マザコンとは母親から自立できていない状態
マザコンとは一般的に母親に対する強い愛着や依存心を持ち、大人になっても精神的に自立できていない状態を指します。健全な親子関係とは異なり、母親の意見を絶対視したり、母親の判断がないと行動できなかったりする特徴が見られます。
例えば、何かを決める際に「母親に相談しないとわからない」と言ったり、夫婦の問題よりも母親の意向を優先したりする場合、マザコンの可能性が高いです。
また、母親が息子に対して過干渉であったり、子離れできていなかったりすると、さらに依存が強まる傾向があります。
ただし、「母親を大切にする気持ち」と「マザコン」は別物です。
母親思いの男性は、母の意見を尊重しつつも自立した判断ができる傾向があります。
一方で、マザコンといわれる男性はアンケートの結果を見ると、母親の意見をそのまま受け入れがちな傾向にあります。
また、行動の動機も異なり、前者は純粋な思いやりから行動しますが、後者は承認欲求が動機となっているケースが見られます。このように母親に対する行動が「誰のためのものなのか」を考えることで、マザコンかどうかを見極めやすくなるでしょう。
妻300人に聞いた!マザコン夫の傾向と体験談
今回、マザコンの夫を持つ方に向けてアンケートを行った結果、マザコン夫には以下6つの傾向が見られました。
- 母親の言動を絶対的なものと思っている
- 不必要に母親に相談・報告する
- 妻よりも母親を優先する
- 妻と母親を比較する
- 家事や育児に関わろうとしない
- 母親を過剰に批判する
ここでは、夫がマザコンであるかをチェックするポイントを解説します。
基本的に自分の考えよりも母親の言動を優先してしまう
マザコン夫の大きな特徴の一つが、母親の意見を絶対視し、自分の考えよりも優先してしまうことです。
例えば、以下のような重要な決断の場面でも、妻と話し合う前に母親に相談し、その答えに従うことが多いでしょう。
- 家を買う
- 子どもの教育方針を決める
- 夫婦間のトラブルを解決する
また、一度夫婦間で決めたことでも母親が異なる意見を述べると、あっさりとそちらに従おうとし、妻にも同じよう従うことを求める傾向があります。
不必要に母親に相談・報告する
マザコン気質のある夫の特徴として、何かあるたびに母親に相談し、判断を委ねる傾向が見られます。
夫婦間の問題や家庭内の出来事についても自分で決めるのではなく、母親に頼ろうとすることが多く、ときには妻に知らせず相談していることもあります。
また、日常のちょっとしたことでも母親に報告する習慣があり、「母さんがこう言ってた」「母さんに聞いてみるよ」といった発言をよくする場合はマザコンの傾向が強いです。
夫が頻繁に母親と連絡を取ることで、妻の行動や家庭内の事情が義母に筒抜けになってしまうこともあるでしょう。
その結果、義母から「○○(夫)にはもっとこうしてあげたほうがいいんじゃない?」と口出しされることが増え、妻にとって大きな負担となるケースも少なくありません。
妻よりも母親を優先する
マザコン夫の典型的な特徴として、妻よりも母親の意見を尊重することもあげられます。
もちろん、育ててくれた母親を大切に思うのは自然なことですが、マザコンの場合はその気持ちが過剰になり、夫や父親としての立場を忘れてしまうことがあります。
アンケート調査の結果では、以下のような行動が見られたという声があげられています。
- 子どもの運動会や家族のイベントよりも、母親のちょっとした頼み事を優先する
- 夫婦の意見が対立した際にも、妻の意見には耳を貸さず、母親の意見を受け入れる
特に妻と母親の関係がうまくいっていない場合、妻の話を聞くことなく、母親の言い分を全面的に信じてしまうことも少なくありません。
さらに、嫁姑問題が発生したときに、妻を守るのではなく母親の味方をするのもマザコン夫の特徴です。
母親の言葉を絶対視し、「母さんがそんなことを言うはずがない」と妻の気持ちを無視するような態度を取ることもあるようです。
妻と母親を比較する
マザコン夫は、母親と妻を比較する行動を取る傾向が見られます。
アンケートでは家事や料理に関して母親を引き合いに出し、妻にプレッシャーをかけることが多いことがわかっています。
具体的な事例では妻が作った料理に「母さんの方がもっと上手かったな」と発言し、掃除の仕方や子どもの育て方、気配りなどあらゆる面で母親と比較する傾向があげられています。
こうした比較が妻を褒めるものであればまだしも、否定的な言葉ばかりでは、妻にとって大きなストレスになるのも無理はありません。
そもそも、母親と妻は異なる環境で育ち、それぞれのやり方があるはずです。例えば、専業主婦だった母親と、仕事をしながら家事をこなす妻とでは、できることに差が出るのは当然です。
個人の背景や状況を顧みず「もっと母さんを見習ってほしい」 と理想の母親像を押し付けるのは、妻を追い詰める行為にほかなりません。このような発言が日常的に見られる場合、夫がマザコンである可能性は高いです。
家事や育児に関わろうとしない
マザコン夫は家事や育児を「自分の仕事」ではなく、「妻の仕事」だと考えている傾向が見られます。仮に関わったとしても、「手伝ってあげている」というスタンスで、主体的に取り組もうとしません。
このような男性は母親に甘やかされて育ってきたケースが多く、「家事は女性がするもの」「母親がなんでもやってくれていた」 という価値観を持っているようです。
さらに厄介なのは、夫の母親(姑)が家事や育児に干渉してきたときの対応です。普通なら夫が間に入り、トラブルを避けるように動くべきです。
しかし、マザコン夫の場合は姑の口出しを放置するだけでなく、むしろ母親の肩を持つこともあります。例えば、「母さんの言う通りにした方がいいんじゃない?」と、妻の意見を無視してしまうのです。
こうした態度が続くと、妻の負担はどんどん大きくなり、夫婦関係にも悪影響を及ぼしかねません。
母親を過剰に批判する
マザコン夫というと、「母親を崇拝している」イメージが強いかもしれません。しかし、実は自分がマザコンであることを隠すために、母親を批判するケースもあるようです。
例えば、「母さんって本当に口うるさいよな」と妻に愚痴をこぼすものの、実際には母親の言うことには逆らえず、最終的には意見を優先してしまうのです。
上記のようなケースは、母親への依存心が根強いものの、それを認めたくない気持ちが表れていると考えられます。
さらに、実母に対して本音を言えずに我慢してきた夫ほど、その不満を妻の母親にぶつける傾向があるともいわれています。
例えば、「君の母親ってちょっと図々しくない?」「あまり口を出さないでほしい」と、妻の母親に対して否定的な発言が増えていくこともあるのです。
これは実母に対して抱いているストレスを、代わりに妻の母親に向けて発散しようとする心理が影響しています。
夫が頻繁に母親を批判しているからといって、「マザコンではない」と安心するのは危険です。
母親を否定しているように見えても実際には母親の影響を強く受けている可能性があるため、慎重に見極めることが大切です。
アンケート結果から見るマザコン夫の具体例
アンケートの結果から見えてきた、夫がマザコンだと確信したエピソードとして、以下の具体例を紹介します。
- 夫婦や自分で決めるべきことなのに「母さんに聞いてみる」などと言う
- 「おまえよりも母さんのほうが大事だ」などと言う
- 「母さんの方が料理がうまい」「母さんに料理を教わったら?」などと言う
- 毎日のように長電話したり、頻繁に実家に帰ろうとする
- 夫婦だけの秘密にしたいのになんでも母親に話す
- 家事や育児は手伝う程度のことしかしてくれない
体験談①なんでもお母さんに聞いてみると言う夫
結婚してすぐ、夫が何か決めるたびに「お母さんに聞いてみる」と言うのが気になり始めました。引っ越しの家具選び、保険の契約、果ては私の誕生日プレゼントまで…。
ある日、新しいカーテンを選ぼうとしたときも「ちょっと母さんに相談してから」と言われ、驚きました。
「私たちの家なんだから、二人で決めようよ」と言っても、「母さんはセンスがいいし、間違いないから」と譲りません。
義母も「私はどっちでもいいのよ」と言いながらも、最終的には義母の意見が採用されるのが常でした。
結婚して家庭を築くはずが、まるで義母を交えた“親子の延長”のような関係になっている気がして、私は次第に夫に相談することすら億劫になっていきました。
体験談②お前よりお母さんが大事と面と向かって言われた
結婚して1年が経った頃、夫とちょっとした夫婦喧嘩をしました。お互いに感情的になり、「私はあなたの妻なのに、どうしていつもお義母さんの意見ばかり優先するの?」と不満をぶつけたところ、夫はため息をついて一言。
「だって、お前より母さんのほうが大事だから」。
冗談かと思いましたが、夫は真顔でした。「母さんは俺を産んで育ててくれた人。お前とは比べものにならない」とまで言われ、ショックで言葉を失いました。
それ以来、夫の中では私は“家族”ではなく、あくまで“外から来た人”なのだと感じるようになってしまいました。
夫婦関係を築くために努力してきたつもりでしたが、この言葉を聞いた瞬間、心のどこかで「この結婚、間違いだったのかもしれない」と思ってしまいました。
体験談③お母さんの方が料理が上手だったと比較される
結婚してから、夫は何かと義母の料理と私の料理を比べるようになりました。初めて手料理を振る舞ったときも、「お母さんの味噌汁はもっとコクがあったなぁ」とポツリ。
その後も、煮物や炒め物を出すたびに「母さんはこうやって作ってたよ」「母さんのほうが上手だった」と言われ続けました。
ある日、手間をかけて夫の好きなハンバーグを作ったのですが、一口食べた瞬間、「母さんのとは違うなぁ」とぽつり。その言葉を聞いた瞬間、涙が出そうになりました。
義母の味を完璧に再現しない限り、夫は満足しないのか。私なりに頑張っているのに、比べられるばかりで認めてもらえないことに、次第に虚しさを感じるようになりました。
体験談④義母に頻繁に電話をかけて実家に帰ろうとする夫
結婚してから気になり始めたのが、夫の「実家依存」でした。朝起きるとまず義母に電話、仕事の休憩中も電話、夜も「今日こんなことがあったよ」と義母に報告。まるで日常のすべてを義母と共有しているようでした。
さらに困ったのは、週末のたびに「実家に帰ろう」と言い出すこと。私が「たまには二人で過ごしたい」と言っても、「母さんが寂しがるから」と聞く耳を持ちません。
義母も「いつでも帰ってきていいのよ」と歓迎ムードで、結局毎週のように義実家で過ごすことになっていました。
夫と新しい家庭を築きたいと思っていたのに、結婚後も夫の心は実家にあり、私はただの“おまけ”なのかもしれないと寂しさが募るばかりでした。
体験談⑤夫に話したことは全て義母に筒抜け
結婚してから気づいたのは、夫に話したことがすべて義母に筒抜けになっていることでした。
仕事の悩みや夫婦の将来について話しても、次に義母と会ったときに「○○の件、大変ね」「あの話、こうしたほうがいいんじゃない?」とアドバイスされるのです。
最初は偶然かと思いましたが、ある日、夫にしか話していないことを義母が知っていたことで確信しました。
「どうしてお義母さんに話すの?」と夫に問い詰めると、「別に隠すことじゃないし、母さんは頼れる人だから」と悪びれる様子もなし。
私としては夫婦のプライベートな会話まで報告されるのが嫌でしたが、夫にはその感覚がないようでした。
夫婦二人の秘密が守られないことに、次第にストレスを感じるようになりました。
体験談⑥家事や育児は手伝ってあげてるスタンスの夫
結婚当初から夫は家事に無関心でしたが、子どもが生まれてからもその姿勢は変わりませんでした。
私が「もう少し家事や育児を一緒にやってほしい」とお願いすると、「俺だってたまには手伝ってるじゃん」と不満げな様子。
しかし、その“手伝い”も、私が頼んだときだけで、やり方もどこか他人事。「母さんは何でも一人で完璧にやってたぞ」と言われたときは、責任感のなさに唖然としました。
義母がすべてをこなしていたからか、夫にとって家事や育児は“母親がやるもの”という意識が染みついていたのです。
「お前も母さんみたいにできるだろ?」という態度に、私のストレスは募るばかり。夫婦は協力し合うものなのにと、虚しさを感じる日々です。
夫がマザコンになってしまう原因
夫がマザコンになってしまう理由をアンケート調査結果を基に考察すると、以下のような原因が考えられます。
- 母親が過保護・過干渉であった
- こどもの頃に母親との関係が希薄であった
- 自己肯定感の欠如など、夫が何らかの心理的問題を抱えている
母親が過保護・過干渉であった
マザコン夫になってしまう大きな原因の一つに、母親の過保護・過干渉な育て方があります。
母親が子どもに深い愛情を注ぐこと自体は悪いことではありません。しかし、必要以上に手をかけすぎると子どもの自己決定能力や問題解決能力が育たず、結果として母親に依存する大人になってしまいます。
例えば、幼少期から母親が「危ないからやめなさい」「こうしたほうがいい」と先回りしてすべてを決めてしまうと、子どもは自分で考えたり判断したりする機会を失ってしまいます。
また、「失敗させたくない」との思いから、何でも親が手を貸してしまうと、子どもは困ったときに自力で解決する力を養えません。
その結果、成人してからも「自分で決めるのが怖い」「母親の意見がないと不安」と感じるようになり、何かにつけて母親を頼るようになるのです。
さらに、母親が子どもを特別扱いしすぎると、「母親のそばが一番居心地がいい」という意識が根づき、結婚後もその感覚が抜けないことがあります。
こうした環境で育つと妻よりも母親の意見を優先する、家庭の決定権を母親に委ねるといったマザコン的な行動につながるようになるのです。
こどもの頃に母親との関係が希薄であった
マザコンになる原因として、幼少期に母親から十分な愛情を受けられなかったことがあげられます。
一般的にマザコンといえば「母親が過保護すぎる」ケースを想像しがちですが、実は母親との関係が希薄だったことが原因で執着が生まれる場合もあるのです。
例えば、母親が忙しくて子どもと過ごす時間が少なかったり、兄弟姉妹の世話ばかりに気を取られていたりすると、子どもは「自分は十分に愛されていないのでは?」と感じることがあります。
また、母親が厳しすぎて褒められる機会が少なかった場合、子どもは「いい子にしていないと愛されない」という思いを抱き、常に母親の機嫌を取るようになります。
こうした環境で育った男性は大人になってからも母親に認められたい、愛されたいという気持ちを引きずり、母親の言動を過剰に気にするようになる傾向が強いです。
自己肯定感の欠如など、夫が何らかの心理的問題を抱えている
マザコン夫になってしまう原因の一つに、自己肯定感の欠如など心理的な問題があげられます。
自分に自信が持てない男性は母親の評価や承認を強く求める傾向があり、母親の意見に従うことで安心感を得ようとします。
幼少期から母親が家庭内の決定権を握っていた場合、子どもは「母親の言うことに従っていれば間違いない」と考えるようになるのです。
こうした環境で育った男性は大人になっても自分で決断することに不安を感じ、母親の意見なしでは何も決められない状態になりやすいです。
また、対人関係が苦手であったり社会的スキルに自信がなかったりする場合も、母親への依存が強くなります。
特に母親が頼れる性格をしていると「ママの判断に従えば安心」と考え、結婚後も大事なことを母親に決めてもらおうとする傾向が続くのです。
マザコン夫との付き合い方【対処法】
ここからはマザコン夫との付き合い方や対処法を以下の内容で解説します。
- 夫に対して「あなたはマザコンだ」などと言わない
- 夫に対して義母の批判を言わない
- 義母と良好な関係をつくる
- 夫が自分の母にも優しく接してくれるかを見る
夫に対して「あなたはマザコンだ」などと言わない
マザコン夫と付き合っていくうえで、「あなたはマザコンだ」と直接指摘するのは逆効果です。
多くのマザコン男性は、自分の言動がマザコン的であることに気づいておらず、仮に気づいていたとしても認めたがらない可能性があります。
特に「マザコン」という言葉は侮蔑的なニュアンスを含むため、指摘されると攻撃されたように感じ、反発心を抱く可能性が高くなります。
感情的に「マザコンなんだから!」と責めるよりも、さりげなく自立を促す言い方をするのが効果的です。
例えば、「自分で決めたらお母さんも安心するんじゃない?」や「あなたが主体的に考えた方が親孝行になるよ」といったポジティブなアプローチをすることで、少しずつ夫に自立の意識を持たせられます。
夫に対して義母の批判を言わない
マザコン夫との関係を円滑にするには、義母の批判や悪口を夫に言わないことが大切です。
夫にとって母親は特別な存在であり、たとえ妻の言い分が正しくても否定されると「自分の大切なものを傷つけられた」と感じます。結果として、夫婦関係が悪化する原因になりかねません。
また、マザコン夫は母親に対して従順な傾向があるため、妻の不満や批判をそのまま義母に伝えてしまうこともあります。
「〇〇(妻)が母さんのことを悪く言っていた」と母親に言ってしまうと、嫁姑関係まで悪化し、さらに夫が義母の肩を持つという悪循環に陥ってしまう可能性が高いです。
もし義母の言動に困ったときは、直接批判するのではなく、「こういうふうにしてくれると助かるな」といったポジティブな提案に言い換えるのが効果的です。
夫との関係を良好に保ちながら自分の意見を伝える工夫をすることで、少しずつ状況を改善していきましょう。
義母と良好な関係をつくる
マザコン夫との関係を円滑にするには、義母と仲良くなることが一つの有効な対策です。
夫にとって母親は特別な存在であり、その母親と妻が対立してしまうと夫は無意識のうちに母親の味方をしてしまうことが多くなります。
そのため、義母との関係を良好にすることで、夫との関係もスムーズに進みやすくなるのです。
義母と親しくなる際のポイントは、義母の話を否定せずに聞くことです。たとえ夫がマザコンであると感じていても、その事実を義母に直接指摘するのは避けましょう。
義母の気持ちを尊重しつつ、適度な距離感を保ちながら関係を築くことが大切です。
また、義母を味方につけることで、夫の行動を変えるきっかけになるかもしれません。夫が母親の言葉に素直に耳を傾けるタイプであれば、義母から夫に「妻を大切にしなさい」と伝えてもらうのも一つの方法です。
マザコン夫をすぐに変えるのは難しいですが、義母との関係を改善することで少しずつ夫の態度にも変化が生まれる可能性もあります。
夫が自分の母にも優しく接してくれるかを見る
マザコン夫の中には、妻の母親(義母)に対する態度に大きな差があるケースが見られます。
もし夫があなたの母親にも思いやりを持って接することができるなら実母に依存する部分があったとしても、根本的には優しい性格であり、改善の余地があります。
優柔不断な性格や実母に頼りがちな傾向があったとしても、周囲に気遣いができる夫であれば、少しずつ自立を促していくことが可能です。
逆に、妻の母親に対して攻撃的な態度を取る場合は要注意です。
これは自分の母親を特別視し、ほかの女性(妻やその母親)を軽視する傾向がある可能性があります。
このようなタイプの夫と向き合うには夫自身に気づきを与えながら、少しずつ考え方を変えていく努力が必要になるでしょう。
具体的には夫自身が自分の行動や考えに疑問を持てるように、次のような言葉をかけることが大切です。
- 「お義母さんのこと、大切にしてるの伝わってくるよ。でも、うちの母にも少し優しくしてくれたら嬉しいな。どう思う?」
- 「この前、私の母にちょっと冷たく聞こえたかも…。もし逆の立場だったら、どう感じるかな?」
- 「今日はお母さんに優しく話してくれてありがとう。すごく嬉しかったよ」
上記のように相手の気持ちに共感を示しながらも、客観的な視点に立たせる言葉をかけることで、相手の立場を理解しやすくなります。
相手の優しさが見えた際にはしっかりと認めてあげることで、夫の中に「こうすれば喜ばれるんだ」と気づきが芽生えやすくなり、関係性が改善される可能性があります。
マザコン夫と暮らせないと判断した場合は【対処法】
マザコン夫と暮らせないと判断した場合の対処法を解説します。
- まずは別居を検討する
- 関係修復が難しい場合は離婚を検討する
まずは別居を検討する
マザコン夫との生活が耐えられないと感じた場合、いきなり離婚を決断するのではなく、まずは別居を検討する方法もあります。別居することでお互いに冷静になり、夫婦関係を見直すきっかけになることもあるからです。
また、距離を置くことで夫が母親からの自立を考え直す可能性もあるでしょう。別居期間が長いと婚姻関係が破綻していると認められ、離婚の際に有利に働くメリットもあります。
ただし、無断で家を出ると「悪意の遺棄」とみなされる可能性があるため、事前に話し合うか、最低でも置手紙などで意思を伝えることが重要です。
悪意の遺棄とは、夫婦の義務を正当な理由なく履行しないことを指し、裁判で離婚が認められる法定離婚事由に該当します。
別居は感情的に行ってしまうと、いざ離婚となった際に逆に自分の立場を苦しめてしまいかねません。
法的なトラブルを避けるために、別居を考える際は離婚を専門に扱う弁護士に相談するのも有効な手段です。
関係修復が難しい場合は離婚を検討する
話し合いや別居を試みても夫婦関係の改善が見込めない場合、離婚を視野に入れることも一つの選択肢です。
マザコン夫との結婚生活が苦痛であり、夫が母親の意見を優先し続けるのであれば無理に関係を続ける必要はないでしょう。
ただし、マザコン夫との離婚では、義母が介入して話がこじれる可能性が高いため注意が必要です。
例えば、夫が一度は財産分与や親権について納得していたとしても、母親が「そんな条件は認められない」と口を出した途端、夫の意見が二転三転することも考えられます。
特に子どもの親権に関して、夫自身は興味がなかったのに義母が「孫と離れたくない」と言い出すことで突然主張を変えるケースもあります。
こうしたトラブルを回避するためには、早めに離婚を専門に扱う弁護士に相談し、法的なサポートを受けることが重要です。
弁護士を通じて交渉を進めれば、夫や義母の意見が何度も変わることを防ぎ、スムーズな離婚手続きが可能になります。
もし夫の主張が頻繁に変わる場合は、裁判で決着をつけることも視野に入れるべきでしょう。
まとめ
今回はマザコン夫の特徴や対処法を解説しました。アンケート調査の結果、マザコン夫には以下の特徴があることがわかっています。
- 母親の言動を絶対的なものと思っている
- 不必要に母親に相談・報告する
- 妻よりも母親を優先する
- 妻と母親と比較する
- 家事や育児に関わろうとしない
- 母親を過剰に批判する
上記のような言動が続くと、妻としては結婚生活に不安や不満を覚えるのはしかたありません。しかし、男性がマザコンになる理由は、過干渉な生育環境や親からの愛情不足が原因のケースもあります。
本人が直接の原因でないことも多いため、以下のような対処法を取り、良好な関係を築いていきましょう。
- 夫に対して「あなたはマザコンだ」などと言わない
- 夫に対して義母の批判を言わない
- 義母と良好な関係をつくる
- 夫が自分の母にも優しく接してくれるかを見る
ただし、マザコンが原因となり、DVやモラハラが行なわれている場合は身の安全や人権を守るためにも別居や離婚を視野に入れることが必要です。
どちらの場合も早急に離婚を専門とする弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けることをおすすめします。
よくある質問
夫がマザコンに関連したモラハラをします。誰に相談したらよいですか?
マザコン夫はそれだけでは離婚や慰謝料の請求が難しいですが、
モラハラをする場合は早急な対応が必要です。
モラハラとは言動によって相手を精神的に追い詰める行為を指します。
「お前は使えない」「母親より料理が下手」など、道徳や倫理に反した言動が該当します。
夫のモラハラ行為がある場合は、専門家に助けを求めることが大切です。以下にモラハラ相談ができる公的機関を目的別に掲載しているので、参考にしてください。
【DVやモラハラから逃げたい・助けてほしい】
【一先ず話を聞いてほしい】
【法的な手続きをしたい】
モラハラは精神的なDVでもあるため、我慢する必要はありません。子どもがいる場合は、子どもにも被害が及ぶ可能性があるため、日常的に行われている場合はすぐ専門機関に相談しましょう。
マザコンを理由とした離婚はできますか?
マザコンを理由に
離婚することは可能ですが、状況によって難易度が変わります。
まず、協議離婚や調停離婚であれば、夫婦の合意があれば理由を問わずに離婚できます。しかし、夫が離婚に応じない場合は、離婚裁判を起こすことが必要です。
その際、「夫がマザコンである」という理由だけで離婚が認められるのは難しく、夫婦関係が修復できないほど破綻していることを証明しなければなりません。
裁判で離婚を成立させるためには、以下のような法定離婚事由に該当するかどうかがポイントになります。
- 悪意の遺棄(夫が妻を放置して家庭を顧みない)
- 婚姻を継続しがたい重大な理由(マザコンが原因で夫婦関係が修復不可能な状態)
マザコン夫が義母を優先するあまり、妻への精神的な負担が大きく、結婚生活が成り立たないと証明できれば離婚が認められる可能性があります。裁判を視野に入れる場合は、早めに離婚を専門に扱う弁護士に相談し、適切な証拠を集めることが重要です。
マザコンを理由とした慰謝料の請求はできますか?
マザコンという理由だけで慰謝料請求は難しいのが現実です。夫が母親を優先する行動は法律上の不法行為には該当せず、慰謝料請求の対象にはならないからです。
しかし、マザコンが原因で夫からモラハラやDVを受けた場合は、慰謝料請求が可能になるケースがあります。
例えば、夫が「母さんの方が料理が上手い」「お前は妻として失格だ」などと妻を日常的に侮辱したり、義母と一緒になって精神的に追い詰めたりする行為が続くと、モラハラとして認められる可能性があります。
また、義母からの暴言や嫁いびりが原因で夫婦関係が破綻し、離婚の直接的な理由となった場合は義母に対しても慰謝料請求が認められることがあります。
実際に過去の裁判では、義母の過度な嫁いびりが原因で200万円の慰謝料が認められた判例もあるのです。
慰謝料請求を考える場合は、夫や義母から受けた暴言・暴力の証拠をしっかり残しておくことが重要です。
日記や録音、第三者の証言、心療内科の診断書などを用意し、必要に応じて離婚を専門とする弁護士に相談することで、より有利に進められるでしょう。
別居・離婚前にどのような準備をする必要がありますか?
別居や離婚を考える際には感情的に動くのではなく、
以下のポイントを押さえて準備を整えることが重要です。
必要な準備
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内容
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財産の確認・整理
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離婚時の財産分与に備えて共有財産を把握しておく。
マザコン夫の場合は、家計や財産を義母が管理しているケースもあるので注意。
預金や不動産などを確認し、可能であればコピーを取っておく。
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生活基盤の確保
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離婚後の生活を考え、収入源や住居を確保する。
仕事を探したり、実家に一時的に帰ったりなどプランを立てる。
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別居の伝え方と別居費用
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無断で別居すると「悪意の遺棄」となるので注意。
最低限メモを残し、意思を伝える。
別居中の費用も夫と取り決めておく。
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DVやモラハラの証拠集め
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夫や姑からの暴言の録音や動画。
傷の写真や診断書、日記などを残しておく。
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弁護士や専門機関への相談
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離婚問題に強い弁護士に相談して、財産分与や親権、養育費のアドバイスを受ける。
未成年の子どもがいる場合は、自治体のひとり親家庭支援窓口も活用する。
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感情的に動くのではなく、将来の生活を見据えて計画的に行動することが、後悔のない決断につながります。
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