督促状の受け取り拒否は危険!その理由は?
届いた督促状を受け取り拒否するのは、非常に危険です。
まず、督促状を受け取り拒否するということは、債権者に対して支払いの意思がないことを伝えるのと同じです。
債権者と対立してしまうのは、今後借金問題を解決するうえでも好ましくありません。
また、債権者がより厳しい督促や法的措置へ移行する可能性も高いです。
次の項目から詳しく解説していきますので、参考にしてください。
受け取り拒否によって現住所が確定する
郵便物を受け取り拒否する場合、自身の署名や捺印が必要です。
そのため、受け取り拒否をするとあなたがその住所に住んでいるということが、債権者に伝わります。
債権者が債務者の給料や財産を差押える際、債務者の現住所が分かっていることが条件となります。
そのため、受け取り拒否で現住所が確定することで差押えの準備が整ってしまいます。
つまり、督促状を受け取り拒否すると債権者はいつでも給料や財産の差押えに移行できるということです。
督促が厳しくなる可能性が高い
債権者からの督促状を受け取り拒否するということは、債権者へ支払いの意思がないと伝えてしまうようなものです。
そのため、債権者の態度もより強固なものとなり、督促が厳しくなる可能性が高いです。
今までは通知だけだった督促が電話での督促も始まったり、勤務先へ督促の電話がかかってくる場合もあります。
そのような事態に発展しないためにも、督促状は受け取り拒否をせずにしっかりと受け取って中身を確認することが大切です。
法的措置に移行する可能性がある
前述したように、督促状を受け取り拒否するのは、債権者に対して支払い意思がないと伝えるのと同義です。
そのため、債権者は次の段階へ移行する可能性があります。つまり、法的措置の準備を始めるということです。
法的措置へ移行した場合、今度は裁判所から通知が送られてきます。
その通知も受け取り拒否や放置をした場合、債権者が債務者の給料や財産を差押える権利を得るのが通常です。
そうなると解決の選択肢も狭まりますし、家族や職場にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
裁判所からの通知は原則受け取り拒否はできない
裁判所からの通知は、基本的に「特別送達」という形式で送られてきます。
特別送達は、郵便配達員が直接受取人へ手渡すのが原則です。
また、受け取り拒否をしたとしても、郵便配達員がその場へ差し置いたり同居の家族が受け取ることで、配達が完了します。
そのため、基本的に裁判所からの通知を受け取り拒否はできません。
しかし、留守や記載の住所に債務者がいないという可能性もあります。
そのような場合はどうなるのか、次の項目から解説していきます。
特別送達が勤務先へ送られる場合がある
債権者から借入をする際は、連絡先として勤務先を記入することがほとんどです。
そして、債務者が自宅で裁判所からの通知を受け取らない場合は、勤務先へ特別送達がなされることがあります。
勤務先へ特別送達がされた場合は、誰かしらが受領することがほとんどでしょう。
また、あなたに裁判所からの通知が来ていることが、勤務先へ知られてしまいます。
そのような事態になる前に、裁判所からの通知は受け取り拒否や居留守を使わずに受け取ることが賢明でしょう。
付郵便送達で発送時に送達とみなされる
「付郵便送達」とは、債務者が通知を受け取らなかったとしても、裁判所が当該住所に債務者が住んでいると判断すれば、通知を発送した時点で送達されたものとみなされる制度です。
例えば、債権者が債務者の住所を調査した報告書を提出し、それを裁判所が認めた場合などです。
そのため、受け取り拒否や通知を無視したとしても、通知の効力は消えません。
公示送達で裁判所の掲示板に公示される
「公示送達」とは、債務者の現住所などが判明しない場合に、裁判所の掲示板に公示され、2週間が経つと送達が完了したとされる制度のことです。
裁判所の掲示板を頻繁にチェックしていない限りは、通知が送達されたものとみなされてしまいます。
そのため、たとえ通知を受け取っていなかったり債権者に現住所を教えていなかったとしても、通知の効力が適用されてしまうのです。
つまり、借金から逃げ切ることは非常にむずかしいといえます。
受け取った督促状を放置するとどうなる?
受け取り拒否はしなくても、督促状を放置してしまう人は少なくありません。
しかし、督促状を放置するのも、受け取り拒否をするのと同様に危険です。
それでは、督促状を放置するとどうなるのでしょうか。
次の項目から詳しく解説していきます。
「督促状」は厳しい督促やブラックリストに掲載される
まず、債権者からの督促状を無視した場合です。
債権者からの督促は、始めのうちは「〇日までに至急返済お願いします」といった柔らかい内容のものが多いです。
しかし、督促状を無視し続けると一括請求といった厳しい督促になっていきます。
また、滞納をしてから2ヶ月程度が経過すると、ブラックリストに掲載されてしまいます。
ブラックリストに掲載されている間は、新規での借入やローンを組むことなどができません。
借金の滞納によってブラックリストに掲載された場合、その情報は1~5年程度残り続けます。
その間はクレジットカードやローンの利用ができないため、不便な生活となるでしょう。
「催告書」は法的措置へ移行する
「催告書」は、督促状を無視した際に最終警告として債権者から送られてくる通知です。
債権者としては「この通知に反応がなければ法的措置へ移行します」といった意味が込められています。
そのため、催告書を放置すると、差押えといった法的措置に移行してしまいます。
また、内容証明郵便で送られてきた催告書には、借金の消滅時効を6ヶ月間止められる効力があります。
あなたの借金が消滅時効に差し迫っていた場合、時効が中断されてその間に法的措置を取られることがほとんどです。
そのため、催告書は法的措置へ移行する前の最終通告といえます。
「支払督促」は送達から2週間後に債務名義を取られる
「支払督促」は、裁判所から送られてくる通知です。
支払督促が送られてきたら、2週間以内に「異議申立て書」を提出しなければ、原告の主張が認められます。
借金の滞納で裁判を申し立てられた場合、債権者は債務名義の取得を目標にしていることがほとんどです。
債務名義を取得すると、借金の時効がリセットされると同時に、債務者に対して差押えるを実行できます。
また、支払督促には限度額がありません。そのため、滞納している借金すべてを回収するまで差押えは続きます。
「訴状」は期日が過ぎたら債務名義を取られる
「訴状」は、債権者が裁判所へ訴訟を提起した場合に送られてくる通知です。
訴状のなかには呼び出し状も入っており、呼び出し状に書かれた期日に裁判所へ出頭する必要があります。
訴状を放置してしまうと、期日がいつだかもわかりませんよね。
期日がいつだかわからずに、当日出頭しなかった場合は訴訟を起こした側、つまり債権者の主張がすべて認められる判決が下されます。
通常債権者は債務名義を取ることを提起しているため、期日に出頭しないと債務名義を取られてしまいます。
そうなると、給料や預金、財産といったものへの差押えは免れられません。
返済がむずかしい借金は債務整理で解決できる
督促状が届いている人のなかには、返済がすでにむずかしい状況の人も多いでしょう。
督促状に対応できなくても、債務整理をすれば借金問題を解決できますし、差押えを回避することが可能です。
債務整理には、以下の3つの種類があります。
この項目では、上記の債務整理手続きそれぞれについて詳しく解説するとともに、債務整理の効果についても解説していきます。
弁護士・司法書士が介入することで差押えを回避できる
督促状が届いていると、債権者が差押えに移行するのも時間の問題です。
しかし、弁護士や司法書士が介入することで差押えを回避できます。
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼すると、債権者に対して「受任通知」が発送されます。
受任通知を受け取った債権者は、差押えなどに移行することや直接債務者へ取立てをすることなどが禁止されるのです。
そのため、債務整理を弁護士や司法書士へ依頼することで、差押えを回避できます。
現実的な返済計画に立て直せる
督促状が届いている人は、当初の返済計画が破綻している場合が多いです。
そこで債務整理をすると、弁護士や司法書士のもとで新たに現実的な返済計画に立て直せます。
また、借金総額も利息をカットしたり借金全体を圧縮されているので、返済の負担は小さくなります。
次の項目から、3つの債務整理手続きそれぞれについて、詳しく解説していきますので参考にしてください。
任意整理で利息をカットする
任意整理は、債権者と交渉して将来分の利息や遅延損害金をカットする手続きです。
任意整理は債務整理の中でも比較的費用が安く、手続きにかかる期間も短いです。
手続きする債権も選べるので、住宅や車などのローンに影響なく手続きができます。
また、裁判所を介さない手続きのため、家族など周りの人にも知られずに手続きがしやすいです。
任意整理の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
・周りに知られにくい
・費用が安い
・整理する借金を選べる |
・他の手続きより減額効果は低い
・ブラックリストに掲載される
・債権者の同意が必要 |
ただし、任意整理は債権者との交渉なので、債権者に了承を得る必要があります。
そのため、今まで督促状を無視したり受け取り拒否をして信頼関係が破綻していると、債権者が了承をしない可能性があります。
また、すでに差押えに移行している場合、債権者は任意整理に応じて利息などをカットしなくても、借金の回収が可能です。
そのため、差押えに移行している場合も、任意整理で解決するのはむずかしいです。
自己破産で返済義務をなくす
自己破産は、一定以上の価値ある財産を手放して、借金の返済義務をすべてなくす手続きです。
基本的に、換価価値が20万円以上の財産はすべて差押えられます。
ただ、生活に必要不可欠な家具や家電、寝具などは差押えの対象外となりますので安心してください。
また、自由財産として99万円以下の現金や裁判所に認められた財産は残すことが可能です。
自己破産の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
・借金が全額免除になる
|
・官報に掲載される
・ブラックリストに掲載される
・一定の財産を失う |
自己破産には、免責不許可事由があります。
免責不許可事由とは、借金の理由や手続き中に禁止されている行為のことです。
つまり、免責不許可事由にあたる行為があった場合、自己破産をしたとしても借金の返済義務はなくなりません。
例えば、借金の理由がギャンブルや浪費だったり、特定の債権者のみに優先して返済した場合などが免責不許可事由にあたります。
ただ、裁量免責として、裁判所の判断で免責不許可事由があっても免責が認められるケースがあります。
詳しくは、一度弁護士や司法書士へ相談してみるとよいでしょう。
個人再生で借金を大幅に圧縮する
個人再生は、利息を含めた借金総額を大幅に圧縮し、残債を原則3年で分割返済していく手続きです。
個人再生には、免責不許可事由がないため、自己破産がむずかしい人でも手続きが可能です。
また、個人再生には「住宅ローン特則」があります。これは、条件を満たした場合、ローン返済中の住宅を残したまま手続きができる特則です。
個人再生や住宅ローン特則の要件は複雑なため、一度弁護士や司法書士へ相談してみるとよいでしょう。
個人再生の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
・自宅を残したまま手続きが可能
・免責不許可事由がない
|
・官報に掲載される
・ブラックリストに掲載される
・住宅以外のローン返済中の財産を失う |
個人再生をする際は、明確な返済計画を記した「再生計画」が裁判所に認められる必要があります。
そのため、一定以上の安定した収入が今後も継続して見込まれなければなりません。
無職や収入が不安定な人は、再生計画が受領されない可能性がありますので、自己破産を検討するとよいでしょう。
手続き開始はできる限り早めが理想
債務整理手続きをする場合、手続き開始はできる限り早めにすることをおすすめします。
前述したように、もしも差押えが開始されてしまうと任意整理での解決はむずかしく自己破産や個人再生となります。
その際は手続きする債権が選べないため、ローン支払中の商品は原則差押えられます。
また、裁判所を介した手続きで、同居の家族の給料明細などが必要となるので、周りに隠しての手続きはむずかしいです。
早めの手続きが選択肢を増やすことに繋がりますので、債務整理を検討している場合は早めに弁護士や司法書士へ相談するとよいでしょう。
まとめ
督促状を受け取り拒否した場合、以下のリスクが考えられます。
- 受け取り拒否によって現住所が確定する
- 督促が厳しくなる可能性が高い
- 法的措置に移行する可能性がある
つまり、督促状を受け取り拒否しても借金の督促がなくなるわけではなく、より深刻な事態へと発展してしまうのです。
また、督促状が裁判所からのものであった場合、基本的に受け取り拒否はできません。
借金の返済がむずかしくて受け取り拒否をしようとしているのなら、債務整理をすることを検討してみてはいかがでしょうか。
債務整理をすれば、債権者からの督促も止まりますし、差押えに移行することも回避できます。
当サイトでは、債務整理について無料相談可能な弁護士や司法書士を多数紹介していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
督促状に関してよくある質問
督促状は受け取り拒否できますか?
受け取り拒否はできますが、メリットはひとつもありません。
また、発送元が裁判所の場合は、原則として受け取り拒否はできません。
督促状を受け取り拒否したらどうなりますか?
以下のようなリスクが考えられます。
- 受け取り拒否によって現住所が確定する
- 督促が厳しくなる可能性が高い
- 法的措置に移行する可能性がある
「催告書」が届いたのですが、受け取り拒否したらどうなりますか?
催告書は、債権者からの最終警告です。
受け取り拒否すると、差押えに移行する可能性が非常に高いです。
督促状を何回か無視してしまったのですが、これから分割払いの交渉はむずかしいでしょうか?
督促状の種類や滞納している期間にもよりますので、早めに弁護士や司法書士へ相談して適切な対処法を教えてもらうとよいでしょう。
督促状が届いたのですが、返済ができません。どうしたらよいでしょうか?
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼することをおすすめします。
当サイトでは、無料相談可能な弁護士・司法書士を紹介していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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