25歳で借金100万円は絶望的なのでしょうか?
借金の問題は友人や両親にも相談しにくく、1人で悩んでいる人もいるでしょう。
結論からいえば、25歳で借金が100万円あるからといって、やばいといわれるような状況にあるとは言い切れません。
やばいといわれる状況にあるといえるのは「借金100万円を完済できない」というケースです。そのため、25歳という年齢や借金額ではなく、収入や支出といった自身の状況から、借金100万円を完済する目処が立っているかが重要といえます。
当記事では、25歳で借金100万円を抱えている場合、どのような状況が「やばい」といえるのかをさまざまな観点から解説します。25歳で借金100万円を抱えている場合、自身が本当にやばい状況なのか確かめてみてください。
なお、借金100万円を効率的に返済していく方法や、返済が苦しい時の対策についても紹介します。返済の目処が立てられるのであれば効率的な返済方法を、「やばい」という状況にあれば返済困難な場合の対策を利用することも検討してみてください。
25歳で借金100万円でもやばいとは言い切れない!完済の見込みがなければ危険ライン
25歳で借金が100万円あるからといって、やばいとは言い切れません。やばい状況にあると断言するには、収入や支出などの状況を把握する必要があるためです。
とはいえ、借金100万円を完済できる見込みが立っていない状況であれば、それが危険ラインにいる1つの指標ともいえます。
「貸金業法等の改正について」からもわかるように、金融庁は多重債務者を増やさないためにも、金融機関に対して返済能力を超えた融資を禁止しています。言い換えれば、返済能力を超えた融資は多重債務者を増やしてしまうリスクがあるということです。
そのため、返済能力を超えているほどの融資を受けていることが原因で、完済の目処が立っていないのであれば、やばい状況にあるとも考えられます。
逆にいえば、完済できる見込みが立っているのであれば、25歳で借金が100万円あったとしてもやばいとは言い切れません。
「25歳で借金100万円はやばいのか」と考える場合、自身の状況を考慮しつつ完済の目処が立っているかを基準にしてみるとよいでしょう。
25歳で借金100万円!やばいラインにいると考えられる人の特徴
単純に25歳で借金が100万円あるからといって、それがやばい状態であるとは断言できません。しかし、やばい状態にいると考えられる人には、いくつか特徴があります。
- 借金総額が年収の1/3を超えている
- 複数社からの借入でいわゆる「多重債務者」になっている
- 借金の返済に遅れている
- 返済と借入を繰り返しており元金がほとんど減っていない
いずれかに該当する場合、25歳で借金100万円ある状況が危険であると考えるべきかもしれません。ここからは、借金100万円がやばいラインにいると考えられる人の特徴について解説します。
借金総額が年収の1/3を超えている
借金の総額が年収の1/3を超えている場合、25歳にかかわらず危険なラインにいると考えておきましょう。
貸金業法の「総量規制」では、貸金業者に対して年収の1/3を超える金額を貸し付けることを禁止しています。これは、年収の1/3を超えた貸付は、返済能力を超える可能性があると考えられているためです。
つまり、借金総額が年収の1/3を超えている場合、すでに返済能力以上の金額を借りているとも言い換えられます。
総量規制の観点でいえば、借金が100万円であれば少なくとも年収300万円以上が必要です。そのため25歳で借金が100万円ある場合、年収が300万円あるかどうかが危険ラインの1つになるともいえます。
なお、住宅ローンや自動車ローン、銀行からの借入は、総量規制の対象外です。
複数社からの借入でいわゆる「多重債務者」になっている
複数社から借入をしている状態だと、いわゆる多重債務状態になっている場合があります。多重債務の定義は明確に定められていませんが、一般的に3社以上からの借入がある状態を指すことが多いです。
前提から伝えますが、過去には多重債務者が急増して社会問題になった背景があります。それを危惧した金融庁は、貸金業者などに対して返済能力を超えた融資を禁止したのです。
この状況を踏まえれば、多重債務は返済能力を超えるほどの借入がある状態とも言い換えられます。
つまり、3社以上からの借入があり、総額100万円の借金がある場合には、危険ラインを超えている可能性があるといえます。
たびたび借金の返済に遅れている
「支払えたのにうっかり返済を忘れていた」というケースはのぞきますが、たびたび借金返済に遅れているケースも危険ラインにいる可能性があります。
借金返済に遅れるということは、借入先から請求されている金額を用意できていない状態ともいえます。「特別な事情があってその期間だけ払えなかった」というケースでなければ、たびたびの返済遅れは、返済能力を超えかけている状態にあるとも考えられるのです。
「複数回返済に遅れており、今後も滞納が起きそう」という場合には、危険ラインに足を踏み入れている可能性があるとも考えておきましょう。
返済と借入を繰り返しており元金がほとんど減っていない
返済と借入を繰り返しており、元金である100万円がほとんど減っていない状態も危険ラインにいる可能性があります。いわゆる「借金癖」がついている可能性もあり、その場合には自力で借金問題を解決するのが難しいともいわれています。
とくに、借金を借金で返済している「自転車操業」となっている場合には注意が必要です。この場合、自力返済が困難な状態にあるため、弁護士や司法書士への相談を検討するほどの危険ラインにいるともいえます。
25歳の平均年収からみた借金100万円のやばいラインは?
ここからはさらに、25歳の平均年収を考慮したうえで、借金100万円のやばいラインについて解説します。
転職サイト『doda』が2021年におこなった調査によると、25歳の平均年収は男性358万円、女性323万円、全体341万円という結果でした。
【年代別・年齢別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda(デューダ)
年収341万円とすると、手取り年収は約270万円、ボーナスなしで単純に12か月で割ると、毎月の手取り収入は22万5,000円が平均値です。
年収の1/3までを返済可能額と仮定すると、25歳の平均年収341万円の1/3は約113万円です。
つまり、25歳の平均年収からみれば、借金が113万円を超えると返済が厳しくなる可能性があるといえるでしょう。
ちなみに、平均年収を考慮したうえで113万円を18%で借入した場合を想定すると、毎月約4万円を3年間継続して返済し続けることになります。
全体:341万円(男性:358万円 女性:323万円)【手取り収入】
手取り月収:約22万5,000円【返済不能ライン】
総額113万円(利息18%) 月額4万円(3年)
平均よりも年収が多ければ25歳でも借金100万円を完済できる見込みはある
前述したように、25歳で平均程度の年収があれば、借金100万円は返済可能額のように思えます。
金利が18%であれば、毎月36,152円を返済し続ければ3年ほどで完済できます。そのため、頑張れば20代のうちに完済することも可能でしょう。
ただし、この計画はこれ以上追加の借入をせずに3年間返済だけを続けた場合に限られます。3年の間に以下のような事情が発生した場合には、返済が難しくなる恐れがあります。
- 返済原資が足りない月があり、追加で借入をした
- 急な出費で返済が滞り、遅延損害金が加算された
- 転職や失業などで手取り収入が減った
25歳からの借金100万円返済ルート
25歳から借金100万円を返済していく場合、効率的かつ確実な方法で行うことが大切です。今現在25歳で借金が100万円ある人のために、具体的な返済ルートを解説します。
- 月々の返済額のうち元金に充てられる金額を把握しておく
- 返済計画を立てる
- 固定費・サブスクリプションサービスを見直す
- 金利の高い金融機関から繰上返済をする
月々の返済額のうち元金に充てられる金額を把握しておく
毎月の返済額は、基本的に「元金の返済」と「金利による利息の支払い」に充てられます。そのため、返済した金額のすべてが元金の返済に充てられるわけではありません。
たとえば、借金100万円を毎月10万円返済した場合を想定します。返済額には利息が含まれるため、10万円を10か月間返済し続けたとしても、借金100万円を完済できるわけではないのです。
そのため、25歳から借金100万円を返済していくのであれば、まず毎月の返済額のうち元金の返済に充てられる金額がどれくらいなのかを把握しておくとよいでしょう。とくに金利が高い業者から借入をしている場合、利息が膨らみやすく、元本がなかなか減らないことがあります。
なお、毎月の返済額のうちに占める利息の金額は、以下のような式で求めることができます。
たとえば、A社から50万円を18%の利率で借りている場合、「50万円×18%÷12ヵ月=7,500円」と利息分を計算できます。
返済計画を立てる
借金100万円を完済するためには、具体的に「いつごろ完済できるのか」「そのためには毎月いくら返済すればいいのか」といった点を明確にすることが大切です。そのため、すべての借入先について、月々の返済額、返済日、完済日などをまとめた一覧表を作成しましょう。
どの会社からの借入がいつ完済し、いつまでにすべて完済されるのかなどを一目で確認できるものがよいでしょう。
返済計画のイメージをまとめましたので、作成の際には参考にしてみてください。
会社名 | A社 | B社 | C社 | D社 |
---|---|---|---|---|
返済口座 | ○○銀行A支店 口座番号 123456 |
××銀行B支店 口座番号 234567 |
△△銀行C支店 口座番号 345678 |
|
2022年9月 | 8,000円 | 5,000円 | 7,000円 | 20,000円 |
2022年10月 | 8,000円 | 5,000円 | 7,000円 | 20,000円 |
2022年11月 | 完済 | 5,000円 | 7,000円 | 12,000円 |
2022年12月 | 完済 | 完済 | 7,000円 | 7,000円 |
固定費・サブスクリプションサービスを見直す
借金100万円を返済していくなかでは、毎月の支出を見直すことが大切です。
とくに、固定費やサブスクリプションサービスは一度で大きな節約効果を見込めることもあります。電気を消す、冷房を使わないなど細かい節約はストレスが溜まるうえにそれほど効果は実感できません。
固定費の見直しは面倒ですが、一度変更してしまえば毎月自動的に大きな金額を節約できます。
以下は、1度は見直すべき固定費チェック項目の1例です。
- 家賃が手取り収入に対して高すぎないか
- 電気代は比較して選べばお得になる
- 携帯電話は大手キャリアよりも格安料金で。ネットからの申し込みで利用料を大幅削減
- 不要なサブスクリプションサービスはないかをチェックする
AmazonプライムやYouTubeプレミアムは同居の家族と一本化できないか
配信サービスは一本化できないか など
金利の高い金融機関から繰上返済をする
借金100万円を返済していく場合、なるべく効率的に返済を進めるのが得策です。まずは利息を抑えるためにも、金利の高い金融機関から優先的に返済を進めていくのがよいでしょう。
その際には、積極的に繰上返済をしていくのが効果的です。繰上返済とは、毎月の返済とは別のタイミングに、任意の金額を返済することです。
繰上返済をした金額は、すべて元金の返済に充てられるのが一般的です。そのため、毎月の返済を続けるだけの場合よりも元金が減り、完済までの期間も短縮できます。
ボーナスなどの一時的な収入が入ったら、利息の高い順に優先的に繰上返済をしていきましょう。
消費者金融業者 ≧リボ払い >銀行のカードローン >車のローン >住宅ローン
25歳で100万円の借金をこれ以上増やさないための4カ条
すでに借金をしてしまったことを後悔しても仕方がありません。大切なのは、これ以上借金を増やさないことです。
これ以上借金を増やさないために心がけることは以下の4つです。
- ①収入が上がっても生活レベルを上げない
- ②固定費から節約する
- ③一発逆転は狙わない
- ④返済が苦しい時には恥ずかしがらず人に頼る
それぞれ解説します。
①収入が上がっても生活レベルを上げない
収入が上がると心の余裕がでて、生活レベルを上げたくなることもあることでしょう。頑張ったごほうびに少しぐらいの贅沢はよいかもしれません。
ただし、再び借金生活に戻らないためには、借金しなければ買えないものは買わないことを徹底しましょう。本当に必要か、ただ欲しいだけかを考えて、購入をきめる癖をつけることが大切です。
とくに固定費を1度上げてしまうと、収入状況が変わった時になかなか元に戻れないというデメリットがあります。
今あるお金で買えるものを買うこと、不必要に生活レベルを上げないことを心がけましょう。次のように考えた時には「本当に必要か」と考える時間を設けてみてください。
- 給料が上がったからもっといい部屋に住みたい
- 週末はごほうびに外食にしよう
- 新しいスマートフォンが販売されたからすぐ買い替えよう
②固定費から節約する
固定費の見直しは面倒ですが、効果的な節約方法です。比較すれば必ず安くなる契約も多いのですが、面倒なのでそのままになっている人も多いでしょう。
しかし、面倒でも一度見直してしまえば、その月以降ずっと割引の恩恵を受けることができます。逆に細かい節約は、効果が薄いうえにストレスが溜まることもあり、節約が苦手な人には継続が難しいでしょう。
③一発逆転は狙わない
ギャンブルや宝くじなどで借金生活からの一発逆転を狙うのはやめましょう。
ギャンブルには依存性があり、1度当たりの快感を味わったら抜けだせなくなる可能性があります。
1度ギャンブルに勝つ経験をすると、脳内でドーパミンが活性化します。ドーパミンは「脳内麻薬」の別名があるように、1度味わうと麻薬のようにやめられなくなるのです。
レバレッジをかけた株取引、FXや仮想通貨取引などもギャンブル性があることが指摘されています。
なお、ギャンブルやギャンブル性の高い取引でつくった借金は、たとえ自己破産をしても債務免除されない可能性があります。
✔パチンコ
✔競馬、競輪、競艇などの国営ギャンブル
✔FX
✔株取引
✔暗号資産取引(仮想通貨など)
✔先物取引
④返済が苦しい時には恥ずかしがらず人に頼る
相談しづらい事情があるかもしれませんが、返済が苦しい時には人に頼ることも大切です。
「社会人だから親を頼れない」「専門家に相談するのも恥ずかしい」と思ってしまうかもしれません。
しかし、人を頼ることは決して恥ずかしいことではありません。人を頼ることで早期に再スタートができます。
どうしても自身の力だけでは解決が難しい問題に直面する場面もあります。借金100万円の返済が苦しい時こそ、自力解決が難しい場面の可能性もあるため、親や友人に頼ることを検討してみてください。
借金100万円の返済が苦しいと感じているなら債務整理も検討しよう
どうしても借金100万円が苦しい場合には、債務整理を視野に入れて弁護士や司法書士に相談することも検討してみてください。
債務整理とは、借金問題を解決するための手続きのことです。弁護士や司法書士に依頼して手続きをするのが一般的で「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあります。
概要 | |
---|---|
任意整理 | 債権者と交渉をして、返済条件を見直してもらうための手続き。利息や遅延損害金のカットが認められるのが一般的。 |
個人再生 | 借金を1/5〜1/10程度に減額するための手続き。裁判所を通した手続きが必要。 |
自己破産 | 借金を帳消しにするための手続き。裁判所を通した手続きが必要。 |
※各手続きの名称をタップ・クリックすることで、詳しく解説しているページを確認できます。
借金100万円を抱えている25歳の人のなかには、返済が苦しく生活が困窮している人もいるかもしれません。債務整理をすれば借金問題の解決につながるため、返済が苦しい現状から抜け出すきっかけになります。
後述するように債務整理には大きなデメリットもありますが、借金100万円の返済が苦しい場合には、最終手段として債務整理を検討してみてください。
若いうちであれば債務整理のリスクが比較的少ないといえる理由
債務整理にはメリットだけでなく、さまざまなデメリットがあります。とくに、債務整理をしてから最長5年〜7年の間はいわゆる「ブラックリスト入り」になるデメリットは、今後の生活に悪影響を及ぼしかねません。
そのため、債務整理はあくまで最終手段としての位置付けで考えておくべきです。
しかし、どちらにせよ債務整理をするのであれば、早めに手続きをすればその分若いうちにブラックリスト入りから抜けだすことが可能です。
早ければ30代前半までには事故情報が消え、通常どおりクレジットカードやローンなどを利用できます。
さらに、ブラックリストから30代前半までに抜けられれば、人生で最もお金がかかる時期にローンを組むことが可能です。30代は住宅ローンや教育ローンを組む人も多く、いわば人生で最もお金が必要になる時期ともいえます。
なお、弁護士や司法書士の事務所では、初回のみ無料相談に対応しているのが一般的です。借金返済が苦しい場合、無料相談を活用して自身の状況で債務整理をするべきかを相談してみるとよいでしょう。
まとめ
25歳で借金100万円があるからといって、やばいといわれるような危険な状態にあるとは言い切れません。25歳全体の平均年収は341万円との結果がでており、総量規制の観点からすれば借金100万円は返済可能な金額ともいえます。
ただし100万円を完済できる目処が立っていない場合は、すでに危険なラインにいるともいえます。そのため25歳という年齢ではなく、借金100万円を完済できる見込みがあるのかを基準に、自身が危険なラインにいるのか判断するとよいでしょう。
返済可能であれば、固定費の節約や繰上返済などを行い、より効率的に借金100万円を返済していくのが得策です。万が一返済が難しい場合には、債務整理を視野に入れつつ、弁護士や司法書士に相談することを検討してみてください。
25歳で100万円の借金があることへのQ&A
借金100万円は、どのくらいで返済できますか?
✔借入利息
✔月々の返済額
たとえば、利息18%の消費者金融で借入をしていて、月3万円ずつ返済すると、4年程度かかります。
これを利息12%の銀行ローンなら、月3万円ずつの返済で3年半で完済が可能です。
このように、利息によって返済期間や総返済額は大きく変わるため、借入や返済の際には利息が何%かに注目し、なるべく余分に利息を払わないことを優先的に考えましょう。
年収300万円で、リボやカードの借金が100万円あります。自力で返済できるでしょうか?
リボ払いや消費者金融からの借金は、法律により年収の1/3以上を借り入れることができません。そのため、あなたはこれ以上の追加借入ができません。
債務整理は早く始めた方が選択肢の幅も広がり有利なため、なるべく早めに相談しましょう。
借金が100万円は大したことないと聞きましたが本当でしょうか?
そのため、あくまで世間一般でいえば、借金100万円は決して大したことない金額とはいえないでしょう。