債務整理中に弁護士を変えることはできるのか?

現在債務整理の手続きを依頼している弁護士の対応が非常に良くないため、弁護士を変更したいと思っています。債務整理の手続き中でも弁護士を変更することは出来ますか?


債務整理の手続きが終わっていない限り、弁護士を解任して新しい弁護士に変更することは出来ます。ただし、解任する場合はすでに支払っている着手金や相談料が返金されない可能性が高いため、注意が必要です。

また、契約によっては債務整理の手続きの進捗状況によって成功報酬の一部を支払う必要もあります。弁護士を途中解任する際に掛かる費用については委任契約を確認することが必要です。
着手金は返金されないのですか!?解任後に新しい弁護士に依頼すると再度着手金を支払わなければならないため、かなりの費用が掛かりますね。

それだけお金が掛かるなら、もう弁護士選びに失敗したくありません。信頼出来る弁護士や弁護士事務所を選ぶ際のポイントを教えてください。


信頼出来る弁護士や弁護士事務所を選ぶポイントは実績や人柄など4つのポイントを確認することで判断することが可能です。
上記のように債務整理の手続きを依頼した弁護士の対応が悪く、弁護士を変えたいという悩みを抱えている方は珍しくありません。
弁護士の対応が悪いと債務整理の手続きがスムーズに出来ず、自身にとって不利益な債務整理の手続きが行われてしまう危険性があるためです。
では、弁護士を変更することは出来るのでしょうか?
結論から言うと現在依頼している弁護士を解任して、新しい弁護士に依頼することで変更することが出来ます。
ただし、着手金や相談料が返金されない可能性が高く、契約によっては成功報酬の一部を支払う必要があるため、注意が必要です。
しかも、新しい弁護士に依頼するための依頼料も掛かるため、費用の負担は決して少なくありません。
こういった事態を繰り返さないためには、信頼出来る弁護士の見極め方について理解しておくことが重要です。
そこで、この記事では弁護士を変更する際のポイントや信頼出来る弁護士の選び方について解説しています。
最後まで読んで、弁護士を変更する際の参考にするようにしてください。

- 債務整理の手続きが終わっていないなら弁護士は変更出来る
- 弁護士を変更する場合は契約によって着手金が返金されずに成功報酬の一部を支払う必要がある
- 弁護士と連絡がつかないなど弁護士側に明らかな非がある場合は着手金が返金されるケースもある
- 信頼出来る弁護士を選ぶ際は実績や人柄など4つのポイントを確認することが重要である
債務整理を依頼した弁護士を変えることは出来る
債務整理の手続きを依頼していた弁護士が信頼できない場合は、手続きが終わっていなければ弁護士を解任して変更することが出来ます。
ただし、弁護士を解任する際に支払っている着手金は、返金されない可能性があるため注意が必要です。
なお、弁護士変更は債務整理の「任意整理」や「個人再生」、「自己破産」など債務整理の手続き方法を問わず、どのケースでも変更することが出来ます。
債務整理については債務整理のリスクを種類別に徹底解説!勘違いされやすいリスクと回避方法も説明の記事で詳しく解説しているので確認するようにしてください。
弁護士との契約は委任契約のため弁護士と依頼者どちらからでも解除出来る
弁護士に依頼して債務整理を行うことは委任契約に該当するため、依頼する側や弁護士側の両方から契約を解除することが出来ます。
そのため、信頼出来ない弁護士を債務整理の手続き途中に解任して変更することが可能です。
一方で、債務整理の手続きに対して非協力的な態度をとっていると、弁護士側が辞任する可能性もあります。
弁護士を解任する場合は基本的に着手金は返金されないことが多い
弁護士を解任した場合は基本的に着手金は返金されないことが多いです。
そのため、弁護士を解任する場合には、最初の弁護士に支払った着手金と変更した弁護士に支払う依頼料が必要になります。
また、契約によっては債務整理の手続きの進捗度合に応じて成功報酬の一部が請求される可能性もあるため、注意が必要です。
このように弁護士を変更すると通常の債務整理の2倍の着手金が掛かり、さらに成功報酬の一部を支払うことになる可能性もあるため、弁護士を変更することは債務者にとって大きな負担になります。
ちなみに、委任契約書に契約が途中解除された場合の精算方法が記載されているので、弁護士を解任して変更する場合には委任契約書を確認するようにしてください。
着手金が返金される可能性がある正当な契約解除の理由は以下の3つ
債務整理の手続きで弁護士を解任した場合には、基本的に着手金が返金されることはありませんが、弁護士側に非がある場合は返金される可能性があります。
主に以下の3つのケースは返金される可能生が高いです。
弁護士に連絡してもレスポンスが遅く、対応が遅れることが多い
打ち合わせのドタキャンや裁判所への出廷などに遅刻する
債務整理の手続きがなかなか進展せずに途中経過についても報告がもらえない
上記のような弁護士の場合は、契約内容によっては着手金が返金される可能性があります。
ただし、証拠がないと返金に応じてくれない可能性があるため、メールや連絡履歴などの証拠を残しておくことが重要です。
また、上記のケースでも必ずしも返金があるわけではありません。
返金を求める場合は弁護士が所属している弁護士事務所に相談するようにしてください。
弁護士側から契約解除される可能性がある理由は以下の3つ
債務整理の手続き途中で依頼者自身に問題がある場合には、弁護士側から契約解除される可能性があります。
弁護士から契約解除される場合の主な理由は以下の3つです。
- 弁護士からの電話などに出ず連絡を無視する
- 虚偽の内容を伝える
- 着手金を支払っていない
上記のような債務整理の手続きが進めない行為を行った場合は、弁護士側から契約を解除される可能性があります。
なお、弁護士が辞任したときの対処法については【弁護士辞任時の対処方法】自己破産中に辞任される原因と辞任されないための注意点を解説!で紹介しています。
弁護士を解任して新しい弁護士に依頼をする場合は解任する前に次の弁護士を決めておく
弁護士を解任して新しい弁護士に依頼をする場合は、解任する前に次に依頼する弁護士を決めておくことが重要になります。
解任すると現在依頼をしている弁護士は債権者に解任されたことを伝えるため、督促が始まる可能性があるためです。
では、なぜ弁護士が解任されると督促が始まるのでしょうか?
弁護士が解約されると督促行為は違法行為ではなくなるためです。
債務整理の手続きを始めると弁護士は債権者に仲介に入ったという受任通知を送り、債権者に届くと債権者による借金の督促行為は法律違反に該当するため、督促行為は出来ません。
しかし、弁護士が解約されると違法ではなくなるため、督促が始まるわけです
したがって、こういった事態を防ぐためには、次に依頼する弁護士を事前に決めておくことが重要になります。
信頼出来る弁護士の選び方
弁護士を解任するような事態が繰り返すのを防ぐためには、信頼出来る弁護士を選ぶ必要があります。
信頼出来る弁護士を選ぶためには以下の4つのポイントが重要です。
- 債務整理に強い弁護士で実績がある人を選ぶ
- 弁護士費用が明確である
- 対応が丁寧で親身である人を選ぶ
- 複数の弁護士事務所に相談する
それぞれについて説明していきます。
債務整理に強い弁護士で実績がある人を選ぶ
弁護士を選ぶ際に最も重要なポイントは債務整理に強い弁護士事務所に依頼をするか、実績が豊富な弁護士に依頼をすることが重要になります。
債務整理は手続きが複雑なうえに、手続きによってデメリットが異なるため、最適な手続き方法を選ぶことが必要なためです。
例えば、任意整理の場合は債権者と弁護士が交渉を行って返済プランを提案し、和解する必要があります。
経験が少ない弁護士の場合は、こういった和解交渉で失敗する恐れがあるため要注意です。
また、債務整理は手続きによってデメリットが異なるため、自身に最適な債務整理の手続きを選ぶことが重要になります。
ちなみに、実績の豊富な弁護士や弁護士事務所を選ぶ際はホームページに記載されている、「得意分野」や「相談分野」といった項目と「実績」や「実例」を確認することで、債務整理の実績が豊富かどうかを確認することが可能です。
弁護士を探す場合は参考にしてみてください。
弁護士費用が明確である弁護士や法律事務所に依頼する
弁護士を変更する場合には、前述したように多額の着手金や相談料が掛かる可能性があるため、弁護士費用が明確である弁護士や法律事務所に依頼することが重要になります。
相談料や依頼料などが明確に記載していない事務所などに依頼をすると、あとから予想外の費用を請求される事態になりかねないためです。
債務整理の手続きを行っているのに多額の弁護士費用が掛かることで、債務整理後の生活の立て直しに時間が掛かっては意味がありません。
こういった事態を防ぐためにも弁護士費用が明確な弁護士や法律事務所に依頼をするようにしてください。
ちなみに、「債務整理の手続きをしたいけど、弁護士費用が支払えない」という場合には、分割支払いや後払いに対応出来る事務所も多いです。
対応が丁寧で親身である弁護士に依頼する
対応が丁寧で親身である弁護士や弁護士事務所に依頼をすることも、弁護士を選ぶうえで重要なポイントになります。
結局のところ、債務整理がスムーズに条件が良く解決出来る方法は弁護士の人柄による部分が大きいためです。
では、どのような弁護士が親身な弁護士や弁護士事務所なのでしょうか?
それは以下の6つのポイントをチェックすることで、依頼する弁護士が親切な弁護士や弁護士事務所かどうかがわかります。
- 事務員が法律の知識を有しており対応が親切であること
- 同じ担当弁護士が債務整理の手続きが終わるまで担当してくれること
- メールや電話での質問や相談に対してのレスポンスが早いこと
- リスクやデメリットについて説明してくれること
- 無料相談に何度も対応してくれること
- 要望に耳を傾け適切にアドバイスしてくれること
上記のような対応をしてくれる弁護士や弁護士事務所は親身な弁護士である可能性が高いです。
ただし、このポイントはあくまでチェックするときの目安になります。
本当に信頼出来る弁護士であるかどうかは自身の目で言動や対応などを判断することが重要です。
複数の弁護士事務所に相談して比較検討する
複数の弁護士事務所に相談して比較検討することも重要になります。
比較することで、どの事務所が信頼出来る事務所なのかを判断することが出来るためです。
例えば、Aの事務所は対応が丁寧な事務所であった場合でも、B事務所のほうがA事務所よりも対応が丁寧でレスポンスが早かった場合は、より信頼出来る事務所はB事務所だとわかります。
このように2つの事務所を比較することでより良い事務所に相談することが可能です。
ただし、複数の事務所を比較する場合には、無料相談を実施している事務所で比較する必要があります。
無料相談を実施していない事務所を比較しようとすると、相談料を支払う必要があるため、お金が掛かってしまうためです。
余計な費用を掛けないためにも、無料相談を行っている弁護士事務所で比較検討するようにしてください。
おすすめの弁護士事務所一覧
当サイトでも債務整理の手続きについて実績が豊富な弁護士事務所を紹介しています。
例えば、「ネクスパート法律事務所」であれば、24時間対応や全国対応、無料相談が何度も出来るといった特徴があります。
このようにおすすめの弁護士事務所を下記のURLで詳しく紹介しているので、気になる方は確認してみてください。
債務整理の手続き中に弁護士を変更する際のQ&A
債務整理の手続き中に弁護士を変えることは現在の弁護士を解任して、新しい弁護士に依頼することで出来ます。
弁護士を変更した際は着手金が返金されないケースが多いです。ただし、弁護士側に明らかに非がある場合は返金される可能性があります。
弁護士を変えた場合でも契約内容によっては成功報酬が請求される可能性があります。成功報酬が請求されるかどうかについては委任契約を確認することでわかります。
信頼出来る弁護士を選ぶ際は実績や人柄など4つのポイントを確認することが重要です。この記事で紹介していますので、確認してください。
まとめ
債務整理の手続き中でも弁護士を変更することは可能です。
ただし、弁護士を変更すると着手金が返金されず、契約によっては成功報酬の一部を支払わなければならない可能性があるため注意する必要があります。
また、新しい弁護士に依頼をするにしても、今後はこのような事態を繰り返さないために信頼出来る弁護士を選ぶポイントについて、よく理解しておくことが重要です。
そこで、この記事では弁護士を変更する際のポイントや信頼出来る弁護士の選び方について解説してきました。
依頼をしている弁護士が信頼出来ずに弁護士を変更するか悩んでいる方はこの記事を参考にするようにしてください。

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