アコムからの一括請求は原則分割払いに変更できない
アコムから一括請求が来ている時点で、原則一括返済しか認められません。
なぜなら、滞納によって「期限の利益」を喪失しているためです。
【期限の利益とは】
「期限の利益」とは、借金を「一括ではなく毎月◯日までに分割で返済していけばよいですよ」という、債務者(あなた)が持つ権利のことをいいます。
これまで、アコムからの借り入れを一括ではなく毎月分割で返済するのを許されていた理由は、「期限の利益」によるものです。
期限の利益は、債務者と債権者(アコム)間の「信頼関係」によって成り立っています。この信頼関係が続く限り、期限の利益は喪失しません。
しかし、債務者が滞納によってアコムとの約束を破れば、アコムからの信用を失います。その結果期限の利益を喪失し、一括返済しか認められなくなるのです。
なお、滞納によって期限の利益を喪失することについては、以下のとおり「AC会員規約」に明記されています。AC会員規約は、アコムと「金銭消費貸借契約」を結ぶ際に確認し、同意しているはずです。
第12条(期限の利益の喪失)
ショッピング等の利用代金について支払期日に弁済金の支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかったとき。
引用元:アコム「AC会員規約」
AC会員規約に同意したうえで契約を締結している以上、滞納した時点で期限の利益を喪失することは避けられず、アコム側の請求に応じるしか選択肢はありません。一括請求されてから分割交渉を試みても、認められない場合が多いでしょう。
ただし、アコムから一括請求がきたあとでも、「債務整理」を行えば分割払いに変更できます。中でも、「任意整理」は比較的簡単に手続きでき、スムーズに分割払いへ変更できる可能性が高いです。
ワンポイント解説
任意整理とは?
弁護士・司法書士を介してアコムに対して「このままでは借金の返済ができないので、借金をカットしたうえで分割払いに変更をしてほしい」と交渉する手続きのことです。アコムとの和解が成立すれば分割払いへの変更が可能になり、利息をカットすることによって返済総額を減額できます。
任意整理が成立すれば、3〜5年の分割払いが認められます。また、和解内容にもよりますが、現在までに発生している利息や今後発生する利息をカットすることで、返済総額を減額できる可能性があります。
一括返済が難しい方にはおすすめの債務整理手続きといえるでしょう。
本来なら一括返済しか認められないにもかかわらず、任意整理を行えばなぜ分割払いに戻せるのでしょうか。その理由は、以下のアコム側の事情にあります。
- 弁護士・司法書士経由で任意整理をされると直接取り立てができなくなるから
- 少しでも多くのお金を回収したいから
任意整理をすると、アコムは債務者に対して直接の取り立てができなくなります。貸金業者であるアコムは、「貸金業法」という法律に従って営業を行う必要があるためです。
貸金業法では、「債務者が債務の処理を司法書士や弁護士に委託した場合は、債務者に直接連絡を取る等の行為ができない」と定められています。(参考:貸金業法「第21条(取立て行為の規制)」)
つまり、任意整理を弁護士や司法書士に依頼することにより、アコムは交渉を無視できない状況になるということです。結果、「少しでも多く債務(借金)を回収するためには、ここで和解に応じておくのが合理的」とアコムは判断しやすくなり、利息カットや分割払いに応じるようになるのです。
任意整理のメリットや減額効果については、以下の記事で詳しく解説しています。そちらもぜひ参考にしてください。
※ 任意整理を弁護士や司法書士に依頼したい方は、以下の「債務整理でおすすめの弁護士・司法書士」ページをご利用ください。
任意整理でどの程度借金が減額できるかシミュレーションすることも可能です。以下の「借金減額チェッカー」をご利用ください。
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一括返済は無理!そんなときに検討すべき対処法
毎月の返済を滞納してしまうということは、「一括返済が難しい状態」であることがほとんどでしょう。そのようなときは、どのように対処すればよいのでしょうか。
不用品を売却して資金を工面したり、家族や友人に借りられそうであれば頼ったりするのもよいでしょう。しかし、売却できるものがなく家族や友人にも頼れないときは、以下の方法を検討してみましょう。
厳しい条件を覚悟でアコムへ分割払いの相談
ダメもとで、分割払いにしてもらえないか「アコム総合カードローンデスク」に相談するという選択肢もあります。
ただし「期限の利益」を喪失している以上、アコムが相談に応じてくれる可能性は低いでしょう。分割払いに応じてもらえたとしても、任意整理のように利息のカットや、3〜5年の返済計画は認められにくいです。
また、一括請求されている時点でブラックリスト入りしている可能性が極めて高いため、一括請求を避けたところで信用情報への影響は回避できないでしょう。交渉が成立する可能性が低く、厳しい条件を出されることを覚悟しておく必要のある選択肢といえます。
債務整理で返済計画の立て直し
一括返済できる資力がない場合や、今後支払っていく自信がないときは、債務整理で解決を目指したほうがよいでしょう。
【債務整理とは】
借金を減らしたりなくしたりできる国の救済制度のことをいいます。「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの種類があります。
種類別の特徴やメリット・デメリットは以下のとおりです。
任意整理 |
利息をカットし、長期(3〜5年)にわたって無理なく返済していく手続き。
【メリット】
・毎月の返済負担を減らせる
・利息をカットできるため返済総額が減額できる
・裁判所を介さないため、比較的簡単に手続き可能
・整理対象を選べる
・官報に掲載されない
・職業制限を受けない
【デメリット】
・借金の元本自体は減らない可能性が高い
・借金の返済義務が残る
・債権者の同意が必要 |
個人再生 |
借金を大幅に減額し、長期(3〜5年)にわたって無理なく返済していく手続き。
【メリット】
・住宅を残せる
・借金を5分の1〜10分の1まで減額できる
・職業制限を受けない
【デメリット】
・整理対象を選べない
・官報に掲載される
・借金の返済義務が残る |
自己破産 |
すべての借金から解放される手続き。
【メリット】
・借金がゼロになる
【デメリット】
・整理対象を選べない
・官報に掲載される
・職業制限を受ける
・最低限の財産しか持てなくなる |
任意整理・個人再生を行った場合、一括請求されたあとでも分割払いが可能です。
また、いずれの債務整理手続きを行う場合でも、弁護士または司法書士に依頼すれば、取り立てが一時的にストップします。任意整理や個人再生での返済が始まるまでの間は返済しなくても構いません。
さらにアコムとの窓口になってくれるため、自分で直接アコムとやりとりする必要もありません。そのため、精神的なストレスを軽減できるという点においても、債務整理手続きはメリットが大きい手続きといえるでしょう。
なお、債務整理手続きを行えば信用情報にキズがつきブラックリストに載ってしまいますが、一括請求の段階まで進んでいることを考えると、すでにブラックリスト入りしている可能性が高いです。
掲載がまだだとしても、このまま支払えなければ同じ結果に行き着くため、そのことが債務整理を行う上でのデメリットにはならないでしょう。実質的なデメリットがなく手続きをできる場合もあるため、一括請求に対応できないなら前向きに債務整理手続きを検討することをおすすめします。
個人再生・自己破産の減額効果については、以下の記事でそれぞれ解説しています。ぜひ参考にしてください。
【注意!】資金工面のためにやってはいけないこと
資金が工面できそうなら、一括返済するに越したことはありません。
ただし、以下のような方法はおすすめできません。
ここでは、資金工面のためにやってはいけないことについて解説します。
1.新しい借金
借金返済のために新しい借金を作ることは、弁護士や司法書士といった専門家の多くが警笛を鳴らす行為です。
なぜなら、一括請求されるような状況で行う借金は単なる一時凌ぎであり、借金問題を根本的に解決できないためです。利息だけがどんどん膨らんでいき、将来的に破産してしまうおそれがあります。
もっとも、一括請求されている時点ですでにブラックリスト入りしている可能性が高いため、そもそも新しい借金はできないと考えられます。そのような状態で貸してくれるところは、ほとんど「闇金」かそれに近いものでしょう。
くれぐれも、一時凌ぎのためにリスクを冒すことはやめましょう。
2.給与ファクタリングなどのグレーな取引
給与ファクタリングや口座の名義貸しなど、グレーな取引が目に止まることもあるかもしれませんが、こちらもおすすめできません。
【給与ファクタリングとは】
給与を債権として売却し、給料前に現金を手に入れることをいいます。給与ファクタリングは本来賃金業登録業者でなければ取り扱えませんが、闇金などの未登録業者が違法に行うことが問題視されています。
給与ファクタリングは、単に給与を担保にしている闇金の貸付である可能性が否定できません。
また、口座の名義貸しのような高額バイトは犯罪に巻き込まれる可能性もあります。目先の返済のために違法行為を行うことは、決して許されません。
不用品売却などの真っ当な方法で返済資金が作れないのであれば、債務整理手続きを検討すべきでしょう。
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アコムに一括返済できない場合に生じるリスクと差し押さえまでの流れ
アコムへの返済を滞納すると、段階に応じてさまざまなリスクが生じます。
滞納期間 |
段階別のリスク |
1日 |
高額な遅延損害金が発生し続ける |
数日 |
電話やメールで入金の確認ができない旨の連絡がくる |
1カ月程度 |
自宅に督促状が送られてくる |
1カ月超 |
督促状を無視すると職場に電話がかかってくるようになる |
2〜3カ月程度 |
ブラックリストに載る |
3カ月超 |
法的措置を示唆する手紙や一括返済の請求が送られてくる |
3カ月超 |
最終的には給料や財産を差し押さえられる |
ここでは、アコムへの返済を滞納し始めた段階から差し押さえを受けるまでの流れを解説します。
1.高額な遅延損害金を請求される
アコムでは、返済が遅れた場合に発生するペナルティ料金「遅延損害金」が、滞納1日目から「年率20%」で発生します。
当然、一括請求されたときはそれまでに発生した遅延損害金が請求され、そのあとも完済するまでは発生し続けます。
仮にアコムからの借金が100万円の場合、アコムの一括請求は滞納から3〜4カ月程度で届くため、この時点で発生している遅延損害金は4万9,315円(90日計算)〜6万5,753円(120日計算)です。ここからさらに1日あたり約548円の遅延損害金が発生しています。
このように、一括請求されたあとも遅延損害金が膨らみ続けていることは留意しておくべきです。
2.電話やメールで入金の確認ができない旨の連絡がくる
返済期日を過ぎても返済を行わなかった場合、入金が確認できないことについて電話やメールで連絡が入ります。
電話連絡は、契約の際に登録した携帯電話に入ります。無視し続けると自宅の固定電話にかかってくるため、自宅にかけてほしくないなら無視せず電話に出るようにしましょう。アコムのeメールサービスに登録しているなら、登録したメールアドレスに以下のタイミングで通知がきます。
この時点できちんと電話に出るか、出られなくても折り返し電話をかけて返済期日の調整をすれば、これ以上のステップに進むことはありません。
返済が難しい場合、電話に出たくないと思うかもしれません。しかし、連絡を無視して状況が好転することはないため、正直に支払えない旨を相談したり債務整理を検討したりなど、逃げずに対応することが大切です。
3.自宅に督促状が送られてくる
返済期日から1カ月程度過ぎても返済を行わなかった場合、自宅に督促状が送られてきます。
はじめは「ACサービスセンター」という名前で送られてくるため、開封しなければアコムからの督促状とはわかりません。この時点では、家族にも「借金を滞納している」ことはバレにくいでしょう。
しかし、滞納が3カ月程度になると督促状の名義が「アコム」になるため、借金の事実が家族に知られる可能性が高くなります。家族にバレたくないなら、遅くとも最初に督促状が送られてきた時点で対処することをおすすめします。
4.督促状を無視すると勤務先に電話がかかってくるようになる
督促状を無視すると、勤務先に電話がかかってくるようになります。
アコムの場合、利用者配慮の観点から、自宅や勤務先への電話は「担当者の個人名」でかけてきます。
勤務先(もしくはご自宅)への在籍確認のお電話は、ご本人以外の第三者に知られることがないようアコムとは名乗らず必ず個人名を名乗ります。
引用元:【アコム公式】プライバシーへの配慮について
しかし、「利用者配慮」とはいっても、仕事に関係なく家族からでもない電話が勤務先に入る時点で不自然です。借金を滞納しているとまでは気づかれなくても、「何かトラブルに巻き込まれているのではないか」と不審に思われる可能性はあります。
また、滞納が3カ月を超えたりアコムからの一括請求を放置をしていたりすると、「アコム」名義でかかってくるようになります。信用にも関わってくるため、勤務先に連絡が来るようになる前に対応する必要があるでしょう。
5.ブラックリストに載る
返済期日を2〜3カ月過ぎても返済を行わないと、「信用情報機関」に事故情報が登録され、ブラックリスト入りしてしまいます。
ブラックリストに載ってしまうと、アコムだけでなくほかの金融機関や消費者金融でも新規借入ができなくなり、以下のようなことが制限されます。
- クレジットカードの利用・新規作成
- ローンの契約
- スマートフォン本体の分割払い
- アパート・マンションの賃貸契約
- 保証人になること
なお、日本の信用情報機関には、主に以下の3つがあります。
ブラックリストに載ったからといって、通知が来るわけではありません。自分の信用情報を確認したいときは、それぞれのサイトから開示請求をしましょう。
ブラックリストの削除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
6.法的措置を示唆する手紙や一括返済の請求が送られてくる
さらに滞納を続けると、法的措置を示唆する内容の手紙(催告書)や一括返済の請求が「内容証明郵便」で送られてきます。
催告書には、支払いに応じない場合に法的措置をとること以外に、支払期限や振込先なども記載されています。期限までに支払えば法的手段は回避できますが、催告書や一括請求を無視すると、裁判などの法的措置に移行する可能性が高いです。
支払いが不可能な場合は、催告書や一括返済の請求が届いた時点で弁護士や司法書士に相談すべきでしょう。
催告書の期日までに払えない場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
7.最終的には強制的に財産を差し押さえられる
アコムからの借金を滞納し続けたり一括請求を放置し続けると、最終的には強制執行が始まります。
【強制執行とは】
債務者が支払いに応じない場合に行われる、債権回収の方法のことです。債務者の財産や給与を差し押さえ、その中から債権を回収します。
給料が差し押さえられれば、会社に借金を滞納している事実がバレたり、生活費が不足したりといったリスクも生じます。
差し押さえを回避するには、一括返済を行う必要があります。無理なら債務整理を検討しましょう。速やかに弁護士や司法書士に相談し、差し押さえストップのための手続きに入ることを強くおすすめします。
注意点は、「個人再生」や「自己破産」であれば強制執行を回避できるのに対し、「任意整理」は裁判所を介さない手続きであり、強制執行を防ぐ効果がない点です。また、アコムが応じなければ行えません。
アコムが任意整理に応じてくれない場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
アコムの滞納から数年後に一括請求が来たらどうするべき?
ある日突然、アコムから一括請求がきて驚いたという人もいるでしょう。
万が一、数年ぶりにアコムから一括請求がきた際には、すぐに支払いに応じるのではなく、滞納から何年経過しているかを確認してください。滞納から5年以上経過していれば、「消滅時効」が成立している可能性もあるためです。
ここでは、「アコムから突然一括請求がきたけど払えない。そもそも払う必要はあるのか?」についてお伝えします。
- アコムから数年経過後に突然請求が来ても返済や返済の約束をしない
- 滞納から5年以上経過しているなら「消滅時効の援用」を行う
数年経過後に突然請求が来ても返済や返済の約束をしない
数年経過後にアコムから突然請求が来ても、返済や返済の約束をしないようにしましょう。
滞納から数年経っていると、時効によって支払義務自体がなくなっている可能性があるためです。時効が成立しているにもかかわらず返済や返済の約束をしてしまうと、あらためて支払義務が発生してしまいます。
アコムは以下のような理由から、回収困難な債権を無理して追わないことが稀にあります。
- 債務者が引っ越して所在不明になった
- 電話番号が変わって連絡がつかなくなった
- 転職をして勤務先がわからなくなった
たとえ債務者の所在や勤務先が不明になっても、調査によって所在を突き止めることは可能です。
しかし、調査には相当な労力と期間を要するため、言ってしまえば「半分諦めてしまう」こともあるのです。借金額が少なかったり、一切の情報が不明になったりなど、費用対効果が見込めなくなれば追わないことがあると思ってよいでしょう。
ただし、アコム側も完全に諦めたわけではないため、何らかの事情で債務者の所在が判明したときには、一括請求を行うことがあります。仮に、滞納開始から数年〜10年以上経っていたとしても、ダメもとで送付する可能性は十二分にあるでしょう。また、そのようなことは実際に起きています。
万が一、突然の請求に驚いて支払いをしたり返済を約束したりすれば、改めて支払い義務が発生するため注意してください。
時効については、次項で詳しく解説します。
滞納から5年以上経過しているなら「消滅時効の援用」を行う
滞納から5年以上経過しているなら「消滅時効」を援用しましょう。
滞納開始日(返済期日の翌日)から5年を経過すると、消滅時効の成立要件を満たすためです。債務者がアコムに対して「消滅時効の援用」を行えば、アコムからの一括請求に対する返済義務はなくなります。
ワンポイント解説
消滅時効とは?
消滅時効とは、債権者(アコム)が債務者(あなた)に対して一定期間、債務の弁済(借金返済)を請求しなかった場合に債権者の権利を消滅させる制度です。
参考:民法「第166条(債権等の消滅時効)」
消滅時効は、下記のいずれかを経過した時点で成立します。
- 債権者が権利を行使できることを知ったときから5年経過時点
- 権利を行使できるときから10年経過したとき
貸金業者であるアコムは返済日等を管理しているため、「債権者が権利を行使できることを知ったときから5年」が適用されます。つまり、「返済日の翌日(滞納開始日)から5年経過時点で消滅時効が成立する」ということです。
【「権利を行使できるときから10年経過したとき」とは?】
「権利を行使できるときから10年経過したとき」とは、「不確定日時に発生し得るとき」を指します。
たとえば、あなたが債権者に対して「私が昇進して部長になったらお金を返すよ」と伝えていたとき、債権者はあなたが部長になった日時を知りません。よって「権利を行使できるとき(借金返済を請求できるとき)」を知らないわけです。
そのため、あなたが部長になった日から10年経過するまでは時効の成立要件を満たしません。
ただし、あなたが債権者に対して「私は部長に昇進しました」と伝えた場合は、そのときから5年で消滅時効の成立要件を満たします。
消滅時効は期間の経過に伴って自動的に成立するものではありません。あなたが債権者(アコム)に対して、時効の援用をしてはじめて消滅時効が成立します。
時効援用の方法としては、あなたがアコムに対して「時効の援用をします」と伝えるのみです。非常に簡単に思えますが、失敗すると時効を更新(下記参照)してしまったり、時効の援用ができなかったりします。
時効を援用する際には、弁護士などの専門家に依頼したほうがよいでしょう。時効援用にかかる費用は数万円程度です。一括請求された残債がすべてなくなることを考えれば安い金額といえるでしょう。
【時効の更新とは?】
「時効の更新」とは、時効成立までの起算日を更新することです。通常、滞納開始日から5年経過すれば消滅時効の成立要件を満たします。ところが、下記のことが起こった場合には、起算日がその日に更新されてしまいます。
・債務の承認
・裁判上の請求(裁判所からの督促状等)
・強制執行等
とくに注意すべきは「債務の承認」です。
たとえば、アコムからのしつこい取り立てに折れて「◯月◯日までにお支払いをします」と伝えたり、実際に支払ったりした場合などが該当します。この場合、債務(借金)の存在を認めたことになるため、時効が更新されてしまいます。
そのほか、アコムが法的手続きに移行した場合も時効が更新されるため注意してください。アコムから催告書を受け取った場合も、催告時から6か月間だけ時効が更新されます。
まとめ
今回は、アコムからの一括請求が払えないとどうなるのか?正しい対処法とは?についてお伝えしました。
アコムから一括請求されてから分割交渉をしても、原則一括返済しか認められません。とはいえ、今までアコムからの借金を滞納していた人が、突然一括請求をされても支払いは難しいでしょう。
どうしてもアコムからの一括請求を払えないときは、債務整理を検討して分割払いや借金の免責を狙ってください。
「どうせ払えないから」と放置をしていると、そう遠くない時期に必ず法的手続きに移行されてしまいます。法的手続きに移行されてしまえば、財産や給料の差し押さえは避けられません。家族や会社にも、借金滞納の事実がバレてしまうでしょう。
しかし早い段階で正しい行動をすれば、最悪の事態は回避できます。
債務整理のうち、「任意整理」であれば家族や会社にバレることなく手続きを始められます。アコムから一括請求がきた時点で、弁護士や司法書士へ相談してみてはいかがでしょうか。
最短即日取立STOP!
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