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2025年03月現在

債務整理をすると給料や財産が差し押さえられる?

借金問題を抱えている場合、債務整理を検討することも1つの手段です。とはいえ、「債務整理をすると給料や財産が差し押さえられるのか」のように不安を抱えている場合では、実際に手続きを進めるのも難しいことでしょう。

結論からいえば、債務整理が原因で給料や財産が差し押さえられることはありません。そもそも、差し押さえになる原因は滞納にあり、債務整理は借金問題を解決する目的の手続きだからです。

債務整理をせずに借金問題を放置してしまうと、最終的には財産が差し押さえられてしまいます。その際に債務整理をすれば、むしろ差し押さえを回避できるケースもあります。

そのため、自力で解決するのが難しい借金問題を抱えている場合には、債務整理を視野に入れておくのが得策です。

とはいえ、債務整理には3種類の手続きがありますが、自己破産の場合は給料や財産を手放さなければならないデメリットがあります。また、すべての債務整理に共通して生じるデメリットもあるため、これらを十分に把握したうえで手続きするべきかを検討するのがよいでしょう。

当記事では、債務整理をすると給料や財産が差し押さえられるのかをテーマに、差し押さえを回避する対処法や差し押さえの対象財産などを解説していきます。

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監修
弁護士法人アクロピース
伊藤 俊太郎(弁護士)

債務整理がきっかけで給料や財産が差し押さえられることはない

「債務整理をすると給料や財産が差し押さえられるのか」と考える人もいるかもしれませんが、債務整理が差し押さえのきっかけになることはありません。というのも、借金問題における財産などの差し押さえは、借金を滞納したことが原因で発展するためです。

そもそも、債務整理は借金問題を解決するための手続きです。借金を滞納している状態を改善することにもつながる手続きであるため、債務整理が差し押さえの原因になることはありません。

なお、借金を滞納している場合、最終的には給料や財産の差し押さえに発展します。差し押さえになるまでの期間は明確に定められていませんが、あくまで一般的には3か月以上の滞納が目安とされています。

そして、詳しくは後述しますが、債務整理をすれば差し押さえ手前の状態であっても、差し押さえを回避できるケースもあります。そのため、借金滞納による差し押さえが不安な場合には、債務整理を視野に入れつつ弁護士や司法書士に相談することを検討してみてください。

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債務整理がきっかけで財産が没収・処分となることはある

借金問題における差し押さえは滞納が原因であると解説しましたが、債務整理の手続き種類によっては財産の一部が没収・処分となることがあります。

前提として、債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあります。そして、任意整理は原則該当しませんが、自己破産の場合は、手続きがきっかけで財産が没収・処分となってしまいます。

自己破産とは、抱えている借金の返済義務をすべて免除してもらうための手続きのことです。債務整理のなかで最も借金減額効果が大きい手続きですが、デメリットとして一定以上の価値がある財産を処分しなければなりません。

債務整理は給料や財産の差し押さえを回避するための対策にもなる

債務整理は差し押さえの原因になるものではなく、むしろ借金問題を解決するための手続きです。すでに借金を滞納している場合であっても債務整理は可能で、手続きをすることで給料や財産の差し押さえを回避できるケースもあります。

債務整理によって給料や財産の差し押さえを回避できるかどうかは、「利用する手続きの種類」「手続きをするタイミング」によって変わります。具体的な例としては、下記が挙げられます。

  • 任意整理:差し押さえ前であれば回避できる可能性がある
  • 個人再生:差し押さえを止められる
  • 自己破産:差し押さえを止められるが財産などの処分が必要になる

簡単にまとめれば、個人再生と自己破産であれば差し押さえが実行されていても停止させられます。また、任意整理でも手続きが開始される前であれば差し押さえを回避できる可能性はあります。

ここからは、債務整理によって給料や財産の差し押さえを回避できるケースについて解説していきます。

任意整理:差し押さえ前であれば回避できる可能性がある

任意整理とは、返済条件を見直してもらうために債権者と交渉をする手続きのことです。裁判所を通すことなく債権者と交渉をする手続きであるため、「任意整理をすれば必ず〇〇ができる」のように断言することはできません。

とはいえ、差し押さえが実行される前の段階であれば、任意整理によって差し押さえを回避できる可能性はあります。

借金問題における差し押さえは、なるべく損失を抑えたい債権者が裁判所に申し立てをすることで発展するものです。いわば借金返済がない場合の最終手段ともいえます。

時間や費用もかかることから、可能であれば裁判や差し押さえになる前に回収したいと考えるのが自然です。そのため、差し押さえが開始される前であれば任意整理に応じてもらえる可能性があるのです。

ただし、あくまで可能性の話であって、差し押さえ前であれば必ず回避できるとは断言できません。一般的には「差し押さえ前に任意整理をすれば回避できる」と言われることもありますが、状況次第では回避できないケースも考えられます。

とくに、借金滞納が長期化しているケースや、任意整理による交渉が難航しているケースであれば、差し押さえに発展してしまうことも考えられます。任意整理で差し押さえを回避したいのであれば、早期で問題を解消するためにも弁護士や司法書士に相談するのがよいでしょう。

任意整理には差し押さえを停止させる効力はない

任意整理はあくまで交渉であり、差し押さえを停止できるような法的効力はありません。差し押さえが発展する前であれば停止できる可能性はありますが、それは債権者の判断次第です。

逆にいえば、すでに差し押さえに発展していたとしても、債権者の判断次第では任意整理によって差し押さえを停止できる可能性は0ではありません。とはいえ、すでに差し押さえに発展している場合で債権者が交渉に応じるケースは少ないのが実状です。

任意整理には、将来の利息をカットしてもらい毎月の返済額を減らせる、裁判所を介さないため自己破産や個人再生に比べて債務整理費用も安く済ませられるというメリットがあるものの、差し押さえにまで発展している状況では個人再生や自己破産を勧められるケースが多いでしょう。

そのため、差し押さえに至る前に対策をしておくことがとても重要なのです。

個人再生:差し押さえを止められる

個人再生とは、裁判所を通して借金自体を減額するための手続きのことです。原則としては、抱えているすべての借金が個人再生の対象になります。

そして、個人再生は「民事再生法」という法律に則って行われ、第39条では下記のように定められています。

再生手続開始の決定があったときは、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等若しくは再生債権に基づく外国租税滞納処分又は再生債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立てはすることができず、破産手続、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分並びに再生債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止し、特別清算手続はその効力を失う。
引用元 e-Gov「民事再生法」

端的に言えば、個人再生をした場合、債権者は強制執行の申立てができなくなります。また、個人再生は債務者の生活再建を目的としていることから、民事再生法第39条の2項によってすでに開始されている差し押さえは中断されます。

つまり、個人再生をすれば、すでに差し押さえが開始されている状態であっても差し押さえを回避することができるのです。

自己破産:差し押さえを止められるが財産などの処分が必要になる

自己破産とは、原則として抱えているすべての借金が帳消しになる手続きのことです。個人再生と同様に裁判所を通した手続きが必要です。

そして、自己破産は「破産法」という法律に則って行われ、第42条では下記のように定められています。

破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。
引用元 e-Gov「破産法」

自己破産の手続き開始が決定された場合には、強制執行ができなくなります。また、自己破産も債務者の生活再建を目的とする手続きであるため、破産法第42条の2項によって強制執行は失効されます。

つまり、自己破産をすれば、すでに差し押さえが開始されている状態であっても差し押さえを回避することができるのです。

ただし、前述したように、自己破産をした場合には車や持ち家といった財産を処分しなければなりません。そのため、自己破産を検討している場合には、どのような財産が差し押さえの対象になるのかを事前に把握しておくことも大切です。

税金の滞納による差し押さえは債務整理で回避することはできない

ここまでは借金を滞納している場合の差し押さえについて解説してきましたが、税金を滞納した場合も差し押さえに発展してしまうケースもあります。

借金の滞納による差し押さえは債務整理で回避できるケースもありますが、税金の滞納による差し押さえは債務整理で回避することはできません。債務整理の対象はあくまで借金であり、税金は該当しないためです。

そのため、税金の滞納によって差し押さえの通知書が届いているような場合、債務整理以外の方法で差し押さえを回避することを考えるべきと言えます。

借金滞納が原因で差し押さえになる財産の例

借金滞納が原因で差し押さえに至ったとしても、給料や財産のすべてを失うわけではありません。債務者の最低限の生活を保障するため、差し押さえ可能な財産が制限されているためです。

ただし、差し押さえに発展した場合、さまざまな財産が差し押さえの対象になります。あくまで一例ですが、借金滞納が原因で差し押さえになる財産の例には下記が挙げられます。

  • 給料の手取り額の4分の1
  • 土地や家といった不動産
  • 銀行口座の預金

ここからは、借金滞納による差し押さえの対象となるものを以下で詳しく紹介していきます。

ワンポイント解説

○法律で差し押さえが禁止されている財産もある

差し押さえに発展した場合、自身が所有しているすべての財産が差し押さえ対象になるわけではありません。「民事執行法」という法律によって、差し押さえが禁止されている財産もあるからです。

  • 66万円以下の現金
  • 衣服や寝具、家具、家電など生活に欠かせないもの
  • 業務に欠くことができない器具
  • 仏像、位牌

これらの財産は差し押さえ対象にはなりません。そのため、差し押さえが行われたとしても、手元に残しておくことが可能です。

給料の手取り額の4分の1

差し押さえを行うことが裁判所に認められると、まずは給料が差し押さえの対象として検討されます。

給料全額を差し押さえられるわけではなく、給料から税金や社会保険料を差し引いた手取り額のうち4分の1までが原則差し押さえの対象となります。たとえば給料の手取り額が20万円とすると、5万円までが差し押さえの対象になる計算です。

ただし、手取り額が44万円を超える場合、33万円を超えた部分に関しては全額差し押さえの対象となるので注意しましょう。つまり、手取り額が45万円だったとすると、12万円が差し押さえ対象になるというわけです。

土地や家といった不動産

カードローンのような無担保のローンで滞納をしたとしても、差し押さえに発展すれば家や土地といった不動産も差し押さえの対象になります。

現在住んでいる家が賃貸物件なら問題ありませんが、持ち家だと差し押さえになり最終的には競売にかけられる危険があるのです。

もしも自宅を手放さなくてはならなくなったとしたら、自分自身だけでなく一緒に暮らしている家族にも迷惑をかけることを十分理解しておきましょう。

銀行口座の預金

債務者名義の銀行口座に預金があると、差し押さえの対象となります。

なお、預金残高が債権額より少ない場合には、金融機関に裁判所から差し押さえ通知が届いた時点での預金残高が全額差し押さえられてしまうので注意しましょう。

ちなみに預金差し押さえは1回限りの手続きなので、裁判所が金融機関へ差し押さえ通知を送達した後に入金した預金に関しては差し押さえの対象外となります。つまり、差し押さえ通知の送達前に銀行口座の預金を全額引き出しておくか、債務者名義の口座を全て解約しておけば預金差し押さえを回避できるのです。

ただし、預金差し押さえを回避できたとしても、67万円以上の現金やその他の財産が差し押さえになることに注意しましょう。

差し押さえの回避のために債務整理をするならデメリットも把握しておくべき

差し押さえを回避するためにも債務整理を検討している人もいることでしょう。その場合、差し押さえを回避できるのかどうかだけでなく、債務整理のデメリットについても把握しておくべきです。

債務整理は借金問題の解決につながるメリットがある反面、今後の生活に支障をきたす恐れがあるデメリットも存在します。債務整理の手続きごとでデメリットは異なりますが、下記はすべての手続きで共通して生じるデメリットです。

  • いわゆる「ブラックリスト入り」になる
  • 利用しているクレジットカードやローンが利用停止になるのが一般的
  • 連帯保証人を立てている場合にはその人に返済義務が生じる

債務整理後の生活に支障をきたしやすいデメリットとして、ブラックリスト入りになることが挙げられます。

「ブラックリスト入り」という表現はあくまで一般的に用いられるものでしかありませんが、信用情報として返済能力を疑われやすい履歴が残っているために、ローンなどの審査に通りづらい状態のことを指します。

債務整理後は最長5年〜7年の間ブラックリスト入りになるため、今後5年〜7年はクレジットカードやローンを利用できない可能性もあるのです。

このようなデメリットもあることから、債務整理をする場合にはデメリットを十分に把握したうえで、本当に手続きをするべきかを検討することが大切です。

債務整理をせずに給料や財産の差し押さえを回避する対処法

差し押さえを回避する対処法としては、下記の方法が挙げられます。

  • 返済が滞ってしまったらすぐに借入先に相談する
  • すでに返済が長期間滞っているなら1日も早く弁護士へ相談する

返済が滞ってしまったらすぐに借入先に相談する

差し押さえが執行されるのは、滞納が長期間に渡りなおかつ債務者との連絡が取れないケースが多いです。返済が滞ってしまったらすぐに借入先に相談をするだけでも相手からの印象は大きく変わるでしょう。

もちろん返済が1日でも遅れないことが最も良い方法であることは言うまでもありませんが、やむを得ず遅れてしまったらすぐに借入先に連絡をすれば今後の返済方法について親身に相談に乗ってくれる可能性があります。

無断で滞納を続けて、借入先からの連絡も無視しているような悪質なケースでは差し押さえが執行されるまでの期間も早いと理解しておきましょう。

すでに返済が長期間滞っているなら1日も早く弁護士へ相談する

返済がすでに滞っているのであれば、借入先によっては差し押さえまで間もなくという状況もあり得るので早急に弁護士へ相談しましょう。冒頭でもお伝えしたように債務整理を行うことで差し押さえを回避できるケースがあります。

また、多くの弁護士事務所では相談は無料としているうえ、報酬などは分割払い可能な事務所もあります。まずは弁護士や司法書士に相談をして、今後どのような対応をとるべきかを考えるのが得策です。

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まとめ

借金問題における差し押さえは滞納が原因で起こるものです。そのため、債務整理をしたとしても、それがきっかけで差し押さえになることはありません。

そして、差し押さえを回避するためには借金の滞納をしないことですが、債務整理をすることで差し押さえを回避できるケースもあります。

ただし、債務整理にはデメリットもあり、とくに自己破産の場合には財産を処分しなければなりません。また、債務整理後はいわゆるブラックリスト入りになるため、今後の生活に支障をきたしてしまうおそれもあります。

債務整理をする場合、十分にデメリットを把握しておくことが大切です。そのため、まずは弁護士や司法書士に相談をして、どのような対応を取るべきかを考えてみるのがよいでしょう。

債務整理・差し押さえのよくある質問

債務整理したことが原因で差し押さえを受けることはないのに、巷で「債務整理をすると差し押さえを受ける」といわれているのはなぜですか?

債務整理の一種である自己破産や個人再生を選択した場合、借金をゼロもしくは大幅に減額してもらう代わりとして、財産の一部を没収・処分されることがあります。自己破産や個人再生で財産を没収されるのは、厳密にいうと差し押さえとは異なりますが、差し押さえに近い印象を受けるためでしょう。

差し押さえの対象となるのはどのようなものですか?

・給料の手取り額の4分の1
・土地や家といった不動産
・現金や貴金属といった動産
・銀行口座の預金
などが差押えの対象となることが多いです。

差し押さえを回避するにはどうすればよいですか?

基本的には、返済を滞納しない限り差し押さえを受けることはありませんが、もし返済が滞ってしまったらすぐに借入先に相談することが大切です。なお、すでに返済が2ヶ月以上滞っているなら1日も早く弁護士へ相談しましょう。弁護士へ依頼して債務整理をおこなえば、差し押さえを回避し借金の負担も大幅に減らせます。

債務整理で差し押さえを止められますか?

債務整理のなかでも、自己破産や個人再生であれば差し押さえを停止させることができます。ただし、任意整理を選択した場合には差し押さえを停止できない可能性が高いです。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、債務者の状況によって最適な方法は変わるので、法律事務所へ一度相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。

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更新日 : 2025年03月24日
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