プロミスに裁判を取り下げてもらえないとどうなる?
プロミスを運営するSMBCコンシューマーファイナンス株式会社から裁判を起こされてしまうと、話し合いで解決することが難しくなります。
支払いが滞っているのが事実であれば、裁判上で反論するすべはありません。裁判がこのまま続くとどうなってしまうのでしょうか。
プロミスの裁判の流れ
プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)から訴訟提起されたことの通知は、裁判所から届きます。
今まで届いていたプロミスからの督促が急に届かなくなり、不審に感じていた頃かもしれません。訴訟提起のタイミングは、会社や対象者の返済態度にもよるため、いつ頃になるか一概にはいえません。滞納が2ヵ月以上続いていれば、いつ訴訟提起されてもおかしくないでしょう。
訴訟提起を受けると、裁判手続きは以下のような流れで進みます。
- プロミスが訴訟提起
- 裁判所から訴状と期日指定書が届く
- 期日の一週間前までに答弁書(相手の主張に対する反論)を裁判所に提出
- 公判開始
- 書面でお互いに主張
- 裁判所が判決、もしくは当事者同士で和解が成立する
訴訟提起を受けると、初回の裁判期日は一方的に決められてしまいます。裁判所から届いた訴状に、「期日呼び出し状」が同封されているはずです。
初回期日の一週間前までに、プロミスの主張に対する反論を「答弁書」として提出しなければなりません。
裁判が開始するとおよそ1ヵ月に1度程度のペースで審理が進みます。基本的には書面でお互いに主張し合い、裁判所がそれを見て、最終的な判断を下し、判決書を作成します。
ただし、プロミスから訴訟を申し立てられた時点で、支払いを怠っていたことは明らかです。債務が時効になっているのでない限り、反論して相手の主張を覆すのは難しいでしょう。途中で和解できなければ、判決はプロミスの主張を全面的に認めた内容になりかねません。
判決が出た後の流れ
裁判を取り下げてもらえなかった場合は、判決が出ます。判決は、残元金に今まで発生した遅延損害金を付した全額を支払うことを命じる、厳しい内容になってしまうでしょう。
判決後、プロミスから判決内容に沿った金額を支払うよう、請求されてしまいます。裁判所の判決なので、今までの督促のように、支払えないからといって無視し続けることはできません。
支払いができなければ、プロミスは裁判所に強制執行を申し立て、あなたの財産、特に給料を差し押さえることができるのです。
強制執行事件では、特に審議がおこなわれることはなく、速やかに決定が出ます。裁判所の決定が出ると、毎月支給される手取り給与のうち4分の1程度が、勤務先から直接プロミスに支払われ、それが債務の完済まで続きます。
<判決後の流れ>
①判決言い渡し後、2週間異議が出なければ「判決確定」
②判決確定後、プロミスから金額と支払期限を指定されて請求を受ける
③決められた期限までに支払いができなかった場合
プロミスは確定判決を根拠として、裁判所へ「債権差押命令申立書」を提出
ほとんどの場合が「給料差し押さえ」
④裁判所より、差し押さえ財産を管理する「第三債務者」(給料差し押さえの場合は勤務先)あてに、先に通知が届く。
⑤勤務先に差し押さえの通知が届いてから約1週間程度後に、債務者宛てに差し押さえの決定が届く。
⑥翌月より、勤務先から給料の4分の1が直接プロミスへ支払われる。
裁判が最後まで進むことのリスク
以上をまとめると、裁判が最後まで続くことには以下のようなリスクがあります。
- 判決が確定すると、時効が10年延びる
- 判決は元金と支払日までの遅延損害金全額の支払いを命じる内容になる
- 一方的に財産を差し押さえる権利を相手に与えてしまう
判決が確定すると、時効は10年延びてしまいます。そのため、たとえ、契約時と勤務先が変わっていて、最初の差し押さえが空振りに終わったとしても、支払いをしなければ10年間は財産を差し押さえられるリスクが残ります。
任意の話し合いであれば、分割払いや支払期限の猶予などにも柔軟に応じてもらえた可能性もあります。しかし、裁判で判決が出てしまうと、プロミスにはあなたの財産から強制的に全額を回収する権利が与えられてしまいます。
裁判手続きには費用も労力もかかります。だからこそ、プロミス側もできれば任意で債権回収をしたいと考え、何度も督促をおこなっていたのです。督促に応じず最終手段である裁判手続きにまで発展したら、プロミスに譲歩してもらえる可能性は少ないでしょう。
プロミスに裁判を取り下げてもらう方法
プロミスが裁判を起こしてきたということは、度重なる督促に対して誠実な対応をとらなかった結果でしょう。
しかし、任意でも裁判でも、一括で支払うのは難しい、何とかプロミスに裁判を取り下げてもらい、分割弁済にすることはできないのでしょうか。
話し合いでの解決は不可能
裁判が始まると、自力でプロミスと交渉して取り下げてもらうのは不可能です。
プロミスにとっては、裁判は債権回収の最終手段です。支払えないからなんとか訴訟を取り下げてほしい、と訴えても、解決できる望みは低いでしょう。
訴訟を取り下げて任意で分割払いに戻したとしても、再び滞納状態に戻ってしまうことに対する不安もあります。
また、自力での交渉が難しいことに加え、裁判上でプロミスに反論するのも難しいでしょう。返済をしていないのが事実であれば、時効になっていない限り支払い義務はあるからです。
また、遅延損害金の付加も避けられません。遅延損害金は遅延に対するペナルティとして法律上で認められているからです。
プロミスと自力で交渉しても裁判を取り下げてくれる望みは薄く、また裁判上でプロミスの主張を覆すことも難しいでしょう。
解決できるのは任意整理
プロミスから裁判を起こされてしまったら、弁護士に依頼するしかありません。弁護士に任意整理を依頼すれば、裁判上でも裁判外でも、プロミスと交渉するための強い味方になってくれるでしょう。
任意整理が始まると裁判は弁護士が代理
弁護士が依頼を受けて任意整理を開始すると、裁判も弁護士が代理人として対応することになります。
弁護士はプロミスに対し、訴訟を取り下げ任意整理にできないか、訴訟外で交渉をします。債務者が自力で交渉するよりも、弁護士が介入して交渉する方がプロミスは訴訟の取り下げに応じやすくなります。
弁護士が代理人となって任意整理にすることは、プロミスにとってもメリットがあるからです。
- 確実に最後まで債権を回収できる可能性が高い
- 強制執行申立の手間を省ける
弁護士が介入して任意整理をする場合は、完済可能な内容で分割弁済の予定を組むため、確実に返済を受けられる可能性が高いといえるでしょう。
また、判決を取っても支払いがなければ、プロミスは強制執行を申し立てなければなりません。しかし、強制執行をしても、差し押さえるべき財産がなければ空振りに終わり、費用倒れになってしまうでしょう。
弁護士と交渉し、裁判外で和解することには、プロミス側にもメリットがあるといえます。
任意整理でも訴訟提起前よりも条件は厳しくなる
ただし、プロミス側は既に訴訟提起までしているため、簡単には任意整理に応じてくれないかもしれません。
プロミスにとって訴訟は債権回収のための最終手段です。訴訟手続きを避けるため、督促通知を送ったり、電話やメールで支払いするよう、何度も呼びかけていたはずです。
その呼びかけを無視され続けたので、仕方なく手間と費用をかけて訴訟を提起しているため、たとえ弁護士が介入したからといっても、簡単に取り下げに応じてくれるとは限りません。
通常の任意整理では、今までに発生した遅延損害金や、今後の分割弁済で発生する利息のカットを目指して交渉します。
しかし、既に訴訟手続きに突入している事件では、相手も手間と費用をかけているため、通常の任意整理よりも条件は厳しくなる可能性は否めないでしょう。
任意整理は、できれば訴訟提起前に開始すべきですが、訴訟が既に始まってしまっている場合は、できるだけ早く弁護士に依頼する必要があります。
プロミスに裁判を取り下げてもらった後はどうなる?
弁護士が代理人となってプロミスと交渉し、裁判を取り下げてもらったら、その後は以下のような順で手続きが進みます。
プロミス側と任意整理の和解書を取り交わす
裁判を取り下げてもらうには、プロミスと訴訟外で和解をしなければなりません。
弁護士が交渉し、任意整理の条件を決めて分割弁済の和解書を作成し、取り交わします。毎月の返済額はあらかじめ弁護士が債務者の状況によって判断し、継続して無理なく返済を続けられる金額で和解します。
和解書を取り交わした後、プロミスに裁判所へ訴訟の取り下げ書を提出してもらうことで、訴訟は終了します。
分割弁済でプロミスに債務を返済していくことになる
裁判取り下げ後は、和解内容に沿った分割弁済をプロミスに対して続けていきます。分割弁済中は、弁護士が辞任しない限り、返済が遅れた場合には、弁護士宛てに状況確認の連絡がきます。
通常任意整理では、分割で返済する場合、利息を0%にすることができます。しかし、既に裁判手続きになってから取り下げて和解をする場合、必ずしも利息なしの和解ができるとは限りません。
また、和解日までに発生した遅延損害金についても、全額カットしてもらうのは難しい可能性があります。
プロミスの裁判取り下げはいつまでなら間に合う?
プロミスに裁判を取り下げてもらうには、弁護士に債務整理を依頼するしかありません。では、いつまでに弁護士に依頼すれば、裁判の取り下げに応じてもらえるのでしょうか。
遅くとも最初の期日前まで
弁護士に依頼するなら、遅くとも最初の裁判期日が開かれる前にしましょう。初回期日前なら、相手方も出廷費用を省けるでしょう。
また、初回の期日が開かれる前に訴訟が取り下げられれば、相手は収めた手数料を原則半額還付するよう裁判所に申請できるという規則もあります。(民事訴訟費用等に関する法律第9条)
訴訟が進行すれば、プロミスは手数料還付を受けられなくなり、出廷費用の出費も余儀なくされます。
弁護士に債務整理を依頼してプロミスと訴訟外で交渉してもらうなら、初回期日前が最もよいタイミングです。裁判所から訴状を受け取った時点で、すぐに弁護士に相談しましょう。
初回期日をすぎると交渉が厳しくなる
初回期日をすぎると、相手も出廷手数料や収入印紙の還付を受けられないなど、デメリットが多くなるため、交渉は難航するでしょう。
裁判が進行するほど出廷や書面提出の手間も増え、相手が和解をするメリットが少なくなります。
初回期日を過ぎてしまったとしてもまだ遅くはありませんが、なるべく初期の段階で弁護士に依頼をすることをおすすめします。
最終的に給料差し押さえられてしまえば、プロミスが任意整理に応じるメリットは全くなくなってしまうでしょう。
本来なら訴訟提起前に任意整理をするのが望ましい
本来なら、訴訟提起される前に債務整理をするのがベストです。たとえ訴訟提起直前だったとしても、訴訟開始後よりは和解がしやすくなります。
訴訟が開始してしまうと、それだけ費用と手間をかけてしまっているため、任意整理をしても、訴訟提起前と同じ内容で和解できるとは限りません。
訴訟費用や督促の手数料、長期の滞納により発生した遅延損害金など、一部飲まなければならない可能性も出てくるでしょう。
まとめ
プロミスに裁判を起こされてしまったら、自力で交渉して裁判を取り下げてもらうことは難しいでしょう。
だからといってそのまま訴訟が進んでしまえば、残元金に滞納日数分の遅延損害金を付した全額を支払うよう判決が出てしまいます。それでも支払えなければ、財産の差し押さえを受けてしまいます。
プロミスに裁判を取り下げてほしいなら、弁護士に任意整理を依頼し、裁判外でプロミスと交渉してもらうしかありません。
訴訟が開始してまだ間がないなら、プロミスは弁護士の提案に乗って、裁判を取り下げ、任意整理に応じてくれる可能性もあります。
ただし、訴訟が進むにつれて和解は難しくなるでしょう。裁判所からプロミスの訴状が届いたら、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
本来なら訴訟に発展する前に任意整理を開始するのがベストですが、訴訟提起されてからでもまだ遅くはありません。
法律事務所には無料法律相談をおこなっている弁護士もいますので、プロミスの訴状を受け取ったら、すぐに相談に行きましょう。
プロミスの裁判を取り下げてほしいときに気になるQ&A
プロミスに裁判を起こされてしまったとき、取り下げてもらうことはできますか?
既に裁判を起こされてしまっている場合は、自力で交渉して裁判を取り下げてもらうのは難しいでしょう。また、自力でプロミスの主張を覆せる可能性も低いでしょう。
プロミスに裁判を取り下げてもらいたいなら、弁護士に債務整理を依頼するしかありません。弁護士が受任してプロミスと交渉し、相手が分割弁済に応じてくれれば、訴訟外で和解契約書を締結し、訴訟を取り下げてもらうこともできるでしょう。
ただし、裁判が進むほど和解は難しくなりますので、なるべく初回期日前に弁護士に依頼しましょう。
プロミスの裁判はどのように進みますか?
プロミスから裁判を起こされると、まずは裁判所からプロミスの訴状とともに、初回期日の通知が届きます。初回の期日は、債務者の都合に関係なく一方的に指定されます。
初回期日の一週間前までには、相手の主張に反論する答弁書を出さなければなりません。
初回期日以降、基本的には書面でお互い主張をくりかえし、訴訟内で和解ができれば、裁判所主導で和解調書が作成され、訴訟は終了します。
訴訟の外で和解ができれば、任意で和解契約書を作成し、プロミスに訴訟を取り下げてもらいます。
和解ができなければ、最終的に裁判所が判決を下します。判決は、基本的にプロミスの主張を反映した内容になるでしょう。債務が時効により消滅していない限り、相手の主張を覆すことはできないからです。
プロミスの訴訟が始まったら、いつまでに弁護士に任意整理を依頼すればいいですか?
訴状を受け取ったら、すぐに弁護士に相談してください。初回期日前であれば、プロミスは出廷費用や裁判費用を抑えられるため、和解に応じてくれる可能性も高いでしょう。
その後は裁判が進むほど訴訟外での和解が難しくなります。最終的に給料差し押さえを受けてしまった後では、相手に任意整理をするメリットは全くなくなってしまいます。
本来なら、訴訟提起される前に相談するのがベストですが、既に訴状が届いているなら、なるべく早く弁護士に相談に行きましょう。
最短即日取立STOP!
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