東京都の離婚裁判の事例
夫が生活費を入れず悪意の遺棄が認められ離婚に至った事例
平成28年3月31日の東京地方裁判所の裁判では、夫が生活費を全く提供せず、家庭を顧みなかったことが問題とされました。夫は正当な理由なく生活費の支払いを怠り、家庭を放棄する形で別居していたのです。その結果、妻と子どもは生活に困窮する事態に陥りました。
裁判所は、夫のこの行為が「悪意の遺棄」に該当すると判断し、離婚を認めました。専業主婦である妻にとって、生活費の不在は深刻な影響を及ぼします。特に幼い子どもがいる場合、その影響はさらに大きくなります。この判決は、夫婦間での経済的支援が欠如した場合、法的に離婚が認められる重要な要因となることを示しています。
妻子を捨てた夫に離婚請求をした事例
令和2年3月12日、東京家庭裁判所で行われた裁判では、夫が妻子を残して実家に帰ったケースが審理されました。当時、妻は難病を患い、失明に近い状態で日常生活を送らなければならず、身の回りのことを一人で行うのが困難な状況でした。
裁判所は、夫が正当な理由なく妻を支えずに実家へ戻った行為を「悪意の遺棄」と認定しました。「悪意の遺棄」とは、夫婦間の義務である同居・協力・扶助を正当な理由なく果たさない行為を指します。
この判決は、夫婦間の義務を怠る行為が法的に離婚理由となることを示しています。具体例として、生活費を提供しない、同居を拒否する、または理由なく頻繁に家を出る行為などが挙げられます。
DVが原因で離婚・100万円の慰謝料請求が認められた事例
平成18年1月17日に東京地方裁判所で行われた裁判では、元夫が元妻に対して婚姻期間中に暴力や暴言を繰り返していたことが問題となりました。妻は精神的苦痛を受け離婚を決意し、DVを理由に元夫に対して500万円の慰謝料を請求したのです。
裁判所は、元夫の行為が民法709条の不法行為に該当すると認めました。これは、故意または過失による他人の権利侵害や損害の発生を指します。元夫の暴力行為は、まさにこの不法行為に該当し、妻に対する精神的・肉体的な損害が認定されました。しかし、裁判所はDVの程度や期間が短期間であったことを考慮し、最終的に100万円の慰謝料を認めるにとどめました。
DVが原因で離婚・200万円の慰謝料請求が認められた事例
平成16年7月5日に東京地方裁判所で行われた裁判では、元夫が元妻に対してDVを繰り返したことが取り扱われました。元妻は、元夫からの暴力や精神的なDVに耐えかねて離婚を決意し、300万円の慰謝料を請求することに。裁判所は、元夫の暴力行為が民法709条の不法行為に該当すると認めました。
この判決では、DVの程度や期間が考慮され、最終的に200万円の慰謝料が認められました。この金額は、元夫の暴力行為によって元妻が受けた精神的・肉体的な損害を補償するものです。裁判所は、DVが婚姻関係の破綻を招いた重大な要因であるとし、元妻の請求を一部認める形となりました。
有責配偶者の離婚請求が認められた事例
東京高裁の平成26年6月12日の判決では、有責配偶者である妻からの離婚請求が認められました。有責配偶者とは、例えば浮気などによって婚姻関係を破綻させた人のことを指します。この事例では、別居期間が1年半ほどであり、未成熟子が存在する状況でした。
以前は、家庭の収入を支えていた夫が浮気をした場合、妻子を経済的に不安定にすることが許されないとして、有責配偶者からの離婚請求が認められることは少なかったのです。しかし、この判決では、夫にも婚姻関係の破綻に寄与する部分があるとされ、さらに有責配偶者の離婚請求が否定される理由が当てはまらないと判断されました。
また、未成熟子の養育に特に問題がないことや、離婚によって夫が大きな不利益を被ることはないとも考慮されました。このような背景から、東京高裁は有責配偶者である妻の離婚請求を認めたのです。
別居期間が7年近くにもなったものの離婚が認められなかった事例
平成30年12月5日の東京高裁の判決では、夫が約7年という長期間の別居を理由に離婚を請求したものの、これが否認されました。
一審では、別居期間が長期にわたることから婚姻関係が破綻していると判断され、原告の離婚請求が認容されました。しかし、控訴審では一転して、原告の請求が退けられることとなりました。裁判所は、婚姻を継続し難い重大な事由が存在しないと判断したのです。特に、経済的に依存している配偶者の立場に配慮し、婚姻関係を維持するための努力がまず必要だとされました。
さらに、信義誠実の原則に照らしても、離婚請求は認められないと判断されました。離婚を認めた場合、経済的困難や子供の福祉に悪影響が及ぶことが懸念されたためです。結果的に、裁判所は原告の離婚請求を棄却し、婚姻関係を継続するよう求める判決を下しました。長期間の別居が必ずしも離婚を認める理由にならないことが示された事例です。
東京都で弁護士事務所以外に離婚問題を相談できる窓口
法テラス
法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、法務省管轄の準独立行政法人で、国民が法的サービスを円滑に受けられるよう支援する機関です。全国に約110箇所の拠点があり、通常の法律事務所では扱わないような採算の合わない案件も取り扱うことができます。
東京都にある法テラスは、以下の通りです。
支店 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|
法テラス東京 (西新宿) |
新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル13F | 0570-078301 |
法テラス東京 (新宿) |
新宿区左門町2-6 ワコービル8階 | 03-5312-2818 |
法テラス東京 (渋谷区) |
渋谷区神南1-22-8 渋谷東日本ビル5F | 03-5428-5649 |
法テラス東京 (豊島区) |
豊島区池袋2-40-12 西池袋第一生命ビルディング1F | 0570-078301 |
法テラス東京 (江戸川区) |
江戸川区松島1丁目38−1グリーンパレス(本館)2F 区民相談室 | 03-5662-7684 |
法テラス東京 (足立区) |
足立区千住3-98 千住ミルディス2番館6階 | 0570-078301 |
法テラス上野 | 台東区上野2-7-13 ヒューリック・損保ジャパン上野共同ビル6F | 0570-078304 |
法テラス多摩 | 立川市曙町2-8-18 東京建物ファーレ立川ビル5F | 0570-078305 |
法テラス八王子 | 八王子市明神町4-7-14 八王子ONビル4F | 0570-078307 |
法テラスは経済的に困窮している人々を主な対象としており、無料での法律相談や弁護士・司法書士費用の立替を行う民事法律扶助業務を提供しています。このサービスを利用するには、資力が一定額以下であること、勝訴の見込みがないわけではないこと、報復や宣伝目的の訴訟ではないことなどの条件を満たす必要があります。
法テラスの利用自体にはデメリットはほとんどありませんが、担当する弁護士を選べないなどの制限があります。とはいえ、法テラスは社会的弱者が司法の恩恵を受けやすくするための制度で、利用する価値は十分にあります。離婚問題に直面している場合は、法テラスを有効に活用することをおすすめします。
参考法テラス東京
弁護士会の法律相談
弁護士会の法律相談は、東京都内に設置された3つの弁護士会「東京弁護士会」「第一東京弁護士会」「第二東京弁護士会」が共同で運営するサービスです。経験豊富な弁護士が相談を担当するため、安心して利用できます。
電話番号 | 0570-200-050 |
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電話受付 | 10時〜16時(月〜金。ただし祝祭日を除く) |
相談時間 | 15分程度 |
URL | https://www.horitsu-sodan.jp/ |
利用するためには、事前に予約が必要であり、相談は原則として15分程度の電話相談が中心です。面接相談の依頼も可能ですが、別途費用が発生する場合があります。相談は東京都内からのみ可能で、電話番号やIP電話、PHSには対応していません。
自治体の法律相談窓口
各自治体の役所や市民ホールには法律相談窓口が設置されており、離婚問題についても相談できます。これらの窓口は、通常、特定の曜日や時間帯に開かれており、弁護士や専門の相談員が対応します。例えば、離婚後の経済的困窮や子育て支援など、法律に関連するさまざまな問題について総合的なアドバイスを受けることができます。
開催日時や予約方法については、各自治体のホームページで確認できます。東京都の主要な自治体は以下の通りです。
開催場所 | 住所 | 電話番号 |
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千代田区役所 | 東京都千代田区九段南 1-2-1 | 03-3264-2111 |
中央区役所 | 東京都中央区築地 1-1-1 | 03-3543-0211 |
港区役所 | 東京都港区芝公園 1-5-25 | 03-3578-2111 |
新宿区役所 | 東京都新宿区歌舞伎町 1-4-1 | 03-3209-1111 |
文京区役所 | 東京都文京区春日 1-16-21 | 03-3812-7111 |
台東区役所 | 東京都台東区東上野 4-5-6 | 03-5246-1111 |
墨田区役所 | 東京都墨田区吾妻橋 1-23-20 | 03-5608-1111 |
江東区役所 | 東京都江東区東陽 4-11-28 | 03-3647-9111 |
品川区役所 | 東京都品川区広町 2-1-36 | 03-3777-1111 |
目黒区役所 | 東京都目黒区上目黒 2-19-15 | 03-3715-1111 |
大田区役所 | 東京都大田区蒲田 5-13-14 | 03-5744-1111 |
世田谷区役所 | 東京都世田谷区世田谷 4-21-27 | 03-5432-1111 |
渋谷区役所 | 東京都渋谷区宇田川町 1-1 | 03-3463-1211 |
中野区役所 | 東京都中野区中野 4-8-1 | 03-3389-1111 |
杉並区役所 | 東京都杉並区阿佐谷南 1-15-1 | 03-3312-2111 |
豊島区役所 | 東京都豊島区南池袋 2-45-1 | 03-3981-1111 |
北区役所 | 東京都北区王子本町 1-15-22 | 03-3908-1111 |
荒川区役所 | 東京都荒川区荒川 2-2-3 | 03-3802-3111 |
板橋区役所 | 東京都板橋区板橋 2-66-1 | 03-3964-1111 |
練馬区役所 | 東京都練馬区豊玉北 6-12-1 | 03-3993-1111 |
足立区役所 | 東京都足立区中央本町 1-17-1 | 03-3880-5111 |
葛飾区役所 | 東京都葛飾区立石 5-13-1 | 03-3695-1111 |
江戸川区役所 | 東京都江戸川区中央 1-4-1 | 03-3652-1151 |
ただし、自治体によって実施日や時間は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。例えば、中央区役所区民相談室では毎週水曜13〜16時、杉並区では平日および第3土曜の13〜16時に開催されています。
公的機関が提供するサービスであるため信頼性も高く、初めて相談する方にも安心して利用できる点が大きなメリットです。ただし、相談の際には予約が必要な場合が多いので、各自治体の公式ウェブサイトや電話での問い合わせにて詳細を確認してください。