなたの意見も聞かせてもらいながら、子どもにとって最良の選択ができるようにしたいです。
離婚しても私たちは親であることに変わりありません。できる限り子どもに影響が出ないよう、お互いに協力しながら進めていければと思います。
新婚の場合
新婚で離婚を切り出す場合、早い段階でお互いの価値観の違いに気づくことができ、それぞれの幸せのために別の道を歩むことが最善であることを伝えることがポイントです。
相手の将来を考え、傷つけないように配慮しながら、言葉を選びましょう。
私たちは結婚してまだ間もないですが、お互いの価値観や生活の違いを感じることが増えてきました。これから先の人生を考えたときに、このまま一緒にいることが本当に幸せなのか、自分なりに悩み続けてきました。
今のうちにお互いの気持ちを正直に伝え、これからの人生をどう歩んでいくべきか話し合いたいと思っています。まだ傷が浅いうちに決断することが、お互いにとって最良の選択かもしれません。
あなたの考えも聞かせてほしいです。
別居を考えている場合
元の夫婦関係に戻る気はなく、離婚を前提とした別居であることを明確に伝えることが大切です。
また、勝手に出ていくと「悪意の遺棄」とみなされる可能性があるため、同居しているうちにしっかり話し合うことが必要です。
悪意の遺棄
無断で別居する、家事・育児を全くしないなど、正当な理由なく夫婦の同居義務・協力義務・扶助義務を放棄する行為。
悪意の遺棄とみなされると慰謝料請求(損害賠償請求)を受ける可能性があります
別居後の生活費の分担や離婚までのスケジュールなど具体的な話を進めるために、弁護士などの専門家に相談することもおすすめです。
二人とも夫婦関係について長い間考えてきましたが、やはりこれから先、一緒に生活を続けることは難しいと感じています。お互いのためにも、今の状況を見直し、離婚を前提に別居を進めていければと思います。
まずは、財産分与や今後の生活のことも含めて、冷静にお互いにとって最適な形を話し合いたいので、あなたの意見も聞かせてください。
夫の定年退職が近い場合
夫の定年退職のタイミングで離婚を切り出す場合、今までの結婚生活への感謝を述べつつ、定年退職というライフスタイルが変化するタイミングが、2人の将来を見直す良い機会であることを伝えることがポイントです。
夫が定年後の人生設計を考えやすいよう、時間的余裕をもって伝えることも必要になります。
一方的な決断ではなく、お互いの将来にとって最善の選択であることを強調するようにしましょう。
長い間、一緒に歩んできたことに心から感謝しています。
これまでお互いに支え合いながら過ごしてきましたが、これからの人生を考える中で、私たちが別々の道を歩むことが最善なのではないかと思うようになりました。
定年退職という節目を迎える今が、新しい生活をスタートさせるいいタイミングだと考えています。この機会にお互いがより充実した人生を歩めるよう、離婚について前向きに考えたいと思っています。
突然の話で驚かせてしまうかもしれませんが、決してこれまでの生活を否定するものではありません。前向きにこれからの人生について話し合いたいです。
離婚を切り出す方法
離婚を切り出す方法には、直接口頭で伝えるほか、電話やメールなどいくつかあり、相手や状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここでは5つの方法について、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
口頭
二人の関係性がそれほど悪くない場合は、口頭で直接伝える方法もあります。
メリット |
デメリット |
・表情や声のトーンを通じて感情や真剣な意思が伝わりやすい
・その場で相手の反応を確認し、即座に対応できるため、誤解を減らすことができる |
・感情的になりやすく、冷静な話し合いが難しくなる可能性がある
・相手によってはDVやモラハラがエスカレートするリスクがある |
電話
電話で話す場合は、相手が落ち着いて話せる状況を確認したうえで切り出すことがポイントです。
離婚したい旨の結論から伝え、その理由や思いを話していくとうまくいく可能性があります。
メリット |
デメリット |
・声を通じて感情や真剣さを伝えられる
・直接の対立や暴力のリスクを避けられる
・直接会うより精神的な負担は小さい |
・表情や身振りが見えないため、相手の本当の感情や反応を把握しにくい
・声だけのコミュニケーションでは、意図しない誤解が生じる可能性がある |
メール
メールでは、文章で言葉を選びながら、何度でも書き直すことができます。細かい状況やさまざまな感情、想いを整理しながら伝えられる方法です。
メリット |
デメリット |
・文章を作成する過程で、自分の気持ちや考えを整理し適切な言葉を選べる
・相手が自分のタイミングでメールを読み、考える時間を持てる |
・感情やニュアンスが伝わりにくく、誤解を招く可能性がある
・相手がメールを確認・返信するのが遅れ、コミュニケーションが滞る可能性がある |
LINE
普段からやり取りしていたLINEを活用することで気軽に伝えられ、相手がメッセージを確認したかを確認できます。
メリット |
デメリット |
・相手がメッセージを読んだかどうかを確認できる
・手軽にメッセージを送信できる |
・重大な内容を軽んじられていると、相手に感じさせる可能性がある
・適切に感情を伝えるのが難しい場合がある |
手紙
手紙は、手書きで書くことで誠意を示しやすく、自分の気持ちを整理しながら、相手に離婚したい意思を明確に伝えられる方法です。
メリット |
デメリット |
・手書きの文章で、深い感情や思い、真剣さや誠意を伝えられる
・相手は手紙を読み、自分のタイミングで考える時間を持てる |
・相手に届くまでに時間がかかることがある
・相手が読んだかわからない
・相手の反応や返信が遅れることで、やり取りに時間がかかる可能性がある |
離婚を切り出すタイミング
離婚を切り出すタイミングは、夫婦関係や家族全体の状況を総合的に考慮して選ぶことが重要です。
ここでは、離婚を切り出す4つのタイミングを紹介します。
- 時間に余裕があるとき
- 子供が自立したとき
- 定年退職などライフスタイルが変わるとき
- 家を出ていく準備が整った時
時間に余裕があるとき
離婚を切り出す際には、時間的な余裕がある状況で話をすることが大切です。
時間がない状態で話を進めても、冷静な判断ができないだけでなく、仕事の忙しさやストレスから感情的な衝突が起こりやすくなります。
たとえば、年度末の仕事の繁忙期や子どもの進学問題が発生しているときに離婚を切り出すと、相手が話し合いに向き合う余裕がなく、感情的になりやすい状況が生まれます。
そのため、できるだけ余裕のある時期を選び、落ち着いた環境で話し合うことが望ましいといえるでしょう。
話し合いの時間を確保し、相手が冷静に考えられる状況を作り出すことが大切です。
子供が自立したとき
子どもが大学を卒業したとき、あるいは仕事や結婚で自立したときも、離婚を切り出すタイミングの一つです。
子供が自立した後は、夫婦だけの生活に戻り、お互いの価値観の違いや関係性を再評価しやすくなります。
子供への影響、成長に配慮しながら円満に進めるには、子供が成人あるいは自立したときに話を進めるのが望ましいといえます。
たとえば、子供が進学で一人暮らしを始めたタイミングで離婚の話をすることで、子供への精神的負担を軽減できる可能性もあるでしょう。
一方で、子どもの受験期や就職活動の最中に離婚を切り出すと、子どもの集中力や精神的安定を損なう可能性があるため、慎重な判断が求められます。
また、子供には離婚しても親としての役割を続けることを伝え、安心感を持たせることが大切です。
定年退職などライフスタイルが変わるとき
夫婦の生活スタイルが変わる定年退職のタイミングで離婚を考える人もいます。
特に、夫婦のライフスタイルや将来のライフプランが合わない場合、別々の道を選択することが合理的な場合もあるでしょう。
たとえば、定年後も夫がこれまでと変わらず仕事を続けたい一方、妻はゆっくりと余生を過ごしたいと考えている場合、生活のリズムや価値観の違いが明確になります。
このような状況で無理に一緒に生活を続けるよりも、お互いの将来を尊重し、新たな人生を歩むための選択肢として離婚を考えることもあります。
このとき、定年後の生活設計を具体的に考え、年金や財産分与についても事前に準備することが重要です。
経済的な不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや弁護士に相談し、離婚後の生活に備えることが大切です。
家を出ていく準備が整った時
離婚を決断したら、住居や経済的な準備を整えてから話を進めることが重要です。
無計画で家を出ると生活が苦しく、トラブルになる可能性もあるため、計画的に準備を進める必要があります。
たとえば、専業主婦が離婚を切り出す場合、仕事を見つけて収入の目途を立てることが重要です。
十分な経済基盤がないまま離婚しても、生活が困難になるだけでなく相手との交渉において不利になる可能性があります。
また、DVやモラハラの被害を受けている場合は、安全な避難場所を確保した上で、専門機関に相談することを検討しましょう。
新しい住居や経済的な自立の準備を整えた上で、離婚の話を進めることで、スムーズに進めやすくなります。
離婚を切り出す「前」に準備しておくこと
では、相手に離婚を切り出す前に、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。
- 自分の気持ちを整理する
- 夫婦や自分個人の財産を把握する
- 離婚後の生活をシミュレーションしておく
自分の気持ちを整理する
離婚を切り出す前に、自分の気持ちや感情・考えを整理し、まとめておくことが重要です。
感情的に高まっている状態のまま進めると、冷静な話し合いができず後悔する可能性があります。
例えば、夫婦関係で何が一番つらいのか、具体的にどのようなことが我慢できないのか、離婚することで何が改善されるのかを紙に書き出してみると、自分の気持ちを客観的に見つめ直せるでしょう。
これにより、本当に伝えたいことや離婚にあたってどういった条件を希望し、優先するのかなどを冷静に判断することができます。
夫婦や自分個人の財産を把握する
離婚後の生活を安定させるためには、現在の財産状況を正確に把握しておくことが不可欠です。
財産には、夫婦で婚姻期間中に築いた財産として、財産分与の対象となる「共有財産」と結婚前から保有していた財産など財産分与の対象とならない「特有財産」があります。
共有財産として、次のようなものが挙げられます。
- 預貯金
- 不動産
- 車や高価な家財など
- 株式・投資信託などの金融商品
- 退職金・企業年金(婚姻期間中に発生したもの)
- 生命保険の解約返戻金 など
なお、夫婦に借金がある場合、結婚生活を送るうえで生じた借金は、夫婦共同で作ったマイナス財産となり、原則として財産分与の対象です。
一方、財産分与の対象とならない特有財産には、次のものがあります。
- 結婚前から貯めていた預貯金・不動産・車
- 結婚前に購入した不動産・車
※ただし結婚後にローン返済している場合、その部分は財産分与の対象
- 結婚前に取得した株式や貴金属など
- 結婚後に親から相続した財産や贈与された財産
財産の全体像を整理し、どのように分けるべきかを事前に検討しておくことが大切です。
離婚後の生活をシミュレーションしておく
離婚後の生活環境は大きく変わるため、生活設計を事前に考えておくことが重要です。
具体的には、住居、収入、子どもの養育に関する計画を立てることで、スムーズに新しい生活をスタートさせることができます。
まず、離婚後、賃貸、持ち家に住み続ける、実家に戻るなど、どこに住むのかを決めておくことです。
賃貸を選ぶ場合、契約の際に保証人が必要かどうかを確認が必要ですし、持ち家の場合、住宅ローンの負担や名義変更の可否を金融機関などに確認しておくことが必要です。
また、離婚後の収入源を確保するため、現在の仕事の継続可否などを検討しましょう。
新たに仕事を探す場合、転職サイトやハローワークなどを活用して情報収集するとともに、シングルマザー・ファーザー向けの公的支援制度(児童扶養手当、住宅手当など)を事前に調べましょう。
また、子どもの親権をどちらが持つか、面会交流のルールを明確にし、子どもの心理的負担を軽減することを考慮して考えておくことが必要です。
転校の有無、学費や習い事の負担の割合を明確にし、これまでとおりの教育が継続できるかを慎重に判断しましょう。
離婚を切り出す際の注意点
離婚を切り出す際には、話し合いをスムーズに進めるために、相手への配慮や環境づくりが必要です。以下に、具体的な注意点を挙げて解説します。
- 密室を避ける
- 感情的にならない
- 相手を批判しない
- 相手が逆ギレしたら中断する
- 相手からの返事に期限を設定する
- すぐに解決できると思わない
- 相手のペースに飲まれないようにする
- DVなどを受けているときは弁護士から伝えてもらう
密室を避ける
離婚の話し合いは、できるだけ密室の二人きりの状況を避けることが重要です。
特に、相手が感情的になりやすい場合や、過去に暴力的な行為があった場合は、安全な場所を選ぶべきです。
家から出て外でカフェやレストランなどのオープンな場で話し合いをすると、冷静に話し合いがしやすくなります。
基本的には、2人で話し合いを進めるべきですが、難しければ、お互いの主張を客観的に判断してくれる第三者に同席してもらうことも考えられます。
万が一のトラブルを防ぎつつ、冷静な話し合いができる環境で進めることが必要です。
感情的にならない
離婚の話し合いでは、感情的にならず、冷静さを保つことが重要です。
怒りや悲しみの感情を前面に出すと、相手も防御的になり、冷静な話し合いができなくなる可能性があります。
事前に話し合いのシナリオを考え、伝えたい内容をメモにまとめておくと、感情に流されることなく話を進めやすくなります。
また、話し合いの場では、落ち着いた口調を意識し、感情より事実に基づいて話を進めることが大切です。
相手を批判しない
これまでの相手の性格や行動を批判すると、防御的な反応を引き起こし、話し合いが平行線をたどる原因になります。
そのため、言いたいことはあっても相手を批判しないことが大切です。
具体的には、「あなたのこういうところが嫌だった」といった攻撃的な表現を避け、「私はこう感じている」と、自分の気持ちを主体に伝えるとよいでしょう。
また、過去の出来事を持ち出して責めるのではなく、これからの人生をどうするかという未来志向の話し方を心掛けるとスムーズに話し合いが進めやすいといえます。
相手が逆ギレしたら中断する
離婚を切り出すと、相手が感情的になり、怒りや混乱から逆ギレすることがあります。
このような場面では、話を中断し、状況に応じて違う機会を設定することが必要です。
相手が逆ギレしている場合、無理に話し合いを続けると、状況が悪化するだけで冷静な話し合いは不可能になります。
相手が興奮してきたら、「今はお互いに冷静ではないので、改めて話し合いましょう」と提案し、話し合いを一時中断することが賢明です。
時間を置くことで、相手も冷静に離婚という事実を受け止めることができ、建設的な話し合いができる可能性が高まります。
相手からの返事に期限を設定する
離婚の話を切り出しても、相手が離婚に消極的な場合、話し合いが長引くことが予想されます。
そのため、「1週間以内に考えを整理して話し合いたい」など、具体的な期限を設けることが大切です。
期限を設定することで、話し合いがスムーズに進み、無駄な時間を費やさずに済みます。
ただし、期限を設定する際は、相手の状況にも配慮し、強制的にならないように注意が必要です。
仕事や子どものイベントなどで忙しい状況で、強引に期限を設定し、話し合いを進めるのはやめましょう。
すぐに解決できると思わない
離婚は一度の話し合いで解決するものではありません。
親権や養育費、財産分与、慰謝料、面会交流など、多くの問題を話し合う必要があり、合意に至るまで時間がかかることが一般的です。
すぐに結論を出そうと焦ると、相手との関係が悪化し、協議が難航する可能性があります。
数回に分けて話し合いを進めることを前提にし、必要に応じて弁護士への相談や調停を利用することを視野に入れておくとよいでしょう。
相手のペースに飲まれないようにする
離婚の話し合いでは、相手が感情的に訴えたり、強い口調で話しをすることで、自分のペースで話ができなくなることがあります。
また、離婚に前向きでない相手が話を逸らし、こちらの意図が伝わりにくくなることがあります。
そのような場合は、「今は離婚について話し合っていますので、この点に集中しましょう」と促し、話の軸を戻すことが大切です。
相手が感情的に説得しようとする場合でも、冷静に自分の意思を貫くことが必要です。
話し合いが難しいと思われる場合、事前に弁護士や信頼できる人に相談し、客観的なアドバイスをもらうことで、相手のペースに流されずに話を進められます。
DVなどを受けているときは弁護士から伝えてもらう
配偶者からDVやモラハラを受けている場合、直接離婚を切り出すことは避けたほうがよいケースもあります。
このような場合は、弁護士を通じて離婚の意思を伝えることが最善策となります。
弁護士は法的手続きを代行するだけでなく、依頼者の身の安全を守りながら交渉を進めることができます。
また、配偶者からのDVの被害者が一時的に避難できるDVシェルターの利用や裁判所への保護命令の申請など、安全対策を講じながら離婚を進めることも可能です。
保護命令
配偶者や交際相手からの暴力や生命・身体に対する脅迫を受けた人が、裁判所に申立てを行うことで、相手が自分や子供などに接近しないように制限する制度
まとめ
離婚を切り出す際は、理由や状況に応じた適切な伝え方を選ぶことが重要です。
性格の不一致や金銭問題、不倫など、離婚の理由によって相手の反応も異なるため、冷静に話し合える状況を整え、慎重に言葉を選ぶことが求められます。
また、子どもがいる場合や新婚、定年退職前など、状況によっても伝え方を工夫する必要があります。
相手を傷つけず、冷静に離婚を進めるために、本記事の例文やポイントを参考にしながら、慎重に準備を進めましょう。
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