交際相手を既婚者だと知らなかった場合に不倫慰謝料の支払い義務が発生する可能性のあるケース
交際相手が既婚者であると知らなかった場合、不倫慰謝料を支払う必要はあるのでしょうか。
ここでは4つの判断基準について解説します。
- 故意・過失に当てはまる場合
- 知らなかったことを証明できない場合
- 不倫相手と配偶者の夫婦関係が破綻していた場合
- 不倫の時効が成立していない場合
故意・過失に当てはまる場合
不倫にともなう慰謝料は、法律上、配偶者に対する不法行為に基づく損害賠償です。
不法行為に基づく損害賠償請求をするには、故意・過失によって相手の権利を侵害することが必要です。
そのため、不倫慰謝料を支払う必要があるか否かは、交際相手が既婚者であることに故意・過失があるかどうかが重要になります。
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
参照:
e-GOV法令検索 民法第709条
「故意」、つまり交際相手が既婚者であると知っていた場合、交際相手の配偶者に対する不法行為が成立し、慰謝料を支払う必要があります。
一方、判断が難しいのが「過失」のケースです。
過失とは、相手が既婚者であると知らなかったとしても、知らなかったことに落ち度がある場合をいいます。
言い換えれば、注意していれば交際相手が既婚者であると気づける状況にあった場合を意味します。
例えば、相手の状況から何となく既婚者であると感じ取っていたにもかかわたず、交際を続けていたような場合です。
具体的には、次のようなケースが考えられます。
- 交際が長期間に及ぶにもかかわらず自宅に入れてくれない
- 土日祝日は、ほとんど会えない
- 共通の友人がいるにもかかわらず既婚者であるか確認しなかった
このように、交際時の状況から、過失があったと認められると慰謝料を支払わなければならない可能性があります。
知らなかったことを証明できない場合
慰謝料を支払わないためには、最終的に、相手が既婚者であると知らなかったこと、あるいは知らなかったことについて過失がないことを証明できるかが重要です。
裁判上の慰謝料請求の場合、裁判所に対して知らなかったこと、知り得なかったことを主張し、証拠の提出とともに証明できれば、慰謝料の支払い義務がないという判決を得られる可能性があります。
また、裁判上の請求ではない場合、交際相手の配偶者が、既婚者であることを知らなかった点について納得してもらえるかが決め手となります。
ただし、実際に既婚者であると知らなかったことを証明し、納得してもらうことは難しいでしょう。
不倫をきっかけに交際相手と配偶者の夫婦関係が破綻した場合
不倫をきっかけに交際相手と配偶者の夫婦関係が破綻したのか、不倫とは関係なく元から婚姻関係が破綻していたのかは、慰謝料請求が認められるかの重要なポイントです。
交際相手とその配偶者の夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料を請求されたとしても支払う必要はありません。
これは、夫婦関係が破綻している場合、円満な婚姻共同生活の維持や権利など、法的に保護に値する利益がないと判断されるためです。
ただし、実際には、夫婦関係の破綻は簡単には認められません。
例えば、既婚者の言い分として「妻とは家庭内別居だ」「妻とは冷めている」「もうすぐ離婚するつもり」などが使われますが、単に夫婦仲が険悪であるとか家庭内別居状態というだけでは、法律上は「夫婦関係が破たんしている」と判断されない傾向があります。
夫婦関係の破綻を証明するためのポイントは、主観的なものから客観的なものまでいくつかあります。
- 夫婦双方が離婚したいと考えている状況(離婚協議の記録など)
- 別居期間の長さ
- 配偶者に対する暴力や暴言、家事・育児の放棄など有責行為 など
そのため、交際相手とその配偶者が、長期間別居状態にある、あるいは離婚調停中である場合などは、慰謝料を支払う必要はありません。
不倫の時効が成立していない場合
不倫慰謝料の時効が成立している場合、交際相手が既婚者であることを知っていたか否かに関係なく、慰謝料を支払う必要はありません。
これは、不倫に基づく慰謝料請求(不法行為に基づく損害賠償請求)には、法律上、一定期間中に請求しなければ権利が消滅する消滅時効が設けられているためです。
不倫に基づく慰謝料請求ができる期間は次のとおりです。
①被害者が不倫の事実を知った時から3年間(消滅時効)
②不倫相手と不貞行為があってから20年間(除斥期間)
①について、交際相手の配偶者が不倫の事実を知ってから3年を経過すると、慰謝料請求に対して消滅時効(権利が消滅したこと)を主張することができます。
もっとも、不倫の事実を知ったといえるためには、不倫相手の名前や住所を知っている必要があります。
不倫相手の顔だけ知っているだけでは、慰謝料請求ができる状況にあるとはいえず、消滅時効は進行しません。
一方、②については、交際相手の配偶者が不倫の事実を知っているか否かに関係なく、不貞行為から20年間を経過すると不倫慰謝料を請求する権利は消滅します。これを除斥期間といいます。
つまり、慰謝料請求を受けた時に、3年間の消滅時効を主張できる場合、あるいは20年間の除斥期間が成立している場合は、慰謝料を支払う必要はありません。
【具体例】相手が既婚者だと知らずに不倫していたことを証明できる証拠
ここでは、交際相手が既婚者であると知らずに不倫していたことを証明する証拠として考えられるものについて紹介します。
ただし、一つの証拠だけでは慰謝料請求を拒否する証拠として不十分な場合も多いため、いくつかの証拠を組み合わせることも必要です。
- 相手が嘘をついていたことがわかるメールやLINEを用意する
- アプリや合コンなど出会った場所を証明する
- 交際期間の短さを証明する
- 結婚準備を進めていたことを証明する
相手が嘘をついていたことがわかるメールやLINEを用意する
相手が嘘をついていたことがわかるメールやLINEは、既婚者だと知らなかったことを証明する証拠の一つになります。
例えば、LINEやメールのやり取りのなかで次のような文言が含まれているものは、スクリーンショットなどで保存、記録しておくとよいでしょう。
・「独身だから早く結婚したい」
・「将来結婚したら~したい」
・「子どもができらた~したい」
・「バツイチなんだよね」
・「養育費を支払っている」
・「元嫁(元夫)が~」
・「~頃、離婚した」など
独身であるという文言は当然として、結婚していないと思わせる、勘違いさせる文言も証拠となり得ます。
不倫に関する証拠について詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
アプリや合コンなど出会った場所を証明する
独身の人だけが参加するアプリや合コンなどの出会った場所も証拠となります。
・独身で登録された婚活アプリのプロフィール欄
(プロフィール欄に独身の記載がない場合)独身者しか登録できない婚活アプリの利用規約等
・出会い系アプリのメッセージやLINE・メールのやり取りで相手が独身と嘘をついている部分
・婚活パーティや結婚相談所で知り合ったことがわかる資料
独身での参加が前提の合コンで知り合った場合は、参加した友人の証言も証拠となり得ます。
また、通常、婚活アプリや婚活パーティの入会・登録要件は、独身であるとしているため、独身と偽って参加している点は、あなたを騙した悪質性を証明する証拠となりやすいでしょう。
交際期間の短さを証明する
交際期間の短さを証明することで、相手が既婚者であると知る機会が少なかったと主張しやすくなります。
反対に交際期間が長い場合は、平日しか会えないなどの不自然な点に気づきやすく、相手が既婚者であると知らなかったことに過失があると認められやすくなってしまいます。
交際期間の短さを証明する証拠として、次のものが考えられます。
・出会ったときの記録
・交際期間や会った回数が分かるLINEやメールのやりとり
・日記やスケジュール表 など
例えば、交際相手と肉体関係を持った回数が少なく、その後連絡を取ることもなければ、相手が既婚者であると知ることが難しかったと主張しやすくなります。
結婚準備を進めていたことを証明する
交際相手と結婚を見据えた付き合いだったことの証明は、既婚者であると知らなかった証拠になり得ます。
結婚前提で付き合っていた、あるいは相手からいずれ結婚したいと言われていた事実などで、具体的には、次のようなものが証拠となります。
・結婚式場の予約票やメールなど、式場の下見をしていたことが分かる資料
・婚約指輪や婚約指輪を購入したレシート
・結婚指輪の購入申込書
・新婚旅行の予定を立てていたことが分かる資料
・新居の購入・賃貸契約の予定を立てていたことが分かる資料
・婚約・結婚のあいさつに来たという両親の証言
・結婚を前提に紹介されていた友人の証言 など
【判例】相手が既婚者だと知らなかったことを証明できたケース
ここでは、過去の判例で相手が既婚者であると知らなかったことを証明できたケースを紹介します。
- 相手から離婚済みと伝えられていた
- ホステスの女性が既婚者であると知らなかった
相手から離婚済みと伝えられていた
【東京地裁判決平成25年7月10日】
交際相手から離婚済みと伝えられていたケースです。
●事案の概要
・職場で知り合った男性からアプローチをされて付き合った女性
・女性は男性から「自分には妻子がいたが、今は離婚して独身」と伝えられていた
・職場のほかの従業員も共通の認識であった
・交際半年頃に女性が妊娠したのにもかかわらず、結婚の話が進まなかった
・不審に感じることもあったが、男性から「親族の賛成が得られれば入籍する」と言われていた
・その後、男性の配偶者から慰謝料請求の通知が来て既婚者であることを知る
この事案について、裁判所は次のように判断して女性の故意・過失を認定せず、慰謝料請求を認めませんでした。
・女性が、交際開始から通知書を受領するまでの間、男性が婚姻届を先延ばしにする態度に出ていた以外は、既婚者であることを疑うべき具体的事情を認識し、または認識し得べき状況にはなかった。
・「親族が納得するまで婚姻届けの提出は待ってくれ」と言われていた事情を考えると、女性が男性を独身であると信じたことはやむを得ないといえる
ホステスの女性が既婚者であると知らなかった
【東京地方裁判所平成24年8月29日】
ホステスとして働いていた女性が既婚者であると知らずに交際していたケースです。
●事案の概要
・ホステスとして働いていた既婚女性が「自分は独身だ」と偽って独身男性の客と交際
・既婚女性は深夜までホステスとして勤務し、深夜に電話で会話することもあった
・交際相手の男性は夫婦の自宅を訪問したことがなかった
・ホステスと客という関係性からお互いの私生活をよく知る共通の知人・友人がいなかった
この事案について、裁判所は次のように判断して男性の故意・過失を認めませんでした。
ホステスとして深夜勤務する女性が独身だと信じるのは、世間一般の常識に照らし合わせて無理がない
不倫だと知らなかった場合に注意すべきこと
不倫だと知らなかった状況で慰謝料を請求された場合に、注意しなければならない点について解説します。
- 慰謝料請求を無視しない
- 慰謝料を請求されるがまま支払わない
- 相手の職場や家族にバラさない
- 交際相手を既婚者だと知ったならただちに交際を止める
慰謝料請求を無視しない
ある日突然、交際相手の配偶者からの慰謝料請求が内容証明郵便で届いたとしても、無視することはおすすめできません。
慰謝料請求を無視することで、次のようなデメリットが考えられるためです。
- 裁判になる可能性が高くなる
- 示談交渉や訴訟上不利になる可能性がある
- 減額交渉などが難しくなる可能性がある
慰謝料請求を無視し続けると、相手は裁判を起こす可能性が高くなり、裁判のための手間や時間、費用など大きな負担が生じます。
また、のちのち示談交渉や裁判になった場合に、無視し続けた事実が「不倫していたことを知っていたのではないか」など不利に働く可能性があります。
さらに、交際相手が既婚者であると知らなかった場合でも、慰謝料を支払わなければならないことがあり、その際、慰謝料請求を無視したことで、配偶者との減額交渉が難しくなることが考えられます。
慰謝料請求の通知が届いた場合、まずは内容証明郵便の内容をしっかり確認し、対応を考えることが必要です。
慰謝料を請求されるがまま支払わない
慰謝料請求された場合、相手の請求のまま支払わないことも大切です。
相手が既婚者であると知らない、あるいは知らないことに過失がなければ、慰謝料請求に応じる必要はありません。
そもそも、すでに交際相手の夫婦関係が破綻していた可能性もあります。
また、慰謝料を支払う必要がある場合でも、請求金額が相場より高い可能性もあり、通常、一度示談に応じると、その後に金額を変更することは困難です。
交際しているときの事情によっては、慰謝料の請求金額の減額を主張できるケースもあります。
そのため、慰謝料請求された場合は、相手の請求のまま支払うのではなく、早めに不倫問題に詳しい弁護士に相談することも検討しましょう。
相手の職場や家族にバラさない
相手が既婚者であることを知り、感情的になって相手の職場や家族にばらすなどの行為は避けなければなりません。
相手の職場にむやみにバラすことは、相手の社会的評価を下げることにつながり、反対に損害賠償請求を受ける可能性があります。状況によっては名誉棄損の罪に問われることもあり得ます。
また、相手が既婚者であることを知らずに不倫に巻き込まれた被害者であることを証明したいと思うこともあるでしょう。
とはいえ、交際相手の家族に報告することは避けるべきです。
交際相手を既婚者だと知ったならただちに交際を止める
交際相手が既婚者だとわかったら、ただちに交際を止めることが重要です。
既婚者だと知ったうえで、つまり相手が既婚者であることに故意があると判断されると、慰謝料請求を免れるのは困難となります。
実際の過去の裁判例でも、知人から相手が既婚者であると知らされた後も交際を継続したケースで、損害賠償請求が認められたものがあります(東京地方裁判所平成24年12月17日判決)。
交際相手が既婚者でないと騙されていたにもかかわらず、慰謝料を支払わなければならないリスクがあるため、既婚者であると気づいた時点ですぐに関係を解消するようにしましょう。
不倫慰謝料の支払いを回避できなかった場合の減額方法
交際相手が既婚者であると知らなかった場合でも、相手が既婚者であると知らなかったことの証明は簡単ではありません。
不倫慰謝料の支払いを回避できなかった場合、慰謝料の請求金額を減額するにはどのような方法が考えられるのでしょうか。
4つの方法について紹介します。
- 相場にあった減額を依頼する
- 減額の事情をしっかりと伝える
- 不倫相手に慰謝料の負担を要求する
- 知らなかったとはいえ謝罪する
相場にあった減額を依頼する
相手からの請求金額が不倫慰謝料の相場により高い場合、相場にあった減額を交渉することが必要です。
一般的に、不貞行為による慰謝料請求の相場は、50万円から300万円程度です。
ただし、慰謝料の請求金額は、個々の具体的な事情によって変わります。
そのため、適正な相場分からない場合は、弁護士に相談することが必要です。
減額の事情をしっかりと伝える
減額交渉するためには、その根拠となる個々の事情をしっかりと伝えることが大切です。
慰謝料の減額が認められる事情として、次のような点が挙げられます。
- 婚姻期間が短い
- 夫婦間に子ども、もしくは未成熟な子どもがいない
- 不倫期間が短い・不倫回数が少ない
- 交際相手に強く迫られて不倫関係が始まった
- 不倫相手に対し交際相手が大幅に年上、社会的地位が高い など
こういった事情を主張・立証することで、慰謝料の減額が認められる可能性があります。
また、請求金額に対して支払いが難しい場合、現実的に支払える金額でないことを伝え、分割払いの提案をすることも必要です。
不倫相手に慰謝料の負担を要求する
交際相手の配偶者から慰謝料の全額を請求された場合、不倫相手に慰謝料の負担を要求することが考えられます。
夫婦間には貞操義務があるため、配偶者以外の異性と不貞行為をすることは、配偶者に対する不法行為責任となります。
そのため、不倫の慰謝料は、不倫相手だけでなく不倫した配偶者に対しても請求でき、不倫配偶者と不倫相手は共同して不法行為を行ったものとして共同不法行為責任を負います。
法律上、共同不法行為による損害賠償請求では、それぞれが請求金額に対して連帯債務を負うため、不倫相手あるいは不倫配偶者双方に請求することもできますし、どちらか一方に慰謝料全額を請求することも可能です。
そのため、例えば、慰謝料の相場が200万円である場合、被害者である配偶者は、不倫相手に対し200万円全額を請求することもできます。
もっとも、この場合、慰謝料を支払った不倫相手には、交際相手である不倫配偶者に、慰謝料の負担割合に応じた金額を請求することが可能です(求償権)。
それぞれの負担割合は双方の過失割合によって変わりますが、慰謝料全額を請求され支払った場合、負担割合に応じた求償権を行使できる可能性があります。
知らなかったとはいえ謝罪する
相手が既婚者であると知らなかった場合でも、結果的に相手の配偶者を傷つけたのは事実であり、しっかりと謝罪することが大切です。
謝罪することで相手にこちらの誠実さが伝わり、減額に応じてくれる可能性があります。
そのためには、不倫関係だとわかった時点ですぐに交際を止めることも重要です。交際期間の長さは慰謝料の額にも影響します。
とはいえ、謝罪するとしても、相手方に交際相手が既婚者であることを知らなかったことを認めてもらってからがよいでしょう。
最初から安易に謝罪すると、不倫関係であることを知っていた、あるいは知ることに落ち度があったと判断されてしまう可能性があるためです。
交際相手が既婚者だと知らなかったのに慰謝料を請求されたなら弁護士に相談しよう!
交際相手が既婚者と知らなかったにもかかわらず、慰謝料請求された場合、弁護士に相談することをおすすめします。
既婚者だと知らなかった、あるいは交際相手から騙されていた場合でも、慰謝料請求を回避する、あるいは請求金額を減額するには、交際している間の事情を主張・立証することが必要です。
また、相手からの請求に対して、反論するための証拠を準備したり、交渉したりしなければなりませんが、感情的になってしまうと有利に進めることが難しくなります。
裁判上の請求となった場合は、既婚者であることを知らなかったことについて過失があったか否かなど、過去の判例や法律的な解釈が必要になります。
慰謝料請求に対して、支払いを回避するあるいは減額できる可能性を高めながら、早期の解決を図るためにも、不倫問題に詳しい弁護士に相談することがおすすめです。
まとめ
交際相手が既婚者だと知らない場合でも、知らないことに過失があれば不倫慰謝料を支払わなければならない可能性があります。
交際期間中、既婚者であると感じ取れることができたケースなど、既婚者であると知りうる状況にあった場合、たとえ知らなかったとしても慰謝料請求に応じざるを得なくなります。
もっとも、そもそも交際相手と配偶者の夫婦関係が破綻していた場合や慰謝料請求権の時効が成立している場合は、支払う必要はありません。
過去の裁判例では、交際相手が既婚者であると知らなかったと認められたものもあります。
ただし、一般的には、知らなかったことあるいは知らないことに過失がなかったことを証明することは容易ではありません。
そのため、不倫慰謝料の請求を回避できない場合でも、交際中の事情をしっかりと伝え、減額交渉することが大切です。
交際相手が既婚者であると知らないケースでは、知らなかったことに過失がないことを主張・立証し、慰謝料請求を回避する、もしくは慰謝料請求を回避できない場合は減額交渉をすることになります。
そのため、過失がないことを立証できるか、あるいは適正な慰謝料金額を知るためにも、不倫問題に詳しい弁護士に相談することを検討すべきでしょう。
弁護士に依頼することで、慰謝料請求を回避するための証拠集めのアドバイスを受けられるほか、慰謝料請求を免れない場合は、交際中の事情を考慮しながら減額交渉を任せることもできます。
また、不倫問題では当事者同士が感情的に対立するケースも多いため、第三者である弁護士に任せることで、精神的な負担を軽減しながら、適正な主張をすることができるでしょう。
交際相手が既婚者だと知らなかった場合によくある質問
相手の配偶者から肉体関係があった証拠を突きつけられた場合でも、慰謝料を回避できる?
法律上は、原則として肉体関係が伴う不貞行為が損害賠償請求(慰謝料請求)の対象となります。
そのため、交際相手の配偶者から肉体関係があった証拠を突き付けられた場合、慰謝料請求の対象となり、支払い義務が発生する可能性が高くなります。
もっとも、相手が既婚者であると知らなかった、あるいは知らないことに過失(落ち度)がなかったことを証明できれば、慰謝料請求の支払いを回避、あるいは減額できる可能性があります。
自分を騙した相手に慰謝料を請求することはできますか?
自分を独身者であると騙した交際相手に慰謝料請求することは可能です。
このとき、交際期間や交際時の状況を踏まえた慰謝料金額を設定するとともに、既婚者と知らなかったこと、騙されていたことを証明する証拠を集めることが必要です。
慰謝料請求の方法としては、当事者同意の協議のほか、内容証明郵便で慰謝料請求書の送付や裁判上の請求があります。
内容証明郵便で送付する場合は、相手の配偶者が見る可能性があるため、郵便局留めにするなど細心の注意を払うことで、相手配偶者とのトラブルを避けることができるでしょう。
無料相談・電話相談OK!
一人で悩まずに弁護士にご相談を
- 北海道・東北
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