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妊娠中に浮気をされたら離婚すべき?浮気された妻が取れる選択肢や慰謝料相場など解説

妊娠中に浮気をされたら離婚すべき?浮気された妻が取れる選択肢や慰謝料相場など解説

妊娠中に浮気されたときに相手へ責任を追求したいときは、「離婚するかどうか」「慰謝料請求をするかどうか」を検討します。

シングルマザーとして生きていく覚悟があるなら、離婚をしつつ慰謝料請求もしましょう。浮気をされた場合は慰謝料を請求できるため、浮気相手や夫を許したくないなら基本的に慰謝料は請求することになります。ただし、離婚せずに関係修復を考えているなら、浮気相手だけに慰謝料請求する、もしくは慰謝料請求をしない場合もあります。

なお、妊娠中に浮気されたときの慰謝料請求額は、離婚しない場合は50万円~100万円程度、離婚をする場合なら100万円から300万円程度です。

妻側にも浮気に関して瑕疵があると、慰謝料減額または却下になる可能性があるので注意してください。とはいえ、妊娠中の浮気は精神的負担が大きいと判断され、原則として慰謝料増額の理由になります。

離婚や慰謝料請求などに発展する前にトラブルを回避したいときは、日頃から妊娠中のセックスについての話し合いや、夫に子どもが生まれることを自分ごと化してもらうなどの方法が効果的です。弊社Clamppy株式会社が実施したアンケート結果を見ても、浮気の原因として欲求不満や妻の関心が子どもに移ったことなどが挙げられていました。

浮気した夫との話し合いがまとまらないときは、離婚問題に強い弁護士に相談し法的措置を含めた相談をするのがおすすめです。

本記事では独自におこなったアンケート結果を基に、妊娠中の浮気についての実態、妊娠中に浮気されたときの対処法、夫の浮気を防止するための方法などを解説します。

妊娠中の浮気は即離婚?独自アンケートから実態を調査

妊娠中の浮気は悪質性が高く、浮気の慰謝料の増額要因にもなりえる行為です。「浮気中に離婚されたら即離婚したい」と思う人も少なくありません。

弊社Clamppyでは、妊娠中の浮気について男女408人にアンケート調査を実施し、妊娠中の浮気についての実態を調査しました。

自分または相手が妊娠中の浮気率は約20%

アンケートの結果を見ると、408人中84人と約20%の人たちが「妊娠中に浮気された」「妊娠中に浮気した」「実は妊娠が発覚する前から浮気していた」など、妊娠中の浮気があったと回答しています。

項目 パーセンテージ
相手が妊娠をして自分が浮気をした 25.5%(男性41/161人)
自分が妊娠をして相手が浮気をした 10.9%(女性27/247人)
妊娠する前から浮気していた 1.7%(男女7/408人)
相手が妊娠をして相手が浮気をした 1.9%(男性3/161人)
相手が妊娠してどちらも浮気をした 0.7%(男女3/408人)
自分が妊娠をして自分が浮気をした(自分が浮気して妊娠した) 0.8%(女性2/247人)
自分が妊娠をしてどちらも浮気をした 0.4%(女性1/247人)

相手が妊娠しているときに浮気していた男性は25.5%、自分が妊娠しているときに浮気された女性は10.9%と、妊娠中に浮気する男性は一定数存在することがわかります。ごく少数ではあるものの、妊娠中に浮気した女性もおられました。

また相模ゴム工業株式会社のアンケートでは、妊娠の有無にかかわらず、「結婚相手/交際相手以外にセックスをする相手はいますか?」というアンケートに対して「いる」と答えた割合は以下のようになっています。

性別 男性 女性
20代 29.6% 16.5%
30代 30.9% 17.9%
40代 30.1% 17.1%
50代 24.5% 14.2%
60代 19.8% 10.3%
平均 26.4% 15.2%

引用:相模ゴム工業株式会社

男性が浮気をしているケースは、女性よりもやや高いという結果が見られます。

「パートナーが妊娠中は男性が浮気をしやすい期間である」と言われる一方で、浮気をする人は妊娠に関係なく浮気をする、妊娠前から浮気を継続している、といった性質があるとも言えるでしょう。

男女別の離婚中に浮気した理由

今回実施したアンケートでは、男女別で妊娠中に浮気した理由も調査しました。妊娠した女性が浮気したケースのサンプルは19人と少ないものの、参考データとしてご覧ください。

妊娠中に浮気した男性の理由

パートナーが妊娠中に浮気した男性は、浮気した理由として「性欲を解消できない」を挙げる意見がとくに多く見られます。

浮気した理由 パーセンテージ
性欲を消化する術が減った 36.3%
配偶者とのコミュニケーションが減った 21.3%
浮気をしたがたまたま妊娠中だっただけで妊娠したことが浮気の原因ではない 11.3%
相手のメンタルが不安定になった 8.8%
妻が帰省したりして1人暮らしの状態になったから 6.3%
配偶者のことを異性として見られなくなった 5%
現実逃避がしたかった 3.8%
そのほか 3.8%
妊娠したことそのもの 3.8%

性関係以外には、配偶者とのコミュニケーションやメンタル面など、配偶者との関係悪化を浮気の理由として挙げる男性が上位になっています。

妊娠中に浮気した女性の理由

汚い妊娠中に浮気する女性の母数は少なかったものの、浮気した理由の1位は「配偶者とのコミュニケーションが減った」でした。

浮気した理由 パーセンテージ
配偶者とのコミュニケーションが減った 26.3%
現実逃避がしたかった 21.1%
相手のメンタルが不安定になった 15.8%
そのほか 15.8%
浮気をしたがたまたま妊娠中だっただけで妊娠したことが浮気の原因ではない 10.5%
性欲を消化する術が減った 5.3%
妊娠したことそのもの 5.3%

「妊娠が原因ではない」やそのほかの回答

妊娠中の浮気で男女ともに見られたのが、「妊娠は関係なく浮気していた」「妊娠する前から浮気していた」という回答でした。

項目 パーセンテージ
(男性実数161人中)
パーセンテージ
(女性実数247人中)
妊娠をする前に浮気したことがある 17.6% 5.9%
妊娠をする前に浮気されたことがある 2% 7.1%

妊娠中だから浮気した人だけでなく、浮気前に妊娠していた人、妊娠に関係なく浮気した人も見られました。

また、上記以外の妊娠中に浮気した理由としては、次のような回答が出ています。

  • 夫婦の関係が減ったのでそれがきっかけにほかの人と出会ってしまった。(男性)
  • 元妻の第二子妊娠と単身赴任の時期が重なり、元妻の親と同居していたこともあって単身赴任したのですが、赴任先で独身に戻ったようで羽根を伸ばしすぎました。(男性)

妊娠中の浮気が初めてだった人は75人中約半数

妊娠中に浮気した人75人のうち、「初めての浮気が妊娠中だった」と回答したのは39人と約半数でした。

項目 パーセンテージ
(男性実数56人中)
パーセンテージ
(女性実数19人中)
はじめて 57.1% 36.8%
はじめてではない 48% 63.2%

妊娠3~6か月目での浮気が多い傾向

妊娠中に浮気をした男女69人中、妊娠何か月目で浮気したのかについてもアンケートを実施しました。

月数 パーセンテージ(男女合計)
3~6か月 33.3%
6~10か月 17.4%
妊娠する前から浮気していた 14.5%
1~3か月 13.0%
出産後1年以上経ってから浮気し始めた 13.0%
1週間~1か月 4.3%
出産後1年位内に浮気し始めた 2.9%
1週間以内 1.4%

もっとも多かったのが妊娠3〜6か月、次に多かったのが妊娠6〜10か月でした。今回のアンケートでは、妊娠発覚直後よりもある程度時間が経ってから浮気する人が多くなる傾向が出ています。

浮気がバレた原因で多いのは「携帯を見られた」

妊娠中に浮気をした男女に対し、「なぜ浮気がバレたのか」についても調査しました(複数回答可)。

浮気がバレた理由 パーセンテージ(男女合計)
携帯電話のなかを見られた 40%
そのほか 18%
浮気相手に送るはずのLINEやメッセージを間違って配偶者に送った 14%
SNSの投稿から配偶者にバレた 7%
自分のお金の使い方が荒くなり気づかれた 6%
相手が探偵を使った 4%
職場の人から配偶者に伝わった 2%

半数以上が、スマートフォンといった携帯が原因で浮気が発覚しています。またSNSやお金の使い方など、浮気をしている側の行動によって浮気がバレている傾向が見られました。パートナーの浮気が疑われるときは、スマートフォンの使い方を含めたパートナーの行動に注視することが大切になるでしょう。

また、アンケートのなかには探偵を雇って浮気調査をした人もおられました。

妊娠中の浮気発覚で離婚した人は80人中14人

妊娠中の浮気が発覚した男女80人のうち、実際に離婚した夫婦は80人中14人でした。

「妊娠中の浮気は即離婚」との一般論があるなか、今回の調査では離婚までには至らなかった夫婦が多数派を占めています。

妊娠中に浮気が発覚したとしても、金銭面や生まれてくる子どものことを考えて離婚をしない選択肢を取る夫婦も少なくありません。イメージとは裏腹に、夫婦ごとのケースバイケースで対応が変わります。

妊娠中の離婚で苦労した・気づいたときの体験談

今回のアンケートでは、妊娠中に離婚した人が苦労した体験談についても募集しました。以下では、妊娠中の離婚で苦労した体験談を紹介します。

これから子供を1人で育てていくという覚悟や知識を身につけることで苦労しました。(女性)
妊娠中の離婚で最も苦労したのは、精神的なストレスと新しい生活への適応でした。弁護士のサポートがなければ乗り越えられなかったでしょう。(男性)
実家に帰ることになったが実家の空気もギスギスしていた。精神的には辛かった。(女性)
わたしの場合、すでに出産後でした。でも、子供が一歳になる前に離婚しました。あんな父親いらないですから。(女性)
妊娠中の離婚は非常に辛い経験でした。精神的な負担が大きく、経済的にも困難が伴いました。しかし、子供のために強く生きることを決意しました。(男性)

「生まれてくる子どものことを考えると大変」「経済や生活環境の変化で精神的なストレスが大きい」など、妊娠中の離婚だからこその苦労話が多く挙げられていました。

さらに以下では、浮気に気づいた人の体験談もまとめました。

いつもは携帯をテーブルの上などにポンっと置いていたのですが、私が妊娠してから急にトイレに行くにも常に持ち歩くようになり怪しいと思っていました。
たまたま彼がベッドの上に携帯を置き忘れたまま出かけたことがあり、そのタイミングで画面に通知が来たのを見ると、名前は男の子だったのですが文章が明らかに女の子からのもので浮気だなと思いました。
(女性)
里帰り出産後、家に帰ったら自分のものではない髪の毛が落ちていた。(長く茶色)(女性)
体調が悪く実家に帰省をしていて、帰ろうと思った時に「まだ帰ってこなくていいよ」「もう少しゆっくりしてきなよ」等言われ、怪しいと思ったので何も言わずに帰ると女性物の洋服や、歯ブラシが1本増えていたりした。(女性)
妊娠中、切迫早産で3ヶ月入院し、退院した次の日に産気づいて出産に至り、産後は、初産だったこともあり、実家で1ヶ月療養し、子供を連れて帰る前に自宅を掃除したいと思い、旦那が仕事行ってる間に、連絡もせずに自宅に行ったら、ローターやら、そういうおもちゃがそのままあいてあった。旦那1人だったはずなのに、歯ブラシももう一本置いてあった。金髪の長い髪が落ちていた。(女性)
出産し実家から帰宅するとご近所の方が「ご主人が自宅に女性を招き入れていましたよ」と態々教えに来てくれた。
半信半疑だったが、その後、私の物では無い女性用のアクセサリーが自宅内で見つかった。(女性)

今回のアンケートでは「実家に帰っている間に、パートナーが浮気相手を連れ込んでいたケース」が多く、浮気された側の精神的苦痛の大きさが見える結果となりました。

女性にとって実家で出産に備えることは精神的安定につながる一方、そこにつけ込んで浮気をする男性もいるということです。

アンケート結果からわかった!妊娠中に夫が浮気する理由

今回実施したアンケート結果や一般論を見ると、なぜ妊娠中に夫が浮気するのかについての傾向が見えてきました。妊娠中に夫が浮気する理由は、次の通りです。

  • セックスレスで性欲を消化できなくなった
  • 親になるプレッシャーなどでメンタルが不安定になったから
  • 妊娠中で不安定になっている妻を避けたかったから
  • 妻の関心が子どもに移ってしまったから

以下では、理由の詳細はアンケートの口コミなどを見ていきましょう。

セックスレスで性欲を消化できなくなった

妻が妊娠すると、セックスやそのほか性的行為をする機会が減り、セックスレスになるケースはよくあることです。しかしセックスレスになると夫側が性欲を消化できるタイミングが減ってしまい、欲求不満を理由に浮気に走るリスクがあります。

妊娠中の女性は、肉体的・精神的負担や疾病のリスク、体調面からセックスを拒否することは珍しくありません。

原則として、セックスレスは民法第770条上における「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する行為です。ただし、妊娠中のセックス拒否は正当な理由として扱われるため、離婚において不利になりません。

しかしセックスができない期間が長引くと、どうしても性欲を抑えられない男性は存在します。妊娠を機に妻が実家へ帰省した場合だと、家に妻がいないタイミングを利用して浮気相手を連れ込むパターンもあります。

実際に弊社が実施したアンケート調査でも、男性が妊娠中に浮気した理由として1位は「性欲を消化する術が減った」が36.3%と全体の3分の1以上を占めていました。アンケートの口コミでも、性欲に関するものはとくに多数集まっています。

コミュニケーションが減って性欲のはけ口がなくなったからです。(男性)
妊娠そのものが浮気の原因となったと感じます。配偶者が妊娠中に浮気をして、性欲を満たすためだったと言っていました。(女性)

夫の性欲が強い、夜の生活を大切にしているといったタイプのときは、セックスレスによる浮気をしてしまう恐れがあります。

参考:e-Gov法令検索「民法

親になるプレッシャーなどでメンタルが不安定になったから

妻が妊娠すると、夫側もこれから父親になるという自覚が芽生えるのが一般的です。しかし、父親になると経済的負担、出世や収入増への焦り、子育て、妻と子の共同生活、自由時間の減少など、さまざまなプレッシャーや責任が生じてきます。

すると親になるプレッシャーや責任が原因でメンタルが不安定になり、現実逃避の手段として浮気に走るケースが存在します。とくに夫が精神的にまだ若い人、自由が好きな人などだと要注意です。

妊娠中、夫とのコミュニケーションが減り、彼のメンタルが不安定になったことが原因で浮気が発覚しました。(女性)

妊娠中で不安定になっている妻を避けたかったから

妊娠中の女性は、出産に向けたホルモンバランスの変化や出産・子育てへの不安などで感情や体調が不安定になることも珍しくありません。そのため、いつもより強めに夫へ当たってしまったり、些細なことで怒ってしまったりなどが発生する場合があります。

もし夫側が妻の不安定な状態に対してストレスや嫌悪感を抱いてしまうと、夫婦仲が悪化するリスクが考えられるでしょう。その結果、外出が多くなって新しい女性との出会いが増える、知り合いの女性に癒やしを求めるなど、浮気に発展する行動につながる可能性があります。

妊娠中は非常に情緒不安定で、夫とのコミュニケーションも減ってしまいました。そのため、夫が浮気に走ったのだと思います。(女性)
妊娠したことに対する不安やストレスが多く、配偶者とのコミュニケーションも減りました。お互いに感情的になりやすく、衝突が多かったです。(女性)

妻の関心が子どもに移ってしまったから

妊娠した妻の関心が子どもに移ってしまったことで、夫側が寂しさを感じて浮気してしまうパターンも存在します。

妊娠は女性にとって人生のなかでも特別な時期であり、自分の体に宿った子どもに興味・関心を注ぐのは普通のことです。しかし、男性のなかには「自分への愛情がなくなってしまったのでは」と不安と寂しさを覚える人もいます。

その寂しさを紛らわすために、妻以外の女性へ癒やしを求めてしまう浮気に走ってしまいます。例えば出産に備えて妻が実家に帰ってしまい、妻と離れて暮らすことになった夫が浮気をするケースが挙げられるでしょう。

また、「子どもばかりで自分を大切にしていない」と夫が感じてしまい、夫婦仲が険悪になって浮気する可能性もあります。夫婦間のコミュニケーションそのものが減ると、お互いの気持ちや意見を伝え合う場面が少なくなり、すれ違いが多くなってしまう可能性があります。

妊娠中に夫が浮気した場合の対処法

妊娠中に浮気された妻が取れる選択肢は、大まかに分けて以下の4つがあります。

  • 離婚も慰謝料請求もする
  • 離婚して慰謝料請求しない
  • 離婚しないで慰謝料請求する
  • 離婚も慰謝料請求もしない

離婚・慰謝料請求の2つをどのように処理するかを決めます。

前提として、可能であれば離婚や慰謝料請求は出産後から本格的に動くべきです。妊娠中は特にホルモンバランスが変化し、さまざまな感情が入り乱れる時期でもあります。そのため、さまざまな手続きを正常な判断をもってできない可能性も出てくるでしょう。

また、出産をすると母として「子どもを守らなければいけない」という母性本能が強くなる傾向にあります。そのため、子どもの利益を考えて浮気をした夫と関係を続けるという選択肢を選ぶこともあります。妊娠中に感情に任せて離婚をすると、今後なんらかの影響が出る可能性があることは理解しておきましょう。

離婚・慰謝料請求については、出産をしてからでも問題ありません。ただし、浮気時の慰謝料請求には時効があるため注意が必要です。浮気という行為・浮気相手が判明してから3年で時効となってしまいます。

つまり、出産後そのままうやむやにしていると、いずれ時効になってしまい、慰謝料請求ができなくなります。そのため、出産後はできるだけ早く慰謝料請求の準備を進めましょう

離婚も慰謝料請求もする

最も厳しい対応をとるなら離婚も慰謝料請求もすることになります。「今後夫と一緒に過ごしたくないし精神的な苦痛もお金で和らげたい」という場合に取るべき対応です。

浮気の基準は人によって異なりますが不貞行為、いわゆる配偶者と浮気相手の間に肉体関係があった場合は慰謝料請求できます。

ただし、慰謝料を請求するなら浮気の証拠・不貞行為となる証拠を集めなければいけません。慰謝料を請求する場合は、裁判や示談をすることになりますが、その際に証拠があることで有利に話を進められます。

自力での証拠集めが難しい場合は、探偵事務所に依頼することも検討してください。探偵事務所の依頼費用は10万円以内で済むこともあれば、100万円近くかかることもあります。証拠を得られるまでの時間がかかるほど費用は高くなるということは理解しておきましょう。

とはいえ、妊娠中の浮気で慰謝料を請求すると、多くの場合で100万円以上の慰謝料が支払われます。また、探偵事務所への依頼費用も損害賠償として請求できる場合もあります。

妊娠中で証拠集めをするのが難しい場合は、探偵事務所に依頼した方が精神的にも楽で、おなかの中にいる子どもへの影響も少ないといえるでしょう。

今回実施したアンケート調査でも、「探偵を使って夫を調査した」「妻が探偵を使って追求してきた」といった口コミが寄せられていました。

相手が探偵を依頼して調査してきましたのでバレてしまいました。(男性)
自宅で夫が私に隠れてスマホをいじることが多くなり、探偵を使って身辺調査をしました。(女性)

離婚して慰謝料請求しない

離婚はするものの、慰謝料請求はしないというケースもあります。浮気されたことで感情的になってしまい、離婚を急いでしまうことでこのようなケースになります。結婚していないカップルが喧嘩別れするような流れで、勢いのまま離婚をしてしまうイメージです。

結婚前のカップルとは違い、結婚をしているなら浮気・不貞行為をされた場合は慰謝料を請求できます。妊娠中ならなおさらで、今後子育てをしなければいけないので、よりお金に関してはシビアに考えなければいけません。そのため、妊娠中に浮気されたときの対応で「離婚して慰謝料を請求しない」という選択はおすすめできません。

ただし、財産分与割合の増額や、婚姻費用の請求をする代わりに慰謝料請求しないというケースもあります。

一般的に離婚時の財産分与はお互いに2分の1ずつにして分けます。しかし、慰謝料を請求しない代わりに、財産分与を7:3や8:2といった割合にすることも可能です。離婚時の財産分与に関しては、原則的なルールはあるものの、双方が納得する形ならどのような分け方でも問題はありません。慰謝料請求をしないのであれば、財産分与では強気に出てもよいでしょう。

なお、慰謝料請求や財産分与とは別で、養育費の支払いは非親権者の義務となります。つまり、どのように離婚をしたとしても、元夫で親権を持たない者は養育費を払い続けなければいけません。慰謝料請求や財産分与でたくさんのお金を受け取っても、養育費は別で受け取ります。

一般的に養育費は子どもが自立するまで受け取るものです。具体的な年数は夫婦で話し合って決めますが、高校卒業までと決めた場合は18年間、大学卒業までなら22年間と、どちらにせよ長期にわたって受け取っていくことになります。

そのため、必ず養育費については話し合って「毎月いくら受け取るのか」「いつまで受け取るのか」「毎月いつに振込をしてもらうのか」などを決めましょう。養育費についての詳細は、後述の「養育費」も参考にしてください。

離婚しないで慰謝料請求する

離婚をしないで慰謝料請求するケースもあります。このときの慰謝料請求は「浮気相手だけにするケース」と「夫と浮気相手の双方にするケース」があります。

「子どものために離婚はしたくないけど慰謝料で心の傷は癒したい」「今後は浮気しないように対策したい」という場合に選ばれます。

浮気相手にのみ慰謝料を請求する

慰謝料というのは夫には請求せず、浮気相手にのみ請求することが可能です。

ただし、浮気相手が「夫が既婚者だと知らなかった」場合は、浮気相手に過失がないとして慰謝料を請求できないこともあります。たとえば、夫が独身だと嘘をついて浮気相手と不貞行為に至った場合、浮気相手には責任がないと認められます。

もちろん「夫が既婚者だと知らなかった」と言い張ったところで、必ずしも責任逃れができるというわけではありません。職場が一緒だったり、夫が常に結婚指輪をつけていたりと、明らかに既婚者だと疑えるような状態だった場合は、浮気相手に責任があると認められます

なお、離婚しない場合は慰謝料請求のできる額は比較的少ないです。離婚して慰謝料を請求する場合「不貞行為によって家庭が崩された(離婚することになった)」という精神的苦痛要素が高くなるため、慰謝料を多額請求できます。

しかし、離婚をしないということは「不貞行為によって家庭は崩れていない(離婚には至っていない)」という判断となってしまいます。結果として、離婚する場合に比べると少ない50万円~100万円程度の慰謝料となるのが一般的です。

浮気相手だけに慰謝料を請求するときに注意したいのが「求償権」です。本来、不貞行為の責任、言い換えるなら慰謝料の支払い責任というのは浮気相手だけではなく、夫にも存在します。

浮気相手が慰謝料を請求されたとき、夫にも支払い責任を求めるのが「求償権」です。たとえば、浮気相手に100万円の慰謝料を請求したとき、浮気相手は夫に対して「あなたにも責任があるから50万円は支払って」と請求できます。

このように、夫に対して慰謝料を請求したくない場合は、この求償権を浮気相手に対して放棄してもらわなければいけません。

なお、浮気相手も既婚者だった場合、つまりいわゆるダブル不倫だった場合は、相手側のパートナーから夫が慰謝料を請求されることがあることも留意しておきましょう。

ダブル不倫の場合は、慰謝料が相殺される可能性があるため、お互いに請求しないケースもあります。

夫と浮気相手に慰謝料を請求する

離婚しない場合でも、夫と浮気相手に慰謝料を請求できます。基本的には離婚しない場合と似通っており、自力もしくは探偵を使って浮気の証拠を集め、弁護士と相談しながら慰謝料を請求する準備を進めていきます。ただし、離婚をする場合に比べると請求できる慰謝料が少なくなるということは理解しておきましょう。

そもそも夫婦で生計を共にしている場合は、慰謝料を請求しても結果として家庭内でお金が回るだけになることも考えられます。

そのため、離婚せずに夫に慰謝料請求する場合は、自分にとってどのようなメリットがあるのか考えたうえで決行しましょう。原則として、離婚せずに夫へ慰謝料を請求するメリットは少ないと思っておくのがよいです。

離婚も慰謝料請求もしない

離婚も慰謝料請求もしない判断をするケースも中にはあります。

妊娠中の浮気は通常の浮気と比べて悪質であり、妻の精神的苦痛が大きいと考えられています。実際、請求できる慰謝料も妊娠中の浮気の方が高額なケースが多いです。

しかし、夫からすると「妊娠中だからこそ浮気してしまった」というケースも少なくありません。妊娠中に浮気をしても、出産後には一切浮気をする気はなくなるという場合も考えられます。

そのため夫の性格や夫婦の関係性次第では、今後のために離婚も慰謝料請求もせず、関係を修復するというのも一つの手でしょう。何より、妊娠中はホルモンバランスの影響で、普段の自分以上に感情が乱れている場合もあります。そのため、一時の感情で離婚をすることだけを考えて行動してしまうと、後悔をする可能性も考えられます

一旦関係の修復を図り、関係修復できなかったら慰謝料を請求するというのも一つの方法です。ただし、慰謝料の請求は「浮気の事実・浮気相手を知ったときから3年間」「浮気行為を行ってから20年間」のどちらかとなります。

関係修復に至らなかったとき慰謝料請求ができるよう、期間は正しく理解しておきましょう

妊娠中の浮気の慰謝料相場は50万円~300万円!高額になる理由について

妊娠中に浮気されたときの慰謝料相場は50万円から300万円です。

慰謝料というのは、端的にいえば心の傷を癒すための費用です。つまり、精神的に負った傷が大きいほどに慰謝料は高くなります。慰謝料相場に大きな広がりがあるのはこのためです。

なお、先にも少しふれたように、慰謝料は離婚する場合と離婚しない場合でも異なります。このように、さまざまなケースがあるということは理解しておきましょう。

妊娠中に浮気された場合の慰謝料が増額しやすい理由

妊娠中に浮気をされるということは「出産に向けて頑張っている時期の浮気」「これから子育てが大変になり出費も増えてくる時期の浮気」「華やかな未来を期待していた矢先の浮気」となります。つまり、精神的にも肉体的にもダメージが大きいです。

前述したように、慰謝料というのは心の傷を癒すための費用です。そのため、精神的な苦痛が大きい妊娠中の浮気であれば、慰謝料は大きくなります

また、浮気が原因で離婚をする場合はさらに慰謝料は高くなります。浮気が原因で中絶する場合も、精神的・肉体的苦痛が大きいため同様です。

なお、慰謝料は請求する額が大きいほど難易度が高くなり、トラブルも多くなります。話し合いで解決することも可能ですが、確実に相応の額を請求したい場合は弁護士に相談すると良いでしょう。

妊娠中でも慰謝料が増額しないケース

妊娠中でも慰謝料が増額しないケースもあります。

たとえば「妻が浮気したことが原因で夫が浮気することになった」「妻が妊娠を機にモラハラ気質になってしまい夫が浮気した」「離婚前から婚姻関係が破綻していた」など、夫だけでなく妻にも瑕疵があると判断されることもあります。

妻にも瑕疵がある場合は慰謝料は少なくなる、もしくは慰謝料請求が認められません。

また妊娠中であっても、離婚をする場合に比べると、離婚をしない場合は慰謝料は少なくなります。離婚そのものに発生する精神的苦痛への慰謝料が発生しないためです。

浮気による婚姻関係の変化 慰謝料相場
離婚する 100万円~300万円
離婚しない 50万円~100万円

妊娠中の浮気による離婚で慰謝料以外にも請求できる費用

妊娠中の浮気による離婚は、慰謝料以外にも以下の費用が請求できます。

  • 養育費
  • 財産分与
  • 出産費用含む婚姻費用

特に弁護士を立てずに離婚を進めてしまうと、当然もらえるはずだった費用をもらい損ねてしまう可能性も考えられます。

お金は今後の子育てにおいて非常に重要になってくるので、必ず確認しておきましょう。

養育費

養育費というのは、子どもを育てていくための費用です。離婚をした場合、親権者が非親権者に対して請求できます。

離婚後に出産した子どもの親権者は原則として母親となります。そのため、妊娠中の浮気で離婚した場合は、親権は母親が持つと考えて良いでしょう。離婚成立時点で子どもが生まれていなくても、離婚後300日以内に出産していれば養育費を請求できます。300日経過後だと非摘出子扱いになるため、夫側が認知しないと養育費は請求できません。

母子世帯が受け取る養育費の平均額は以下のとおりです。

子どもの数 1人 2人 3人
養育費 40,468 円 57,954 円 87,300 円

引用元:令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果

子どもが1人なら40,000円前後の養育費がもらえると考えておきましょう。ただし、養育費というのは親の収入によっても変化します。夫の収入が低い場合は、40,000円以下で折り合いをつける可能性もあるでしょう。

妻の年収や、既に育てている子どもの年齢、健康状態なども判断材料の一つとなります。裁判所は、親の年収や子どもの年齢に合わせた養育費の算定表を「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」にて公開しています。養育費を決める際はぜひ参考にしてください。

慰謝料と同じように、養育費も言った言わないのトラブルになってしまうことが多いです。毎月の養育費だけでなく、遅れたときの対応方法、支払い期間、支払日など、公正証書にして記録しておくと良いでしょう。

財産分与

財産分与とは、婚姻期間に築いた財産を分けることです。預貯金や家、家具や家電などが含まれます。一般的な財産分与の割合は50%ずつ分けます。たとえば婚姻期間に築いた財産が100万円なら、お互い50万円ずつを受け取って離婚するということです。

しかし、離婚の内容によってはこの割合を変えることもあります。たとえば、妊娠中の浮気による慰謝料を請求しない代わりに、財産分与の割合を増やしたり、養育費の代わりとして財産である持ち家をすべて渡したりすることもあります。

つまり、どのような形でも夫婦で合意の形であれば基本的には問題ありません

「浮気をされたから財産分与では有利にしてほしい」といったように、自分の要望を伝えて話し合いを進めていきましょう。

出産費用含む婚姻費用

婚姻費用とは、結婚生活を営む上で必要になる費用のことです。日々の衣食住にかかる費用はもちろんのこと、医療費や出産費なども含まれます。

もし妊娠中の浮気が原因で「夫と住みたくない」となって、別居することになった場合、通常は当面の生活費が必要になります。しかし、妻が妊娠中で仕事ができないという状況であれば、そのための費用(婚姻費用)を夫に請求できます。

たとえば、妊娠中に夫の浮気が発覚して妻が実家に帰ったとき、今後の生活費を妻の財布から出してしまうということがあります。この場合、本来は婚姻費用として生活費を夫に請求可能です

ただし、離婚が成立すると婚姻費用は請求できなくなります。離婚すると養育費がもらえるようになるものの、養育費はあくまで子どもを育てるための費用です。妻の衣食住にかかる費用などが含まれる婚姻費用より養育費は少なくなるということは理解しておきましょう。

妊娠中に夫の浮気を防止する方法

妊娠中の浮気を防止する方法としては以下のようなものが挙げられます。

  • 妊娠中の夜の生活について事前に話し合う
  • マメにコミュニケーションを取る
  • 夫に病院の定期検診に付き添ってもらい父親になることを自覚してもらう
  • 周囲に協力を得てストレスを溜めない生活をする

それぞれ確認して、浮気をされる前から対策をしておき、円満な夫婦関係を築けるようにしておきましょう。

妊娠中の夜の生活について事前に話し合う

妊娠中の夜の生活については事前に話し合いしておきましょう。男性の中には「妊娠中でもこれまで通りセックスできる」と考えている男性は少なくありません。もちろん、妊娠中でもセックスをする女性はいるものの、一般的には女性側はホルモンバランスが変化して、妊娠中のセックスは拒否してしまうのが一般的です。

そのため、突然セックスができなくなると、男性からすると「いきなり素っ気なくなった」「愛情がなくなったのか?」などと不安に感じてしまいます。

事前に夜の生活について話し合いをしておけば、妻の体や感情の変化についての理解が深まり、円満な夫婦生活を送れるようになるでしょう

マメにコミュニケーションを取る

妊娠中は、コミュニケーション不足によるすれ違いが起こらないよう注意が必要です。

夫側も、「妻を助けたいけど何をしたらいいのかわからない」「話しかけたいけど怒らせるのは避けたい」といった気遣う気持ちが、むしろ妻に対してアクションを消極的にさせている可能性も否定できません。

大切なのは、自分がしてほしいことをはっきりと伝えることです。具体的に「何をしてほしいか」「不安なところや甘えたい気持ちはあるのか」を共有すれば、夫側も具体的なアクションを取りやすくなります。お互いを理解し合ったうえで行動ができれば、コミュニケーション不足が発生せず、良好な関係を継続できるでしょう。

また、妊娠中も夫への愛情を伝えることも非常に重要です。

以下では、アンケートにあった浮気の予防策および失敗談の口コミをいくつかご紹介します。

その他と回答していませんが、妊娠中に主人に色々と手伝ってもらったときには、きちんと感謝の気持ちを伝えるようにしていました。(女性)
妊娠中は、愛情を言葉で伝えることが重要だと感じました。また、スキンシップも大切にするよう心掛けました。(女性)
お互いの愛情をしっかりと伝え合うことで、浮気を防ぐ努力をしていました。言葉でのコミュニケーションが鍵だと思います。
特に予防策は講じていませんでした。信頼関係に任せていましたが、結果的には失敗でした。(男性)

夫に病院の定期検診に付き添ってもらい父親になることを自覚してもらう

病院の定期検診に付き添ってもらうのも一つの手です。夫からすると妻の体が大きくなっても、当然自分の体には変化はありません。そのため、男性は実際に我が子が産まれるまで親としての自覚を持ちにくくなっています。

病院の定期健診に付き添ってもらえば、親としての自覚が生まれやすいです。また、夫婦でともに子供が産まれてくるという喜びを分かち合えるようになります。結果として、夫婦の会話も増え、より円満な生活を送れるようになるでしょう。

妊娠20週を超えるとおなかの外からでも胎動を感じられるようになります。夫に胎動を感じてもらって、すでに子どもは生きている、親になっているという実感を得てもらうのも一つの手です。

周囲に協力を得てストレスを溜めない生活をする

周囲の協力を得て、お互いにストレスを貯めないことも重要です。妊娠中は以前と同じように生活するのは簡単ではありません。妻はホルモンバランスの乱れで、ちょっとしたことでイライラしてしまうことも出てきます。そのイライラを夫にぶつけてしまえば、夫婦仲は悪くなっていき結果的に夫が浮気することになります

そのため、周囲を頼って、ストレスを減らすこと、ストレスを貯めないことを意識しましょう。具体的には以下のとおりです。

  • 両親に頼んで家事を手伝ってもらう
  • たまには双方合意のもと実家へ帰ってリラックスする
  • 出産を経験している友人に相談する

ストレスを感じないことで、お腹の中にいる子どもにも良い影響を与えられるでしょう。

浮気の兆しを確認する

いくら妊娠中の浮気に対する予防策を講じても、夫に浮気されてしまうケースもあるでしょう。浮気によるダメージを軽減するには、事前に浮気の兆しを感じ取り、先手が打てるよう立ち回ることが大切になります。

あらかじめ浮気の兆候がわかっておけば、いきなり浮気が発覚して混乱したまま離婚してしまうより、冷静に相手との話し合いに持ち込みやすくなります。

一般的に浮気には以下のような兆候があります。

  • スマホを一切見せない
  • スマホを肌身離さないようになった
  • 仕事終わりや休日など電話をしても出ないことが増えた
  • 仕事が終わるのが遅くなった
  • 休日出勤が増えた
  • 外出先を言わずにふらっと出かける
  • 不自然なほどやさしくなった
  • 妻の予定を確認する

スマホを見せないのは浮気相手と連絡をしているため、仕事が遅かったり連絡が取れなかったりするのは浮気相手と会っていると考えられます。

また、浮気をしている罪悪感、もしくは浮気をしていることを悟られないようにするためか、優しくなることも多いです。妻の予定を入念に確認するのは、外で浮気相手といるところに遭遇しないようにするためです。

上記に当てはまる場合は、浮気を疑ってみましょう。

「妊娠中に浮気をされないための予防策は何かしていましたか」のアンケート結果

弊社が実施したアンケートでは、「妊娠中に浮気をされないための予防策は何かしていましたか」についても募集しました。アンケート結果は次の通りです。

浮気されないための防止策 パーセンテージ(男女合計)
とくにしていない 39%
スキンシップを大切にする 22.1%
相手に感謝を伝える 16.7%
愛情を言葉で伝える 6.4%
今後の生活について話す 5.1%
性生活について話す 2.7%
浮気しないでねと釘を刺しておく 2.5%
共通の趣味を楽しむ 2.2%
スケジュールを確認しあう 2.5%
アプリで位置情報を共有する 1%
そのほか 0.5%

妊娠中の浮気で慰謝料を請求する流れ

妊娠中に浮気され、慰謝料を請求する場合は、以下のような流れで行います。

  1. 証拠を集める
  2. 浮気した相手を突き止める
  3. 離婚問題に強い弁護士に相談する
  4. 浮気相手に内容証明郵便を送付する
  5. 直接慰謝料を請求する
  6. 交渉で合意が得られない場合は法的措置をする

より、スムーズに慰謝料請求をするためにも、それぞれの流れを確認しておきましょう。

証拠を集める

妊娠中の浮気について慰謝料を請求すると決めたときに、もっとも大切なのは浮気の証拠集めです。浮気の確固たる証拠があれば、相手は言い訳や弁明がしづらくなり、スムーズに慰謝料の交渉へ進みやすくなるからです。

もし裁判沙汰になったとしても、証拠が揃っていればいくら相手がしらばっくれても慰謝料を勝ち取れるはずです。浮気の証拠がなければ、いくら精神的苦痛を訴えても慰謝料が認められることはありません。

とくに慰謝料と一緒に離婚を求めるときは、不貞行為といった民法上の「婚姻を継続し難い重大な事由」を証拠で立証しなければ離婚は成立しないでしょう。慰謝料や離婚などを勝ち取るには、証拠はそれほど重要なものになります。

以下のような証拠を集めておきましょう。

  • 夫と浮気相手の不貞行為を裏付ける写真・動画
  • 夫と浮気相手がラブホテルへ入る写真・動画
  • 不貞行為の裏付けとなる内容のメールのやり取りやSNSの投稿
  • 夫や浮気相手が浮気について認めた音声・動画
  • ラブホテルのレシートや会員証
  • ラブホテルを利用したクレジットカードの明細

慰謝料を請求する場合は、通常だと弁護士と相談しながら話を進めていくことになります。決定的な証拠が集められない場合でも、弁護士との相談次第で今後の展開は大きく異なります。また、意外なものが証拠になることもあるので、弁護士とは入念な相談をしながら進めていくと良いでしょう。

証拠集めは家の中で、自分一人で行うことも可能ですが、外出をして夫の後をつけるのは得策とは言えません。妊娠中ということもあり体への負担が大きいですし、バレてしまうと証拠を隠滅されてしまう可能性もあります。

証拠集めは、夫の知人や友人に協力してもらって集まるのがおすすめです。夫の職場の知り合いなら「本当に出張しているのか」「本当に残業しているのか」などを確認できます。ただし夫を庇って証拠隠滅をする人の可能性もあるので、夫婦共通の知り合いといった協力を仰げそうな人選にするのがよいでしょう。

また、家の外での証拠集めは探偵に依頼する選択肢もあります。浮気調査には慣れていますし、なにより実際に裁判で有利になるような証拠を集めてもらえます。

ただし、調査費用はおおむね10万円から100万円とまとまったお金が必要になります。「結局浮気をしていなかった」という場合でも当然費用は発生するため、確実に浮気をしているという自信がある場合にのみ利用しましょう

浮気した相手を突き止める

証拠集めを続けていく最中に、必ず浮気相手は突き止めましょう。浮気相手を特定しないと、当然浮気相手に対して慰謝料を請求できません。

なお、証拠集めが中途半端な状態で夫に切り出してしまうと、連絡を絶ってしまったり、証拠隠滅をされて突き止められなくなる可能性があります。そのため、浮気の証拠が出てきてもすぐに夫には切り出さず、浮気した相手が判明するまでは泳がせましょう

浮気相手の名前や顔などはわかっても、住所を自力で割り当てるのは簡単ではありません。そのため、浮気相手の調査も探偵に依頼した方が良いです。証拠集めと同時に浮気相手も突き止めてもらいましょう。

離婚問題に強い弁護士に相談する

弁護士を使わずに、浮気相手に対して直接慰謝料を請求することも可能です。しかし、慰謝料請求というのは複雑で簡単に個人間では解決できません。そもそも個人間で解決させようとすると、さまざまな手続きでお互いの私利私欲が出てきてしまい、トラブルになりやすいです。

そのため、弁護士に相談しましょう。弁護士といっても、それぞれ専門分野が異なるため、離婚をする際は離婚問題に強い弁護士に依頼すると良いです。

弁護士に相談するタイミングはいつでも良いですが、可能であれば浮気を確信した時点で相談しましょう。最初のうちから相談しておけば、証拠集めのアドバイスをしてくれます。また、何かあった時の適切な対応など、専門分野ということもありさまざまな場面で力になってくれます。

もちろん最終的な慰謝料の請求・金額交渉・裁判などすべて弁護士に任せられます。もちろん、費用はある程度発生してしまうものの、弁護士に依頼することで得られる慰謝料は増えるため、損だと感じることはないでしょう。

浮気相手に内容証明郵便を送付する

一般的に、浮気相手に会って慰謝料を請求するよりも先に、内容証明郵便を使って慰謝料を請求します。内容証明郵便には「不倫の事実を知っていること」「精神的苦痛を受けて慰謝料を請求していること」などが記載されています。

なお、内容証明郵便自体に支払いを強制するような力はありません。内容証明郵便自体とは、今後裁判をすることになった時、有利な立ち回りができるように送るものと考えておきましょう。

ちなみに、この段階では浮気相手とは直接会わないため、不倫ドラマによくあるような泥沼の展開になることはありません。

慰謝料請求や離婚条件の交渉をおこなう

夫や夫の浮気相手への慰謝料請求や、夫との離婚条件などの交渉をおこないます。弁護士に依頼していれば、弁護士を通じた話し合いが可能です。

ご自身が浮気相手と対面して慰謝料請求することも可能ですが、泥沼の展開になることも想像されるため、せめて弁護士と同行した方がよいでしょう。

話し合いをする内容としては主に以下のとおりです。

  • 慰謝料の額
  • 慰謝料の支払い期日
  • 慰謝料の支払いが滞った時の利息
  • 養育費の金額(離婚後300日以内に出産する予定の場合)
  • 親権
  • 財産分与の割合や分割する資産の種類、取扱いなど
  • 面会交流(子どもが非親権者と定期的に交流する権利)のルール

これらを示談書にまとめておきましょう。また、より強制力を持たせたい場合は、専門機関にて発行できる強い証拠力を持つ「公正証書」を作成しましょう。

公正証書にしておけば、慰謝料の支払いが滞っても、裁判をせずに強制執行ができます。繰り返しになりますが、これらの作業は大変なので、妊娠中なら特に弁護士に任せることをおすすめします。

なお、夫に対して慰謝料を請求する場合は、基本的に話し合いによって決定をします。話し合いで決められれば諸費用を抑えられますしスムーズです。

ただし、話し合った内容は記録しておかないと「言った言わない」のトラブルになってしまいます。そのため、録音やメモをして記録しておきましょう。より正式な形で記録したい場合は、夫婦の取り決めに関しても「公正証書」を作成しておくと良いです。

交渉で合意を得られない場合は法的措置をする

場合によっては交渉によって、慰謝料の支払いに応じてもらえないこともあります。このような場合では法的措置をとることになります。

夫との話し合いが進まない場合は、調停委員を交えた「離婚調停」をするのが一般的です。これは夫婦間で話し合うのではなく、2人のあいだに調停委員を立てて仲介してもらいながら解決を目指します。

なお、慰謝料についてまとまらない場合は、最終的に慰謝料請求権の有無を裁判によって判断してもらいます。これまでの浮気の証拠を元に、裁判によって夫婦のどちらにどのような責任があるのかをここで決めるということです。

裁判では非常に長い時間がかかるため、判決以外に和解という選択肢を提示されることもあります。特に妊娠中・出産直後だと裁判で時間を浪費してしまう方が損という考えも十分あります。

そのため、状況次第では和解を選ぶことも検討しましょう

ちなみに裁判をすると、これまでとは別途で弁護士費用が発生します。弁護士費用は慰謝料の内容や裁判の期間などによって大きく異なります。そのため、裁判というのは最終手段と考えて、できるだけ話し合いで解決することを目指しましょう。

【番外】妊娠中に浮気する妻への対応

妊娠中の浮気は夫だけでなく、妻がすることもあります。妊娠中の妻が浮気する主な理由としては以下のとおりです。

  • 妊娠によってホルモンバランスが乱れて性欲が強くなった
  • 性欲が強くなったけど夫が相手してくれない
  • 妊娠することで女として見られなくなったと不安に感じた
  • 妊娠中の不安を払しょくしたかった
  • 夫に浮気されて仕返ししたくなった

場合によっては托卵の可能性もあるため、正しく対応することが大事です。なお、夫の浮気を防止できるように、妻の浮気も防止することは可能です。

対応方法や防止策について確認しておきましょう。

妊娠中の妻が浮気した場合の対応

妊娠中の妻が浮気したときの対応は、大きく分けて以下の4種類となります。

  • 離婚も慰謝料請求もする
  • 離婚して慰謝料請求しない
  • 離婚しないで慰謝料請求する
  • 離婚も慰謝料請求もしない

基本的には、冒頭で紹介した夫が浮気したときと変わりません。男性も女性と同じように慰謝料請求ができるため、弁護士と相談しながら進めていきましょう

なお、妊娠中に妊婦にストレスを与えると、お腹の中の子どもにも影響が出てしまいます。そのため、いくら浮気されたからといっても、妊娠中の妻に対して過度に攻撃的にならないよう心がけましょう。

また、妻が長期にわたって、つまり妊娠前から浮気をしていた場合、托卵の可能性も出てきます。つまり、いま妻のお腹の中にいる子どもは、自分の子どもではなく、浮気相手の子どもである可能性があります

そのため、子どものDNA鑑定についても検討する必要があります。托卵の可能性がある場合は、今後の養育費の支払い、離婚の流れなどにも影響するため、より入念に弁護士と相談しながら進めていきましょう。

妊娠中の妻の浮気防止策

前述したように、妊娠中の妻はホルモンバランスの乱れや精神的な不安などにより浮気をしてしまうことが多いです。そのため、夫が妻を気遣い、サポートすることで防げることも少なくありません。特に、家事は率先して夫がおこなうと良いでしょう。

夫は「妻は仕事をしていないから妊娠中でも家事をしてほしい」と感じることもあるかもしれません。しかし、たとえそのような意見が正しかったとしても、夫婦で円満な生活をするためには多少どちらかが負担をしなければいけない場面も出てきます。

妊娠中は特に妻は不安定な状態となっているので、子どものためにも多少のストレスは夫が担いましょう。

まとめ

妊娠中に浮気をされたら、慰謝料請求・離婚をどのようにするのかを決めます

より厳しい対応をするなら、慰謝料請求と離婚どちらも突き付けましょう。関係の改善を図るために、慰謝料請求も離婚もしないという手もあります。

すべては浮気された側の裁量によって変わってくるので、今後産まれてくる子どもや経済状況など、あらゆる要素を加味して検討しましょう

なお、妊娠中はホルモンバランスの乱れによって、正常な判断ができないこともあります。そのため、場合によっては出産後に離婚や慰謝料請求の手続きを進めていくのも一つの手です。

どうしても妊娠中に手続きを進めたい場合は、弁護士に相談して、さまざまな手続きを代理してもらうと良いでしょう。

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